大賞

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よっかいちしくすちくこ みえの防災特別賞 1 団体 かいいくせいしゃれんらくきょうぎかい 四日市市 その他 四日市市楠地区子ども会育成者連絡協議会 平成 23 年度 みえの防災奨励賞 受賞団体 四日市市楠地区子ども会育成者連絡協議会 は 楠地区の子ども会の保護者等で構成される協議会で 三角州という地

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

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はじめに 東日本大震災から2 年が経ちました 津波によりまちが破壊され 数多くの人命が失われたことがテレビ インターネット 新聞等で繰り返し伝えられ 震災直後には県民の防災意識は急速に高まりました しかしながら 現在では この防災意識が早くも薄れつつあります 県では 現在 平成 23 年 10 月に

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

自主防災組織をつくろう

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

障害者 ( 児 ) 防災アンケートの主旨 アンケートの概要 Ⅰ 避難に関すること Ⅱ 情報伝達に関すること Ⅲ 避難所及びその環境に関すること Ⅳ 日頃の備えに関すること 障害者 ( 児 ) 防災アンケート < 配布用 >

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

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2014年度_三木地区概要

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針


(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

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ナラ・シェイクアウトについて

4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

基本事業評価シートA

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

第8章 災害復旧計画

目 次 はじめに 1 新郷地区でのこれまでの取り組み 2 共通の取り組み 3 個別テーマ 4 防犯 4 防災 5 コミュニティー 6

大規模災害時における 難病患者の行動支援マニュアル

1. 結婚についての意識 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚はしたほうがよい ) の割合は男性の方が高い一方 自身の結婚に対する考えについて いずれ結婚するつもり と回答した割合は女性の方が高い 図表 1 図表 2 未婚の方の理想の結婚年齢は平均で男性が 29.3 歳 女性は 2

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

Microsoft Word - 町内会非常時連絡の手引【完成】2.4

04 Ⅳ 2(防災).xls

避難所講演資料

資 料 1

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

H25 港南区区民意識調査

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

平成27年基準年度固定資産税標準 宅地の鑑定評価でのバランス検討体制等に関する説明会資料

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

☆配布資料_熊本地震検証

区(支部)社協会費関係相談記録

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

今治市地域防災計画とは 計画の目的 地域防災計画は 災害対策基本法第 42 条の規定に基づき 今治市防災会議が作成する計画であって 今治市に係わる災害に対して 市 県 防災関係機関が 市民の協力のもとに 災害対策を実施することにより 市民の生命 身体及び財産を災害から守ることを目的として定めています

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

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2. 地域防災計画 ( 地震 風水害 原子力 ) の見直し市の防災対策の基本となる地域防災計画は 平成 20 年 1 月の初版策定後しばらくの間は見直しがなかったものの 平成 23 年 3 月 11 日に発生した福島原発事故を受けて 新たな原子力災害の発生に備え内容を全面的に見直し 住民避難計画を別

西区05-CS5_小

PowerPoint プレゼンテーション

平成 25 年度福岡県自主防災組織設立促進モデル事業 地域防災ワークショップ ( 体験型学習会 ) 中間市底井野小学校区 ( 砂山 中底井野 垣生 上底井野 下大隈 ) 第 1 回目配布資料 平成 2 5 年 9 月 1 2 日 福岡県消防防災指導課

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

国土技術政策総合研究所 研究資料

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防災業務計画 株式会社ローソン

区(支部)社協会費関係相談記録

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

新規文書1

表1

南海トラフ地震発生時の不安 南海トラフ地震が発生した場合 不安や危険に思うことは何ですか?( は 3 つまで ) 66.7% の人が 自宅の倒壊や損壊 49.2% の人が 家族等の安否やその確認手段 と答えています 自宅の

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(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

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第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

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H28秋_24地方税財源

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

1 調査の目的 マイナンバーカード に関するアンケート 区政運営 区政会議 に関するアンケート 区の広聴事業 に関するアンケート 防災 に関するアンケート 防犯 に関するアンケート区民の皆さんに マイナンバーカード取得に関する事や 区政会議 広聴事業の取り組み 住之江区の防災 防犯についてお伺いし

