3. リチウムイオン内部圧入による ASR 膨張抑制効果 本章の目的 ASR 劣化コンクリートにリチウムイオンを内部圧入 ASR 膨張を抑制することができるか? そのときの必要リチウムイオン量は? 4

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1 広島県コンクリート診断士会サロン資料 (2012 年 3 月 13 日 ) リチウム内部圧入によるアルカリシリカ反応の抑制について ~ コンクリート工学テクニカルレポート (2012 年 2 月 ) ~ 極東興和 江良和徳 リチウムイオン内部圧入工 工法概要 コンクリートに削孔し, そこからリチウム化合物を加圧注入してコンクリート内部に浸透させる. コンクリート内部に浸透したリチウムイオンの作用により, 以後の ASR 進行が抑制される. 施工仕様 削孔径 : φ20mm 程度 削孔間隔 : 500mm 程度 注入圧力 : 0.5~1.5MPa 抑制剤 : 亜硝酸リチウム40% 水溶液 工法概要図 内部圧入工施工状況 2

2 3. リチウムイオン内部圧入による ASR 膨張抑制効果 本章の目的 ASR 劣化コンクリートにリチウムイオンを内部圧入 ASR 膨張を抑制することができるか? そのときの必要リチウムイオン量は? 4

3 3.2 実験概要 ASR コンクリート供試体の配合 粗骨材最大寸法 (mm) W/C (%) 空気量 (%) s/a (%) 水 W ASR コンクリート供試体の種類 セメント C 単位量 (kg/m3) 細骨材 粗骨材 反応性 非反応性 反応性 非反応性 Sr Sn Gr Gn 796(Sr+Sn) 989(Sr+Sn) 添加アルカリ NaCl 反応性骨材 : 輝石安山岩 ( 北海道産 ) 反応性骨材比率 : ペシマム配合 添加アルカリ : 8kg/m 3 ( 等価 Na 2 O 量 ) 小型供試体 φ100 H200 mm 中型供試体 mm 大型供試体 mm 5 1. 小型供試体 亜硝酸リチウム供給方法 事前混入 内部圧入 供給なし 供給量 (Li/Na モル比 ) 小型供試体実験要因 亜硝酸リチウム供給条件供給時の供給時期供試体状況 コンクリート練混ぜ時 ASR 膨張量 1,500μ 発生時 亜硝酸リチウムを外割りで混入 圧入時のひび割れ幅 0.2mm 程度 基準供試体 削孔のみ実施 削孔 +グラウト実施 備考 あらかじめ亜硝酸リチウムを混入 ( 予防保全 ) ASR 劣化した構造物の補修を想定 ( 一般的な事後保全 ) 内部圧入孔における削孔の影響を確認 6

4 1. 小型供試体 コンタクトチップ 圧入孔削孔位置 200 ASR 促進環境 温度 40, 湿度 95%RH リチウムイオン内部圧入の仕様 供試体 : φ100 H200mm ( 無筋コンクリート ) 圧入孔 : φ10 L150mm 注入圧力 : 0.5MPa 圧入量 : Li/Na モル比 =0.4~1.2 ( 供試体あたり 18cc~54cc) 計測項目 膨張ひずみ 動弾性係数 超音波パルス伝搬速度 質量変化 リチウムイオン内部圧入による ASR 抑制効果 1. 小型供試体 亜硝酸リチウムを内部圧入 圧入以後は膨張しない 動弾性係数が低下しない 超音波伝搬速度が低下しない 圧入以後は ASR 劣化が進行しない 膨張率の推移 このとき,ASR 抑制に必要となる最小の亜硝酸リチウム圧入量は, Li/Na モル比 =0.6 動弾性係数 超音波伝搬速度 供試体質量 8

5 供試体の外観変状 ( 促進 670 日 ) 亜硝酸リチウムなし 最大ひび割れ幅 W=1.5mm 圧入時のひび割れ状況 ( 幅 W=0.2mm) から進展していない 亜硝酸リチウム内部圧入 (Li/Na モル比 =0.4,0.6,0.8) 9 4. 内部圧入によりリチウムイオンを供給されたアルカリシリカゲル 10

6 4.1 本章の目的 ASR 劣化コンクリートにリチウムイオンを内部圧入ゲル中のリチウムイオンの分布状況は? ゲル中のリチウムイオン量は? 11 リチウムイオンによるゲルの非膨張化 ( 提唱される 1 例 ) ASR 膨張 リチウムによるゲルの非膨張化 概念図 反応式 水 Na +,K + Na 2 O nsio 2 + mh 2 O ( アルカリシリカゲル ) ( 水 ) 骨材 Na +,K + アルカリシリカゲル 水 Na 2 O nsio 2 mh 2 O ( 吸水膨張!) 水骨材 Na +,K + Li + 非膨張性ゲル Na +,K + Li + 水 Na 2 O nsio 2 ( アルカリシリカゲル ) NaとLiとのイオン交換 Li 2 O nsio 2 ( リチウムシリケート ) アルカリシリカゲルにリチウムが供給されると何が起こるのか? 外部から圧入したリチウムのうち, どれだけがゲルに到達する? そのときの Na と Li とのイオン交換の比率は? ゲル中の Li の分析 12

