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手順書03

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1 臨床研究の実施体制に関する事項 臨床研究の実施体制 は 次に掲げるものを記載する ア ) 研究責任医師の氏名 職名 医療機関の所在地 連絡先 イ ) 以下の氏名 職名 連絡先 データマネジメント 統計解析 モニタリング 監査に関する責任者 研究 開発計画支援担当者 *1 調整管理実務担当者 *2 研究代表医師 研究責任医師以外の研究を総括する者 *3 ウ ) 以下の名称 所在地 臨床研究に関連する臨床検査施設 医学的及び技術的部門 機関 エ ) 開発業務受託機関の名称 所在地 委託する業務の内容 監督方法 ( 開発業務受託機関に業務を委託する場合 ) 認定臨床研究審査委員会の審査の効率性の観点から 未承認 / 適応外の医薬品等を用いた臨床研究において 実施医療機関が追加される可能性がある場合 臨床研究を実施できる実施医療機関の要件を記載するよう努める

1 臨床研究の実施体制に関する事項 *1: 研究 開発計画支援担当者研究全体の方向性を明確にし 着想から戦略策定 成果の公表 ( または実用化 ) までの一連のプロセスの効率的な計画 運営と 必要な複数の臨床研究及び基礎研究等の最適化を支援する者であって 臨床薬理学 ( 特に薬効評価 研究倫理 ) 一般的臨床診療あるいは臨床研究関連法令に関する見地から臨床研究計画 ( または開発戦略 ) に批判的評価を加え 臨床開発計画に基づく最も有効で効率的な ( 最適化された ) 臨床研究計画の基本骨格の作成を支援する者 例 : 1 開発しようとする医薬品等の主な特徴 ( 有効性 安全性 想定対象疾患 既存治療との相違点及び付加価値等 ) を踏まえ 必要な基礎研究及び臨床研究 開発の各段階での意思決定基準を提示する業務の支援 2 医薬品等の開発に関する計画を時系列に作成する業務の支援 3 医薬品等の開発に関する計画に基づく最も有効で効率的な研究計画書の基本骨格を作成する業務の支援 *2: 調整管理実務担当者臨床研究の計画的かつ効率的な運営管理に関する知識及び手法に基づき 臨床研究を円滑に運営する者例 : 1 臨床研究の進捗及び予算の管理 2 臨床研究に必要な手続の実施 文書の適切な管理及び収集データの信頼性確保 3 臨床研究に関与する関係者との連絡調整及び情報交換 *3: 研究代表医師 研究責任医師以外の研究を総括する者 臨床研究に用いる医薬品等の特許権を有する者や臨床研究の研究資金等を調達する者等で 研究を総括する者

2 臨床研究の背景に関する事項 ( 医薬品等の概要に関する事項を含む ) 臨床研究の必要性 課題設定を明確化する観点から 参考文献 根拠データ等に基づき分かりやすく簡潔に記載する ア ) 国内外における対象疾患の状況 ( 対象疾患に関する疫学データを含む ) イ ) これまでに実施されてきた標準治療の経緯 内容 ウ ) 現在の標準治療の内容 治療成績 エ ) 臨床研究の必要性につながる 現在の標準治療の課題 不明点等 オ ) 臨床研究に用いる医薬品等に関する以下の情報 ⅰ) 医薬品等の名称 ( 一般名及び販売名 ) ⅱ) 投与経路 用法 用量 投与期間 ⅲ) 対象集団 ( 年齢層 性別 疾患等 ) ⅳ) 医薬品等の有効性 安全性に関する 非臨床試験 他の臨床研究等から 得られている臨床的に重要な所見 ⅴ) 医薬品等の投与等による利益 不利益 ( 既知のもの 可能性のあるもの ) 3 臨床研究の目的に関する事項 2 を踏まえ 臨床研究の技術的事項 ( デザイン ) の適切性が判断できるよう 臨床研究で明らかにしようとする点 ( 課題設定 ) を 分かりやすく簡潔に記載する

