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05_資料2_160909熊本地震活動(局議後)0906

大規模災害対策マニュアル

( 災害医療調整本部の所管事務 ) 第 4 条災害医療調整本部は 次の事務をつかさどる (1) 全県域を対象とした医療資源の配置調整及び患者搬送調整に関すること (2) 国や他都道府県等に対する医療支援の要請及び受入れと その派遣調整に関すること (3) 地域災害医療対策会議の支援に関すること (4

災害拠点病院 災害拠点病院は 病院などの後方医療機関として 地域の医療機関を支援する機能を有する病院で 重症 重篤な傷病者を受入れるなど 災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています 厚生労働省の基準では 地域の災害拠点病院については 原則として 二次保健医療圏ごとに

日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第十報

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日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第八報

平成28年4月 地震・火山月報(防災編)

2. 運用の基本方針 DMATの活動は 通常時に都道府県と医療機関との間で締結された協定及び厚生労働省 文部科学省 独立行政法人国立病院機構等により策定された防災計画等に基づくものである DMATの派遣は被災地域の都道府県の派遣要請に基づくものである ただし 厚生労働省は当分の間 被災地域の都道府県

1. まとめ 1 災害医療の現状と課題 災害時に 防ぎ得た死 を少なくするのが最大の課題だ だが東日本大震災を受けた 災害医療等のあり方に関する検討会報告書 が生かされているとは言いがたい 2 計画 予算など対策の現状と課題 被災自治体だけでは対応できない大規模災害に備え 広域医療搬送を含めた都道府

第 73 回全国保健所長会会員協議 ( 討論会 ) 熊本地震の経験に学ぶ DHEAT 機能の検証 平成 28 年 10 月 25 日 熊本地震における支援 受援活動について 熊本県保健所長会としての活動から 熊本県保健所長会熊本県八代保健所木脇弘二

平成28年熊本地震に対する日医の対応について


平成17年7月11日(月)

病院機構災害医療センター ( 以下 災害医療センター という ) に DMAT 事務局を設置する 都道府県は 通常時に DMAT 運用計画の策定 医療機関等との協定の締結等を行い 災害時に 計画に基づき DMAT を運用し 活動に必要な支援 ( 情報収集 連絡 調整 人員又は物資の提供等 ) を行う

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1 平成 28 年熊本地震の概要 発生日時 前震 平成 28 年 4 月 14 日 21 時 26 分 本震 平成 28 年 4 月 16 日 1 時 25 分 震央地名熊本県熊本地方同左 マグニチュード 震度 6 弱以上を観測した自治体 震度 7 益城町益城町 西原村 震度 6 強

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熊本地震における支援 受援活動について 阿蘇保健所服部希世子

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

☆配布資料_熊本地震検証

(阿蘇保健所服部)抄録

日本医師会ニュース「平成28 年熊本地震」:情報提供第八報

2016年(平成28年) 熊本地震

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日本医師会ニュース「平成28 年熊本地震」:情報提供第五報

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00 表紙・目次

特集大規模自然災害からの復旧 復興 参考 警察が検視により確認している死者数 50 名 災害による負傷の悪化または避難生活等における身体的負担による死者数 106 名 6 月 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震と関連が認められた死者数 5 名建物被害全壊 8,360 棟, 半壊 3

交付金事業実施状況報告及び推進事業実績報告並びに基金事業実施状況報告及び活性化事業実績報告について 別紙 1. 今年度に都道府県及び市町村が実施した推進事業及び活性化事業 ( 交付金等 ) 事業名 ( 事業メニュー ) 1. 消費生活相談機能整備 強化事業 都道府県は被災 4 県のみ 都道府県 -

被害情報 平成 29 年 11 月 13 日 16 時 30 分発表熊本県危機管理防災課 平成 28(2016) 年熊本地震等に係る被害状況について 第 258 報 1 この数値は 現段階の速報値であって 確定値ではありません 速報値 1 1 被害状況 ( 平成 29 年 11 月 13 日 13:

