<4D F736F F F696E74202D2091C38C8B8D4C95F18E9197BF D F836F815B A A A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

Similar documents
The Sanwa Bank Limited

Microsoft Word - 表紙.doc

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

<4D F736F F F696E74202D B837E814095F18D908E9197BF>

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

スライド 1

ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

ITI

untitled

牛田論文ブック.indb

TPP 農林水産物市場アクセス交渉の結果 1 米 : (1) 米及び米粉等の国家貿易品目 1 現行の国家貿易制度を維持するとともに 枠外税率 ( 米の場合 341 円 /kg) を維持 2 米国 豪州に SBS 方式の国別枠を設定 米国 :5 万 t( 当初 3 年維持 ) 7 万 t(13 年目以

Microsoft Word - ⑤付属資料.docx

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

原産地証明書の種類と内容 内容 用途 根拠協定 / 法律など 一般原産地証明書 原産地証明書発給の要請 : (1) 輸入国の法律 規則に基づく要請 (2) 契約や信用状の指定ただし 記載事項はあくまで発給機関の定める発給規則に基づいて作成される 契約および L/C 条件が発給規則に矛盾しないように注

42

インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

<4D F736F F F696E74202D F837C8A E9197BF A C5816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

TPP11 協定 (CPTPP) の概要目次 協定の発効要件 税率差 : 国別譲許における税率適用国決定ルール 国別セーフガード その他 国別関税割当 牛肉の適用税率 ( 日豪 EPA 税率との比較 ) 輸入後のTPP 特恵税率の要求 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 Comp

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を


第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2017 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 7,006 億円 ( 前年比 27.4% 増 ) で前年より増加し 4 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等であった 2017 年の九州の自動車生産台数

関西 EPA 研究会 ( 仮称 ) 参加のご案内 2 国間から TPP まで - アジアの EPA/FTA を総合的に 2011 年 1 月 主催 : 関西地区 16 商工会議所 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます ご高承の通り わが国の経済連携協定 (EPA) は シンガポール (2

< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

2. 両協定の主な内容両協定締結後は 貨物やサービス貿易における更なる開放 優遇措置のほか 投資 政府調達 知的財産権 人の移動 ビジネス環境整備など 幅広い範囲での提携により 締約国間の貿易 投資の往来が従来より円滑に進むことが見込まれる (1) AHKFTA 貨物貿易香港 ASEAN 間の貨物貿

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

別紙 1 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案による主な改正内容 TPP 整備法の現状 整備対象となる11 本の法律のうち GI 法の改正 : 施行済他 10 本の法律の改正 : 未施行 ( 施行期日は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP12 協

平成18年8月31日

利用状況から見えてくるEPAにおける今後の課題

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

2017 電波産業調査統計

スライド 1

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2016 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 3,346 億円 ( 前年比 15.6% 増 ) と 3 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等となっている 2016 年の九州の自動車生産台数は 135

TBT( 貿易の技術的障害 ) 貿易救済 ( セーフガード措置等 ) 政府調達 も高いレベルの措置を導入 維持できるとされている ) 個別品目の輸入解禁や輸入条件の変更について, 従来よりTPP 交渉参加国より要請されてきた案件が, 交渉参加のための条件とされ, あるいはTPP 協定に付随する約束を

<4D F736F F D CA48B86C9B0C42090CE90EC8D4B88EA2E646F63>

日シンガポール経済連携協定 改正議定書の概要 2 改正交渉の経緯 2002 年 11 月 JSEPA 発効 2006 年 4 月改正交渉開始を決定 ( 第 2 回 JSEPA 総括委員会 ) 06 年 6 月 ~07 年 1 月専門家会合 7 回 2007 年 1 月大筋合意 ( 第 3 回 JSE

財務省貿易統計


財務省貿易統計

財務省貿易統計

PowerPoint プレゼンテーション

財務省貿易統計

1 アンチ ダンピング措置の新規調査開始件数の推移 AD 調査開始件数は 1 貿易自由化が進展した時と 2 景気後退の時に増加する傾向がある 世界金融危機時に増加した後しばらく下降傾向であったが 近年は再び増加傾向 世界的には 2 日に 1 件以上の割合で調査が開始されている

本誌に関するお問い合わせはみずほ総合研究所株式会社調査本部菅原淳一 電話 (03) まで 本資料は 情報提供のみを目的として作成されたものであり 法務 貿易 投資等の助言やコンサルティング等を目的とするものではありま