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

学校の危機管理マニュアル作成の手引

はじめに

者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要

訓練時間に専用ブザー音が鳴るよう設定することもできます 以下を参考にして設 定してください 参考: 地震防災訓練アプリ (NTTドコモ) の使用方法 地震防災訓練アプリとは? 事前に本アプリに訓練の日時を設定すると 設定した日時にエリアメール ( 緊急地震速報 ) のブザー音が鳴ります 利用の流れ

指定避難所運営マニュアル.indb

スライド 1

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資料 2 東区まちづくり推進事業の検証結果について ( 平成 29 年度第 2 回東区まちづくり懇話会 ) 開催概要 開催日時 : 平成 29 年 9 月 15( 金 ) 午前 9 時 30 分 場 所 : 東区役所 3 階すこやかホール 熊本市東区役所

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

KONNO PRINT

調査結果サマリー 1. 災害時に はぐれた場合でも6 割以上が 優先して探し 避難所への移動時も9 割以上の方が 行動を共にする と回答 ( 次頁設問 1 2 3) 災害に見舞われた時 ペットの対処について尋ねたところ はぐれた場合でも 優先して探す と答えた方が62.9% また指定避難所への移動を

() 港南区の防災 箇条 港南区の防災 箇条は平成 年に定められましたが 初めて言葉を聞いた が% と最も多く 認知度は低くなっています 内容を知っており 箇条をもとに災害時の備えを実施している は% にとどまっています [ 性年代別防災五箇条認知度 ] 高齢者の方が認知度が高くなる傾向にあり 男女

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

スライド 1

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Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

国の法令改正等の反映近年行われた国の法令改正や防災基本計画の修正内容を反映しました 市町村が 指定緊急避難場所及び指定避難所の指定を進めることを追加 市町村が 被災者の被害状況 配慮事項等を一元的に集約した被災者台帳を作成し 総合的かつ効果的な支援の実施に努めることを追加 首都直下地震対策特別措置法

1 ガイドライン策定の目的と利用方法ガイドライン策定の目的 本ガイドラインは 四国地方の地方公共団体が 災害に強いまちづくりを計画 実施する上において参考になる事項についてとりまとめたものです ガイドラインの利用方法 想定する災害は 南海トラフ巨大地震をはじめとした地震 津波 と 豪雨等による水害

Transcription:

平成 28 年度 ~ 防災の日常化をめざして ~ みえの防災活動事例集 三重県防災対策部 防災企画 地域支援課

はじめに 東日本大震災からまもなく6 年の歳月が経過します また 4 月には 震度 7を2 回記録した熊本県を中心とする大規模な地震災害により 多くの方が被災されました さらに 10 月には 鳥取県中部でも地震が発生し これらの被災地では 今も復興に向けた懸命な努力が続けられています 一方 本県において大きな被害をもたらした紀伊半島大水害から6 年を迎えます 風水害は 平成 28 年年だけでも6 月には九州を中心に 8 月には東北 北海道を中心に甚大な被害をもたらすなど 年々その様相を変えながら厳しさを増しております あらゆる災害に備えるためには 自らの安全は自ら守る 自助 自らの地域は皆で守る 共助 行政及び防災関係機関が担う 公助 の理念に基づいて 県民の皆さん 自主防災組織 事業者 市町 県 防災関係機関がそれぞれの役割を果たしていくことが必要です 近い将来 南海トラフ地震による甚大な被害が想定されている三重県にとっては 災害への備えが非日常的な特別な活動ではなく 日々の生活と一体となった当たり前の活動となること すなわち 防災の日常化 を意識しながら 備えを進めていく必要があります 日頃から災害に対する十分な備えを実践して 防災 減災に向けた活動が日々の生活と一体となった 防災の日常化 を実現させましょう この事例集は みえ地震対策の日シンポジウム において表彰された 平成 28 年度 みえの防災大賞 受賞団体の 特色ある自主的な防災活動を皆さんにご紹介するために作成しました これらの活動を参考に 県民の皆さんがお住まいの地域に合った防災活動に取り組み 災害に強い三重を一緒につくっていきましょう 平成 29 年 1 月 三重県防災対策部 平成 28 年 12 月 10 日 ( 土 ) に伊賀市あやま文化センターで開催した みえ地震対策 の日シンポジウム で 平成 28 年度 みえの防災大賞 表彰式が行われました