4 臨床研究の内容に関する事項 臨床研究の内容は 上記 2 と 3 を踏まえ 当該臨床研究の技術的事項 ( デザイン ) として いかに掲げる点についてわかりやすく簡潔に記載する ア ) 臨床研究中に測定される主要評価項目 副次評価項目 イ ) 臨床研究の種類 手法 ( 二重盲検 プラセボ対照 群間比較試験等 ) 臨床研究の手順 ( 段階等を図式化した表示等 ) ウ ) 臨床研究におけるバイアスを最小限にするまたは避けるために取られる無作為化 盲検化等の方法の説明 エ ) 臨床研究に用いる医薬品等の用法 用量に関する記載 国内未承認医薬品の場合は以下の 2 点についても記載 1 医薬品等の剤形 2 医薬品等の名称 製造番号又は製造記号 医薬品等の管理に係る事項 ( 保管方法等 ) オ ) 臨床研究の対象者の参加予定期間 観察機関 ( 最初の症例を登録したときから臨床研究の内容に関する事項として記載した全ての評価項目に係るデータ収集を行うための期間が終了したときまでの期間 ) を含む全ての臨床研究の工程と期間 研究終了後にも配慮が必要なもの ( 埋込み型医療機器等 ) の場合 研究終了後のフォローアップ内容も明らかにしておく

4 臨床研究の内容に関する事項 カ ) 臨床研究の一部及び全体の中止規定または中止基準 主に以下の 2 点については文書内に含んでおく必要がある 1 個々の症例について安全性確保の観点から中止すべき閾値を設定できる場合 2 臨床研究全体として重篤な副作用の発現予測の観点から中止すべき閾値を設定できる場合 キ ) 臨床研究に用いる医薬品等の管理の手順 ( 医薬品等 の管理手順の中には 1 プラセボ 2 対照薬 ( 臨床研究において評価の対象となる医薬品等と比較する目的で用いられる医薬品 ) も含まれる ) 臨床研究に用いる未承認の医薬品等を 診療に用いる医薬品等と別に管理する必要がある場合は管理場所 数量 据付け型医療機器の研究終了後の取扱い等を含む臨床研究に用いる医薬品等の管理の手順も説明する ク ) 無作為化の手順 ケ ) 症例報告書に直接記入され かつ原資料と解すべき内容

5 臨床研究の対象者の選択及び除外並びに臨床研究の中止に関する基準 対象者の選択及び除外並びに中止に関する基準は 科学的根拠に基づき 臨床研究の対象者の人権保護の観点から臨床研究の目的に応じ 臨床研究の対象者を当該臨床研究の対象とすることの適否について慎重に検討されなければならないことを明らかにすること ア ) 対象者の選択 *1 除外 *2 中止 *3 に関する基準 イ ) やむを得ず 同意の能力を欠く者 同意の任意性が損なわれるおそれのある者を対象者とする場合はその必然性を記載しておく ウ ) 不当で恣意的な基準としないこと *1 選択基準 1 臨床研究の有効性が示された場合にその治療を適用することが妥当とみなされる集団を規定する基準 2 主に対象疾患 年齢 性別 症状 既往疾患 併存疾患に関する制限 臨床検査値等による閾値 同意能力等を明確に記述する ( 例としては 特定の遺伝子変異を有する者を臨床研究の対象者として選択する場合 当該遺伝子変異の有無の明記など ) *2 除外基準 選択基準で示される集団に属するが 特定の状況下でリスクが高くなり臨床研究への参加が倫理的でない また 臨床研究の有効性 安全性評価に影響を及ぼすと判断されることを規定する基準 *3 中止基準 いつ どのように対象者の参加を中止とするか 基準の設定理由 中止後にどのようなデータをいつ集めるかなどの基準