スライド 1

災害救護速報 平成 28 年 4 月 23 日 ( 土 )15:00 現在事業局救護 福祉部救護課 TEL: /FAX: 内容 数値等は 随時更新されます 下線部は前回速報からの追加 変更箇所 平成 28 年熊本地震災害に対する日本赤十字社の対応について

概要 気象の状況 6 月 10 日に九州の南海上にあった梅雨前線が 11 日には九州北部までゆっくり北上し 前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み 前線活動が活発化した 熊本県では 九州の西海上から発達した雨雲が次々に流れ込んで 大雨が降りやすい気象状況となった 大雨の状況 熊本県では 11 日朝

【集約版】国土地理院の最近の取組

角田徹副会長日赤や各医療救護班が展開し活動しているために 東日本大震災の時のような現場での医療活動はほとんどなかった 今後は 地域医療への引き継ぎに際してのコーディネーター役 並びに現地医療機関の手が回らない分野の医療的補助 ( 巡回 往診 福祉避難所等 ) が主と思われる 今後の南阿蘇村の地域医療

(3) 災害医療コーディネーター 災害医療コーディネーターは, 災害医療本部, 地域災害医療支部のもとで, 大規模災害時は DMAT や災 害拠点病院と連携して医療救護活動の調整を担います 平時においては, 災害時の医療救護体制が適切に 構築されるように, 県などに対し必要な助言を行います 県では,

第 2 新潟県支部長岡赤十字病院救護班 1 班阿蘇圏域西原村 山梨県支部山梨赤十字病院救護班 1 班阿蘇圏域西原村 第 3 石川県支部金沢赤十字病院救護班 1 班上益城圏域益城町 三重県支部伊勢赤十字病院救護班 1 班阿蘇圏域南阿蘇村 滋賀県支部 大津赤十字病院 大津赤十字志賀病院 救護班 1 班上

第 1 章熊本地震の概要 執筆 : 阿部直樹 ( 国立研究開発法人防災科学技術研究所 ) 1-1 熊本地震動の概要 2016 年 4 月 14 日 21 時 26 分頃 熊本県熊本地方の深さ約 11km を震源とする M6.5 の地震が発生し 熊本県上益城郡益城町において震度 7を観測した また約

30 第 1 部現地における災害応急活動 阿蘇大橋付近の被害状況 ( 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 ) 熊本城の被害状況 ( 熊本県熊本市 ) 2

た ( 派遣員数 4 名 ) (2) 全国知事会は 大分県等と連携しながら 引き続き情報共有に努めるとともに 各都道府県に対し 知事会の対応状況等を連絡することとしている (3) 全国知事会は 被災市町村と支援県によるカウンターパート方式による支援を決定 (4) 熊本県への救護班の派遣について 36

災害救護速報 平成 28 年 4 月 25 日 ( 月 ) 15: 00 現在事業局救護 福祉部救護課 TEL: /FAX: 内容 数値等は 随時更新されます 下線部は前回速報からの追加 変更箇所 平成 28 年熊本地震災害に対する日本赤十字社の対応につ

2 活断層との関係 第 1 章熊本地震の概要第 1 節熊本地震の発生状況や特徴等 2 活断層との関係 熊本地震の地震活動領域には 布田川断層帯 日奈久断層帯が存在しており 国の地震調査研究推進本部地震調査委員会によると M6.5 の前震は日奈久断層帯の高野 白旗区間の活動 M7.3 の本震は布田川断

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

ア活動中 (4 月 27 日 ( 水 )22:00~28 日 ( 木 )22:00) 支部 派遣元 施設 派遣救護 班 派遣圏域 活動場所 第 1 北海道支部伊達赤十字病院救護班 1 班上益城圏域嘉島町 福島県支部福島赤十字病院救護班 1 班上益城圏域益城町 群馬県支部前橋赤十字病院救護班 1 班阿


ア活動中 (4 月 28 日 ( 木 )22:00~5 月 1 日 ( 日 )22:00) 支部 派遣元 施設 派遣救護班派遣圏域活動場所 北海道支部伊達赤十字病院救護班 1 班上益城圏域益城町 第 1 益城町 宮城県支部 仙台赤十字病院 救護班 1 班 上益城圏域 益城町総合体育館 山形県支部 北


