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実施内容 3 解析領域設定 地質構造モデルの構築 水理地質構造モデル ( 解析メッシュに水理特性を設定したモデル ) の構築 地下水流動解析 対策工実施前の飽和不飽和定常解析 対策工を考慮した飽和不飽和定常解析 JAEA 解析結果とサブグループ解析結果の比較

解析領域 4 阿武隈高地 約 16.5km 4km 解析領域 双葉断層 6km サブグループの解析領域 約 11.7km JAEA が考慮した領域 今回の解析領域 JAEA 水平方向 : 東西 4km, 南北 6km 深度方向 : 地表から標高 -200m 500m サブグループ解析の領域 広域的な地下水流動と局所的な地下水流動のイメージ 海 双葉断層 2011 年に実施した広域地下水流動解析領域 サブグループ解析の領域 ( 局所的な地下水流動の分水界で囲まれた範囲 ) よりも広域的な地下水流動が敷地内の地下水流動に与える影響の有無を確認することを目的 平面方向および深度方向を拡張した範囲を領域として設定 側方境界条件には広域地下水流動解析結果の水頭分布を設定

地質構造モデルの構築 5 東電提供データに基づいて, 地質構造モデル作成ツール (Earth Vision) を用いて, 三次元地質構造モデルを構築 モデル化領域 : 平面方向に 4km 6km 四方, 深度方向に地表から標高 -200m A B JAEA モデルの領域 C C 1 号機 2 号機 4 号機 プロセス建屋 E-W(m) 3 号機高温焼却炉 サブグループモデルの領域 ( 局所的な地下水流動の分水界で囲まれた範囲 ) 凡例 段丘堆積物 ( 盛土含む ) 沖積層 砂岩層 500m 泥岩層 互層 N-S(m) A B 地質構造モデル ( 平面図 ) 富岡層 T2 部層

地質構造モデルの構築 6 A A B B 地質構造モデル (1 号機 (A-A ) 断面図 ) 地質構造モデル (4 号機 (B-B ) 断面図 ) C C 凡例 段丘堆積物 ( 盛土含む ) 沖積層 砂岩層泥岩層互層富岡層 T2 部層 地質構造モデル (C-C 断面図 )

地質構造モデルの構築 7 沖積層 段丘堆積物 ( 盛土含む ) 中粒砂岩 粗粒砂岩 泥岩 富岡層 T2 部層 細粒砂岩 A A 凡例 段丘堆積物 ( 盛土含む ) 沖積層 砂岩層 泥岩層 互層 地質構造モデル (1 号機 (A-A ) 断面図 ) 富岡層 T2 部層

水理地質構造モデルの構築 8 地質構造モデルに基づいて, 地下水流動解析コード (FracAffinity; Ohyama and Saegusa, 2008) を用いて, 三次元水理地質構造モデルを構築 格子分割としては, モデル全体 :50m 50m 20m に分割 建屋を含む 2km 3.5km 領域 :25m 25m 20m に分割 地表から標高 -30m の範囲 : 砂岩層及び互層などの連続性を表現するため, 深度方向に 1m で分割 透水係数 (LogK(m/s)) 格子数 :658,092 水理地質構造モデル

水理地質構造モデルの構築 - 水理特性 - 9 水理地質構造の水理特性は, サブグループ解析と同一に設定 ( 下表 ) 富岡層 (T2 部層 ) については, 文献資料 ( 梅田ほか,1995) に基づき設定 水理地質構造に設定した水理特性 地層区分 透水係数 (log(m/s)) 地層名 記号 水平 鉛直 段丘堆積物 tm -4.52-4.52 沖積層 al -5.00-5.00 中粒砂岩 ss1-4.52-4.52 中粒砂岩 ( 南側 上部 ) ss3-6.00-6.00 泥岩 m0-7.96-7.96 中粒砂岩 ( 南側 下部 ) ss2-6.00-6.00 泥岩 m1-7.96-7.96 互層 alt -5.00-7.96 泥岩 m2-7.96-7.96 細粒砂岩 fs -4.64-4.64 泥岩 m3-7.96-7.96 粗粒砂岩 cs -4.70-4.70 泥岩 m4-7.96-7.96 富岡層 (T2 部層 ) T2-6.10-6.10 サブグループ解析と同一