6 臨床研究の対象者に対する治療に関する事項 臨床研究の対象者に対する治療 は次に掲げるものを含むこと ア ) 用いられる全ての医薬品等の内容 * 入院 通院 食事制限等のスジュールの内容 * 名称 用法 用量 投与経路 投与期間等の他に 臨床研究の対象者に対する観察期間 その後のフォローアップを含めておく イ ) 臨床研究実施前 実施中に許容される治療法 ( 緊急時の治療を含む ) 禁止される治療法 ウ ) 対象者への医薬品の投与等 その他の取り決め事項の遵守状況を確認する手順

7 有効性の評価に関する事項 有効性の評価 は 次に掲げるものを含むこと ア ) 有効性評価指標の特定 イ ) 有効性評価指標に関する評価 記録 解析方法 それらの実施時期 8 安全性の評価 に関する事項 安全性の評価 は 次に掲げるものを含むこと ア ) 安全性評価指標の特定 イ ) 安全性評価指標に関する評価 記録及び解析の方法並びにそれらの実施時期 ウ ) 疾病等の情報収集 記録及び報告に関する手順 研究責任医師が研究代表医師に報告すべき重要な疾病等及び臨床検査の異常値の特定並びに報告の要件及び期限を含む エ ) 疾病等発生後の臨床研究の対象者の観察期間

9 統計的な解析に関する事項 統計的な解析に関する事項は以下の内容を記載する ( 統計解析計画書を作成している場合であっても 研究計画書への記載は必要 ) ア ) 中間解析を行う場合 実施される統計解析手法の説明 ( 計画された中間解析の時期を含む ) イ ) 計画された登録症例数 症例数設定の根拠 ( 臨床研究の検出力 臨床上の理由からの考察を含む ) 多施設共同研究においては 各実施医療機関の登録症例数を特定する ウ ) 用いられる有意水準 エ ) 臨床研究の中止基準 ( 登録症例数が実施予定症例数に達しない時点で 臨床研究の目的 内容等に鑑み 明らかに有効または無効であることが判定できる場合等 ) オ ) 欠落 不採用及び異常データの取扱いの手順 カ ) 当初の統計的な解析計画を変更する場合の手順 当初の統計的な解析計画からの変更がある場合 研究計画書または統計解析計画書を改訂し 臨床研究の総括報告書においても説明する キ ) 解析の対象となる対象者の選択 ( 無作為割り付けを受けた全症例 被験薬投与を受けた全症例 全適格例 評価可能症例等 )

10 原資料等の閲覧 研究責任医師は 研究計画書または別の合意文書中に 研究責任医師及び実施医療機関が 臨床研究に関連するモニタリング 監査 認定臨床研究審査委員会 規制当局の調査の際に 原資料等 * の全ての臨床研究関連記録を直接閲覧に供すべき旨を記載する必要がある * 原資料等臨床研究により得られたデータその他の記録で ほかにも医薬品等製造販売業者 特殊関係者が研究資金等の提供を行う場合の 研究責任医師との研究資金等に関する契約の内容 ( 法第 32 条の規定により締結したもの ) 含む 補足 : 臨床研究法第 32 条 ( 契約の締結 ) 医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者は 特定臨床研究を実施する者に対し 当該医薬品等製造販売業者が製造販売をし 又はしようとする医薬品等を用いる特定臨床研究についての研究資金等の提供を行うときは 当該研究資金等の額及び内容 当該特定臨床研究の内容その他厚生労働省令で定める事項を定める契約を締結しなければならない