目次 平成 28 年度みえの防災大賞受賞団体として県内各地で特色ある自主的な防災活動を行っている団体を募集し審査を行い みえの防災大賞 1 団体と みえの防災奨励賞 5 団体を表彰しました みえの防災大賞賀田自主防災会ひまわりの会 1 ( 尾鷲市 ) みえの防災奨励賞 ( 五十音順 ) 社会福祉法人杏南会特別養護老人ホームたちばな園 2 ( 熊野市 ) 中央ゆめづくり協議会防災防犯部会 3 ( 名張市 ) 浜郷地区まちづくり協議会 4 ( 伊勢市 ) 三重外湾漁業協同組合 5 ( 南伊勢町 ) 度会郡大紀町立錦小学校 6 ( 大紀町 )

大賞 平成 28 年度みえの防災大賞 賀田自主防災会ひまわりの会 賀田自主防災会ひまわりの会 は 構成会員の大半が高齢者等の要援護者である中 自分たちの命は自分たちで守る 一人の犠牲者も出さない ことを基本理念に 平成 24 年 2 月から活動しています 賀田奥地区は 賀田地区中心部から離れており 地域全体が津波浸水区域であるものの 周囲に適切な避難所等がなかったため 地域住民自らの手で高台へ避難所を整備しました また 日頃から住民同士の関係性を重視し 整備した避難場所をサロンがわりに 一日一回近隣住民で集まり話し合いをし 逃げ遅れないための体力づくりに向けたラジオ体操の実施や 避難所の維持管理にも努める等 参加しやすい組織づくりを構築しています 避難所には ソーラーパネル 簡易トイレ 炊き出し用のコンロを設置し 飲料水や備蓄食についてもすべて自らが確保し 大規模災害時に備えています さらに 世帯台帳 安否確認票を作成し リヤカー等を利用した災害時要援護者避難訓練 安否確認訓練 炊き出し訓練等を実施しています このように 同会は地域防災の活性化に貢献しており 高齢化が進む他団体や他地域への見本となり 同様の取組の広がりが大いに期待されます 地域住民自ら整備した避難所 ( ソーラーパネル 炊き出し用コンロ 簡易トイレ 飲料水の確保 ) 防災訓練 ( 災害時要援護者への声かけ 災害時要援護者避難支援 炊き出し ) の様子

社会福祉法人杏南会 特別養護老人ホームたちばな園 社会福祉法人杏南会特別養護老人ホームたちばな園 は 東日本大震災など過去の大災害時における福祉避難所の設置 運営に関する課題を踏まえ たちばな園での福祉避難所の設置 運営を円滑に行うことを目的に活動しています 内閣府が示したガイドラインで設定された人員配置や必要面積等の基準を 交代要員や介護スペース等を勘案し 検証のうえ独自に改善し 三重県で初めて福祉避難所運営マニュアルを作成しました また マニュアル作成のみにとどまらず 同マニュアルに基づき避難所運営訓練を繰り返し行うことで 新たな課題を発見し すぐに改善を図るなど継続した取組を進めており 三重県内の福祉避難所運営マニュアルのスタンダードになることをめざしています これら取組が 他の福祉避難所の取組への広がることも期待されます キックオフ講演会 ワークショップにおけるマニュアルの検討 作成した福祉避難所運営マニュアル マニュアルに基づいた福祉避難所運営訓練の様子

中央ゆめづくり協議会防災防犯部会 中央ゆめづくり協議会防災防犯部会 は 自分たちの街は自分たちで守ることを目的に地域住民全体が参加 協力して訓練やイベントを実施しています 当地域は新しい住宅が多く 災害時には在宅避難が多いことが想定されるため 1 週間分の備蓄とローリングストック法を推奨しており 自宅の備蓄品だけで何食分の料理を作ることができるか 何日過ごせるかを考えるためのゲーム サバイバルクッキングゲーム を考案し 実践的に取り組んでいます さらに 備蓄食材で誰でも簡単に作れるアレンジレシピ 缶乾レシピ を提案しています また 100 円で揃えることができる防災グッズについて提案する等 住民視点の活動を行っています こうした防災が身近なものに感じられる取組は 地域の防災意識の向上につながっており 今後の活動の広がりも大いに期待されます サバイバルクッキングゲーム 男の料理教室とのコラボレーションと 缶乾レシピ ( 写真 : さば味噌煮缶でなんちゃって冷汁 ) 地域のイベントでの啓発活動 子育て世代への 100 円防災 の提案

