平成19年度・地球工学研究所の知的財産に関する報告会 - 資料集

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Transcription:

地盤環境モニタリングの広域化とコスト低減のための無線センサネットワークの実用化に関する検討 地球工学研究所地圏科学領域池川洋二郎 Email:ikegawa@criepi.denken.or.jp 1

背景と目的 背景 : 豪雨, 地震などによる斜面災害に対する維持管理や減災技術の適用による効果や機能をモニタリングにより評価することが重要である. 必要性 : モニタリングの広域化と, 低コスト化が可能な技術開発が望まれる. 目的 : 斜面における地下水位や傾斜などの地盤環境モニタリングで実用可能な無線センサネットワークを開発する. 2

無線センサネットワークとは 無線センサネットワークの主な機能 子機 従来の無線通信 無線センサネットワーク 子機 N.G. データの転送 センサ なしなし 子機あり, 通信範囲が広い あり 親機 親機 電源 親機 : 恒常電源子機 : 恒常電源 親機 : 恒常電源子機 : バッテリで稼動 通信可能域 スリープ機能で省電力化 通信可能域 例 無線テレメータ, 無線 LANなど 従来の無線通信 無線センサネットワーク 3

無線センサネットワークの想定された利点 1. 電源や通信ケーブルの敷設や付随する道路建設のコストの低減 2. モニタリング設備の設置工期の短縮 3. モニタリングの広域化. 低 リモセン 合成開口レーダー 世界 計測密度 GEO-NET (GPS) AMEDAS K-NET Hi-NET 国 計測範囲 無線センサーネットワークの適用 地域 高 従来のモニタリング 地点 低 計測精度 無線センサネットワークによる広域化 高 4

課題 1 課題 : 自然の野外環境での無線の伝播特性が不明 実施 : 野外環境で電波の通信特性を試験調査 POINT1: 自然の野外環境 植生 減衰 地形の起伏 市街地 コンクリート面 反射 アスファルト面 5

通信試験の実施箇所と試験設備 用いた通信試験用の機器 赤城試験センターで通信試験の実施 送受信機の仕様周波数帯 :2.45GHz 送信電力 :10mWz 以下電源 :DC12V アンテナ仕様ダイポールアンテナケーブル 1m 6

見通しでの通信試験 草地での試験状況アンテナ間距離と通信成功率の関係アンテナ間距離と電界強度の関係 得られた知見 : 1 アンテナの高さを 1m 上げた場合, 通信成功率をほぼ 100% にするには, 約 -80dBm 以上の電界強度が得られるアンテナ配置が必要である. 2 電界強度が約 -80dBm 以上確保できる最大通信距離は約 300m である. 7

植生による通信障害試験 通信試験の対象にした植生 10m アンテナ間距離と通信成功率の関係 アンテナ間距離と電界強度の関係 子機 ( 移動 ) 撮影方向 98.24 植生 親機 得られた知見 : 1 植生は電界強度を減衰させ, 通信障害となる. 2 電界強度が約 -80dBm 以上確保できる距離は数 10m と短く, 植生を避けたアンテナ配置が必要である. 植生を通した無線通信試験の概要 8

通信の中継試験 N 通信成功確率 :100% 電界強度 ( 送信 ):-81.9dBm ( 受信 ):-81.2dBm 中継試験の結果 通信成功率 :1.3% 電界強度 ( 送信 ):-95.5dBm ( 受信 ):-93.0dBm 通信成功確率 :100% 電界強度 ( 送信 ):-85.9dBm ( 受信 ):-85.4dBm 中継試験の概要 得られた知見 : 1 子機のデータを中継する機能を確認 2 今回の中継試験で, 約 600m の無線通信が可能であることを確認 9

課題 2 課題 : 斜面などのモニタリングに使える無線センサネットワークが無い ( 各分野で応用研究が始まったところ ) 実施 1: メーカーとの共同研究で試作機を製作 実施 2: 地下水位のモニタリングに適用することで無線通信機能の実用性を検証 10

試作した無線センサネットワークの特徴 RF Circuit CPU Memory -Firmware -Data Antenna I/O I/O Battery Clock CONVERTER RF Circuit CPU Memory -Firmware -Data Antenna A/D Clock I/O 子機のブロック図 Sensor Battery SENSOR 親機のブロック図 10Base-T 特定小電力無線 (2.45GHz) の利用 通信距離 : 数 10m( 微弱電波 ) 数 100m 免許不要, 選択可能な機器が多い 本体からアンテナを 2m 上げることができる 子機の特徴既存のセンサが利用可能電圧出力 :0~5V 消費電流 :10mA 程度起動から 1 秒以内に出力値が安定従来の計測精度 信頼性を確保計測インターバル :1 日数回, 変更可能バッテリで稼動 スリープ機能による省電力化 ( 目標 :1 年間 ) 計測データ 不揮発メモリに保存 データ欠測に対し安全 親機からのリクエストに対し, データを転送 100V Adapter CONVERTER LAN は適用性で検証した機能 11

舗装路 試作した無線センサネットワークの適用性の検証 10 33 26 55 30 50 9 4 3 計測孔 有線 無線 2 5 1 13 12 43 Hut 6 7 60 N 74 100m 8 決定した無線通信経路 88 地点概要地下水位の計測孔 :8 孔潅木 ( 高さ最大 10m) が茂る丘陵地標高差 : 最大 50m 領域 :600m 400m 数量子機 :10 台 8 台は水位センサを接続 2 台は無線中継用親機 :2 台 PC:1 台地下水位センサデジタルデータを出力バッテリを内臓計測インタ - バル :4 時間主な用途無線通信機能を利用したデータ収集に利用 12

通信試験による経路の探索 親機 : 通信試験による電界強度の計測 子機 : アンテナは, 植生が伐採された見通しがよい斜面の頂部に設置 潅木が茂る丘陵地で, 地形の凹凸や植生を避ける通信経路を探索 13

アンテナ 子機と親機の設置 子機 バッテリ 2m アンテナ 親機 中継箱 LAN PC 計測孔 水位センサ 子機の設置 計測孔内に設置した水位センサを 有線で接続 親機の設置 LANに親機 PCを接続 13ヶ月(平成19年5月現在)無線通信によるデータ収集に適用 中 センサから出力されるデジタルデータが対象 H19年度 自然災害軽減 メ ンテナンス技術研究連絡会 14

今後の課題 汎用性 : 利用可能なセンサの調査電圧出力タイプのセンサの利用 ( 水位計, 傾斜計, 変位計など ) 出力 0~5V, 消費電流 10mA, 起動後 1 秒以内に出力値が安定 実用性 : 広域化とコスト削減が必要なモニタリングへの適用試作した無線センサネットワークの耐久性, 信頼性の確認 13 ヶ月 ( 平成 19 年 5 月現在 ) 稼動を確認 拡張性 : 現在想定していない条件への対応親機が恒常電源,LAN 等が利用できない場合 通信距離が数 km で, 子機によるデータ転送が現実できでない場合 15