11 品質管理及び品質保証に関する事項 ア ) モニタリングの方法 * 臨床研究法施行規則の施行等について ( 課長通知 ) (17) 規則 17 条関係を参照 イ ) 監査の方法 ( 監査を実施する場合 ) * 臨床研究法施行規則の施行等について ( 課長通知 ) (18) 規則 18 条関連を参照 *(17) 規則第 17 条関係 1 モニタリングを実施する場合にあっては 次に掲げる事項について留意すること ( ア ) 臨床研究の対象者の人権の保護 安全の確保が図られていること ( イ ) 臨床研究が最新の実施計画 研究計画書及び本規則を遵守して実施されていること ( ウ ) 臨床研究の実施について臨床研究の対象者から文書により同意を得ていること ( エ ) 記録等が正確であることについて原資料等に照らして検証すること 2 手順書においては 当該研究のリスクに応じて重点的に確認する事項を定めるなど 当該研究におけるモニタリングの方法や関係者の責務についてあらかじめ計画を立て 計画されたモニタリングが適切に行われるよう具体的な手順を定めること なお 手順書に記載すべき内容を研究計画書に記載する場合は 当該研究計画書の記載をもって手順書とみなすことができる 3 モニタリングを担当する者は 規則 実施計画及び研究計画書 説明同意文書 手順書を熟知していること 4 モニタリングの結果は 疾病等 不適合等の重要な発見事項又は事実関係等の内容を要約した報告書によって取りまとめること 5 対象者への研究実施が適切に実施されているかダブルチェックが働くよう担保できれば 同じ臨床研究に従事する他の研究分担医師がモニタリングを行っても差し支えない *(18) 規則第 18 条関係 1 手順書においては 臨床研究の品質保証のために 通常のモニタリングなどの品質管理業務とは独立 分離して評価を行い 原資料を直接閲覧することにより臨床研究が適切に実施されていること及び記録の信頼性が十分に保たれていることを確認するため 当該研究における監査の必要性 実施する場合の担当者や適切な実施時期を計画し 計画された監査が適切に行われるよう具体的な手順を定めること なお 手順書に記載すべき内容を研究計画書に記載する場合は 当該研究計画書の記載をもって手順書とみなすことができる 2 必要に応じて は 当該臨床研究の対象者数 対象者への不利益の程度 モニタリング等で見出された問題点 利益相反管理計画を考慮して検討する旨である 3 研究責任医師は 監査担当者から監査の結果報告を受けること

11 品質管理及び品質保証に関する事項 補足 : 施行規則第 17 条と 18 条について 〇施行規則 17 条 : モニタリング 研究責任医師は 研究計画書ごとにモニタリングに関する一の手順書を作成し 当該手順書及び研究計画書に定めるところにより モニタリングを実施させなければならない 2 研究責任医師は モニタリングの対象となる臨床研究に従事する者に 当該者が直接担当する業務のモニタリングを行わせてはならない 3 モニタリングに従事する者は 当該モニタリングの結果を研究責任医師に報告しなければならない 4 前項の報告を受けた研究責任医師は 臨床研究を多施設共同研究として実施する場合は 必要に応じ 当該報告の内容を研究代表医師に通知しなければならない この場合において 当該研究代表医師は 当該通知の内容を他の研究責任医師に情報提供しなければならない 〇施行規則 18 条 : 監査 研究責任医師は 必要に応じて 研究計画書ごとに監査に関する一の手順書を作成し 当該手順書及び研究計画書に定めるところにより 監査を実施させなければならない 2 研究責任医師は 監査の対象となる臨床研究に従事する者及びそのモニタリングに従事する者に 監査を行わせてはならない 3 監査に従事する者は 当該監査の結果を研究責任医師に報告しなければならない 4 前条第四項の規定は 臨床研究を多施設共同研究として実施する場合において 前項の報告を受けた研究責任医師について準用する

12 倫理的な配慮に関する事項 倫理的な配慮 は 次に掲げる項目を記載する ア ) 対象者に生じる利益及び負担 予測される不利益 これらの総合的評価 負担及び不利益を最小化する対策の倫理的背景 理由 イ ) 対象者の健康または子孫に受け継がれ得る遺伝的特徴等に関する重要な知見が得られる可能性がある場合 対象者に係る研究結果 ( 偶発的所見を含む ) の取扱い 13 記録 ( データを含む ) の取り扱いに関する事項 記録 ( データを含む ) の取り扱いに関する事項 は 次に掲げる項目を記載する ア ) 利用目的に 他機関に試料 情報を提供することが含まれる場合 その旨 ( ゲノムデータを取得する場合はその旨 ) イ ) 試料 情報 ( 臨床研究に用いられる情報に係る資料を含む ) の保管及び廃棄の方法 14 臨床研究の実施に係る金銭の支払い及び補償に関する事項 臨床研究の実施に係る金銭の支払い及び補償に関する事項 は 次に掲げる項目を記載する ア ) 保険への加入の有無 その内容イ ) 保険以外の補償の有無 その内容