7 ところが, ゲル中に供給された Li の分析についての研究は少ない. 特に,Li の分布を元素マッピングとして表した事例はない. なぜなら, 元素面分析で一般的に用いられる EPMA で分析可能な元素の範囲は, B( 原子番号 5)~U( 原子番号 92) したがって,EPMA では Li( 原子番号 3) の分析は困難 EPMA 面分析の例 そこで, TOF-SIMS( 飛行時間型 2 次イオン質量分析法 ) を用いて, ゲル中の Li の元素マッピングを試みた 13 TOF-SIMS 二次イオン質量分析法 SIMS;Secondary Ion Mass Spectrometry 固体表面にビーム状のイオン (1 次イオン ) を照射する. そのイオンと固体表面の分子 原子レベルの衝突で発生するイオン (2 次イオン ) を質量分析計で検出する. 非常に高感度であるため,Li の分析も理論上可能. ただし, コンクリート分野での適用はほとんどなかった. ToF-SIMS による定性分析 分析対象の元素構成をカラーマッピングにて表示可能 ToF-SIMS による定量分析 元素構成が既知のリファレンス試料を分析することにより, 推定値を得ることが可能. TOF-SIMS 全景 14

8 4.2 実験概要 小型供試体 粗骨材最大寸法 (mm) W/C (%) 空気量 (%) s/a (%) 水 W セメント C 単位量 (kg/m3) 細骨材 粗骨材 反応性 非反応性 反応性 非反応性 Sr Sn Gr Gn 796(Sr+Sn) 989(Sr+Sn) 添加アルカリ NaCl 膨張促進環境 供試体打設後は 40,95%RH の促進環境下に リチウムイオン内部圧入工 促進環境下で膨張率が 1500μ を超えた段階で実施 注入圧力 :0.5MPa 圧入量 :Li/Na モル比 =0.6 小型供試体 (φ100 H200 円柱 ) 15 分析用試料の採取 膨張量 (μ) 内部圧入モル比 0.6 リチウムなし 内部圧入実施 促進膨張期間 (days) リチウムイオン圧入後の膨張傾向 試料採取 SEM SEM EPMA EPMA TOF-SIMS TOF-SIMS ゲルの SEM 観察 ( 破断面 ) 薄片研磨試料を採取 EPMA による面分析 ;Na,K,Si,Ca TOF-SIMS による面分析 ;Li LiNO リチウム圧入 2 割裂面 圧入後は ASR 膨張を抑制している リチウム内部圧入後 242 日に分析用試料を採取 SEM,EPMA,TOF-SIMS 分析 圧入孔 (φ10mm) 分析用試料採取 16

9 4.3 SEM によるアルカリシリカゲル形状の観察 a セメントペースト b c ASR ゲル ASR ゲル ASR ゲル 骨材 50μm 10μm 10μm リチウムイオンを添加していない ASR ゲル試料の SEM 写真 a 骨材 b c ASR ゲル ASR ゲル ASR ゲル セメントペースト 50μm 10μm 10μm リチウムイオンを内部圧入したASRゲル試料のSEM 写真 17 [Li + ] による ASR 抑制メカニズムを非膨張性ゲル生成によるものと仮定すると, [Li + ] を供給する前後でゲルに何らかの変化が生じるはず. しかし, SEM 観察の結果, [Li + ] 添加の有無によるゲルの物理的形態上の変化は認められない. それにもかかわらず, [Li + ] を内部圧入した供試体の膨張性は明らかに抑制されている. それならば, [Li + ] はゲル内に浸入し, その中の [Na + ] と置換することによって, ゲルの物理的形態ではなく化学組成を変化させ, ゲルを非膨張性のものに変化させていると推定される. 18

10 4.4 EPMA および TOF-SIMS によるゲルの元素定性分析 リチウム供給なしの試料 SEM セメントペースト ゲル ひび割れ Na K 細骨材 C Si Ca EPMA による Na,K,C,Si,Ca の元素分析 19 リチウム内部圧入後の試料 SEM ゲルゲルひび割れセメントゲルペースト Na K 細骨材 ゲル C Si Ca EPMA による Na,K,C,Si,Ca の元素分析 20

11 リチウム内部圧入後の試料 Li 細骨材 TOF-SIMS による Li の元素分析 21 Na Li 細骨材 細骨材 ゲル中の Na の分布 (EPMA より ) ゲル中の Li の分布 (TOF-SIMS より ) Na が多く存在しているゲルの位置に Li も同様に存在している.( 白の楕円 ) リチウムイオンを内部圧入することにより, 骨材界面付近およびひび割れに生成しているゲル中にリチウムイオンが到達 セメントペースト中にも Li が多く存在している.( 赤の楕円 ) 内部圧入工による Li の浸透経路は, ひび割れを通じた移動だけでなく, 連続空隙内の浸透またはコンクリートマトリックス中への圧力勾配や濃度勾配による移動なども推定される 22

