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1. 標準価格 (1) 普通コンクリート ( スランプ 5~21cmAE 減水剤 ) 普通セメント 高炉セメントB 種早強セメント材齢 28 日粗骨材 (mm) 材齢 7 日粗骨材 (mm) スランプ 5 ~ 21 cm スランプ 5 ~ 21 cm 18 14,50

16 コンクリートの配合設計と品質管理コンクリートの順に小さくなっていく よって, 強度が大きいからといってセメントペーストやモルタルで大きい構造物を作ろうとしても, 収縮クラックが発生するために健全な構造物を作ることはできない 骨材は, コンクリートの収縮を低減させ, クラックの少ない構造物を造る

2. スランプフロー試験 3. 振動台式コンシステンシー試験 試験方法 対象 振動数 (rpm) 振動台式コンシステンシー試験 (JSCE-F501) VC 試験 ( 国土開発技術研究センター 道路協会 ) 供試体成形機による超硬練りコンクリートのコンシステンシー試験 ( 全国土木コンクリートブロッ

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(4) 単位水量 W および細骨材率 s/a の選定 細骨材率 s/a は, 所要のワーカビリティーが得られる範囲内で単位水 量 W が最小となるように, 試験によって定める. 粗大寸法(mm) 骨材の最空気量 AE コンクリート AE 剤を用いる場合 細骨材率 s/a 単位水量 W (kg) AE

 


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各種アルカリシリカ反応性試験による骨材及びコンクリートの反応性評価 愛知県生コンクリート工業組合技術委員会 1. 試験目的骨材のアルカリシリカ反応性を判定するために化学法 (JIS A 1145) 及びモルタルバー法 (JIS A 1146) が使用されてきたが これら以外にモルタルバー迅速法 (JIS A 1804) 及びコンクリート自体の反応性を調べる迅速試験法 (ZKT 206) も導入されている これらのアルカリシリカ反応性試験方法によっては その判定 評価が異なることが知られているが 同一の骨材について各種のアルカリシリカ反応性試験を並行して調べた整合性のある試験データは見受けられない したがって 1 これら試験方法の違いによる判定結果の特徴を把握する必要がある 2 今後 我々生コンクリートの製造者が製品の品質保証の一環としてアルカリシリカ反応性を検討する際には より適切な試験方法を設定する必要があることから 県下の各地区で使用されている代表的な骨材を選び 各種アルカリシリカ反応性試験を実施した 2. 実施アルカリシリカ反応性試験 本試験で実施したアルカリシリカ反応性試験方法の名称 規格を 表 1 に示す 表 1 実施アルカリシリカ反応性試験方法 試 験 名 規 格 1 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法 ( 化学法 ) JIS A 1145 2 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法 ( モルタルバー法 ) JIS A 1146 3 コンクリートの生産工程管理用試験方法 ( 迅速法 ) JIS A 1804 4 コンクリートのアルカリシリカ反応性迅速試験方法 ZKT 206 3. 骨材のアルカリシリカ反応性試験 3.1 試験骨材の選定当工業組合 5 支部の各地区で使用されている代表的な細 粗骨材を地区ごとに各々 1 種類選定し 表 1 に示した化学法 モルタルバー法及びモルタルバー迅速法の 3 種類の試験を行った 1

各地区で選定した骨材を 表 2 に示す なお これらの骨材は生コンクリート工場の ストックヤードから直接採取したものである 表 2 各地区選定骨材 地区名 細骨材 粗骨材 名古屋 St ( 山砂 ) St ( 山砂利 ) 知 多 Kw ( 山砂 ) Sz ( 砕石 ) [ かんらん岩 ] 西三河 Fo ( 山砂 ) Kr ( 砕石 ) [ 雲母片麻岩 ] 東三河 Th ( 混合砂 ) Im ( 砕石 ) [ 輝緑岩 ] 東愛知 Tr ( 川砂 ) Hr ( 砕石 ) [ 硬質砂岩 ] 3.2 化学法 モルタルバー法及びモルタルバー迅速法の試験結果 表 3 に化学法 モルタルバー法及びモルタルバー迅速法の試験結果を 図 1 に化学法での試験結果を示す 化学法及びモルタルバー迅速法で Fo 産山砂とSt 産山砂利が 無害でない と判定された しかし モルタルバー法 (6 箇月 ) では 何れも 無害 と判定された ただし St 産山砂利はモルタルバー法 (3 箇月 ) では長さ変化率が 0.059% と大きく その時点では 無害でない と判定されるものであった 表 3 化学法 モルタルバー法及びモルタルバー迅速法試験結果 種類 モルタルバー法モルタルバー迅速法産地化学法 3 箇月 6 箇月無害 :< 0.10% 無害 :< 0.050% 無害 :< 0.100% St 無害無害 0.07% 無害 0.030% 無害 0.067% 細骨材 粗骨材 Kw 無害無害 0.06% 無害 0.022% 無害 0.030% Fo 無害でない 無害でない 0.17% 無害 0.031% 無害 0.039% Th 無害無害 0.03% 無害 0.015% 無害 0.018% Tr 無害無害 0.04% 無害 0.019% 無害 0.024% St 無害でない 無害でない 0.22% 無害でない 0.059% 無害 0.076% Sz 無害無害 0.02% 無害 0.011% 無害 0.011% Kr 無害無害 0.03% 無害 0.020% 無害 0.030% Im 無害無害 0.03% 無害 0.019% 無害 0.022% Hr 無害無害 0.02% 無害 0.012% 無害 0.018% [ 注 ] 表中の数値は長さ変化率を示す 2

