I. 委託業務の概要 II. 契約に関する事務手続 III. 契約変更に関する事務手続 IV. 経理処理について V. 機械装置等費について VI. 労務費について VII. その他経費について VIII. 間接経費について IX. 再委託費 共同実施費について X. 検査 XI. 委託費の支払 XII. 資産管理の注意点 P.161 1. 研究開発資産の概要 P.162 2. 資産登録の方法 P.163 3. 資産管理の注意点 P.166 4. 資産処分の方法 P.166 5. 知的財産権の取得等に関する報告について P.169 6.NEDOポータルによる知的財産権の取得等に関する報告について P.171 7. 著作権に関する報告について P.172 XIII. 研究成果の発信 -161-
1. 研究開発資産の概要 (1) 研究開発資産の取り扱い委託業務 ( 共同研究業務を含む ) を実施するために購入し 又は製造した取得財産 ( 機械装置 車両運搬具 工具等 ) を研究開発資産 ( あるいは単に資産 ) といい その登録 管理 保険付保及び処分等を行います 本章で記載する内容は 委託 共同研究事業における研究開発資産の取り扱いであり 補助事業 助成事業 資産の帰属に関する条項を含む特別約款を締結した大学や独立行政法人との契約における取り扱いとは異なります ( これらの事業における取り扱いはプロジェクト担当までお問い合わせください ) (2) 研究開発資産の管理業務スケジュール研究開発資産管理の大まかな業務スケジュールは以下のとおりです (3) 資産管理システム研究開発資産を取得したら NEDOポータルまたは委託先資産管理支援システムのどちらかを利用して登録していただくことになります 1NEDOポータル : 電子証明書により 書面の申請 届出等手続きを電子的に行うことができるシステム 2 委託先資産管理支援システム :Microsoft 社 "Excel" を資産管理用にアレンジしたファイルを利用するシステム -162-
2. 資産登録の方法 (1) 資産登録の原則委託業務を実施するために購入し または製造した取得財産のうち 取得価額が50 万円 ( 消費税込み ) 以上 かつ耐用年数が1 年以上の固定資産については NEDOに所有権が帰属するため 資産の登録手続きが必要です 登録手続きは 資産取得月の翌月第 5 営業日までにお願いします 50 万円 ( 消費税込み ) 未満の資産は 取得時から委託先に所有権が帰属しますので NEDOへの資産登録手続きは不要です (2) 資産の登録単位資産の登録単位を検討する際は 当該資産が委託事業において単体で機能するか 複数の資産を組み合わせた状態でなければ機能しないのかということが判断材料となります 単体資産だと事業の用に供することができないと判断された場合は パーツそれぞれを登録するのではなく一体の複合体として登録します < 資産登録のフローチャート > -163-
(3) 取得価額取得価額は 委託事業の用途として使用開始するまでに発生した額の合計額となります < 購入の場合 > 購入先に支払った費用 購入の代価 ( 消費税を含む ) 購入先以外に支払った費用 引取運賃 荷役費 運送保険料 購入手数料 その他購入のために要した費用 事業の用に供するための費用 ( 消費税を含む ) 設置に係る費用等 取得価額 < 製造の場合 > 建設 製作 製造の原価 ( 消費税を含む ) 原材料費労務費経費 事業の用に供するための費用 ( 消費税を含む ) 設置に係る費用等 取得価額 (4) 取得日購入の場合は 納品検収行為を行った日が取得日となります また 製造の場合は 竣工の検査を行った日が取得日となります 複数のパーツを組み合わせてはじめて一つの機能を有する資産の場合には 最後に納品された資産の検収または竣工の検査を行った日とします (5) 耐用年数研究開発資産の耐用年数は 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 ( 昭和四十年大蔵省令 ) 別表第 6の耐用年数表を適用します ( これ以外の表を適用する資産もあります ) < 別表第 6( 抜粋 )> 種類細目耐用年数 ( 年 ) 建物及び建物付属設備構築物工具 建物の全部又は一部を低温室 恒温室 無響室 電磁しゃへい室 放射性同位元素取扱室その他の特殊室にするために特に施設した内部造作又は建物附属設備風どう 試験水そう及び防壁ガス又は工業薬品貯そう アンテナ 鉄塔及び特殊用途に使用するもの 五五七四 器具及び備品試験又は測定機器 計算機器 撮影機及び顕微鏡四 機械及び装置 汎用ポンプ 汎用モーター 汎用金属工作機械 汎用金属加工機械その他これらに類 するもの その他のもの 七 四 -164-