12 4.4 EPMA および TOF-SIMS によるゲルの元素定量分析 リチウムイオンを内部圧入したゲル (a) EPMA による Si,Ca,Na,K の分析箇所 1, 2, 3 TOF-SIMS による Li の分析箇所 4, 5 リチウムイオンを供給していないゲル (b) EPMA による Si,Ca,Na,K の分析箇所 6, 7, 8 a 5 3 b ゲル中の元素定量分析箇所 23 EPMA および TOF-SIMS によるゲル中の化学組成 ゲル中の元素含有率 ( 重量 %) リチウム内部圧入後リチウム供給なし 1* 2* 3** 平均 6* 7* 8* 平均 SiO TiO リチウムを添加したゲルの Al 2 O ほうが 0 [Na 2 O] 0.64 が少ない Fe 2 O [Li] と [Na] のイオン交換の可 MnO 能性を示唆 MgO CaO Na 2 O K 2 O SO P 2 O Total Li 2 O*** [Ca]/[Si] [Ca]/[Na+K] ゲル中の 0.68 [Li O] は [Na 2 O] の 0.74 * 骨材内側のゲルでの分析値 1/9.8~1/12.5( 重量 %) ** 骨材外側のゲルでの分析値 *** TOF-SIMS 分析結果より [Li/Na] モル比で表わすと, [Ca]/[Si],[Ca/Na+K] : 原子比を示す 0.17~

13 5. 内部圧入によるコンクリート中のリチウムイオンの浸透 本章の目的 ASR 劣化コンクリートにリチウムイオンを内部圧入コンクリート中のリチウムイオンの浸透状況は? リチウムイオンの浸透に要する時間は? 26

14 内部圧入によるリチウムイオンの浸透経路 亜硝酸リチウム内部圧入 コンクリート内部のひび割れを通じた浸透 連続空隙を通じた浸透 コンクリートマトリックス内への圧力勾配, 濃度勾配による浸透 実験概要 大型供試体 圧入孔削孔位置 膨張促進環境 供試体打設後は島根県江津市に屋外暴露 リチウムイオン内部圧入工 自然暴露環境下で膨張率が 3000μ を超えた段階で実施 注入圧力 :0.6~0.8MPa 圧入量 :Li/Na モル比 =1.0 28

15 リチウムイオン浸透状況の確認方法 切断面 (1) : 圧入孔に沿って切断 切断面 (2) : 圧入孔に垂直に切断 試薬 TDI TDI( 無色透明液体 ) は, 亜硝酸イオンと反応すると茶褐色に変色する ワイヤーソーによる切断 切断面に試薬 TDI 噴霧 亜硝酸イオンとリチウムイオンの浸透状況の相違 試薬 TDI による呈色反応の濃淡 1 反応 大 2 反応 中 3 反応 小 4 反応 なし 濃 淡 亜硝酸イオン含有量 (kg/m3) 圧入孔から近い圧入孔から遠い 大 2 中 3 小 4なし 0.0 呈色反応の度合 リチウムイオン含有量 (kg/m3) 各スライス片から粉砕試料を採取 イオンクロマトグラフ 亜硝酸イオン ICP プラズマ発光分光分析法 リチウムイオン : 亜硝酸イオン含有量 : リチウムイオン含有量 : 亜硝酸イオン理論値 : リチウムイオン理論値 30

16 5.4 コンクリートに内部したリチウムイオンの浸透状況 31 圧入孔に沿った切断面での呈色状況 a 圧入孔 1 b 圧入孔 5 上面側 下面側 呈色の濃淡 圧入孔から近いコンクリートの呈色は濃い 圧入孔から離れるに従って薄くなる 浸透距離 供試体中央部付近で浸透距離が長い 圧入孔両端付近では浸透距離が短い a b 圧入孔 1 圧入孔 5 32

17 圧入孔に垂直な切断面での呈色状況 上面側 圧入孔 下面側 浸透の方向 圧入孔を中心とした同心円状の呈色状況がみられる 圧入孔から放射状に浸透する 意図的に圧入しなかった箇所 ( 図中 印 ) 亜硝酸リチウムの浸透は不十分 33 ひび割れ, 鉄筋付近での呈色状況 ひび割れ付近 ひび割れに沿って濃い ひび割れの周囲にも着色 鉄筋付近 鉄筋に沿って濃い ブリージングの影響 34

18 4. まとめ ASR 膨張を抑制するために必要となる亜硝酸リチウム内部圧入量は,Li/Na モル比 0.6 以上であった. 内部圧入によるコンクリート中の亜硝酸リチウムの移動は, 内部のひび割れに沿って優先的に行われるものの, その後はコンクリートマトリックス中への圧力勾配や濃度勾配による浸透が行われる. EPMA および TOF-SIMS による面分析により, 内部圧入によって ASR ゲルにリチウムイオンが到達していることが示された. リチウムイオンはゲル内に浸入し, ゲルの物理的形態ではなく化学組成のみを変化させ, ゲルを非膨張性のものに変化させていると推察される.

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