Microsoft Word - 実践記録

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指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

の一部のみであるしたがって教科書の本文だけから小説 こころ の全体像を浮かび上がらせることは難しいしかし 掲載された部分だけでも 先生 と という二人の青年の揺れ動く こころ を描き 生徒たちを作品の中に引き込む力は群を抜いたものであると考える高校 3 年生である生徒たちは 心の葛藤というものを多く

Taro-【HP用】指導案.jtd

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

Microsoft Word - 実践記録

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

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第○学年 ○○科指導計画

国語科学習指導案

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Microsoft Word - 社会科

補充資料 2-1 単元 Let's Read 1 の指導展開案 (1) 単元 Let's Read 1 A Magic Box 1 の指導展開案(1/5 時間 ) (1) 目標 物語を読んで 場面展開を読み取ることができる 昨日の日記 というトピックに基づき 自分について英語で書いて表現できる (2

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

20情報【授業】

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

教科 : 外国語科目 : コミュニケーション英語 Ⅰ 別紙 1 話すこと 学習指導要領ウ聞いたり読んだりしたこと 学んだことや経験したことに基づき 情報や考えなどについて 話し合ったり意見の交換をしたりする 都立工芸高校学力スタンダード 300~600 語程度の教科書の文章の内容を理解した後に 英語

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

Microsoft Word - åł½èªžç§‚2å¹´2çµ—ã••ï¼™ã†¤ã†®ã†łã†¤ã‡†ã†—ã‡™ã†‘ã‡›ã†¹ã‡‹ã†ƒã••ã•„ã†µã‡“ã†Šã†“ã†¯ã•†ã†©ã‡fiㆪㆬㆮ㕓æ„⁄尔桋

第○学年○組 学習指導案

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

Microsoft Word - 【提言2】④新聞70(最終).doc

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

国語科学習指導案様式(案)

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

d 単元について 第 2 学年 5 組国語科学習指導案単元名 : 謎解きインタビュー記事を書こう教材文 : 走れメロス 男子 21 名女子 16 名計 37 名 指導者水田陽子 単元観本単元は, 中学校学習指導要領国語科第二学年, C 読むこと の指導事項 イ文章全体と部分との関係, 例示や描写の効

Taro-012月指導案国語.jtd

対象学年教科 科目名担当者名 2 学年松本直稔国語 国語総合 ( 普通科 ) 陶山千穂 高石美穂 ( 外国籍生徒向け ) 使用教科書出版社 : 大修館書店教科書名 : 新編国語総合 国語総合 は現代文 古文 漢文の基礎的な内容を総合した科目である それぞれの分野の文章の読解を通じて 人の生き様や心理

(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

H30全国HP

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

3 僕が蝶を一つ一つつぶしたのは償いのためであとすこれらは 生徒の感想や疑問をもとに教師が設定した人物像 行動 結末の意図に焦点を当てて3つに絞ったそれぞれを賛成 反対 2つの視点から読み進めていくには 討論会の形式で提示すことが有効であ討論会の班編成は まず課題に対して自分が肯定か否定かを考えさせ

0630指導案A1

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

論理的な読解力を伸ばす授業 - 漢文学習における根拠を明確にした読解 - 1 科目名 国語総合 2 単元名 漢文入門 3 教材名 故事成語 ( 本時の振り返りシート ) 4 単元の内容 単元の目標と評価規準 評価方法 1 単元の目標ア文章の内容や形態に応じた表現の特色に注意して読もうとする ( 関心

平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

Microsoft Word - chojugiga_sidoan_new.docx

1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

第1学年国語科学習指導案

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

Microsoft Word - imani ikiru kotoba sidoukeikaku.doc

25math3

本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され,

3 指導観本単元では C 読むこと ウ場面の移り変わりに注意しながら 登場人物の性格や気持ちの変化 情景など について 叙述を基に想像して読むこと の力を身につけさせることをねらいとしているそこで本単元では まず 3 年生の国語の教材 モチモチの木 で物語文の読み取り方を想起させる本学級は情景描写か