PowerPoint プレゼンテーション

目次 1 EPA/FTA とは 1 2 EPA( 経済連携協定 ) の現状 2~4 3 世界における EPA/FTA をめぐる状況 5 4 TPP について 6~9 5 日 EU EPA について 10~12 6 交渉中の各 EPA 等について 13~24 7 交渉中断中の各 EPA 等について 2


(Microsoft Word \224N\203\215\203V\203A\213\311\223\214\223\212\216\221.doc)

特集 ロシア NIS 圏で存在感を増す中国特集 ロシアの消費市場を解剖する Data Bank 中国の対ロシア NIS 貿易 投資統計 はじめに今号では ロシア NIS 諸国と中国との経済関係を特集しているが その際にやはり貿易および投資の統計は避けて通れないであろう ただ ロシア NIS 諸国の側

ITI

1. 経済連携協定 (EPA) 自由貿易協定 (FTA) とは 自由貿易協定 (FTA:Free Trade Agreement) 特定の国や地域の間で 物品の関 税やサービス貿易の障壁等を削減 撤廃することを目的とする協定 経 済連携協定の主要な内容の一つ 経済連携協定 (EPA:Economic

ASEAN 包括的投資協定 (ACIA) 修正議定書 ブルネイ ダルサラーム国 カンボジア王国 インドネシア共和国 ラオス人民民主共和国 マレーシア ミャンマー連邦共和国 フィリピン共和国 シンガポール共和国 タイ王国 およびベトナム社会主義共和国の政府 東南アジア諸国連合 ( ASEAN ) の加

129

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

スライド 1

特集 平成 2 5 年 5 月 2 2 日東京税関調査部調査統計課 金の輸出入 2012 年の世界の金需要は 4,405 トン 2012 年に合金も含む金を日本は 132 トン輸出し 11 トン輸入しています 日本の 2006 年から 2010 年の平均年間金産出量は 10 トン足らずですが 200

ITI

18 アジア アセアン生産拠点別の生産台数 マレーシア ( 旧カウント ) 生産拠点 ( タイ ) ( フィリピン ) ( インドネシア ) ( マレーシア ) ( 台湾 ) ( 中国 ) ( 中国 ) * ( 中国 ) * ( インド ) ( バングラデシュ ) ( ベトナム ) 合計 三菱自動車

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

第4章 日系家電メーカーにおけるグローバル化の進展と分業再編成

サービス交渉 DDA のサービス交渉が停滞する中 2012 年 12 月 21 の有志国が今までの FTA 等で達成した水準を基に新協定 ( 新サービス貿易協定 :Trade in Services Agreement) を作成する交渉を開始することで合意 日 米 EU 諾 豪 加 香港 パナマ コ

2015 年末までに交渉を妥結させるとの目標が明記されている 2 これまでの交渉では 基本指針に基づき 分野別の作業部会やその下部組織が設置され 交渉が進められている ( 図表 2) これを受けた今次閣僚会合の最大の注目点は モダリティ に合意できるかどうかであった モダリティとは 交渉の進め方に関

メキシコの投資環境 輸出規制メキシコにおいては 石油化学製品派生品を輸出する際に輸出事前許可が必要である 経済省貿易細則 判断基準の細則 同添付 において 経済省管轄の輸出規制品目について定められている 図表 16-2 輸出時にメキシコ経済省からの事前許可が必要な品目 分類

Microsoft Word - 10 統計 参考.doc

タイトル□□□□□□□□□□

目次 1. はじめに 2. 原産地基準 3. 原産地証明制度 4. 税関での手続き 本パンフレットは 税関での適正な手続きを行っていただくために 原産地規則についての基礎的な理解を深めていただくことを目的として作成したものです 理解しやすさの観点から 法令の用語と異なる用語を使用した部分 全てのEP

18 アジア アセアン生産拠点別の生産台数 マレーシア ( 旧カウント ) 生産拠点 ( タイ ) ( フィリピン ) ( インドネシア ) ( マレーシア ) ( 台湾 ) ( 中国 ) ( 中国 ) * ( 中国 ) * ( 中国 ) * ( インド ) ( バングラデシュ ) ( ベトナム )