ア活動中 (5 月 11 日 ( 水 )00:00~12 日 ( 木 )00:00) 支部 派遣元 施設 派遣救護班派遣圏域活動場所 第 1 北海道支部 北見赤十字病院救護班 1 班上益城圏域 旭川赤十字病院救護班 1 班上益城圏域 保健福祉センターはぴねす 広安西小学校 益城中央小学校他 第 3

茨城DMAT運用マニュアル

緊急地震速報の発表状況 この地震に対し 地震検知から 3.9 秒後の 20 時 42 分 7.9 秒に緊急地震速報 ( 警報 ) を発表 しました 震源要素の切り替え 4 月 18 日 20 時 42 分頃に発生した熊本県阿蘇地方の地震の震源要素を 22 時 15 分に速報値 から暫定値へ切り替えま

市町村支援の状況について

災害救助法による応急救助の実施概念図

災害医療等のあり方に関する 検討会

た ( 派遣員数 4 名 ) (2) 全国知事会は 大分県等と連携しながら 引き続き情報共有に努めるとともに 各都道府県に対し 知事会の対応状況等を連絡することとしている (3) 全国知事会は 被災市町村と支援県によるカウンターパート方式による支援を決定 (4) 熊本県への救護班の派遣について 36

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

推計震度分布図 ( 気象庁 ) 出典 気象庁ホームページ 推計震度分布図 (2) 平成 28 年 4 月 16 日 1 時 25 分頃に発生した地震ア発生日時 : 平成 28 年 4 月 16 日 1 時 25 分頃イ震央地名 : 熊本県熊本地方 ( 北緯 32 度 45.2 分 東経 130 度

第3編 災害応急対策

DPAT活動要領

長崎県 : 諫早市 島原市 雲仙市熊本県 : 荒尾市 南関町 人吉市 あさぎり町 山江村 水俣市 津奈木町大分県 : 大分市 臼杵市 津久見市 佐伯市 玖珠町宮崎県 : 延岡市鹿児島県 : 長島町 (3) 津波津波注意報平成 28 年 4 月 16 日 1 時 27 分気象庁発表有明 八代海 16

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

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JMAT 派遣状況(2018年8月3日現在)

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07佐渡

2 物的支援の実施について 物資については 各避難所への搬送などの課題が指摘されているが 被災自治体には地震発生直後から国や周辺自治体等による物資供給が行われていたため 都など他地域への支援要請は限定的であった こうした状況にあって 都は 区市町村等関係機関との緊密な連携により被災地からの要請に基づ

(2) 日赤災害医療コーディネートチームの派遣日赤災害医療コーディネートチームを熊本県支部災害対策本部及び 御船地区 阿蘇地区等に派遣し 救護班の活動調整や医療救護関係機関等との調整 協議にあたり 医療救護活動の戦略案の策定や 熊本県支部災害対策本部への助言等を行いました これまでに 21 チームを

(2) 令和元年地価調査結果の概要 Ⅰ 調査目的等 地価調査は 地価公示と併せて一般の土地取引の価格に対する指標及び公的土地評価の基準等となるものであり 毎年 1 回 7 月 1 日現在の県内の基準地価格を判定し 公表している 基準地数 :482 地点 ( 住宅地ほか :467 地点林地 :15 地


スライド 1

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第六報

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九州地方の主な地震活動

長崎県 : 諫早市 島原市 雲仙市熊本県 : 荒尾市 南関町 人吉市 あさぎり町 山江村 水俣市 津奈木町大分県 : 大分市 臼杵市 津久見市 佐伯市 玖珠町宮崎県 : 延岡市鹿児島県 : 長島町 (3) 津波津波注意報平成 28 年 4 月 16 日 1 時 27 分気象庁発表有明 八代海 16

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Microsoft Word 確定版

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熊本地震での「お知らせ」活用から見えた課題

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

地震発生後の九州地方整備局の活動 4 月 16 日の夜明け 本震の後に再度調査を実施しておりま す その際は 道路崩壊の調査 土砂崩壊の箇所の調査 被 災地に入るための安全ルートの確認等を実施しております 次に九州地方整備局の活動について紹介させていただき ます まず最初に地震発生後の初動体制につい