(6) 損害保険の付保 固定資産税の支払い NEDOが所有権を有する資産についての損害保険の付保と固定資産税の支払いは 原則としてNED Oが行います この手続きは委託先が登録する情報を基にして行いますので 資産登録手続きや付保に関する登録は正確に行うよう注意して下さい 損害保険の付保契約は 年度単位で行うため 付保の登録は資産登録時だけではなく 毎年必要となりますのでご注意下さい 毎年の付保登録時期については NEDOからお知らせします < 損害保険の概要 ( 国内設置資産の場合 )> (7) 資産登録手続きの流れ資産の登録は 従来の委託先資産管理支援システム (Excel ファイル ) を利用する方法に加え NEDO ポータルからも手続きを行うことが可能です NEDOポータルを利用すると 委託先 ~NEDO 間の資産登録情報の共有や報告ファイルの承認進捗状況の確認が可能となります また 資産情報の移設 付保登録申請が容易になります < 委託先資産管理支援システムを利用する場合 > -165-
<NEDO ポータルを利用する場合 > NEDO ポータルの詳しい活用方法については NEDO の HP をご覧下さい ( 他にも便利な機能を紹介して いますので 是非ご覧下さい ) >> http://www.nedo.go.jp/portal/index.html 3. 資産管理の注意点 (1) 目的外使用の禁止委託先は 取得資産を委託業務以外の目的に使用することはできません 同様に 委託事業期間終了後に手続きを行わずに使用することもできません (2) 善管注意義務委託先は 業務委託契約に基づき善良な管理者の注意をもって資産の管理を行わなければなりません 委託先が管理する期間は 委託先が資産の検収又は竣工の検査をした日からNEDOの指示に基づきNE DOが指定する相手先に引き渡す日までとします (3) 設置場所の変更設置場所を変更する場合 あらかじめNEDOに届け出が必要となります 4. 資産処分の方法 (1) 資産処分の原則委託先は 業務委託契約に基づきNEDOが基本計画等で規定する委託事業期間終了後 NEDOが処分を行う場合を除き 原則として 有償譲渡により NEDOに帰属する資産をNEDOから引き取るものとしています その際の価額は 引き取り時点の残存価額によるものです -166-
(2) 資産処分方法の決定資産の処分方法は 委託先からの要望を検討しつつ NEDOの判断により決定します 業務委託契約約款に基づき 委託先への有償譲渡が原則ですが NEDO 内での資産有効活用 (NEDO 内の他の事業への転用 ) を検討した上で NEDOの判断により 以下の方法で処分を行う場合があります 有償譲渡 ( 当該研究開発事業実施者等への有償譲渡 ) 無償譲渡 ( 国 地方公共団体 大学 国公立研究機関 その他公的機関等への無償譲渡 ) 廃棄 ( ただし 真にやむを得ない事情により上記方法を実施することができない場合に限る ) < 標準的な資産処分の手続きフロー > (3) 残存価額の考え方平成 15 年 10 月以降 取得資産は定額法 ( いわゆる旧定額法 ) を適用しています ( 平成 15 年 9 月以前に取得した資産は 平成 15 年度 9 月末までは定率法 平成 15 年 10 月以降は定額法を適用します ) 基本的な考え方は 耐用年数経過時点での残存価額が 取得価額の10% まで一定の割合で償却し 耐用年数経過後も取得価額の5% まで償却し その後は償却しません なお 平成 19 年度税制改正により 償却資産については償却可能限度額が廃止され 1 円 ( 備忘価額 ) まで償却できることとなりましたが 利用価値のある売却希望資産について 法定耐用年数満了をもって利用価値が減失したものとして扱うことは適切でないため 当機構の資産には適用していません -167-
