TOTO 09 年度決算 ならびに 10 年度方針についてご説明いたします
ご説明内容はこちらのとおりです
まず 09 年度決算概要をご説明します 09 年度は 売上が大きく減尐する中 全社をあげてコストリダクションに努め 営業利益は前年並み 当期利益は黒字化を達成しました 国内では 新築売上は 新設住宅着工戸数が 2009 年通年で 45 年ぶりに 80 万戸を割り込み 売上も大きく前年割れとなりました リモデル売上は 景況感悪化による需要の冷え込みにより 前年割れとなりました 海外売上は 中国では堅調に推移したものの 米国やその他の地域で景気悪化の影響を受け 前年割れとなりました このような状況の中 キャッシュフローは 棚卸資産の削減や設備投資の抑制などにより前年を上回る結果となりました
2009 年度の業績は売上高は対前年 9% の4,219 億円 営業利益は前年並みの65 億円 経常利益は対前年 +24% の73 億円 当期利益は8 億円となりました
売上高を 新築 リモデル 新規事業その他 海外 に分けてご説明いたします 新築 は 新設住宅の需要が大きく低迷した影響を受け 対前年 21% の 1,198 億円と大きく前年を下まわりました リモデル は 景気悪化により 特に 2009 年中の需要環境が弱く ショールーム施策などにより需要創造を行ないましたが 対前年 2% の 2,400 億円となりました 新規事業その他 は 対前年 19% の 62 億円 海外 は世界的な景況感の悪化により 特に中国が堅調に推移するものの米州やその他地域で影響を受け 5% の 559 億円となりました
商品別売上高の増減では 需要減尐の影響を受け ほぼすべての商品において 前年割れとなりました
営業利益の増減益要因です 全社を挙げたコストリダクションの取り組みで +64 億 販管費などの経費削減で +100 億 販売強化投資の抑制で +20 億などが増益要因となりました 一方で 新築売上高の減尐により 100 億円 リモデル売上高の減尐により 21 億 海外売上高の減尐により 8 億など 売上減尐が利益面でもマイナス要因となり トータルでは売り上げが減尐する中で 前年並みの営業利益を確保しました
海外事業の状況ですが 米州 : リーマンショック後の需要の大幅な落ち込みの影響を受け 売上が現地通貨ベースで 19% と前年割れとなりました 中国 : 現地での需要は堅調で 売上は現地通貨ベースで前年比 +8% 現地でのコストリダクション活動などにより 営業利益は +13% の増益となりました その他 ( アジア ): 世界的な経済悪化の影響を受け 台湾や中東などの地域の需要が低迷し 売上が前年割れとなりました その他 ( 欧州 ): 09 年から事業を本格開始した欧州では 新商品の開発や販売網の構築などのマーケティング費用投資により約 17 億円の赤字となりました
10 年度の計画についてご説明します
10 年度は 景気は緩やかな回復傾向にあるものの 予断は許さない状況ですが 需要創造とコストリダクションにより増収増益の計画です また 昨年発表しました TOTO V プラン 2017 も本格始し 全社横断的なテーマを掲げて改革を進めてまいります 需要別の売り上げでは 国内住設事業は 新築売上は新設着工は前年並みを想定しますが納入時期ベースにすると需要減尐を想定し 前年割れを見込みます リモデルは 新商品発売や需要創造活動により売上増を計画します 海外売上は 米州や中国はじめすべての地域で前年を上回る計画です 営業利益は 売上増加に加え V プラン 2017 によるコストリダクション推進などにより増益計画です
10 年度業績については 次のとおり計画しています 売上高は対前年 +2% の4,300 億円 営業利益は対前年 +60% の105 億円 経常利益は対前年 +57% の115 億円 当期純利益は60 億円といたします
需要分野別売上計画です 本年度より マネジメントアプローチの導入により 需要別の売上ならびに営業利益を 国内住設事業 海外住設事業 新領域事業 その他 として開示いたします 国内住設事業 は 新築が 納入時期ベースの需要が前年割れする影響で対前年 6% の 1100 億円 リモデルは 新商品発売や需要創造活動により対前年 +3% の 2436 億円の計画です 海外住設事業 は需要回復 販売強化による売上増で +13% の 593 億円 新領域事業 はセラミックの売上増により +9% の 164 億円の計画です