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水俣市 津奈木町大分県 : 大分市 臼杵市 津久見市 佐伯市 玖珠町宮崎県 : 延岡市鹿児島県 : 長島町 (3) 津波津波注意報平成 28 年 4 月 16 日 1 時 27 分気象庁発表有明 八代海 4 月 16 日 2 時 14 分解除 (4) 地震活動状況 (4 月 14 日 21 時 26

浦河沖を震源とする地震(第2報)

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(2 / 5) 震度 1 以上を観測した地震の状況は以下のとおりです 1. 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震 の活動域における地震の発生状況 2016 年 4 月 14 日から始まった熊本県から大分県 ( 領域 a) にかけての 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震 の一連の地震

1. 設置について Q 全国老施協 D-WAT 設置の目的は何か A 大規模かつ広域自然災害発生時の被災地域における高齢者福祉施設に対し 迅速かつ的確な専門職種による福祉ニーズの把握 支援等を 公益社団法人全国老人福祉施設協議会 ( 以下 全国老施協 という ) および都道府県 指定都市 ( 以下

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21-3_ _学術集会〜日程表_責_m_CS5.5.indd

第3回検討会_質の向上WG検討状況報告

地 震 解 説 資 料 第 1 号 平成 27 年 7 月 13 日 05 時 30 分 福 岡 管 区 気 象 台 熊 本 地 方 気 象 台 平成 27 年 7 月 13 日 02 時 52 分頃の大分県南部の地震について 大分県佐伯市で震度 5 強を観測熊本県では阿蘇市 産山村で震度 5 弱を

なお 本通知は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の 4 第 1 項の規 定に基づく技術的助言として発出するものであることを申し添える 2

累積火災件数 本震震最大震度 6 強の揺れを伴う地震の発生日時前累積火災件数 最大震度 7 の揺れを伴う地震の発生日時 0 4/14 4/15 4/16 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21 図 地震の発生日時と火災の出火推定日時の関係


Transcription:

熊本県 熊本地震時の医療ニーズ への対応について 平成 30 年 8 月 23 日 ( 木 ) 熊本県健康福祉部健康局医療政策課 2010 熊本県くまモン 0

1

平成 28 年熊本地震の概要 2 前震 本震 発生日時 平成 28 年 4 月 14 日 21 時 26 分 平成 28 年 4 月 16 日 1 時 25 分 震央地名熊本県熊本地方同左 マグニチュード 6.5 7.3 震度 7 益城町益城町 西原村 震度 6 弱以上を観測した市町村 震度 6 強なし 震度 6 弱熊本市 玉名市 宇城市 西原村 嘉島町 熊本市 菊池市 宇土市 宇城市 合志市 大津町 嘉島町 南阿蘇村 八代市 玉名市 天草市 上天草市 阿蘇市 和水町 菊陽町 御船町 美里町 山都町 氷川町

地震の規模 県民への影響 震度 6 弱以上の大地震が 7 回 うち震度 7 は 28 時間内に 2 回発生 ( 観測史上初 ) 震度 6 弱以上の大地震に見舞われた県民は本県人口の 83% に及び 少なくとも県民の 10% 以上が避難 ( 阪神 淡路大震災の約 2 倍 ) 熊本地震の規模 県全体に与える影響は 阪神 淡路大震災級 ~ 活発な余震活動 (4,400 回以上 ) が県民生活 経済の早期復旧の足かせ ~ 過去の地震との比較 熊本地震 震度 6 弱以上 7 回うち震度 7 が 2 回 余震発災から 15 日間 2,959 回 阪神 淡路大震災 1 回 230 回 新潟県中越地震 5 回 680 回 被災市町村人口 ( 震度 6 弱以上 ) 約 148 万人 ( 県人口の約 83%) 約 232 万人 ( 同 42%) 約 38 万人 ( 同 16%) 最大避難者数 約 18.4 万人 ( 県人口の 10.3%) 約 31.7 万人 ( 同 5.7%) 約 10.3 万人 ( 同 4.2%) 避難者数は 指定避難所内の人数であり 避難所以外の車中泊等の人数は含まれない 3