EXPORT PROMOTION STRATEGIES

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

3 広域 FTA 4 域外との FTA に分けられる (AFTA および ASEAN+1FTA) 20 世紀の最初の 10 年間の成果は AFTA の実現と ASEAN とアジア太平洋地域の主要国との間の FTA の締結である 2010 年 1 月に ASEAN6 が関税を撤廃し AFTA はほぼ実

「第12回信用金庫取引先海外事業状況調査結果 資料編」

第9章 タイの二輪車産業-好調な国内市場と中国の影響-

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

2016 年の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 確定値 ) ドル表示 輸出入前年輸出前年輸入合計前年 =100 =100 =100 バランス ロシア 16,410, ,125, ,285, ,159,423 ウクライナ 883,

近畿圏における電気機器の貿易動向 平成 24 年 10 月 22 日大阪税関調査統計課 貿易額推移 近畿圏における電気機器の貿易額は 2000 年に初めて輸出額が 3 兆円を突破し 輸入額が 1 兆円を突破しました 輸出額は 2001 年に一旦減尐しますが その後は右肩上がりで増加し 2005 年に

1.EPA の輸出創出効果と課題 (1) 日本の EPA の現状 分類 EPA 締約国 地域 ( 発効月 ) 発効済み (13 協定 ) 交渉中 (10 協定 ) 2002 年シンガポール (11 月 ) 2005 年メキシコ (4 月 ) 2006 年マレーシア (7 月 ) 2007 年チリ (

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

PPTVIEW


日 EU EPA の主なメリット :EU 市場の開拓 平成 29 年 8 月外務省経済局 EU の関税の撤廃や規制の撤廃 緩和により, 様々な国産品の輸出拡大,EU の市場開拓が期待されます 工業製品 品目数 輸出額 (EU 向け約 5.8 兆円 ) で,100% の関税撤廃を達成し,EUへの輸出の

Microsoft Word - ブラジル経済概観(2019年2月)

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

第 3 章 東アジアにおける貿易投資の深化と成長モデル転換に向けた我が国の貢献 第 1 節 第 2 節 第 3 節 東アジアにおける貿易投資動向 我が国企業と東アジアの関わり 我が国の貢献可能性

Microsoft Word - 14sekai.doc

<4D F736F F F696E74202D A8E518D6C8E9197BF E95FB90E096BE89EF816A>

スライド 1

Microsoft Word - åł½éıłã…fiㇸㅓㇹå®�剎å®�ç¿™2017.doc

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

Transcription:

日 ASEAN 包括的経済連携 (AJCEP) 協定 交渉妥結等について 平成 19 年 11 月

目次 Ⅰ. 日 ASEAN 関係基礎情報 Ⅱ. 日 ASEAN 貿易の概況 Ⅲ. 日 ASEAN 投資の概況 Ⅳ.AJCEP 協定のメリット Ⅴ. 交渉の経緯と現状 Ⅵ. 物品 Ⅶ. その他の分野 ( 参考 ) 東アジア諸国とのEPA 交渉の現状

Ⅰ. 日 ASEAN 関係基礎情報 1. 日 ASEAN 関係の歩み 1967 年 :ASEAN 成立 1977 年 : 第一回日 ASEAN 首脳会議 ( 福田ドクトリン 心と心のふれあい ) 1997 年 : アジア経済危機 ( 日本は800 億ドルの支援実施を表明 ) 第三回日 ASEAN 首脳会議 ( 以降毎年開催 ) 2003 年 : 日 ASEAN 特別首脳会議 (ASEANの全首脳が域外 ( 日本 ) で初めて一堂に会する歴史的な首脳会議 ) 2005 年 : 小泉総理とASEAN 各国首脳は 日本とASEANが戦略的な パートナーシップを深化 拡大させる決意を再確認 2.ASEAN の重要性 (1)5 億の人口 成長著しい経済を有するASEANの安定は東アジ図 2:ASEANへの旅行者数アの安定に直結する またASEANは日本にとって重要なシー日本域外からの旅レーンに位置する 11.9% 行者数 3120 万人うち日本中国 (2)ASEANは日本にとりアメリカ 中国に次ぐ貿易相手 かつ日本 370 万人その他 11.0% 50.1% (2006 年実績 ) 韓国の重要な投資先 ( 貿易については3 4 頁 投資は5 頁参照 ) 10.7% 米国 (3) 日本とASEANは30 年以上に亘る信頼関係 日本人にとってア台湾 8.1% 香港 5.1% 3.0% メリカに次ぐ旅行先 ( 右図参照 ) 出所 : 日本 ASEANセンター 1 豪 NZ 3.9% 香港 5.6% 台湾 5.2% 韓国 11.3% 図 1: 日本人の旅行先 その他 9.2% EU 13.9% 米国 18.1% 中国 15.8% ASEAN 17.0% 旅行者数 : 2,151 万人 ( のべ ) うち ASE AN:367 万人 (2005 年実績 ) 出所 : 国際観光振興機構