800 700 アルカリ濃度減少量 (Rc)(mmol/l) 600 500 400 300 200 100 無害 無害でないもの 0 1 2.5 5 10 25 50 100 250 500 1000 2500 10000 7.5 75 750 溶解シリカ量 (Sc)(mmol/l) 図 1 骨材のアルカリシリカ反応性 ( 化学法試験結果 ) 4 コンクリートのアルカリシリカ迅速試験 4.1 各地区における骨材の組み合わせ 3 章での試験結果が判明後 コンクリートとした場合でのアルカリシリカ反応性をみる ために 表 2 に示す骨材のほか 過去( 平成 14 年度 ) にモルタルバー迅速法で測定し た骨材と同一産地の骨材 (Kh 産山砂 Nn 産砕石 Sn 産山砂利 ) や新たに石灰石砕石等 を各地区の骨材の使用状況に応じて組み合わせ コンクリート迅速法試験 (ZKT 206) を 行った 表 4 にこれらの骨材の組み合わせを示す なお 参考として平成 14 年度に行 ったモルタルバー迅速法による試験結果を 表 5 に示す 表 4 骨材の組み合わせ ( コンクリート迅速法による試験 ) 地区名 配合 細骨材 粗骨材 A-1 St ( 山砂 ) St ( 山砂利 ) St ( 山砂利 ) A-2 St ( 山砂 ) 名古屋 Fw ( 砕石 ) [ 石灰岩 ] A-3 Kh ( 山砂 ) St ( 山砂利 ) Nn ( 砕石 ) [ 硬質砂岩 チャート ] 知多 B Kw ( 山砂 ) Sz ( 砕石 ) [ かんらん岩 ] Sn ( 山砂利 ) 西三河 C Fo ( 山砂 ) Kr ( 砕石 ) [ 雲母片麻岩 ] Kr ( 砕砂 ) Fo ( 山砂利 ) 東三河 D Th ( 混合砂 ) Im ( 砕石 ) [ 輝緑岩 ] 東愛知 E Tr ( 川砂 ) Hr ( 砕石 ) [ 硬質砂岩 ] 3

表 5 モルタルバー迅速試験値 ( 平成 14 年度結果抜粋 ) 地区名 細骨材 無害 : < 0.10% 粗骨材 名古屋 Kh( 山砂 ) 0.11% Nn( 砕石 ) 0.06% 知多 Sn( 山砂利 ) 0.14% [ 注 ] 表中の数値は長さ変化率を示す 4.2 コンクリート迅速法試験概要コンクリート迅速法試験 (ZKT 206) を実施するにあたり 対象とするコンクリートは建築用富配合コンクリートとし 配合条件は以下のとおりとした Gmax=20~25mm C=420kg/ m3 W=180kg/ m3 W/C=43% スランプ=18±2cm 空気量 =4.5±1.5% セメント= 普通ポルトランドセメント混和剤 =AE 減水剤上記条件のもとに次の2 段階とした試験練りを行った 先ず 所定の配合のコンクリート (30~40l) を練り そのフレッシュコンクリートの性状を調べた 次に 単位水量を5~10kg/ m3減らしたコンクリートを練り ミキサから排出後 所定のアルカリ量 (9 6kg/ m3 ) を溶かした水溶液をコンクリートに各々投入して基準の配合に戻し 同一バッチのコンクリートから2 水準の供試体 (ψ10 20cm) を作製した なお アルカリは粒状水酸化ナトリウム ( 特級試薬 φ5 2mm) を使用した 試験練りコンクリートの配合を 表 6 に フレッシュコンクリートの性質を 表 7 に示す コンクリート供試体は養生室で 1 晩一次養生をした後 所定の迅速試験を行った 表 6 コンクリートの配合 配合種別 Gmax (mm) W/C (%) s/a (%) 単位 単位質量 (kg/ m3 ) 水量 (kg/ m3 ) セメント 細骨材 粗骨材 混和剤 (kg/ m3 ) A-1 42.9 42.0 180 691 960 5.46 A-2 25 42.9 42.0 180 420 691 576 402 4.20 A-3 42.9 42.0 180 688 576 397 4.20 B 20 42.9 45.0 180 420 737 461 524 4.20 C 25 42.9 42.1 180 420 346 362 485 493 4.20 D 20 42.9 43.4 180 420 739 1093 4.20 E 20 42.9 43.3 180 420 728 968 4.20 4