医療ニーズへの対応 ( 急性期 ) 4 1 4 月 14 日の発災直後は主に DMAT 県は 熊本県災害派遣医療チーム ( 熊本 DMAT) の派遣に関する協定 等に基づき 県内外の DMAT の派遣を要請 DMAT(Disaster Medical Assistance Team) とは 災害の発生直後の急性期に活動できる機動性を持った専門的な災害派遣医療チーム 1 隊の構成は 医師 1 名 看護師 2 名 業務調整員 1 名の 4 名を基本 DMAT は トリアージ 緊急治療の他 ヘリコプター 救急車等による患者搬送 被災地域内病院に対する急性期医療支援などを実施 DMAT 活動終了後の医療ニーズにどのように対応するか?

5 医療ニーズへの対応 ( 亜急性期 ) 2 DMAT から各種医療チーム 地域医療機関へ 4 月 19 日 DMAT 活動の円滑な引継 移行を図るため 行政機関 関係団体等による連絡調整会議を開催し 県内外の医療救護チームを一元的に受け付け 活動情報を共有する体制を構築 熊本県医療救護調整本部の立ち上げ (4 月 21 日 ) 全国知事会等を通じた医療救護班への引継 移行を経て DMAT 調整本部は 4 月 22 日に活動を終了

6 医療ニーズへの対応 ( 亜急性期 ) 2 DMAT から各種医療チーム 地域医療機関へ 〇 4/20~6/1 災害医療コーテ ィネーター連絡会議 を計 23 回開催し 関係団体の連携 情報共有等を図った 6/1に県医療救護調整本部の活動終了 参考 主な医療チームの活動状況(4 月 14 日 ~6 月 2 日 ) 災害派遣医療チーム(DMAT) :508 チーム 2,199 人 (4 月 14 日 ~4 月 22 日 ) 日本赤十字社救護班 :272 チーム 2,292 人 (4 月 14 日 ~6 月 2 日 ) 日本医師会災害医療チーム(JMAT):563 チーム 2,515 人 (4 月 14 日 ~5 月 31 日 ) 全国知事会医療救護班 :199 チーム 1,041 人 (4 月 21 日 ~5 月 17 日 ) また 被災者に適切な医療 看護を提供し 被災した看護職員の心身 の負担軽減を行うため 県看護協会に対し 災害支援ナース の 派遣を要請

熊本地震時の医療救護の推移 救命救急病院支援避難所等での診療支援在宅者の保健 医療 発災 医療救護対策室設置 活動終了 平時へ 保健所 市町村 医療 / 社会福祉関係機関 ( 地域支援拠点 体制の再構築等 ) DMAT 医療チーム 全国知事会 避難所 救護所 巡回診療等 地域の医療機関地元医師会 日本医師会 (JMAT) 診療再開 日本赤十字社 他 DPAT 7

4/14 熊本地震時の県内外医療チームの推移 4/16 4/18 4/20 4/22 4/24 4/26 4/28 4/30 5/2 5/4 5/6 5/8 5/10 5/12 5/14 5/16 5/18 5/20 5/22 5/24 5/26 5/28 5/30 DMAT 活動終了後の医療ニーズに 日本赤十字社救護班 JMAT 全国知事会救護班等が対応 350 (4/14~6/2 活動実績 ) 300 250 200 150 100 50 0 DMAT その他救護班全体 8

急性期組織図 (4/14~22) 熊本県 DMAT 調整本部 ( 熊本県庁内 ) 大分県 DMAT 調整本部 ( 大分県庁内 ) 阿蘇 竹田医師会病院 DMAT 活動拠点本部 熊本市 上益城 熊本赤十字病院 DMAT 活動拠点本部 菊池 川口病院 DMAT 活動拠点本部 阿蘇 阿蘇医療センター DMAT 活動拠点本部 9

