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なども該当します 2 観光地側観光地側とは旅行の目的地となる供給サイドのことで 俗に 着地 と呼ばれています 観光地側の主な業種は 宿泊サービス業 交通運輸業 観光土産品業 観光施設業などが該当します 従来市場側で提供されることが多かった旅行業については 近年の法改正なども追い風となり 観光地側で増

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質問 今年のクリスマスについて 予算は全て 人当たり 今年のクリスマス イブは火曜日ですが ご自身のクリスマスは何日に行いますか? ( 回答者数 :,4 名 ) 全体では クリスマス イブ の 4 日 という人が一番多く (7.6%) 日 ( 日 ) (0.8%) 3 日 ( 祝 月 ) (0.%)

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( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

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関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

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< 図 Ⅳ-16-2> 性別 年齢別 / 家族構成別 / 居住地域別 現在, 参加している今は参加していないが, 今後ぜひ参加したい今は参加していないが, 今後機会があれば参加したい参加したいとは思わない参加できないわからない無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80

Ⅲ 調査研究報告 / 若者の結婚観 子育て観等に関する調査 77 交際中 (n=671) 交際経験あり (n=956) 交際経験なし (n=767) 早く結婚したいいい

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1. ボーナスは定期的に支給されていますか? 年代累計で 奥さまは6 割強 ご主人は8 割強に定期支給 P.1 2. お互いに ボーナスの支給明細書 を見せていますか? あるいは お互いのボーナス支給額をご存知ですか? ボーナスの支給額を知らせる割合は 奥さまは 7 割弱 ご主人は9 割弱 P.1

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(1) 回答者の属性と旅行内容 図表 4-18 久米島における圏域外客の属性と旅行内容 居住地 H27 年度 第 1 回調査 (6 月 ) 第 2 回調査 (8 9 月 ) 第 3 回調査 (10 11 月 ) 第 4 回調査 (2 月 ) 回答数 ( 件 ) 回答数 ( 件 ) 回答数 ( 件 )

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Transcription:

第Ⅰ編日本人の旅行市場1 Ⅰ-1 日本人の旅行市場の概況 1 旅行者数日本人の旅行実施率 62.7% 47.3% 8.7% 日本人の旅行市場を の 3 つに大きく分け 旅行者数を概観する 旅行実施率 14 年の日本人の旅行実施率は 全体では 図 Ⅰ-1-1 旅行実施率および旅行平均回数 ( 実施者のみ )(214 年 ) 6 53.2 5 4 3 2 1 26.1 8.5 全体 62.7 全体 47.3 全体 8.7 62.7% 全体では47.3% 全体では 8. 7 % であった 観光 レクリエーション ( 以下 観光 ) 帰省 知人訪問等 ( 以下 帰省 ) 出張 業務 ( 以下 出張 ) の内訳については 図 Ⅰ-1-1 左参照 旅行平均回数 ( 実施者のみ ) 14 年の日本人の旅行平均回数 ( 実施者のみ ) については 全体では 3.73 回 / 人 全体では 4.95 回 / 人 全体では1.54 回 / 人であった 各旅行の観光 帰省 出張の内訳については 図 Ⅰ-1-1 右参照 旅行実施率旅行平均回数 ( 実施者のみ ) ( 回 / 人 ) 1 4.9 14.8 2.37 2.6 7.2 6.9 1. 1.3 図 Ⅰ-1-2 延べ旅行者数および宿泊者の延べ泊数 (214 年 ) 8 6 4 2 4.7 延べ旅行者数 ( 千人回 ) ( 千人泊 ) 4, 7, 観光 レクリエーション 35, 帰省 知人訪問等出張 業務 6, 12,978 3, 25, 2, 15, 1, 5, 5.932 86,385 全体 297,343 61,557 47,692 全体 297,878 全体 16,916 5, 4, 3, 2, 188,629 16,26 1,776 262,485 1,485 1, 4,655 3.62 2.54 6.7 1.23 1.15 全体 3.73 全体 4.95 全体 1.54 2.78 資料 : 観光庁 旅行 観光消費動向調査 をもとに ( 公財 ) 日本交通公社作成 27,14 全体 653,567 延べ泊数 11,513 27,41 69,819 全体 18,373 資料 : 観光庁 旅行 観光消費動向調査 をもとに ( 公財 ) 日本交通公社作成