商品別売上高の計画です 本年度は主要商品の新商品発売を計画しています それらの商品はもちろんのこと 需要創造活動に努めることにより ウォシュレトや浴室を中心に売上の増加を計画しています
営業利益の増減益要因について プラス要因では コストリダクションにより対前年 +71 億円を計画しています この内訳は V プランによるものが +23 億円 従前のコストリダクションによるものが +48 億円です またリモデル売上高の増加により +39 億円 海外売上高の増加により +22 億円などを計画しています マイナス要因では 新築売上高の減尐による利益減尐が対前年 35 億円 新商品発売に伴う販売強化投資で 63 億円 原材料の値上がりによる損で 27 億円などを見込んでいます これらにより 前年比 +40 億円の増益計画です
海外事業の計画についてご説明します 米州 : 緩やかな景気回復 それに強みを活かせる環境配慮商品の販売強化により増収増益の計画です 中国 : 内陸部での売上強化 また昨今増加傾向にある内装付き物件を手掛ける大手デベロッパーへの提案強化により増収増益の計画です その他 ( アジア ): 中東 インドなどの成長による売上増を計画しています その他 ( 欧州 ): 事業の本格開始を受け 売上増加を計画しています
配当は 前年並みの 10 円を計画しています
10 年度方針についてご説明します
国内住設事業では 本年度はレストルーム キッチン 浴室 洗面化粧台など水まわり 4 部位すべての商品において新商品の発売を 8 月に計画しています レストルームは 昨年発売したウォシュレット一体形トイレ GG の陶器部をプラットフォームとし タンク付き便器に展開します キッチンは これまでキュイジア レガセス スタイル F と 3 シリーズあったものを一本化し お客様にとって欲しい機能をお選びいただきやすくします ユニットバス 洗面化粧台も新商品を発売予定です これら新商品発売は 国内で販売する商品の約 4 割を新たに発売することにあたります 新商品の価値をきちんとお客様に伝えるためにも 本年度はショールーム入れ替え費用やコミュニケーション費用など投資を行っていきます
10 年度に取り組む リモデル需要創造の活動をを二つご紹介します ひとつは リモデルノウハウを持った人材育成サービスの構築です 高まるリモデル需要に備え さらなる信用力や提案力の強化が不可欠です リモデルクラブ店やパートナー社員 支社のセールスを対象に リモデルに必要なノウハウを持った人材を初年度は年間 5,000 人育成していきます もうひとつは TDY コラボショールームの設置によるお客様への提案力強化です TOTO DAIKEN YKK AP3 社の持つ商品 技術を融合させた新たなコンセプトのショールームをオープンし お客様に最新の空間提案 リモデル情報をご提供します
海外住設事業についてご説明します 米州における厳しい需要環境は 2010 年度まで続くと見ています そういった環境の中で 水栓機器やウォシュレットなど 衛生陶器以外の商材の提案を強化して売上を伸ばします また TOTO の強みを活かせる 4.8L 便器に代表される環境配慮商品の販売も強化してまいります 実際に全便器出荷量に対する 4.8L 便器の出荷比率は 09 年度の 25% に対し 10 年度は 35% と大きく伸長の計画です 本年度は 4.8L 便器の他にも自己発電式の水栓などの販売を強化します
中国は 景気減速の懸念もありますが 当面は成長が続くと見ています このような環境の中で TOTO ブランドのさらなる価値向上を目指し 上海の旗艦ショールームを拡張し リニューアルオープンしました また南京においてもブランド発信できる旗艦ショールームのオープンを計画しています また 近年増えている内装付き住宅も確実に取り込んでいくよう 大手デベロッパーへの提案も強化します
欧州においては 設備投資や住宅設備の低迷が続いていますが 景気は緩やかに回復傾向にあります 事業を開始して間もない地域において TOTO ブランドが早く認知されるよう 展示ショールームの増加 展示会への積極的な参加などのマーケティング活動を継続して進めます また ネオレストシリーズや著名なデザイナーであるジョバンノーニのデザインによるウォシュレットなど 欧州向け商品の販売強化に努め 売上計画 39 億円の達成を目指します