平成 28 年 4 月 19 日 急性期後における地域災害保健医療提供体制連絡調整会議 ( 約 70 名参集 ) 10

亜急性期組織図 (4/21~6/1) 熊本県医療救護調整本部 ( 熊本県庁内 ) 熊本市 ( 熊本市民病院等 ) 益城町役場避難者支援チーム 御船保健所 菊池保健所 宇城保健所 阿蘇地域災害保健医療復興連絡会議 (ADRO) 阿蘇医療センター 阿蘇保健所 益城町医療救護調整本部 ( 益城町保健福祉センター内 ) 11

熊本県災害対策本部熊本地震時 12

熊本県 DMAT 調整本部 ( 県庁 10 階 ) 13 DMAT 活動拠点本部

熊本県災害対策本部 ( 県庁防災センター ) 14

医療救護調整本部 (DMAT 調整本部から移行 ) テレビ会議システムの活用 コーディネーター連絡会議 ( 県庁 8 階 ) 15

医療救護調整本部 ( 県災害医療コーディネータの活躍 ) 16 蒲島知事へ活動終了報告

医療救護調整本部 ( ロジの活躍 ) 患者情報等の収集 分析 医療チームの調整 関連情報を掲示 クロノロの作成 17

18 熊本地震前に熊本県が行ってきたこと 熊本県災害医療コーディネーターの養成 コーディネーターは 災害医療政策への助言や医療チームの派遣調整などを行う 災害派遣医療チーム (DMAT) の養成 トリアーシ 緊急治療の他 ヘリコフ ター 救急車等による患者搬送 被災地域内病院に 対する急性期医療支援など 災害発生時の初動対応を担う DMAT(Disaster Medical Assistance Team) とは 災害の発生直後の急性期 ( 概ね 48 時間以内 ) に活動できる機動性を持った専門的な災害派遣医療チーム 1 隊の構成は 医師 1 名 看護師 2 名 業務調整員 1 名の 4 名を基本 〇災害拠点病院 (14 病院 ) の整備 関係団体との協定締結 県医師会 県歯科医師会 県看護協会等と協定を締結し 日本医師会災害医療チーム (JMAT) 災害支援ナース等の派遣など

19 熊本地震後に県が行ったこと 熊本地震時の初動対応を検証し 以下の取組みを実施 熊本県災害医療コーディネーターの増員 15 名 20 名 地域災害医療コーディネーターの選定 地域における災害医療対策への助言や医療チームの配置調整等を行う 地域災害医療コーディネーター について 各地域の災害拠点病院等の医師から各 2~5 名 計 28 名選定 情報連絡体制の再構築 各地域の保健所が 管内病院を対象にEMIS( 広域災害 救急医療情報システム ) の操作研修を実施 災害拠点病院等を対象に 月 1 回 衛星電話伝達訓練を実施 災害時医療救護マニュアルの策定 医療従事者及び行政職員が共有する標準的な医療救護活動のマニュアルを新たに策定

熊本県災害医療コーディネーターとは 定義 大規模災害 ( ) 発生時に 県の要請に応じ県庁内の県災害対策本部に出務し 災害状況に応じた適切な医療体制が構築されるよう県に対し助言を行う者 ( ) 大規模災害とは 県の災害対策本部 ( 知事が本部長 ) が設置される規模の災害のこと 県は 県内で震度 6 弱以上の地震を観測した場合 又は 県下に相当規模以上の災害が発生し あるいは発生する恐れのある場合 災害対策本部を設置し 非常配備体制を敷くこととしている 業務内容 熊本県災害医療コーディネーター 災害状況に応じた適切な医療体制が構築されるよう助言 1 県が行う災害医療対策に対する医療の専門的見地からの助言 ( 平時から ) 2 被災地等における医療ニーズの把握及び分析 3DMAT の派遣要否の検討 県が行う DMAT 派遣要請の助言 4 災害急性期における傷病者の受入医療機関の調整 5 被災地等への医療救護班等の派遣調整 6 県外からの DMAT 医療チーム等の受入調整 7 その他知事が必要と認めた事項 熊本地震前 :15 名 熊本地震後 :20 名 ( 現在 1 名辞退して19 名 ) 名簿 氏名 井清司 入江弘基 大塚尚実 岡野雄一 岡村直樹 小川克大 奥本克己 笠岡俊志 北田真己 桑原謙 下川恭弘 林田和之 原田正公 細川浩 前原潤一 松園幸雅 安岡寛理 山城重雄 吉岡明子 敬称略 並びは氏名の五十音順 所属 熊本県赤十字血液センター 熊本整形外科病院 熊本赤十字病院 熊本赤十字病院 熊本赤十字病院 済生会熊本病院 熊本赤十字病院 熊本大学医学部附属病院 熊本医療センター 熊本赤十字病院 人吉医療センター 熊本赤十字病院 熊本医療センター 熊本赤十字病院 済生会熊本病院 荒尾市民病院 公立玉名中央病院 済生会熊本病院 山鹿市民医療センター 20

