(96)2 した.す で に 頬 側 根 分 岐 部 に 骨 吸 収 が 及 ん で い る も の 打 診痛 な どの 不快 症 状 を認 め た もの,周 囲歯 肉粘 膜 に発 は,そ の部 の病 変 の 骨 を破 骨 鉗 子 で 骨 削 除 した の ち,鋭 赤,腫 匙 に て永 久歯 歯胚 を傷 つ けな い よ うに,根 端 お よ び根 分 た.現 在 ま でX線 写 真 で歯 槽 骨 の形 成 状 態 を,一 番 長 く 岐 部 の病 巣 を除 去 した.さ 経 過 観察 しえ た もの は11ヵ 側 を掻 爬 し,1/1ラ らに 有 窓 鋭 匙 を用 い て 歯 根 内 ウ ン ド バ ー に て根 分1岐部 の 病 変 部 脹 な どの 炎症 症 状 を伴 つ た もの は1例 もな か っ 月 で あ る(表 参照). 次 に 主 な もの4症 例 に つ い て述 べ る と, を 削除 した.最 後 に,病 巣 が 充 分 に 除 去 され た こ と を確 症例1 珂 の術 前X線 写 真 像 は近 心 小 窩 よ り鎚 蝕 が か め た の ち,創 面 を過 酸 化 水 素 水 で 洗1條し,マ ー ゾニ ン 進 行 した と思 われ る所 見 で,歯 冠 の近 心 咬 合 面 か ら大 き を塗 布 消 毒 後,サ ル フ ァ剤(シ ノ ミ ン)粉 末 を貼 布 し,粘 く破 壊 され て い る.鶴 窩 は,象 牙質 の 近心 側 か ら中 央 部 膜 骨 膜 弁 を元 の よ うに 縫 合 した.術 後 は 口腔 内 を清 潔 に を越 えて 小豆 大 の透 過 像 を示 し,近 心 髄 角 部 と歯 髄 天蓋 す る た め,洗1條 に 通 院 させ,浮 腫 の ない こ と を確 めた. の 一 部 で歯 髄 腔 と交 通 して い る透 過 像 を認 めた.歯 根 部 縫 合 糸 は 約1週 間 後 に抜 糸 し,そ の後,1カ 線 写真 を撮 り,歯 槽 骨,と 月 間 隔 でX で は 永 久歯 々胚 が近 心 根 お よ び 遠心 根 間 に 存 在 し,乳 臼 くに根 分 岐 部 の歯 槽 骨 の 形成 歯 の近 心 根 お よ び遠 心 根 の根 尖 部 と根 分 岐 部 に明 らか な 状 態 を経 過 観 察 した. 透 過 像 が あ り,根 尖部 歯 根 膜 腔 の拡 大 と根 分 岐 の 歯 槽 骨 中 隔 の吸 収 像 を認 め る(図1-a). 臨 床 成 績 症 例 は ま だ13例 さ らに 肉 眼的 所 見 で は,歯 冠 の近 心 側 か ら咬 合 面 に わ た つ て米 粒 大 の騙 窩 が あ り,頬 側 歯 肉 に は 小 豆 大 の膿 瘍 で あ る が,全 症 例 に お い て,自 発痛, 表 乳 歯の 歯根部病巣除去後 の所 見 図1
3(97) を形 成 してい る. 不 透 過 像 を認 め,明 ら か に新 生 骨 の 再 生 が 見 られ る(図 2-b).術 歯 根 部 病 巣 の 除 去1カ 月 後 のX線 所 見 で は,根 管 充填 が 不充 分 で あ つ た が,近 心 お よ び遠 心 根 尖部 の透 過 像 が 後8カ 月 の 所 見 で は,近 心 根 尖 部 の透 過 像 が な くな り,根 分 岐 部 の 病 巣 は,新 骨 梁 が 著 明 に形 成 され 消 え,ま た根 分 岐部 の 透 過 像 が小 さ くな り,一 部 に は骨 た像 を示 す.ま た5の 形 成 状 態,.6の 梁 と考 え られ る 不透 過 像 を認 め,明 ら か に歯 槽 中隔 部 の 常 で あ る(図2-c). 骨 の新 生 が あ る と考 え られ る(図1-b). 術 後9カ 月 の所 見 で は,根 見 られ ず,密 症 例3 窩 が 咬合 面 か ら進 行 分岐 部 の透 過 像 が ほ とん ど した よ うな状 態 で あ り,近 心 髄 角部 で 歯髄 腔 と交 通 して な 骨 梁 を認 め て周 囲 粛 槽 骨 の 骨梁 と同程 度 い る.