浜郷地区まちづくり協議会 浜郷地区まちづくり協議会 は みんなでつくろう安心 安全のまち をテーマに地域づくり まちづくりを行っているなかで 自分たちで助け合い災害から身を守る として防災を重点目標に平成 24 年から取り組んでいます 防災活動として 平成 25 年度に防災 3 ヶ年計画を定め 1 命を最優先にした緊急避難体制の確立 2 守った命を危険にさらさない避難所運営体制の確立 3 一日でも早い復興に向けた避難所運営を活動目標としており 計画的に取り組みました 平成 28 年度から新防災 3 ヶ年計画を定め 1 地区防災組織づくり 2 地区で使用する避難所の確立 3 防災資機材の拡充及び非常用物資の備蓄 4 要配慮者への対応を活動目標に取り組むこととしています また 小学生向けの避難所運営ゲーム (HUG) 浜郷ハグハグ を作成し 小学生の防災力向上のための取組も行っています これらの計画的な取組や 小学生も巻き込んだ取組は 地域の防災意識の向上に加え 次世代の防災人材の育成にも貢献しており 他団体や他地域への広がりも期待されるところです 基本計画や各種マニュアルを策定 小学生向けの避難所運営ゲーム 浜郷ハグハグ 運営本部 安否確認平成 27 年度浜郷地区総合避難誘導訓練炊き出し訓練

三重外湾漁業協同組合 三重外湾漁業協同組合 は 漁業者にも避難の指針となる対策が必要として 海から目線の防災対策と銘打って平成 24 年 8 月から取組を行っています 海上の漁船への情報伝達手段の検証を行うとともに 操業場所からの津波避難について沖合避難か陸上避難かを意思決定するため 最寄りの港や水深 100m までの所要時間 緊急避難着岸場所も記載した 海上津波避難マップ を作成し 全漁業者に配布するなど 漁業者の意識向上を図っています また 奈屋浦漁港の業務継続計画 (BCP) を作成したり 南伊勢高校と連携し いつも持ち歩く鞄に入れて携帯できる My ゼロパック を考案 開発し 普及啓発に取り組んでいます これらの取組については 全国的にも先進的なものであり すでに様々な機会で取組が紹介され 地域の防災意識の向上にも貢献しており 他漁港への広がりも期待されるところです 南伊勢町内全海域における海上避難マップ 避難マップの説明会と避難検証訓練の様子 奈屋浦漁港水産業事業継続計画 (BCP) の作成と机上訓練 My ゼロパック

度会郡大紀町立錦小学校 度会郡大紀町立錦小学校 は 総合的な学習の時間を防災学習にあて 年 7 回の避難訓練を授業中や休み時間 下校中など様々な時間帯で実施するとともに 東日本大震災の教訓から 子どもたち自身が津波想定にとらわれず より高いところがある高台への避難を意識した避難行動をとるようになっています 今年 実際に緊急地震速報が放送された際には 全児童 全職員が 5 分以内の高台避難を実現しています また 避難所までの時間がわかる避難経路紹介ビデオの作成に加え 錦内のどこにいても近い避難所や所要時間がわかる防災マップを作成し 地域住民だけでなく被災地の子どもたちやエクアドル防災視察団に紹介する等 その取組は学校内に留まらず 地域内外の防災意識の向上や安全安心にもつながっており 他の学校の模範となるものです 避難経路紹介ビデオ 宮城の子ども達の大紀町民泊交流ツアー 年 7 回の様々な場面からの避難訓練の様子 2016 ZENRIN 地図より どこにいても近い避難所や所要時間がわかるマップ作り