地域における災害医療コーディネート機能の強化 21 県災害医療 コーディネーター 発災直後の超急性期から移行期まで県庁に出務し 県全体の災害医療体制の統括 調整に関し活動 DMAT 撤収後医師会等の医療チームが活動する急性期以降において県庁に出務し 県全体の災害医療体制の統括 調整に関し活動 熊本地震後に増員 (15 名 20 名 ) 全員統括 DMAT 情報共有支援要請 応諾 地域災害医療 コーディネーター 発災直後の超急性期から移行期まで保健所等に出務し 当該保健所管轄区域内の医療救護活動の統括 調整に関し活動 DMAT 撤収後医師会等の医療チームが活動する急性期以降において保健所等に参集し 当該保健所管轄区域内の医療救護活動の統括 調整に関し活動 新たに 28 名 ( 災害拠点病院 医師会等の医師 ) を選定

災害医療コーディネート研修 訓練 ( 平成 29 年度 ) 熊本県災害医療コーディネート研修 ( 平成 29 年 10 月 7 日 ) < 受講者 > 計 37 人 県災害医療コーディネーター 4 人 県南地域の地域災害医療コーディネーター 9 人 災害時小児周産期リエゾン 2 人 保健所長 8 人 県南地域の業務調整員 14 人 ( うち保健所職員 6 人 病院職員 8 人 ) 地域災害医療コーディネート研修 ( 平成 30 年 3 月 3 日 ) < 受講者 > 計 46 人 地域災害医療コーディネーター 19 人 業務調整員 27 人 ( うち保健所職員 11 人 病院職員 16 人 ) 県災害医療コーディネーター 9 人が講師として協力参加 平成 29 年 10 月 8 日 ( 日 ) 熊本日日新聞朝刊 8 面 22

広域災害救急医療情報システム (EMIS) Emergency Medical Information System 熊本地震での活用 特に発災直後の急性期において 医療機関の被災状況 ( ライフライン状況 受入患者情報等 ) を把握することにより DMAT 等の外部支援チーム投入の判断等に活用 関係機関相互で DMATの活動状況や災害対策本部 (DMAT 調整本部 ) の指揮命令系統 その他災害関係情報を共有 しかし 様々な課題が発生 システム未登録の医療機関があり ベースとなる情報の代理入力事務が多数生じた ( 登録率 50%) 二次医療機関におけるシステム操作方法の未習熟等により システムを有効活用できなかった 県職員 ( 医療政策課 ) が電話 ファックス等で情報収集を行う 人海戦術 により情報不足を補う必要が生じた 23

広域災害救急医療情報システム (EMIS) 活用の促進 平成 28 年度末までに 県内全病院の EMIS 登録が完了 全ての保健所において 管内医療機関を対象に EMIS 入力研修 訓練を実施 平成 29 年度参加数 : 県内 213 病院のうち 191 病院 (89.7%) 阿蘇保健所での EMIS 入力研修の様子 阿蘇圏域災害保健医療従事者研修の様子 24

熊本地震後の災害医療提供体制図 25

26 1 熊本地震の概ね 3 カ月間の対応に関する検証報告書 2 熊本地震の発災 4 か月以降の復旧 復興の取組に関する検証報告書 3 熊本県災害時医療救護マニュアル 熊本県のオフィシャル HP に掲載しています 検索コーナーから 熊本地震報告書 医療救護マニュアル で検索ください