1 日本人の旅行市場の概況 延べ旅行者数 14 年の日本人の延べ旅行者数については 全体では 2 億 9,734 万人回 全体では 2 億 9,788 万人回 全体では1,692 万人回であった のいずれも 観光のシェアが 5 ~ 6 割を占める では帰省が約 3 割 では出張が約 3 割を占める ( 図 Ⅰ-1-2 左 ) 延べ泊数 14 年の日本人の延べ泊数については 全体では6 億 5,357 万人泊 全体では 1 億 837 万人泊であった では 延べ旅行者数と比べて帰省のシェアが増えるのに対し ではシェアはほぼ変わらない ( 図 Ⅰ-1-2 右 ) 2 旅行意欲 214 年 7 月より日本人の旅行意欲調査を開始 J T B F 旅行需要調査 では 1 4 年 7 月より日本人の旅行意欲について 今後 3カ月以内におよびに とても行きたい から とても行きたくない の 7 段階で調査を実施してきた その結果 旅行実施に前向きな人の割合 ( とても行きたい 行きたい どちらかといえば行きたい ) の合計は でおおむね 7 割前後 でおおむね 3 割前後となり 国内旅行では 行きたい 派が優勢 では 行きたく 欲の傾向が明確に異なることが分かった ( 図 Ⅰ-1-3) 3 旅行市場区分 ( 全体 ) 個人旅行 個人負担の旅行シェアが約 7 割 (1) 費用負担者および旅行形態から見た旅行市場まず旅行内容と旅行形態 ( 団体 個人 ) に着目し 旅行市場を 個人で実施する観光旅行 帰省や家事のための旅行 組織が募集する団体旅行 出張や業務旅行 会社がらみの団体旅行 の 5 種類に区分した この 5 つの市場区分について 延べ旅行者数 ( 単位 : 人回 ) をベースとしてそれぞれのシェアを算出すると 個人で実施する観光旅行 が最も大きなシェアを占めていることが分かる 国内 ともに 全体の約 5 ~ 6 割が 個人で実施する観光旅行 である これに次ぐのは 国内旅行では 帰省や家事のための旅行 では 出張 業務 であり それぞれの特徴となっている ( 表 Ⅰ-1-1) 次に 旅行市場の構造を 費用負担者 と 旅行形態 の2 つの視点から見ていく 旅行の費用負担者という視点から 個人負担 と 法人負担 に分けると 個人で実施する観光旅行 帰省や家事のための旅行 組織が募集する団体旅行 が主に個人負担 出張や業務旅行 会社がらみの団体旅行 が主に法人負担に対応する 費用負担者を軸に旅行市場を区分し それぞれのシェアを延べ旅行者数 ( 単位 : 人回 ) ベースで算出すると 国内旅行 ともに個人負担が 7 割強 法人負担が約 2 割を占めていることが分かる ( 表 Ⅰ-1-2) 第Ⅰ編日本人の旅行市場ない 派が優勢になるなど 国内旅行とでは旅行意 図 Ⅰ-1-3 旅行実施に意欲的な日本人の割合の年間推移 (214 年 7 月 ~215 年 6 月平均値 ) 3 25 国内 25.9 26.8 2 15 15.7 15.4 1 5 2.6 7.8 5.6 とても行きたくない 行きたくない どちらかと言えば 行きたくない どちらとも言えない どちらかと言えば行きたい 行きたい とても行きたい 3 25 2 15 1 5 9.3 25.5 12.4 海外 2.2 15.4 1.1 7. とても行きたくない 行きたくない どちらかと言えば 行きたくない どちらとも言えない どちらかと言えば行きたい 行きたい とても行きたい 資料 :( 公財 ) 日本交通公社 JTBF 旅行需要調査 旅行年報 215 11