なお 資産の処分手続きの際は 手続きに必要な書類の提出をお願いしていますので プロジェクト担当者と協議の上 書類の作成をお願いします 詳細については NEDOのHPで掲載されていますので ご確認下さい >> http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual/tetsuzuki/009.html < 補足 > 更に詳細な情報については NEDOのHPをご覧下さい >> http://www.nedo.go.jp/shisankanri/kenkaishisan.html 資産登録時に入力する郵便番号は 郵政公社 HPの郵便番号を使用して下さい >> http://www.post.japanpost.jp/zipcode/index.html 同じく 市区町村コードは 地方自治情報センター HP/ 地方公共団体コードを使用して下さい >> http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/com/addr/jyu_top.htm -168-
5. 知的財産権の取得等に関する報告について (1) 日本版バイドール条項 NEDOでは 委託先における研究開発のインセンティブや成果意欲を高め 開発成果を効果的に社会還元するとの狙いから 日本版バイドール条項 ( 産業技術力強化法第 19 条 ) を適用し 原則として以下の4 条件を約定することにより 当該委託研究に係る知的財産権は 委託元であるNEDOに譲り渡すことなく 委託先に帰属することにしています ( 約款第 31 条 ) 1 委託研究に係る知的財産権の出願 申請等の手続きを行った場合 NEDOに報告すること 2 国が公共の利益のために必要がある場合に 当該知的財産権を無償でNEDOに実施許諾すること 3 当該知的財産権を相当期間利用していない場合 国の要請に応じて 第三者に当該知的財産権を実施許諾すること 4 当該知的財産権の移転又は専用実施権等の設定若しくは移転の承諾 ( 以下 移転等 という ) をしようとする場合 NEDOの事前承認を得ること 業務委託契約約款 ( 以下 約款 という ) では これら知的財産権について 受ける権利の発生 権利の取得 権利の利活用に関し NEDOに報告するよう規定しています ( 約款第 32 条 第 33 条 第 34 条 ) また 認証コードを取得されている委託先は NEDOポータルから報告することもできます (2) 移転又は専用実施権設定等時の事前承認 知的財産権 ( ノウハウを除く ) の移転等をするときは 以下の場合を除き 事前にNEDOの承認が必要になります ( 約款第 31 条の3) 1 合併 分割 ( 一般承継 ) による場合 2 株式会社が親会社 子会社に移転等する場合 3 技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律に規定する承認事業者 ( 承認 TLO) 若しくは認定事業者 ( 認定 TLO) に移転等する場合 4 技術研究組合が組合員に移転等する場合 移転等の承認の判断基準は以下のとおりです 1 移転等を受ける者が 国内事業活動 ( 製品の製造 製品化に向けた応用 開発研究 サービスの提供等 ) において当該知的財産権を利用する場合 2 移転等を受ける者が 海外事業活動において当該知的財産権を利用することにより 我が国に利益がもたらされる場合 3 その他 移転等をする場合 約款第 31 条第 3 項並びに第 4 項 第 31 条の3 第 32 条 第 33 条及び第 34 条の規定の適用に支障を与えないよう移転等先に約定させて下さい ( 約款第 31 条第 5 項 ) -169-
