人口減少社会の到来と世帯構造の変化 人口の減少 本格的な人口減少時代に入りました 向こう 30 年間に本県の人口は現在の約 210 万人から約 50 万人減少し 約 160 万人になると見込まれます 現役世代の人口が大きく減少します 働き 稼ぎ 消費し 納税し 地域を支える主役世代 (15~ 64

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3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

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第3節 重点的な取り組み

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

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平成30年版高齢社会白書(概要版)

表 1) また 従属人口指数 は 生産年齢 (15~64 歳 ) 人口 100 人で 年少者 (0~14 歳 ) と高齢者 (65 歳以上 ) を何名支えているのかを示す指数である 一般的に 従属人口指数 が低下する局面は 全人口に占める生産年齢人口の割合が高まり 人口構造が経済にプラスに作用すると

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

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計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

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211 年 2 月 25 日発行 TVI( タス空室インデックス )( 過去 2 年推移 ) ポイント 全域 23 区市部神奈川県埼玉県千葉県 年月 東京都全域 23 区市部 神奈川県 埼玉県 千葉県 29 年 1 月

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

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参考資料

14 日本 ( 社人研推計 ) 日本 ( 国連推計 ) 韓国中国イタリアドイツ英国フランススウェーデン 米国 図 1. 1 主要国の高齢化率の推移と将来推計 ( 国立社会保障 人口問題研究所 資料による ) 高齢者を支える

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

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07 SDGsとCSV演習


別紙2

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ


地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

社団法人日本生産技能労務協会

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

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平成23年度 旭区区民意識調査

半田市地域福祉計画 市民対面アンケート調査報告書 平成 21 年 10 月

目 次 1. 財政 とは 2 2. 国の 歳出 3 3. 社会保障支出 4 4. 社会保障以外の主な支出 5 5. 国の 歳入 7 6. 税 の種類 8 7. 国の 歳出 と 税収 の推移 9 8. 国の借金の状況 借金の国際比較 借金の問題点 高齢化と社会保

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

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トピックス

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

スライド 1

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

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質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業


社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

不動産学会 空き家.key

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

2

4章ICTによるインクルージョン促進52 企業においても労働者の不足が顕在化し始めている 帝国データバンクの調査 *3 によると 27 年時点で 企業の43.9% が正社員不足を感じており 過去 年で最も高い水準を示した 日銀短観でも 近年は雇用 D.I. *4 が負の方向に動いており 雇用人員が不

質問 1 11 月 30 日は厚生労働省が制定した 年金の日 だとご存じですか? あなたは 毎年届く ねんきん定期便 を確認していますか? ( 回答者数 :10,442 名 ) 知っている と回答した方は 8.3% 約 9 割は 知らない と回答 毎年の ねんきん定期便 を確認している方は約 7 割

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

図表 1 個人保険の新規契約 保有契約 ( 万件 % 億円) 新規契約 保有契約 件数 金額 ( 契約高 ) 件数 金額 ( 契約高 ) 前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 平成 25 年度 1, , , ,575,

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

人 ) 195 年 1955 年 196 年 1965 年 197 年 1975 年 198 年 1985 年 199 年 1995 年 2 年 25 年 21 年 215 年 22 年 225 年 23 年 235 年 24 年 第 1 人口の現状分析 過去から現在に至る人口の推移を把握し その背

年 4 月期関西圏 中京圏賃貸住宅指標 大阪府京都府兵庫県愛知県静岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新確率 (%)

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第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

農山性化1 農山漁村の 6 次産業化の考え方 雇用と所得を確保し 若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため 農林漁業生産と加工 販売の一体化や 地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど 農山漁村の 6 次産業化を推進 現 状 農山漁村に由来する様々な地域資源 マーケットの拡大を図りつつ

Transcription:

岐阜県が直面する課題 ~ 長期構想策定に向けて検討すべき論点 ~ 岐阜県の将来構想研究会 この資料は 長期構想の策定に向け 県が取り組むべき政策課題について検討を進めてきた 岐阜県の将来構想研究会 の報告書からポイントとなる部分を抜粋し とりまとめたものです 1

人口減少社会の到来と世帯構造の変化 人口の減少 本格的な人口減少時代に入りました 向こう 30 年間に本県の人口は現在の約 210 万人から約 50 万人減少し 約 160 万人になると見込まれます 現役世代の人口が大きく減少します 働き 稼ぎ 消費し 納税し 地域を支える主役世代 (15~ 64 歳の生産年齢人口 ) が約 43 万人減少すると見込まれます 高齢者が増加し 子どもが半減します 65 歳以上の方が現在の44 万人からさらに約 10 万人増加する一方 0~14 歳の子どもは約 30 万人から15 万人へと半減すると見られます 世帯構造の変化 世帯は小口 多様化します いわゆる 核家族 が減少する一方 単身世帯 夫婦のみ世帯など 多様な形の世帯が混在する 多世帯社会 になると見込まれます 一人暮らし世帯が増加します 2020 年頃には単独世帯の割合が最も大きくなり 2035 年頃には全世帯の約 3 割以上に達すると見られます 2