Ⅱ. 日 ASEAN 貿易の概況 1 ASEANから見た日本 日本から見たASEAN 日本は 最も重要な貿易相手国 米中 EUに並ぶ重要な貿易パートナー ASEANの対域外貿易総額 (11,150 億米ト ル ) のうち 対日貿易額が占める割合は15.1% で 米国 に並び最も重要な貿易相手国 (2006 年実績 ) 日本の貿易総額 (142.6 兆円 ) のうち 対 ASEAN 貿易総額が占める割合 12.7% で 米 中に次い で第 3 位 (2006 年実績 ) インド 2.6% 豪 NZ 4.3% 台湾 4.8% 韓国 5.7% 香港 7.9% その他 16.7% EU 12.4% 米国 16.1% 中国 14.3% 日本 15.1% インド 0.7% 香港 3.1% 豪 NZ 3.7% 台湾 5.3% その他 21.0% 韓国 6.3% EU 12.5% 米国 17.4% 中国 17.2% ASEAN 12.7% 対域外国合計 :11,150 億米ト ル 対日本 :1,678 億米ト ル (2006 年実績 ) 出所 : IMF DOTS QUARTERLY June 2007 台湾国際貿易局 Web Site 対世界貿易額 :142.6 兆円 対 ASEAN:18.2 兆円 (2006 年実績 ) 出所 : 財務省 貿易統計 2

Ⅱ. 日 ASEAN 貿易の概況 2 真珠 貴金属並びにこれらの製品等, 2.0% 銅及びその製品, 1.8% 有機化学品, 2.2% 鉄鋼製品, 3.2% プラスチック及びその製品, 3.8% 精密機器 医療用機器 その他並びにこれらの部品等, 4.1% 鉄鋼, 7.4% 日本から見た ASEAN 一体化した生産ネットワーク 日本企業の生産拠点の進出により 部品の輸出が多い ( 例えば タイ向け自動車及び自動車部品の輸出のうち 77% 以上は 自動車部品 ( ) ) 車両並びにこれらの部品等, 9.0% その他, 15.3% 電気機器並びにこれらの部品等 29.6% 機械類並びにこれらの部品 21.6% ASEAN への日本の輸出品目別シェア (2006 年実績総額 8 兆 3485 億円 ) 出所 : 財務省 貿易統計 ( )HS87 類及びHS84 類の一部 ( 自動車用エンジン ) のうち 自動車部品関連の品目の輸出の占める割合 精密機器 医療用機器 その他並びにこれらの部品等, 2.1% プラスチック及びその製品, 2.3% 魚並びに甲殻類 軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物, 2.6% 履き物及びゲートルその他これに類する物品並びに部品, 0.6% ゴム及びその製品, 3.3% 鉱石 スラグ及び灰, 3.9% 木材及びその製品並びに木炭 4.4% ASEAN から見た日本 重要な輸出市場 ASEAN からの輸入のうち 約 85% が鉱工業品 15% が農林水産品 その他 22.8% 機械類並びにこれらの部品 10.3% 出所 : 財務省 貿易統計 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物, 28.8% ASEAN からの日本の輸入品目別シェア (2006 年実績総額 8 兆 9928 億円 ) 電気機器並びにこれらの部品等, 18.8% 3