15 臨床研究に関する情報の公表に関する事項 ア ) 厚生労働省が整備するデータベース (jrct:japan Registry of Clinical Trials) に記録し 公表する旨 *jrct 臨床研究に関する審査意見業務を行う認定臨床研究審査委員会について 認定の申請や変更の届出等の手続を行うと共に 審査意見業務の透明性確保を担保するための業務規定 委員名簿などの認定に関する情報 審査意見業務の過程に関する情報公開を行うシステムのこと また 医療機関等で実施される臨床研究について実施計画の提出などの届出手続 世界保健機関が公表を求める事項や研究過程の透明性確保 国民の臨床研究への参加の選択に資する情報についても公開している リンク : https://jcrb.niph.go.jp/( 認定臨床研究審査委員会申請 情報公開システム ) https://jrct.niph.go.jp/( 臨床研究実施計画 研究概要公開システム ) イ ) 資金提供を受けた医薬品等製造販売業者等と臨床研究の結果に関する公表内容 時期に関する取り決めがある場合 その内容 16 臨床研究の実施期間 当該臨床研究の開始から終了の予定日を記載する

17 臨床研究の対象者に対する説明及びその同意に関する事項 臨床研究の対象者に対する説明及びその同意に関する事項については 次に掲げることを記載する ア ) インフォームド コンセントを得る手続等 イ ) 代諾者の特定や選定方針等 ( 必要時 ) ウ ) インフォームド アセントを得る場合の手続 エ ) 説明文書及び同意文書の様式には 規則第 46 条に規程する事項を含むこと オ ) 予期されるすべての利益と不利益の記載 ( 不利益のうち副作用等の種類が多い場合には 様式の別紙として差し支えない ) カ ) 臨床研究の対象者から取得された試料 情報について 臨床研究の対象者等から同意を得る時点では特定されない将来の研究のために用いられる可能性又は他の研究機関に提供する可能性がある場合には その旨と同意を得る時点において想定される内容 1 研究計画書作成において 以下の点に留意して作成する ⅰ) 説明文書及び同意文書の様式は 一の研究計画書について一の様式とすること なお 多施設共同研究の様式にあっては 各実施医療機関の臨床研究対象者に対する説明文及びその同意に関する記載内容が一致するよう実施医療機関ごとに固有の事項 ( 研究責任医師名や相談窓口の連絡先等 ) 以外の共通する事項を記載すること ⅱ) 様式の改訂が行われた場合には 研究計画書の改訂番号とは別の改訂番号及び改訂日を記載すること ⅲ) 臨床研究の対象者となるべき者又は代諾者となるべき者及び立会人が理解できるよう 平易な言葉を用いること ⅳ) 説明文書及びその同意文書は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましい ⅴ) 説明文書及びその同意文書の版管理を適切に行うこと ⅵ) 研究への参加の継続について臨床研究の対象者又は代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られたときは 速やかに説明文書を改訂すること 2 様式は研究計画書の本文に記載するのではなく別紙でも可