人口流出にどう歯止めをかけるか 産業 経済 労働などに関する課題 仕事を求めて若者が他県に流出しています 20 代を中心とする若者が 働きたい職場を求めて 又は結婚のために 年間約 4 千人規模で流出しています 若者の望む職場をつくり出すことが課題です 労働力人口をどう底上げするか 毎年 1 万人規模で働き手が減少します 30 年後には働く人口が約 31 万人減少すると見られ 労働力不足が深刻化するおそれがあります 女性や高齢者を含め 誰もが働きやすい環境をつくることが課題です 在住外国人は約 5 万 6 千人に達しています 日系ブラジル人 中国人が増加し 製造業を中心に地域産業に欠かせない存在になりつつあります 外国人と共生できる社会をつくることが課題です 地域全体でどう所得を稼ぐか 小売など消費が減少するおそれがあります 所得を稼ぐ人が減少することで 消費する人も減り 地域におけるモノの売り上げが減少する可能性があります モノづくり産業や観光交流を通し 地域外から所得を稼ぐことが必要です 経済成長がマイナスになるおそれがあります 生産性成長が低い水準にとどまる場合 人口減少に伴って経済成長がマイナスになる可能性があります 高い価値を生み出せる人材の育成が課題です ( 千人 ) 移動理由別日本人の社会動態 ( 岐阜県 ) 7 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 ( 兆円 ) 12 小売業販売額 10 8 6 4 2 15~64 歳人口 ( 道府県 ) と小売業販売額の関係 三重 岐阜 静岡 y = 1.4996x + 91712 R² = 0.9823 R²= 決定係数 ( 直線の当てはまりの良さを表す ) 決定係数が 1.0 に近いほど関係が深いことを表す その他住宅事情職業上学業上結婚 離婚 縁組日本人計 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 出典 : 岐阜県統計課 岐阜県人口動態統計調査結果 神奈川 0 0 100 200 300 400 500 600 700 15~64 歳人口 ( 万人 ) 万人 ( 出典 ) 総務省 2005 年国勢調査 経済産業省 2007 年商業統計 ( 注 ) 東京都は人口規模が突出しているため除いている 愛知 埼玉 大阪 3

高齢者の増大に伴う課題 介護や医療の人材 体制をどう確保するか 要介護高齢者が増大していくと見られます 介護を必要とする高齢者は 現在の 6 万 9 千人から急増し 2015 年には 10 万人に 30 年後には 12 万 8 千人まで増加すると見られます 高齢者介護を支える人材の確保が課題です 入院患者などが増加していく可能性があります 医療を要する高齢者の増加に伴い 入院患者が現在の約 2 万人から 20 25 年頃には 3 千人増加すると見られます 地域医療を支える医師 看護師の確保が課題です 一人暮らしの高齢者をどう支えるか 一人暮らしの高齢者の増大が見込まれます 65 歳以上の単身者は現在の約 4 万 4 千人から約 9 万 4 千人になるとみられます 健康を損なった場合の生活支援や地域とのつながりづくりが課題です 都市部における高齢化にどう対応するか 山間部より都市部の方が高齢者が急増します 郡上都市圏や下呂都市圏において 2035 年までに高齢者数が減少していくのに対し 岐阜都市圏では今後約 4 万人増加していくと見られます また 団塊の世代の多い都市部郊外の団地では 子どもが独立 流出する一方で 今後急速に高齢化が進むと見られます 高齢化を山間部の問題とせず 都市部における介護体制の確保などに配慮していくことが課題です 4

農林業をめぐる課題 農業をどう維持していくか 農業従事者は大きく減少していくと見られます 農業の担い手は 現在の約 4 万人から 2035 年には約 1 万 3 千人余になるとみられます 少ない従事者でも維持できる農業をつくることが課題です 農地の多面的機能をどう守るか 耕作放棄地が増大する可能性があります 年間の農産物販売額 100 万円未満の農家が著しく減少しており それに伴って耕作放棄地が増大することが懸念されます 効率的な農業づくりや農地の利活用が課題です 農業所得をどう確保するか 食料消費量が減少していく可能性があります 食料消費は 現役世代人口と連動している傾向があり 人口減少に伴って 食料消費 = 農産物の売り上げが減少していくおそれがあります 販路の広範な拡大を通じた農業所得の確保が課題です 県産材の需要をどう拡大するか 建築用材の需要が減少するおそれがあります 30 代ファミリー世帯の減少に伴う住宅需要の減少によって 県産材需要の太宗を占める建築用材の需要が減少するおそれがあります 増改築など木材需要の拡大や 流通コスト縮減による外材からのシェア奪回などが課題です 5