第Ⅰ編日本人の旅行市12 個人旅行 と 団体旅行 の旅行形態別シェアについては 個人で実施する観光旅行 帰省や家事のための旅行 出張や業務旅行 が個人旅行 組織が募集する団体旅行 会社がらみの団体旅行 が団体旅行に対応する 国内旅行 ともに個人旅行が8 割を超えており 個人旅行のシェアが高いことが分かる ( 表 Ⅰ-1-3) 場表 Ⅰ-1-2 旅行費用の負担者別に見るシェア (214 年 ) ( 単位 :%) 費用負担者市場区分国内旅行 個人負担 法人負担 個人で実施する観光旅行 帰省や家事のための旅行 組織が募集する団体旅行 出張や業務旅行 会社がらみの団体旅行 74.4 72.4 2.2 21.8 その他の旅行 5.4 5.8 費用負担者 と 旅行形態 の 2 つの軸によって旅行市場を 4つに区分したものを 図 Ⅰ-1-4 図 Ⅰ-1-5に示した 個人の費用負担による個人旅行が 国内旅行 ともに約 7 割を占める 表 Ⅰ-1-1 旅行形態に着目した旅行市場区分シェア (214 年 ) ( 単位 :%) 市場区分定義国内旅行 個人で実施する観光旅行個人で実施する観光旅行 スポーツ旅行 旅行会社のパック旅行に参加した場合も含める 53.1 56.8 帰省や家事のための旅行帰省や冠婚葬祭関連の旅行 ( 帰省ついでに行った観光旅行は観光 レクリエーション旅行 ) 16.3 9.4 組織が募集する団体旅行町内 農協 郵便局 信金 宗教団体 サークルなどが募集する旅行 5. 6.1 出張や業務旅行打合せや会議 視察目的の旅行 16. 16.3 会社がらみの団体旅行職場旅行や招待 報奨旅行 団体で行動する旅行 4.1 5.5 その他の旅行上記のいずれにもあてはまらない旅行 5.4 5.8 図 Ⅰ-1-4 国内旅行の負担者別 旅行形態別のシェア (214 年 ) 図 Ⅰ-1-5 の負担者別 旅行形態別のシェア (214 年 ) 国内 費用負担 法人 人69.5 16. 4.1 5. 旅行形態個団体 表 Ⅰ-1-3 旅行形態別に見るシェア (214 年 ) ( 単位 :%) 旅行形態市場区分国内旅行 個人旅行 団体旅行 個人で実施する観光旅行 帰省や家事のための旅行 出張や業務旅行 組織が募集する団体旅行 会社がらみの団体旅行 ( 単位 :%) ( 単位 :%) 人海外 66.3 16.3 費用負担個人法人個人 5.5 6.1 旅行形態個団体85.5 82.6 9.1 11.6 その他の旅行 5.4 5.8