Ⅲ. 日 ASEAN 投資の概況 ASEAN から見た日本 長期に亘る多額の投資蓄積 日本企業の生産拠点としての実態を反映して 中 韓等他の ASEAN の対話国 (dialogue partners) に比べ 圧倒的な金額の投資蓄積を有する 日本から見た ASEAN 東アジア最大の投資先 ASEAN は 我が国にとって東アジアにおいて最も重要な投資先 インド 0.5% その他 31.4% EU 28.5% 台湾 0.8% 韓国 1.3% 香港 1.6% 豪 NZ 3.0% その他 16.2% EU 31.5% 中国 1.0% 韓国 1.6% 台湾 2.7% 米国 15.5% 日本 16.2% 中国 4.9% ASEAN 9.3% 北米 30.8% 香港 3.0% ASEAN 域外からの対 ASEAN 直接投資域外国投資累計 :2,922 億米ト ル日本投資累計 :497 億米ト ル (1996-2006 年累計 ) 出所 :ASEAN 事務局 FDI FLOWS TO ASEAN BY COUNTRY OF ORIGIN 1996-2006 日本からの対外直接投資対外直接投資累計 :51 兆 6,512 億円 対 ASEAN 4 兆 8,032 億円出所 : 財務省 国別 地域別対外直接投資状況 (1995-2004 年度累計 ) ( 平成 16 年度まで ) 出所 : 財務省 対外及び対内直接投資状況 ( 平成 16 年度まで ) 4

Ⅳ.AJCEP のメリットー原産地規則の 累積 の適用 ( 注 ) < 二国間 EPA+ASEAN 自由貿易地域 (AFTA) のみの場合 > < AJCEP > フラット パネル TV を A 国で組み立てる場合 ( 日本側で生産した部品 ( パネル ) の付加価値が フラット パネル TV 全体の付加価値の 60% 以上を占める場合を想定 (= ASEAN 域内の追加付加価値が 40% 未満のケースを想定 )) 日本 60% 以上 想定 - 日本 60% 以上 ASEAN (AFTA) ASEAN 産として見なされるためには 40% 以上の付加価値分が ASEA N 内で生産される必要有り I J H G TV set 二国間 EPA A 国 (40% 未満 ) MFN 税率 F ( 市場 ) B 輸出 無関税 E C 二国間 EPA パネル 二国間 EPA D ( 市場 ) AJCEP の実現 単一の市場 としての供給網 I H J ASEAN G TV set 無関税 TV set A 国 (40% 未満 ) 無関税 F 市場 B 輸出 無関税 E C パネル D 市場 5 ( 注 ) 累積とは 一般的に 締約国 A の原産品が締約国 B で生産される産品の材料として使用される場合に その原産品が締約国 B の原産材料としてみなされることをいう AJCEP 協定の下では 二国間 EPA に比し原産品として認定されることがより容易となるとのメリットがある

Ⅴ. 交渉の経緯 2002 年 1 月小泉総理 ( 当時 ) 演説 ( 於シンガポール ) にて 日 ASEAN 包括的経済連携構想 を提唱 2003 年 10 月日 ASEAN 包括的連携協定の枠組みを採択 2005 年 4 月日 ASEAN 包括的連携協定交渉開始 以来 11 回の正式交渉会合を開催 2005 年 12 月日 ASEAN 首脳会議 交渉を 2 年以内に終えるように最善の努力を行う ことを首脳間で確認 物品貿易自由化の構造の議論については 他の締約国に等しく単一の譲許表を適用する共通譲許方式を採用 2007 年 1 月日 ASEAN 首脳会議にて 2005 年 4 月の交渉開始から 2 年以内に妥結するという決意を再確認 2007 年 5 月の日 ASEAN 経済大臣会合 ( 於 : ブルネイ ) において 物品貿易自由化の方式 ( モダリティ ) について原則的に意見が一致した 2007 年 5 月に原則的に意見が一致したモダリティを踏まえ 日本と ASEAN 各国間でオファー交換を行った その後の交渉を通じて 各国のオファー リストの品目の微調整 ( ファイン チューニング ) を実施し オファー リストを確定 これを踏まえ 8 月 25 日に開催された日 ASEAN 経済大臣会合にて大筋合意を確認 2007 年 11 月に開催される日 ASEAN 首脳会議にて各国首脳に交渉妥結を報告 6