2 児童への事前調査 調 査 事 項 好き どちらかとどちらかというと好きいうと嫌い 嫌い Q1 国語の学習は, 好きですか Q2 説明文の学習は, 好きですか Q3 物語の学習は, 好きですか Q4 話し合う学習は, 好きですか Q

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

Microsoft Word - 研究協議会資料(保健分野学習指導案)

解答類型

Taro-12事例08.jtd

国語科学習指導案 平成 25 年 6 月 25 日 ( 火 ) 5 校時 第 3 学年 A 組 ( 男子 12 名, 女子 15 名計 27 名 ) 授業教室 3A 教室 指導者相田健太郎 (T1) 柿内香予 (T2) 1 単元の学習指導について (1) 単元名 近現代の短歌 俳句 読もう 詠もう短

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

6 指導計画 (7 時間扱い ) (1) 単元の 1: 字手紙 のねらいの確認と受取人決定指導計画 2: 手紙の基本知識の確認と書くことの内容の整理 3: 時候の挨拶作成 ひと文字練習と下書き 4: ひと文字練習と下書き 5: 相互評価 推敲 ( 本時 ) 6: 推敲および清書 7: 清書と宛名書き

Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc


ICTを軸にした小中連携

第○学年 ○○科指導計画

2、協同的探究学習について

3 人権教育の視点英語科の授業を通して 文化や習慣には多様性があることを理解させる そしてその中から 表現の仕方の違いや考え方の違いに気づかせ 互いに違いを認め合い尊重しながら共に生きようとする態度 他者 文化に興味 関心をもち 良い人間関係を築きながら生活する力を持った生徒を育成したい そこでこの

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

今年度の校内研究について.HP

(2) 児童観児童は1 年生 1 月に おはなしをつくろう で 昔話をもとにして 人物と出来事を考えて簡単に物語を書く学習を行っている また 2 年生の1 学期には じゅんじょよく書こう の学習で はじめ 中 おわり の構成を考え 自分の経験を伝える文章を書く学習をしてきている この学習を通して 順

4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

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平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

第 9 章 外国語 第 1 教科目標, 評価の観点及びその趣旨等 1 教科目標外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り, 聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う 2 評価の観点及びその趣旨

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 い た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学習内容を整理した系統表を掲載しい 各

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

そのために, 児童が感じたおもしろさを分類し, それらを読みの視点として, 物語のおもしろさを見付けながら読むことを通して, より深く登場人物の心情を読み取ったり, 想像豊かに読んだりしながら物語のおもしろさを味わうことができるようにする さらに, 見付けた物語のおもしろさを, で紹介し合う活動を取

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

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Microsoft Word - 学力スタンダード国語総合.doc

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豊島高校定時制課程平成 30 年度 年間授業計画 教科国語科科目国語総合対象 1 年 A 組 ~ 1 年 B 組 教科担当者名 教科担当者名 教科担当者名 1 年 A 組 1 年 B 組印 年組年組印 年組年組印 使用教科書 使用教材 新編国語総合東京書籍 適宜プリント等配布 学期 月 指導内容 1

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

Transcription:

平成 26 年度教科リーダー養成講座 ( 高等学校 ) 実践記録 グループ ディスカッションによる思考の深化を目指して ~ 小説 羅生門 の指導から ~ 新潟県立柏崎工業高等学校 授業者教諭阪本寛子 1 日時平成 26 年 11 月 11 日 ( 火 ) 第 5 校時 13:45~14:40 2 対象工業科 1 年 1 組 40 人 ( 男子 36 人 女子 4 人 ) 3 実施場所 1 年 1 組教室 4 実施科目国語総合 5 使用教科書 明解国語総合 ( 三省堂 ) 6 単元 教材小説芥川龍之介 羅生門 7 本教材の目標 (1) グループ活動に意欲的に参加し 本文の読解に基づいて自らの意見を深めようとすまた 伝え合う力を高めるとともに 言語文化に対する関心を深め 向上を図 ( 関心 意欲 態度 ) (2) 人物 情景 心情について場面の展開や表現に即して読み 場面の推移や人物の心情の変化を把握することを通して 描写の意味するものを説明す ( 読む能力 ) (3) 本文で用いられている慣用的な語句や比喩などの表現技巧を文脈の中で理解し 日常的に適切に活用することで思考力や想像力を伸ばし 言語感覚を磨く ( 知識 理解 ) 8 生徒の実態 7 月に三浦哲郎の小説 とんかつ を学習した 生徒が自分の考えを積極的に表現し 他者の考えと比較検討することで主体的に考える力を身に付けさせるためにグループ学習を取り入れ 人物の人間関係から主題を考えさせた 約半数の生徒が 楽しかった 納得できる意見や違うと思った意見を聞き 理解が深まった などという理由で 積極的に参加できた と自己評価をした一方 自分の意見を伝えることができなかった 班員の意見をまとめることが難しかった など 積極的に参加できなかった と評価した生徒も多くいた この結果から グループ学習を通して生徒の学習意欲が高まっているとともに 更なる学習スキルの向上が必要であると生徒が感じていることが分かった そこで 再度 小説の学習において学習活動の内容を吟味し グループ学習の取り入れ方を工夫することで 生徒が他者との関わりの中で 自分の考えを深め 的確に伝える力 を育てたい

9 教材について羅生門の主人公である 下人 は 家も仕事もお金も何も持たず ただ太刀だけを持たされ 永年勤めた主人から解雇された 羅生門 を すべてを失った若者が人間性や人間社会の 意味 を問い返す現代の物語として生徒自身の変革の物語と位置づけて読ませたい そして 下人や老婆の細かな人物描写を一つ一つ確実に捉えることで人物像や心情の変化を的確に読み取り それを自分自身の考え方や生き方に重ねて作品を読み深める力を身に付けさせたい そのために 授業にグループ学習を取り入れ 言語活動の充実を図り 他者に触発されながら課題解決に至る経験をさせていきたい 10 単元の評価規準ア関心 意欲 態度 イ読む能力 ウ知識 理解 1 場面の推移に従って下人と老 1 人物の考え方とその変化 そ 1 文章の構成を捉え 重要語句 婆の行動や心情がどのように変れが意味するものが何であるかの意味や比喩などの表現技巧を 化しているかを理解しようとしを結びつけて説明してい 文脈の中で理解してい てい 2グループ学習で他者の考えと 2 教材の学習や調べ学習を通し 2グループ学習で積極的に話しの共通点や相違点を意識して自て教材と作者との関連を理解し 合おうとしてい 分の考えを深めてい てい 11 指導と評価の計画 ( 全 16 時間 ) 時 各時間の目標 学習活動 評価規準 評価方法 作品のおおまか 朗読 CDを聞いて全文を通ア1 なイメージをつか読す ウ1 1 2 む 初発の感想を発表すワークシートの点検 作品の構成と場 小説の構成と場面設定を 面設定を理解す考え 第一段の読解 漢字の読みの小テストをイ12 下人のおかれて行う いる状況とその心 重要語句の意味調べをす 小テストの点検ワークシートの点検 情を理解す 羅生門( 羅城門 ) につい 3 4 5 て図書館の資料で調べ ペアで音読す 羅生門の下で雨やみを待 つ下人が置かれている状況 とその心情についてペア ディスカッションで考え

第二段の読解 漢字の読みの小テストを イ 12 老婆に出会うまで 行う 小テストの点検 の下人の心情の変 ペアで音読す ワークシートの点検 化を理解す 重要語句の意味調べをす はしごの中段や上段から 6 7 8 下人が目にしたものによっ て下人の心情がどのように 変化したかを整理す 下人の心情の変化の根拠 をグループ ディスカッシ ョンで考え 比喩表現の効果を考え 第三段の読解 漢字の読みの小テストを イ 12 老婆との交渉を通 行う 小テストの点検 じて変化する下人 ペアで音読す ワークシートの点検 の思考や心情を理 重要語句の意味調べをす 解す 老婆を捕えるまでの下人 の心情の変化を考え 9 10 老婆が死人の髪の毛を抜 11( 本時 ) く理由を聞いた下人の心情 を 比喩表現の効果を考え 老婆の弁明の論理を整理 し それに対する下人の思 考や心情をロールプレイ ディスカッションで考え 第四段の読解 漢字の読みの小テストを イ 12 老婆との出会いを 行う 小テストの点検 通して変貌した下 ペアで音読す ワークシートの点検 人について理解す 重要語句の意味調べをす 12 13 前時で学習した老婆の弁 明に対する生徒自身の考え と第四段の下人の言動とを 比較しながら 引剥ぎに至 る下人の心理を考え 下人が去った後の老婆の