1 日本人の旅行市場の概況 4 旅行市場区分 ( 観光 レクリエーション ) 夫婦 カップルの旅行シェアが約 3 割 旅行は 誰と行くか によって 内容が大きく左右されるものである 特に 家族旅行の場合 子供の有無や年齢によって 旅行の内容は大きく変化する そこで 旅行マーケットのセグメンテーションとしては まず 旅行の同行者 を軸にして 家族 旅行 夫婦 カップル旅行 友人旅行 ひとり旅 に大きく区分し さらにその旅行者の ライフステージ ( 配偶者や子供の有無 子供の年齢 ) を軸として 1 7 のセグメント ( 3 世代家族旅行は除く ) に細分化した ( 表 Ⅰ-1-4) ( 細分化したセグメントごとでの分析については 国内旅行は 2 ~ 3 8 ページ は 4 3 ~ 5 8 ページに掲載 ) 国内旅行 いずれも夫婦 カップル旅行のシェアが最も高く 次いで 国内旅行では家族旅行 では友人旅行の順となった ( 表 Ⅰ-1-5) 第Ⅰ編日本人の旅行市場( 1 ) マーケットセグメント別の市場シェア 表 Ⅰ-1-4 観光 レクリエーション旅行の市場区分 マーケットセグメント 旅行の同行者 ライフステージ 乳幼児の子どもと一緒の家族旅行 ( 小中高生を含まない ) 子供連れ 乳幼児の子あり 小中高生の子どもと一緒の家族旅行 ( 乳幼児連れも含む ) 子供連れ 小中高生の子あり 家族旅行子供連れ末子が18 歳以上 18 歳以上のみの家族旅行親を連れて - 内 3 世代家族旅行 3 世代で - カップルでの旅行 カップルで - 夫婦 カップル旅行 夫婦での旅行 ( 子どもなし ) 夫婦で子供なし子育て中の夫婦での旅行夫婦で末子が18 歳未満 子育て後の夫婦での旅行 夫婦で 末子が18 歳以上 未婚男性による友人旅行 友人や知人と 未婚男性 既婚男性による友人旅行 ( 子どもなし ) 友人や知人と 既婚男性 子供なし 子育て中の男性による友人旅行 友人や知人と 末子が18 歳未満 友人旅行 子育て後の男性による友人旅行友人や知人と末子が18 歳以上未婚女性による友人旅行友人や知人と未婚女性 既婚女性による友人旅行 ( 子どもなし ) 友人や知人と 既婚女性 子供なし 子育て中の女性による友人旅行 友人や知人と 末子が18 歳未満 子育て後の女性による友人旅行 友人や知人と 末子が18 歳以上 ひとり旅 男性のひとり旅自分ひとりで男性女性のひとり旅自分ひとりで女性 3 世代家族旅行は 子どもの年齢にかかわらず 3 世代で行った旅行であり 家族旅行の3セグメントと重複する 資料 :( 公財 ) 日本交通公社 JTBF 旅行実態調査 表 Ⅰ-1-5 観光 レクリエーション旅行の市場区分別のシェア ( 単位 :%) マーケットセグメント 国内旅行 24.8 2.3 乳幼児の子どもと一緒の家族旅行 ( 小中高生を含まない ) 4.6 3.1 家族旅行 小中高生の子どもと一緒の家族旅行 ( 乳幼児連れも含む ) 1. 7. 18 歳以上のみの家族旅行 1.2 1.3 内 3 世代家族旅行 6.5 4.4 34. 34.2 カップルでの旅行 7.2 4.7 夫婦 カップル旅行 夫婦での旅行 ( 子どもなし ) 9.5 1.4 子育て中の夫婦での旅行 1.9 4.8 子育て後の夫婦での旅行 15.4 23.3 22.5 24.9 未婚男性による友人旅行 4.3 4.3 既婚男性による友人旅行 ( 子どもなし ) 1..5 子育て中の男性による友人旅行 1.2 2. 友人旅行 子育て後の男性による友人旅行 4. 3.8 未婚女性による友人旅行 4.8 6.7 既婚女性による友人旅行 ( 子どもなし ) 1.6.2 子育て中の女性による友人旅行.5 1.9 子育て後の女性による友人旅行 5.2 5.6 15.7 18. ひとり旅 男性のひとり旅 9.7 1.9 女性のひとり旅 6.1 7.1 その他 2.9 2.6 全体 1. 1. 3 世代家族旅行は 子どもの年齢にかかわらず 3 世代で行った旅行であり 家族旅行の 3 セグメントと重複する 資料 :( 公財 ) 日本交通公社 JTBF 旅行実態調査 16 歳未満の旅行者はアンケート調査の対象となっていないため 上記シェアからは除外 旅行年報 215 13