県土整備をめぐる課題 橋りょうや道路の老朽化にどう対応するか 橋や道路の維持管理費用が増大していきます 建設後 40 年を経過した老朽橋などの増大に伴い 維持管理費が増大し 2015 年頃には現在よりも約 10 億円増加すると見込まれます 計画的 予防的な維持管理を行い 維持管理費を縮減していくことが課題です 建設業就業者数の適正化をどう図るか 建設業の人員過剰感が高まる可能性があります 人口減少による経済成長の低下から民間投資が減少した場合 建設業就業者は 適正な利益を確保できる水準に比べ 約 2 万人 ~ 約 2 万 6 千人上回る状態になる可能性があります 建設業就業者数の適正化を図っていくことが課題です 東海環状西回りの整備効果をどう引き出すか 西回り沿線の開発可能な工業用地は東回りの半分以下にとどまると見られています 東回り沿線に準備された工業用地は約 400ha であるのに比べ 西回り沿線で検討されている用地は約 200ha にとどまるのが現状です 計画的な沿線の地域づくりを進めることが課題です 6

地域のつながりやコミュニティに関する課題 人や地域のつながりをどうつくり出すか 地域とのつながりが希薄化していく可能性があります 地域のつながりが希薄化しやすいサラリーマン 単身世帯 アパート マンション住まいの人が増加しつつあります 人とつながり社会をつくる力が低下しています 近所づきあいなどが希薄になることで 地域や他者への関心 コミュニケーション能力など よりよい社会をつくろうとする力が低下しつつあると考えられています 子どもの頃から様々な人とふれあい 共通の目的に向かって共に取り組めるような人づくりを進めることが課題です 人口が著しく減少する地域をどう維持していくか 過疎化が極度に進んだ郊外団地 中心市街地 中山間地などが増加するおそれがあります 早くから人口減少が進んだ中山間地域だけでなく 郊外の団地や中心市街地でも人口が著しく減少する地域が現れ始めています 地域資源を活かして所得を得られるようにしていくことや コミュニティ活動を支援していくことが課題です 地域活動をどう維持していくか 消防団などへの参加者が減少しつつあります 若者の流出やサラリーマン化によって 消防団員数が減少しています 地域活動の担い手を掘り起こしていくことが課題です 7

県民生活における様々な課題 暮らしの中の様々な課題どのように対応していくか 障がいのある児童生徒数が増加しています 就学者に占める障がいのある児童生徒の割合は 1988 年当時の 1.2% から一貫して増加し 現在 2.1% に達しています 特別支援教育の体制整備や障がいのある児童生徒の就職支援などに取り組むことが課題です 消費者問題が大きくなっています 多重債務や消費生活相談の件数が増加しています 相談体制の整備や啓発活動などが課題です 児童虐待や DV などの件数が増加しています 子どもや女性に対する暴力 虐待の件数が増加しています 特に児童虐 待の対応件数は近年激増しています 専門機関による相談や通報体制の整備などが課題です 刑法犯認知件数は高い水準にあります 刑法犯認知件数は 1990 年以降大きく増加し 近年減少傾向にあるものの 依然高い水準にあります また 近年サイバー犯罪など新しい犯罪が増加しています 時代の流れを敏感に捉え 不安を解消するのが課題です 高齢者の交通事故が増加しています 65 歳以上の交通事故死傷者数が 1990 年当時の 2 倍以上に増加しており 高齢運転者による事故も増加傾向にあります 高齢者向けの交通事故対策が課題です 1990 年 =100とした指数 250.0 200.0 150.0 100.0 50.0 交通事故死傷者数の推移 (1990 年を 100 とした指数 岐阜県 ) 0~14 歳 65 歳以上 15~64 歳 65 歳以上 15~64 歳 0~14 歳 0.0 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 8

地球温暖化や食料をめぐる課題 温室効果ガスをどのように削減していくか 本県でも 20 世紀初めに比べ 平均気温が約 2 度上昇しています 今後 さらに地球温暖化が進んだ場合 100 年後には岐阜市が沖縄並みに 高山市が岐阜市並みの気温になると考えられます 小口世帯が増加するため 人口が減ってもエネルギー消費量は余り減らないと見られます 一人暮らしや 2~3 人世帯が増加するため エネルギー消費量や一人あたりのゴミ排出量は人口の減少ほどは減らないと見られています 地球温暖化の防止に向けて さらなる温室効果ガスの削減に取り組むことが課題です 食料自給をどのように高めていくか 食生活の変化などにより 食料自給率が低下しています 食生活が変化し 自給率の高い米消費量が減った一方 自給率の低い油脂 肉類の消費量が増えたことなどにより 我が国の食料自給率は低下しているほか 食の安全性への不安も増大しています 食の安全確保と同時に 地域でとれた農産物を地域で食べる取り組みや食育の推進が課題です 9

県財政をめぐる課題 どのように財源を捻出していくか 向こう 10 年間の県の財源不足額は毎年 300 ~400 億円程度と見られます 公債費の伸びに加え 今後社会保障関係費や退職手当等が増大するため 巨額の財源不足が生ずることが見込まれています 裁量性のある予算を全てつぎ込んでも財源不足が解消できない状況に陥りつつあります 財政の硬直化が進んでおり 20 年度当初予算で裁量性のある予算額は 7,600 億円余のうち わずかに 360 億円程度となっています あらゆる手段を尽くして財源を捻出することと カネを使わずに知恵を使う県政への転換が課題となっています 10