水理地質構造モデルの構築 - 建屋のモデル化方法 - 10 水理地質構造モデルに, 建屋への地下水の流入量が確認されている 1~4 号機建屋, プロセス建屋, 高温焼却炉を考慮 各建屋の概略面積と等価な面積となるように, 四角柱でモデル化 建屋壁面 底面の境界条件 ; 自由浸出境界 建屋側面のコンクリート壁や底面のコンクリート台座の影響を考慮するため, 壁面の透水係数を低減させる係数 α を適用 建屋壁面 底面の透水係数 (K wall )= 建屋近傍の地盤の透水係数 (K rock ) α 1 号機 3 号機 4 号機 2 号機 プロセス建屋 高温焼却炉 側壁面の透水係数を低減 建屋 ( 大気圧解放 ) 地盤 底面の透水係数を低減

JAEA モデルとサブグループモデルとの相違点 11 建屋の形状 建屋側面のコンクリート壁 サブグループモデル 現実に即した形状を解析メッシュに再現 厚さを持った壁としてモデル化 建屋底面のコンクリート台座の厚さ 厚さを持った台座としてモデル化 厚さを持った壁としてモデル化し透水係数を設定 JAEAモデル 四角柱として解析メッシュに表現 低透水性の面としてモデル化 低透水性の面としてモデル化 側壁面の透水係数を低減 モデル化のイメージ 建屋 ( 大気圧解放 ) 建屋 ( 大気圧解放 ) 地盤 地盤 厚さを持った台座としてモデル化し透水係数を設定 底面の透水係数を低減

境界条件の設定 12 上部及び側方境界 ( ): 固定水頭境界 ( 水頭 0m) 上部境界 ( 陸側 ): 一定涵養量 (850mm/ 年 ) 側方境界 ( 陸側 ): 広域地下水流動解析結果に基づく固定水頭境界 下部境界 : 不透水境界 涵養量 : 年間降水量 (1,545mm/ 年 ) の 55% ( 東電提供資料参照 ) 広域地下水流動解析結果 ( 水頭分布 ; 地表面 ) サブグループモデルと同一条件 サブグループモデルと異なる条件

解析の進め方 (JAEA/ サブグループ共通 ) 13 対策工実施前の飽和不飽和定常解析 地盤の水理特性を設定 建屋側面のコンクリート壁や底面のコンクリート台座の水理特性を設定 境界条件の設定 地下水流動解析 対策工を考慮した飽和不飽和定常解析 対策工を考慮した水理特性や境界条件の追加設定 地下水流動解析 対策工実施後の建屋への地下水流入量の算出 建屋への地下水流入量の解析値と実測値の比較 整合 不整合 対策工の効果の推定 地下水流動解析のイメージ 地下水位分布 の解析値と実測値の比較 不整合 地下水面 対策工実施前 流入量 建屋整合 建屋への地下水流入量の算出 JAEA モデルとサブグループモデルの比較項目 地下水面対策工を考慮 流入量地下水面 : 解析領域への地下水の流入出量と建屋への流入量の水収支, 地盤の透水係数の不均質性を考慮して算出 遮水壁 建屋

JAEA モデルとサブグループモデルとの比較項目 14 対策工実施前の解析結果 地下水位分布 : 水理地質構造モデル ( 水理特性の設定値 ) や境界条件の妥当性を確認 対策工を考慮した解析結果 建屋への地下水流入量の低減率 : 対策工の効果の推定結果の妥当性を確認

対策工実施前の解析結果 ( 建屋への地下水流入量 ) 15 500 地下水流入量 (m 3 / 日 ) 450 400 350 300 250 200 150 サブグループ解析値 JAEA 解析値実測値 313 320 401 406 400 100 50 0 88 85 0 0 1~4 号機合計その他合計総合計 * グラフ中 その他合計 とは, 高温焼却炉とプロセス建屋への流入量の合計を指す