その他新市場です サッカー ワールドカップやオリンピック開催を控え経済成長著しいブラジル 富裕層が増加しているロシア 急激な市場拡大が確実視されているインドにおいて 販売網の開拓などを進め 早期の事業基盤確立を目指します
新領域事業についてご説明します ハイドロテクトを扱う環境建材事業は 販路拡大とビジネスモデルの構築が課題です そのために 国内では RC 店と協業し リモデル OB 顧客への提案を強化します また海外においては著名物件への納入やグローバルな ハイドロの輪 拡大を目指したパートナー拡大に向けた取り組みを開始しています 燃料電池事業は 量産体制を整えるために 10 億円の設備投資を行います セラミック事業は TOTO のオンリーワン技術が活かせる商品群のグローバル展開を加速し V プランの目標値に向けて 一歩ずつ前進しています
V プランについてご説明します
まずはものづくり革新によるコストリダクションです 今年 4 月に発売いたしましたウォシュレット一体形便器 GG のウォシュレット部の生産自動化を進めることにより 今年度 4 月から年間約 3 億円のコストダウンを計画しています 今年度発売するバスルームに搭載する新素材の開発により 8 月より年間約 2 億円 またものづくりにかかわるコストダウンで今年度は約 4 億円のコストダウンを計画しています それ以外にも工場再編の効果として 7 億円などが今期から効果として寄与します 今後も発表できるものから随時発表しながら 250 億円のコストリダクションを達成していきます
マーケティング革新活動では グローバルスタンダードに向けた取り組みの一つとして 2011 年 4 月より 現在 2 色あるホワイト系の色を グローバルスタンダードとして 1 色に統一します これ以外にも 日本で開発したコアテクノロジーを地域特性に合わせたテイストにしてグローバル展開していき TOTO らしい商品戦略を推進していきます サプライチェーン革新活動では 強固な経営体質を目指し 棚卸資産の削減活動を進めます 昨年は 433 億まで削減した棚卸資産を 本年度はさらに 400 億円まで削減する計画です
現在 国内には小倉 中津 滋賀 愛知の 4 つの衛陶工場があります しかしいずれも 設備は既に 20~30 年前の古いものです そのためにいくつかの課題がありました ひとつは現在の設備では新商品のウォシュレット一体形トイレ GG など 大型商品の生産が難しいということです もうひとつは設備の老朽化による生産効率の低下 これらの課題を解消するため そして将来の国内工場再編を見据えて 滋賀に衛陶工場を新設します 本工場は 2012 年 4 月に稼働予定です
最後に TOTO の環境ビジョンであります TOTO グリーンチャレンジ についてご説明します
家庭からの CO2 排出量は 水まわり機器が多くの割合を占めています TOTO は 水まわりのトップメーカーとして 従来からの環境活動をさらに劇的に加速する TOTO GREEN CHALLENGE をスタートしました すべての企業活動をいま一度検証し 2017 年までの厳しい数値目標を掲げています 商品を通じた取り組みでは 特に 水まわりの CO2 削減 と ハイドロテクトによる空気浄化 を推進 わかりやすい未来像とロードマップを示し 住設業界全体を巻き込んだ 地球規模の活動へと広げていきます
TOTO GREEN CHALLENGE とは具体的に 3 つの柱で推進します ひとつは商品とサービス 家庭の水まわりから出る CO2 を 1990 年度比で 50% 以上削減できるよう 主力商品を提供していきます 具体的には 世界で発売している超節水 4.8L 便器ですが 2011 年までにはグローバルで便器販売量の 80% をこの 4.8L のものにします またハイドロテクトもグローバルに普及させていきます 二つ目はものづくり 生産 物流 販売などの事業活動においてグローバルな CO2 削減を進めていきます そして三つ目は社会貢献とひとづくり 生物多様性の視点から 社会とかかわり合った環境貢献活動を推進します また環境に対する意識の高い ひとづくり も行っていきます
以上です ありがとうございました