心情をペア ディスカッシ ョンで考え 作品の主題を考 作品全体を通して 下人 イ 2 え の変貌の意味をグループ ウ 2 ワークシートの点検 作品世界を広げ ディスカッションで考え 下人のその後を五コマ目 14 15 16 として作品を漫画にす 作者について DVD を鑑賞 して 作品との関連につい て考察す 学習活動全体を通して自 己評価をす 12 本時の計画 ( 全 16 時間中の11 時間目 ) (1) 目標 老婆との交渉を通じて変化する下人の思考や心情を理解す ロールプレイ ディスカッションに意欲的に取り組み 本文の読解に基づいて自らの考えを深め (2) 展開時間学習活動指導上の留意点評価の実際 1 前時を振り返り ペアでワークシートから出題さア1 導入本時の学習内容を提せ 発問に対する応答の様子を 15 分示す 本時の学習目標 学習活動 評確認することで評価す 2 第三段(P180,4~ 価の観点をパワーポイントで提示 机間指導をしながら 音読 P181,11) を音読すすの様子 ( 漢字の読み 会話文 ) ペアで一文ずつ交替して音読さをすることで評価すせ老婆が死人の髪を抜 老婆が死人の髪を抜く理由を聞ア1 イ12 展開 1 く理由を聞いた下人いた下人の心情について語句の意 発問に対する応答の様子を 15 分の心情を説明す味を辞書で確認しながら考えさせ確認することで評価す 机間指導をしながら 話し合いの様子やワークシートの記述内容をすることで評価す

1 老婆の弁明の論理 死人の髪を抜く老婆の考えとそ ア 1 イ 12 展開 2 を整理して説明す の理由を接続詞に注目しながら考 発問に対する応答の様子を 20 分 2 老婆の弁明に対す えさせ 確認することで評価す る下人の思考や心情 老婆の弁明に対する下人の心情 机間指導をしながら 話し についてロールプレ と生徒自身どう捉えるかを予めワ 合いの様子やワークシート イ ディスカッション ークシートに記入させ ロールプ の記述内容をすること を通して考え レイ後の気づきを記入させ で評価す ロールプレイの目的や役割を明 確にして話し合いをさせ 結論の収束は求めず 生徒の相 互理解のための自由な話し合いの 場を設定す まとめ 本時を振り返 ワークシートに本時の学習内容 ア 1 5 分 を整理させ 学習目標が達成され 机間指導をしながら ワー たか評価す クシートの記述内容を 本時の読解が第四段の下人の行 することで評価す 動と関連することを予告す 次回の課題 ( 漢字の読みの小テ スト ) を指示す (3) 評価本時の評価規準 努力を要するとされる 状況の例 具体的な指導の手立て 1 老婆の弁明を論理的に 1 老婆の言葉の意味やそれが発せられ 1 本文を拡大して示し 接続詞に 説明してい た経緯について文脈を追いながら確認アンダーラインを引かせ 論理の 2ロールプレイ ディスすることができない 展開図を示したワークシートに カッションで他者の考え 2ロールプレイ ディスカッションで空欄補充をさせ との共通点や相違点を意自分の意見を述べることができない 識して自分の考えを深めてい 2ロールプレイでの気づきについて相互に質問し合うことを指示す 研究授業実施後の反省点と感想 1 はじめに今回の研究授業は 協同学習において言語活動の充実を図り 活発な意見交流をすることで生徒一人一人が自分の考えを深化させ 課題を解決する力を身に付けることを目的として行った 生徒が課題解決の責任感や当事者意識を高めるためにはペアワークが最も効果的であると考え 段落ごとの音読や下人や老婆の心情の考察 復習問題の出題など 毎時間 計画的に導入して数多くの経験を積ませてきた その中で グループワークにより作品の理解を示した生徒も多くいた また 下人や老婆を演じ 人物の心情に迫ったロールプレイ ディスカッションでは生徒が新たな角度から作品の理解を深めることができたと実感した