対策工実施前の JAEA 解析結果 ( 地下水位分布 ) 16 40 35 30 解析水位 (m) 25 20 15 10 5 0 不圧水位 ( 中粒砂岩層 ) 被圧水位 ( 互層 ) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 実測水位 (m) JAEA の対策工実施前の解析結果は, 敷地内の地下水位の空間分布を概ね再現できている

JAEA 解析結果サブグループ解析結果不圧水位(中粒砂岩層内)被圧水位(互層内)対策工実施前の解析結果の比較 ( 地下水位分布 ) 17 解析水位 (m) 40 35 30 25 20 15 10 5 不圧水位 ( 中粒砂岩層 ) 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 実測水位 (m) 30 25 20 15 10 5 被圧水位 ( 互層 ) 0 0 5 10 15 20 25 30 解析水位 (m) 実測水位 (m) JAEA とサブグループの対策工実施前の解析結果はほぼ同様

対策工実施前の JAEA 解析結果 ( 水頭分布 ) 18 原子炉建屋周辺領域 全水頭 (m) 1 号機 3 号機 プロセス建屋 E-W(m) 2 号機 4 号機高温焼却炉 E-W(m) N-S(m) 200m 500m N-S(m) 水頭分布図 ( 地表面 ) 原子炉建屋周辺領域 1 号機 3 号機 プロセス建屋 全水頭 (m) 全水頭 (m) E-W(m) 2 号機 4 号機高温焼却炉 E-W(m) N-S(m) 200m 500m N-S(m) 水頭分布図 ( 標高 -10m)

対策工実施前の JAEA 解析結果 ( 水頭分布 ) 19 水平断面図 1 号機 3 号機 プロセス建屋 1 号機 3 号機 プロセス建屋 E-W(m) 2 号機 4 号機高温焼却炉 E-W(m) 2 号機 4 号機高温焼却炉 全水頭 (m) 200m 200m N-S(m) N-S(m) 1 号機 4 号機 段丘堆積物 ( 盛土含む ) 鉛直断面図 ( 下図中の黒線は地層境界を示す ) 中粒砂岩 粗粒砂岩 富岡層 T2 部層 泥岩 細粒砂岩

対策工を考慮した JAEA 解析ケース 20 JAEA 解析ケース 対策工 1: 陸側遮水壁 対策工 2: 遮水壁 対策工 3: 山 SD 対策工 4: 地下水バイパス サブグループ解析ケース ケース A - - - - ケース 0 ケース B-1 - - - ケース 6 ケース B-2 ケース 10 モデル化内容 対策工 1: 陸側遮水壁 ( フェーシング含む ) 対策工 2: 遮水壁 対策工 3: 山 SD 地表から EL-25m までモデル化 地表から EL-25m までモデル化 ( 主に 漏らさない ための対策であるもの, 規模が大きいため 近づけない ための対策に影響がある可能性があるためにモデル化 ) 山側サブドレン :35 本, サブドレン :16 本, 計 51 本 対策工 4: 地下水バイパス 35m 盤に 12 本の揚水井

対策工の効果の推定結果 21 100 サブグループ解析結果 ケース B-1 地下水流入量低減率 (%) 80 60 40 20 91 86 遮水壁の外側の建屋への流入量は若干増加 JAEA 解析結果 69 65 0-10 -13-20 1~4 号機合計その他合計総合計 ケース B-2 地下水流入量低減率 (%) 100 80 60 40 20 100 98 サブグループ解析結果 JAEA 解析結果 23 16 81 82 0-20 1~4 号機合計その他合計総合計 * グラフ中 その他合計 とは, 高温焼却炉とプロセス建屋への流入量の合計を指す

まとめ 22 解析領域や境界条件, 建屋のモデル化方法に違いがあるにも係らず,JAEA 解析値とサブグループ解析値を比較した結果, 以下の点において整合的であることが確認できた 対策工実施前の解析結果 : 地下水位分布 対策工を考慮した解析結果 : 建屋への地下水流入量の低減率