Ⅵ. 物品 (1) - 物品貿易自由化に関するモダリティー - 日本 :10 年以内に貿易額 93% の部分について関税撤廃を行い その他のものの一定割合について 関税率を一定水準以下にするとの規律を導入する ASEAN6 ヵ国 ( ブルネイ インドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ ):10 年以内に貿易額 品目数共に 90% について関税撤廃を行い その他のものの一定の割合について関税率を一定水準以下にするとの規律を導入する ASEAN4 ヵ国 ( カンボジア ラオス ミャンマー ベトナム ): 関税撤廃 引下げのスケジュール等について それぞれの経済発展段階に応じて ASEAN6 ヵ国との差を設ける 貿易額基準 品目数基準 (HS6 桁 ) 貿易額基準 品目数基準 (HS6 桁 ) 品目数基準 (HS6 桁 ) 除外又は関税率を一定水準以下にする 段階的関税撤廃 (10 年以内 ) 93% 90% 90% 除外又は関税率を一定水準以下にする 段階的関税撤廃 (10 年以内 ) 90% 90% 除外又は関税率を一定水準以下にする 段階的関税撤廃 (15 年以内 ) 85% 除外又は関税率を一定水準以下にする 15 年以内に関税率 0-5% 段階的関税撤廃 (18 年以内 ) 即時関税撤廃 即時関税撤廃 < 日本のモダリティ > < アセアン 6( インドネシア シンガポール タイ フィリピン ブルネイ マレーシア ) のモダリティ > < ベトナムのモダリティ > <CLM( カンボジア ラオス ミャンマーのモダリティ > 7

Ⅵ. 物品 (2) - 品目別概況 - 日本側のオファー 鉱工業品については 殆どの物品について 10 年以内に関税撤廃を行う 農林水産品については 守るべきものは守りながら ASEAN 側の関心品目について 関税削減等を通じ 日本側として可能な努力を行う 農林水産品のオファー概要 (1) 関税撤廃に応じた品目 ( これまでのアセアン各国との二国間 EPA で関税撤廃に応じた品目 ) 即時関税撤廃する品目の例ドリアン えび えび調製品等 10 年以内に段階的関税撤廃する品目の例塩蔵なす カレー調製品 くらげ等 (2) 関税撤廃に応じなかった品目 関税削減する品目の例鶏肉調製品 合板 ( 熱帯産木材を使用したもののうち関税が 6% 及び 8.5% のもの ) 等 除外等 関税撤廃 削減の対象外とした品目の例国家貿易品目 ( 米麦 米麦調製品 乳製品 ) 牛肉 豚肉 鶏肉 砂糖 砂糖調製品 でん粉 パインアップル ( 缶詰等を含む ) 合板 ( 熱帯産木材のうち関税が 10% のもの 熱帯産木材以外のもの ) かつお まぐろ 水産 IQ 品目等 ASEAN 側のオファー AJCEP 協定は 日本とASEAN 域内での原産地規則の 累積 の適用によって 日本及びASEAN 域内全体での生産ネットワークを強化することにその主要な意義がある そのような原産地規則の 累積 の適用によって裨益する効果が大きい品目 ( 例えば 薄型テレビや薄型テレビパネル 自動車部品等 ) については 殆どの国において 十分な関税の撤廃 削減が約束される等 質の高い内容を実現 8

Ⅶ. その他の分野 原産地規則 原産地規則の 累積 のメリット - 原産地規則とは ある産品が AJCEP 協定に基づく特恵関税の対象となる原産品として認められるためのルール 日本と ASEAN 域内での原産地規則の 累積 ( ある産品が締約国 A で生産される場合 その生産に使用された締約国 B の原産材料を締約国 A の原産材料とみなすこと ) の適用によって AJCEP 協定の下では 二国間 EPA に比し原産品として認定されることがより容易となるとのメリットがある 投資 サービス 既に二国間枠組みでの取組みが存在 - 二国間 EPA や投資協定を通じて 一定の自由化が確保されている 将来的な地域レベルの取組みにむけた基盤整備 - AJCEP 協定においては 将来的な地域レベルの自由化に向けた基盤を構築 サービス貿易 並びに投資の自由化及び保護についての今後の交渉を規定 協力 開発格差の是正や ASEAN 全体の統合に資する協力を実施 - AJCEP 協定の下で 知的財産分野や農林水産分野 ( 違法伐採対策を含む ) における協力 CLMV 向け支援等を含め ASEAN 地域内の開発格差の是正や ASEAN 統合に資するような協力を実施予定 9

( 参考 ) 東アジア諸国との EPA 交渉の現状 韓国 2003.12 交渉開始 2007.1 交渉開始 インド タイ 2007.11 発効 2006.7 発効 2007.1 交渉開始 2002.11 発効 2006.9 署名 2006.12 国会承認 2007.11 交渉妥結 マレーシア ベトナム 2007.3 改正議定書署名 2007.6 国会承認 2007.6 署名 フィリピン ASEAN 全体 2007.4 交渉開始 2007.8 署名 ブルネイ シンガポール インドネシア 豪州 10