音読 ペア ディスカッション 2 実践の振り返り 羅生門 の学習の全体を通して次の反省点が得られた 1) 学習活動に時間がかかり 授業時数が予定を大幅に超えてしまった 2) 本文を全体的に見渡して思考する力を身に付けさせられず 既習の内容を振り返らせることができなかった 3) 比喩表現を通して人物の様子や心情を分かりやすくイメージさせることができなかった 4) グループ ディスカッションの活性化を図ることができなかった 5) グループワークの評価を的確に行えなかった グループ ディスカッション 3 授業改善の方策と今後の展望反省を踏まえて 次のように今後の授業改善の方策を考えた 1) 生徒の学習活動に見通しを立て 指示や発問は簡潔に行う 2) 出来事や人物の心情について本文から確実に読み取る時間を十分に与え 読解法を生徒自ら考えさせ 3) 本文の語句や生徒の言葉一つ一つの意味を正確に捉えさせ 4) グループ ディスカッションの目的を提示し 他者の考えとの比較検討の方法やグループ ディスカッションのまとめ方を指示す

5) 授業の初めに評価の観点を提示し グループワークの後には必ず発表と評価の場を設け生徒の思考力も教師の資質も不断の努力によって培われるものであ今回の研修を契機に今後も私自身 教材を深く読み込み 生徒の 国語力 が 生きる力 となるような授業法の開発に努めていこうと思う ロールプレイ ディスカッションについて ~ 生徒の自己評価を生かした改善案 ~ 研究授業当日は 老婆の弁明に対する下人の心情についてロールプレイ ディスカッションを通し て考えさせた ( ワークシート 第三段落 2 を参照 ) 生徒の自己評価は次の通りであ ロールプレイ ディスカッション テーマ 老婆の弁明に対する下人の心情 A よくできた B まあまあできた C あまりできなかった D 全くできなかった無回答未提出 5% 0% 5% 8% 37% 45% 理由 A よくできた楽しくできた 深く理解することができたから 下人の気持ちが揺れてきたことに理解できた B まあまあできた登場人物になりきることができた ワークシートなどでしっかりと取り組めたから 実際にしてわからないところが少しあったから うまく会話ができず 一方的だった しっかりできたが 少しおしゃべりをしてしまった C あまりできなかったよくわからなかった ロールプレイ ディスカッションとは 様々な役割演技をしながらディスカッションをすることによって 様々な立場による物事に対する捉え方の違いを検討したり 思考の枠組みの在り方について検討したりするためのディスカッションの一形態であ私自身初めての試みであり事前にトレーニングを行ったが 研究授業の展開の計画に無理があり 予定通りに進めることができなかった 特に

ロールプレイの後に行うシェアリングにおいて 弁明をする老婆の心情の分析やそれを聞いた下人の心情の分析から立場や考え方の違いによる多角的な視点を気付かせる時間を十分に与えられなかったことは大いに反省すべき点であしかし 生徒の評価からもわかる通り ロールプレイ ディスカッションは人物の心情を考えることに効果を示し その機能性を活かして授業開発を行うことで生徒の思考の深化拡充が期待できると考えしたがって 学習活動にロールプレイ ディスカッションを取り入れる際には次のことに留意して授業開発を行っていきたい 1)1 時間をかけて取り組ませ 2) ロールプレイ ディスカッションの主たる目的は シェアリングであることを認識させ 3) 活用する場面を吟味す ( 例えば 第二段落 の死骸の髪を抜く老婆を追及する下人に対して老婆が執拗く黙っている場面において二人の心情を考えさせる など ) 今後もこのロールプレイ ディスカッションの汎用性を高めながら生徒の学習活動を充実させて行きたい