補足 : 施行規則第 46 条 法第九条の厚生労働省令で定める事項は 次に掲げるものとする 一実施する特定臨床研究の名称 当該特定臨床研究の実施について実施医療機関の管理者の承認を受けている旨及び厚生労働大臣に実施計画を提出している旨 二実施医療機関の名称並びに研究責任医師の氏名及び職名 ( 特定臨床研究を多施設共同研究として実施する場合にあっては 研究代表医師の氏名及び職名並びに他の実施医療機関の名称並びに当該実施医療機関の研究責任医師の氏名及び職名を含む ) 三特定臨床研究の対象者として選定された理由 四特定臨床研究の実施により予期される利益及び不利益 五特定臨床研究への参加を拒否することは任意である旨 六同意の撤回に関する事項 七特定臨床研究への参加を拒否すること又は同意を撤回することにより不利益な取扱いを受けない旨 八特定臨床研究に関する情報公開の方法 九特定臨床研究の対象者又はその代諾者 ( 以下 特定臨床研究の対象者等 という ) の求めに応じて 研究計画書その他の特定臨床研究の実施に関する資料を入手又は閲覧できる旨及びその入手又は閲覧の方法 十特定臨床研究の対象者の個人情報の保護に関する事項 十一試料等の保管及び廃棄の方法 十二特定臨床研究に対する第二十一条第一項各号に規定する関与に関する状況 十三苦情及び問合せへの対応に関する体制 十四特定臨床研究の実施に係る費用に関する事項 十五他の治療法の有無及び内容並びに他の治療法により予期される利益及び不利益との比較 十六特定臨床研究の実施による健康被害に対する補償及び医療の提供に関する事項 十七特定臨床研究の審査意見業務を行う認定臨床研究審査委員会における審査事項その他当該特定臨床研究に係る認定臨床研究審査委員会に関する事項 十八その他特定臨床研究の実施に関し必要な事項

18 前号に掲げるほか 臨床研究の適正な実施のために必要な事項 ア ) 規則第 21 条各号に規程する 利益相反管理基準 利益相反管理計画に関する内容 イ ) 規則第 50 条の規程による 緊急かつ明白な危険が生じている者に臨床研究を実施しようとする場合に 規則該当条項の要件全てを満たしていることについて判断する方法 補足 : 臨床研究法施行規則第 21 条 第二十一条研究責任医師は 次に掲げる関与についての適切な取扱いの基準 ( 以下 利益相反管理基準 という ) を定めなければならない 一当該研究責任医師が実施する臨床研究に対する医薬品等製造販売業者等 ( 医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者をいう 以下同じ ) による研究資金等の提供その他の関与 二当該研究責任医師が実施する臨床研究に従事する者 ( 当該研究責任医師 研究分担医師及び統計的な解析を行うことに責任を有する者に限る ) 及び研究計画書に記載されている者であって 当該臨床研究を実施することによって利益を得ることが明白な者に対する当該臨床研究に用いる医薬品等の製造販売をし 又はしようとする医薬品等製造販売業者等による寄附金 原稿執筆及び講演その他の業務に対する報酬の提供その他の関与 2 実施医療機関の管理者又は所属機関の長は 前項の関与が確認された場合には 利益相反管理基準の確認及び当該利益相反管理基準に基づく前項の関与の事実関係についての確認を行い 当該確認の結果 ( 助言 勧告その他の措置が必要な場合にあっては 当該措置の内容を含む ) を記載した報告書を研究責任医師に提出しなければならない 3 研究責任医師は 前項に規定する報告書の内容も踏まえ 第一項の関与についての適切な取扱いの方法を具体的に定めた計画 ( 前項の報告書に助言 勧告その他の措置が記載されている場合にあっては その内容を含む 以下 利益相反管理計画 という ) を作成しなければならない 4 特定臨床研究を実施する研究責任医師は 利益相反管理基準及び利益相反管理計画について 認定臨床研究審査委員会の意見を聴かなければならない 5 研究責任医師は 第一項の関与について 利益相反管理基準及び利益相反管理計画に基づき 適切な管理を行わなければならない 6 第一項及び第四項の規定は 臨床研究を多施設共同研究として実施する場合について準用する この場合において 第一項及び第四項中 研究責任医師は とあるのは 研究代表医師は と 第一項中 当該研究責任医師 とあるのは 当該研究代表医師 他の研究責任医師 と読み替えるものとする 7 研究代表医師は 第一項 ( 前項の規定により読み替えて準用する場合を含む ) の規定により利益相反管理基準を定めたときは これを他の研究責任医師に通知しなければならない