(3) 国等の委託による研究成果に係る出願である旨の記載 国内の特許等の出願時においては 国等の委託による研究成果に係る出願である旨を願書に記載して下 さい ( 約款第 32 条第 2 項 ) (4) 封印申請書 知的財産権帰属届出書の提出 業務委託契約締結以前に保有している重要技術情報については封印申請書 ( 約款第 34 条 ) を 委託先が技術研究組合であって組合員帰属規約がある場合には知的財産権帰属届出書 ( 約款第 35 条 ) の提出義務があります (5) 補足 各種届出書等の記載方法については NEDO のHPをご覧下さい >> http://www.nedo.go.jp/shisankanri/tetuzuki/index.html < 知的財産権の取得等に関する報告一覧 > 特許権著作権知的財産権実用新案権回路配置 ( 成果報告書等をタイミング意匠権利用権除く著作権 ) 育成者権 ノウハウ NEDOと委託先が協議の 成果報告書提出 上 NEDOが指定したもの を提出 ( 約款第 29 条 ) 出 願 産業財産権出願通知書の提出 ( 約款第 32 条適用により60 日 *1 以内 ) 権利設定登録 ( 著作権は登録時又は権利行使 利用許諾時 ) 産業財産権等出願後状況通知書の提出 ( 約款第 33 条適用により60 日 *1 以内 ) 産業財産権等出願状況通知書の提出 ( 約款第 33 条適用により速やかに ) 権利移転時 産業財産権等出願後状況通知書の提出 ( 約款第 33 条適用により遅滞なく ) 一般承継等を除き NEDOの事前承認が必要 ( ノウハウを除く ) 知的財産権利用届出書を提出 ( 約款第 34 条適用により遅滞なく ) 実施又は実施許諾 専用実施権 専用利用権の設定をする場合は NEDOの事前承認が必要 ( 著作権及 びノウハウを除く ) *1: 外国出願 登録の場合は90 日以内 出願及び権利設定登録時 出願番号 登録番号等を確認するため 例えば出願プルーフ 特許証 特許公報 登録済通知書等のエビデンスを添付して下さい -170-
6.NEDO ポータルによる知的財産権の取得等に関する報告について NEDOポータル認証コードを取得している委託先は NEDOポータルにより知的財産権の取得等に関する報告を行うことができます NEDOポータルでは プロジェクト毎の報告状況が確認できる他 訂正及び追加報告がより容易になっています NEDOポータルから報告を行う場合 約款で定めている通知書の提出は必要ありません <NEDOポータル利用手順 > 新規登録 産業財産権出願通知書 ( 約款第 32 条適用 ) 特許権 実用新案権 意匠権 育成者権出願時 ログインして 産業財産権管理 を選択 新規登録項目を選択 産業財産権等出願後状況通知書 ( 約款第 33 条適用 ) 回路配置利用権 プログラム等の著作権設定登録時その他の著作物創作時特許権 実用新案権 意匠権 育成者権権利設定登録時 入力欄 に入力し 提出 > OK の順にクリック終了登録済み申請 権利移転時 ログインして 産業財産権管理 を選択 登録済み一覧 をクリックし 申請したい データの 参照 ボタンをクリック 編集 ボタンをクリックし 入力欄 に入力 終了 -171-
7. 著作権に関する報告について 成果報告書 プログラム デ プログラムの手引 その他の その他これに ータベースの 書 その他これに類 著作物 類するもの 著作物 するもの 著作権の開始 創作 創作 創作 創作 委託先帰属 プログラム著作物を特定す るためできるだけ SOFTIC に登録してください No 希望 Yes ソフトウェア情報センター (SOFTIC) に登録 No 委託先帰属希望 Yes No NEDO 帰属 委託先帰属希望著作権行使 第三者利用許諾 Yes 届出書 成果報告書 要約書の電子ファイルをNED Oに提出約款第 24 条適用委託業務完了後 60 日以内 産業財産権等出願後状況通知書及び登録済通知書又は著作物の電子ファイルをNEDOに提出 約款第 33 条適用速やかに 産業財産権等産業財産権等出願後状況通出願後状況通知書 著作物知書 及び著の電子ファイ作物の電子フルをNEDO ァイル又は文に提出献の書誌的事項をNEDO に提出約款第 33 条適用 速やかに約款第 33 条適用速やかに NEDO 帰属 委託先帰属 -172-