表 7 フレッシュコンクリートの性質 配合種別 スランプ (cm) 空気量 (%) コンクリート温度 ( ) A-1 20.0 5.2 20.5 A-2 17.5 5.3 20.0 A-3 18.0 5.8 21.0 B 17.0 3.8 21.0 C 15.5 3.3 19.0 D 19.5 4.1 20.0 E 18.5 4.0 22.0 4.3 コンクリート迅速法試験結果 表 8 に全 7 配合のコンクリート迅速測定試験結果を示す 細骨材の全部と粗骨材の半分が化学法及びモルタル迅速法にて 無害でない と判定さ れた骨材を用いた配合 (A-3) 粗骨材全体が同じく 無害でない 骨材である配合 (A-1) 及び細 粗骨材の各々半分が 無害でない 骨材である配合 (C) は アルカリ添加量 9 6kg/ m3の何れもコンクリート迅速法試験の結果は 合格 であった 表 8 アルカリ添加量 相対動弾性係数測定結果及び判定結果 配合 アルカリ添加量 9(kg/ m3 ) アルカリ添加量 6(kg/ m3 ) 合格 80% 判定合格 70% 判定 A-1 92.0 % 合格 91.2 % 合格 A-2 85.7 合格 85.6 合格 A-3 86.5 合格 91.3 合格 B 86.5 合格 87.2 合格 C 88.3 合格 87.9 合格 D 90.0 合格 91.5 合格 E 90.0 合格 91.5 合格 また 粗骨材の半分が 無害でない 骨材を用いた配合 (A-2, B) も同様に 合格 となった 細 粗骨材全体が 無害 骨材である配合 (D, E) は 当然ながら判定は 合格 であった 今回 化学法及びモルタル迅速法で 無害でない 骨材と 無害 骨材とを混用し 無害でない 骨材の比率を骨材全体のおよそ 3/4~1/4 とした配合でも高アルカリ添加下 (9 6kg/ m3 ) にもかかわらず コンクリート迅速試験では全て判定は 合格 となった 5

5. まとめ愛知県下の各地区で代表的に使われている骨材を 生コン工場のストックヤードから抜き取り 骨材自体のアルカリシリカ反応性を調べたほか 富配合コンクリートでその反応性を迅速試験にて調査した その結果 化学法 (JIS A 1145) とモルタルバー迅速法 (JIS A 1804) では 同一骨材については同一の判定結果が得られ 両試験間での判定には整合性が見られた モルタルバー法では材齢 3 箇月で一部の骨材 (St 産山砂利 ) が 無害でない 域に達し 化学法及びモルタルバー迅速法と同じ判定結果となった しかし 材齢 6 箇月では化学法 モルタルバー迅速法にて 無害でない ものも全て 無害 との判定となった また コンクリート迅速法 (ZKT 206) において コンクリート中の骨材全体の内 3/4 2/4 1/4 を 無害でない 骨材とした富配合コンクリートは 高アルカリ添加環境下でも判定は 合格 であった 以上の結果から 我々生コンクリート製造者がアルカリシリカ反応性を検討する場合 試験方法によってその評価 判定が異なることから 実際に使用される形のコンクリートで試験できる コンクリートのアルカリシリカ反応性迅速試験方法 (ZKT 206) により判断するのがより実際的であると考えられる ( 平成 16 年 8 月 23 日 ) 以 上 6