補足 : 臨床研究法施行規則第 50 条 第五十条法第九条の厚生労働省令で定めるときは 研究計画書に定めるところにより 次に掲げる事項のいずれも満たすと判断した場合とする ただし 当該特定臨床研究を実施した場合には 速やかに 法第九条の規定に基づく手続を行わなければならない 一当該特定臨床研究の対象者となるべき者に緊急かつ明白な生命の危険が生じていること 二その他の治療方法では十分な効果が期待できないこと 三当該特定臨床研究を実施することにより生命の危険が回避できる可能性が十分にあると認められること 四当該特定臨床研究の対象者となるべき者に対する予測される不利益が必要な最小限度のものであること 五代諾者となるべき者と直ちに連絡を取ることができないこと 2 研究責任医師は 特定臨床研究の対象者の同意を得ることが困難な場合であっても 当該対象者の理解力に応じた平易な表現で説明を行い 当該対象者の賛意を得るよう努めなければならない 参考資料 : 臨床研究法 ( 平成 29 年法律第 16 号 ) 臨床研究法施行規則 ( 平成 30 年厚生労働省令第 17 号 ) 厚生労働省医政局経済課長 厚生労働省医政局研究開発振興課長 臨床研究法施行規則の施行等について ( 医政経発 0228 第 1 号 医政研発 0228 第 1 号 )

参照 1: 研究責任医師は 以下に留意して研究計画書の版管理を行う 1 研究計画書に以下を記載する 研究の標題 研究を特定する番号 作成日 2 改訂した場合 研究計画書に以下を記載する 改訂番号 ( 例 : 第 版 ) 改訂日 3 改訂に当たっては 以下に留意する 改訂後の研究計画書の施行日を指定する 認定臨床研究審査委員会の承認を受ける 4 多施設共同研究における改定に当たっては 以下に留意する 全ての実施医療機関における施行日以降 改訂後の研究計画書に基づき研究を実施する 5 改訂番号の管理方法について疑義が生じた場合 認定臨床研究審査委員会の意見を聴く

参照 2: 臨床研究法における研究計画書の記載事項 ( 施行規則第 14 条 ) 研究責任医師は 次に掲げる事項を記載した研究計画書を作成しなければならない ( 赤字は特に明確な記載が求められる事項 ) 一臨床研究の実施体制に関する事項二臨床研究の背景に関する事項 ( 当該臨床研究に用いる医薬品等の概要に関する事項を含む ) 三臨床研究の目的に関する事項四臨床研究の内容に関する事項五臨床研究の対象者の選択及び除外並びに臨床研究の中止に関する基準六臨床研究の対象者に対する治療に関する事項七有効性の評価に関する事項八安全性の評価に関する事項九統計的な解析に関する事項十原資料等 ( 臨床研究により得られたデータその他の記録であって 法第三十二条の規程により締結した契約の内容を含む 以下同じ ) の閲覧に関する事項十一品質管理及び品質保証に関する事項十二倫理的な配慮に関する事項十三記録 ( データを含む ) の取扱い及び保存に関する事項十四臨床研究の実施に係る金銭の支払及び補償に関する事項十五臨床研究に関する情報の公表に関する事項十六臨床研究の実施期間十七臨床研究の対象者に対する説明及びその同意 ( これらに用いる様式を含む ) に関する事項十八前各号に掲げるもののほか 臨床研究の適正な実施のために必要な事項

参照 3: 各種資料のリンク 厚生労働省 臨床研究法について http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000163417.html 臨床研究法 本文 http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-10800000-iseikyoku/0000163413.pdf 臨床研究法施行規則 本文 http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-10800000-iseikyoku/0000195391.pdf 臨床研究法施行規則の施行等について ( 課長通知 ) 本文 http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-10800000-iseikyoku/0000202843.pdf 人を対象とする医学系研究に係る倫理指針 http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-10600000-daijinkanboukouseikagakuka/0000153339.pdf 愛媛大学臨床研究審査委員会 の HP にも各種資料を掲載しております https://www.m.ehime-u.ac.jp/hospital/clinicalresearch/specific/exami.html ( 厚労省が公布した臨床研究法 施行規則 利益相反等の資料等 )