第Ⅰ編日本人の旅行市場14 (2) 性 年代別に見る同行者別の市場シェア同行者は 年代の移り変わりに伴って変化していく まず国内旅行について見ると 1 代後半は家族や友人との旅行が中心だが 2 代になると 夫婦 カップル旅行と友人旅行が中心になり 男性はひとり旅行のシェアも増える 3 代前半からは友人との旅行は減り始め 家族旅行のシェアが増える 家族旅行が最も多くなるのは男女ともに 4 代で その後 家族旅行のシェアは減少 夫婦 カップル旅行が大きなシェアを占めようになり 友人旅行も再び増加する 5 代後半以降は 男性では夫婦 カップル旅行のシェアが 4~5 割を占めるが 女性では 3 図 Ⅰ-1-6 国内旅行における年代別同行者 ( 男性 ) 2 4 6 8 1 男性全体 21.7 36.1 2.8 19.2 2.3 16-19 歳 24.8 14.2 35.3 15.6 1.1 2-24 歳 15.9 21.9 32.8 27.6 1.7 25-29 歳 14.6 33.3 23.4 26.3 2.4 3-34 歳 23.7 33.6 18.5 22.3 1.9 35-39 歳 34.1 24.1 16.2 24.3 1.3 4-44 歳 36. 24. 17.9 19.6 2.4 45-49 歳 33.1 28.8 15.3 2.6 2.1 5-54 歳 28.4 36.4 15.5 17.3 2.4 55-59 歳 17.9 44.5 17.6 17. 3. 6-64 歳 11.2 47.7 21.5 17.3 2.3 65-69 歳 12.3 51.4 21.6 12.8 1.8 7-79 歳 11.1 47.8 27.5 11.7 1.8 図 Ⅰ-1-8 国内旅行における年代別同行者 ( 女性 ) 2 4 6 8 1 女性全体 27.9 32. 24.2 12.3 3.6 16-19 歳 28. 4.4 47.3 1.5 9.8 2-24 歳 19.2 24.9 4.3 13.7 1.9 25-29 歳 28.2 36.2 23.8 9.5 2.3 3-34 歳 37.7 3.4 19.4 1.8 1.8 35-39 歳 35.6 3.5 16.2 15. 2.7 4-44 歳 42. 27.2 13.5 14.7 2.6 45-49 歳 34. 31.6 18.3 12.9 3.2 5-54 歳 3. 34.5 17.3 14.3 3.8 55-59 歳 22.8 36.8 25. 11.6 3.8 6-64 歳 22.2 37.7 23.4 13.4 3.3 65-69 歳 17.2 37.2 31. 1.4 4.2 7-79 歳 19.8 28.4 35.2 1.4 6.3 割台にとどまる この年代の女性は 男性と比べて友人との旅行のシェアも比較的高い ( 図 Ⅰ-1-6 図 Ⅰ-1-8) についても 基本的には国内旅行と同様の傾向が見られる ( 図 Ⅰ-1-7 図 Ⅰ-1-9) ただし 男性に特徴的なひとり旅のピークが 国内旅行では 2 代 では 5 代となったこと さらに 女性の友人旅行は 3 代になると国内旅行は減少するが はやや増加するなど 一部異なる傾向も見られた ( 中島泰 五木田玲子 ) 図 Ⅰ-1-7 における年代別同行者 ( 男性 ) 2 4 6 8 1 男性全体 16.8 37.8 21.3 22.2 2. 16-19 歳 4. 13.3 3. 6.7 1. 2-24 歳 18.3 16.3 39.4 25. 1. 25-29 歳 11.7 43. 24.9 19.4 1. 3-34 歳 17.8 35.5 2.8 24.7 1.2 35-39 歳 24.4 32.3 16.4 24.2 2.7 4-44 歳 29.3 24.4 22.2 21.9 2.2 45-49 歳 23.7 29.5 16.3 28.2 2.2 5-54 歳 22.6 28.6 19.9 26.8 2.1 55-59 歳 11.9 41.1 15.7 28.8 2.5 6-64 歳 1.5 43.8 24.7 19.7 1.3 65-69 歳 5.8 51.4 23.5 17. 2.4 7-79 歳 7.6 54.4 21.7 14.9 1.5 資料 :( 公財 ) 日本交通公社 JTBF 旅行実態調査 図 Ⅰ-1-9 における年代別同行者 ( 女性 ) 2 4 6 8 1 女性全体 23.7 3.6 28.5 13.9 3.3 16-19 歳 4.. 38. 16. 6. 2-24 歳 16.8 14.7 57.3 7.7 3.5 25-29 歳 21.9 37.5 27.3 1.5 2.7 3-34 歳 22.7 31.9 29.9 14.5 1. 35-39 歳 24.6 29.9 29.1 14.9 1.5 4-44 歳 33. 24.4 22.2 16.8 3.6 45-49 歳 28.7 3.1 22.4 16.1 2.8 5-54 歳 29.4 27.3 23.8 15. 4.5 55-59 歳 22.9 38.8 25.2 9.7 3.5 6-64 歳 19.2 35.9 27.7 12.5 4.7 65-69 歳 18.1 32.5 33.2 13.7 2.5 7-79 歳 18.7 29.8 29.1 18.1 4.3 資料 :( 公財 ) 日本交通公社 JTBF 旅行実態調査