蕾 根 部 で は,近 心 根 の 内 側 よ り根 分 岐 部 に わ た っ の 状 態 で,病 巣 部 は ほ とん ど閉 鎖 され,完 に まで な っ て い る.し か し,laminaduraは 全 治癒 の状 態 て歯 槽 中 隔 の骨 が大 き く吸 収 され,ま た 近 心 根 も1/4吸 認 め られ な 収 され て い る透 過 像 を示 す(図3-a). い(図1-c). 症 例2 術 前 所 見(囮)は,鶴 萠 出状 態 もほ ぼ 正 術 後3カ 月 まで は歯 槽 中隔 部 のx線 透 過 像 は 縮 小 して い な かつ た が,術 後4カ 圃 の 術 前X線 写 真 に は,歯 冠 部 に適 合 不 良 月所 見 で は 中 隔 部 の 骨 の 新 生 像 の充 填 物 が 見 られ,遠 心 髄 角 部 が露 出 され た よ うな所 見 を見 る.し か しま だ,近 心 根 の 内 面 か ら 分 岐 部 に か け が あ る.歯 根 部 で は 症 例1と て,幅 の広 い透 過 像 が認 め られ る(図3-b). 同 様 に,近 心 お よび 遠心 の 根 尖 部 と,根 分 岐 部 に透 過 像 を認 め,か っ 歯槽 中 隔 に は 術 後8カ 醤根 部 病 巣 除 去 術 の 施 行1カ 月 を経 過 す る と歯 槽 中 隔 部 に は,著 明 な骨 新 生 像 が認 め られ,laminaduraの 永 久歯 歯 胚 が 挿 入 され た状 態 に あ つ た(図2-a). 再 生 が認 め られ た.さ らに 永久 歯 歯 胚 の 発育 も順 調 に 行 な われ,正 常 な位 置 に 月 後 の所 見 は,遠 心根 尖 部 の 透 過 像 が 消 え,近 心 根 尖部 の透 過 像 は 縮 小 して い 萠 出 して い る の が 認 め られ る(図3-c). る.一 方,根 分 岐 部 の 骨 は粗 で あ るが,骨 梁 と思 わ れ る 症 例4 図2 図3 この 症 例 は 豆Dlの 根 部 病 巣 除 去 を 同時 に行
(98)4 なつ た.術 前X線 写真,Dで は 咬 合 面 と遠 心 隣 接 面 に透 さ らにD臼 部 の永 久 苗 粛 胚 の 発育 と石 灰 化 は 順 調 に 進 過 像 を認 め る.頗 蝕 は 咬 合 面裂 溝 部 か ら進 行 した と考 え 行 して い る所 見 を 見 る(図4-d). られ,齢 窩 は直 接 髄 腔 と交通 して い る所 見 を示 した.歯 根 部 は 歯 根 膜 腔 の拡 大 が み られ,と 総 括 な らび に考 案 くに,遠 心 の根 尖部 乳 歯 の根 管 治 療 は,原 則 的 には 永 久 欝 の根 管 治療 に 準 か ら根 分 岐 部 に わ たっ て,歯 槽 中隔 の破 壊 像 が あ り,遠 じて行 な うもの で あ るが,そ の 治 療 成 績 は,乳 粛 の解 剖 心 根 の病 的 吸 収 像 は2/5程 度 で あ る. EIに つ い ては,近 心 隣接 面 か ら咬 合 面 に わ た る小 豆 大 学 的 特 徴,生 理 的 な 歯 根 の 吸 収,さ らに は 小 児 の 年 令 あ の す で に 歯 髄 腔 と交 通 した透 過 像 が認 め られ る.歯 根 部 るい は 受 診 態 度 な どの 点 か ら必 ず しも永 久 粛 と同 様 な処 で は 根 尖 部 か ら根 分岐 部 に わ た っ て歯 根 膜 腔 が わ ず か に 置 が困 難 で,ま た そ の成 功 率 も低 い こ とは 事 実 で あ る. しか し,根 管 治療 の経 過 が 良 好 の と きに は 乳 醗 が 保 存 拡 大 し,近 遠 心 の根 尖 部 に は粟 粒 大 の透 過 像 を認 め,根 の 吸 収 像 は1/3程 度 で あ る(図4-a). で き,咀 噛 機 能 も充 分 回復 され,後 継 永 久 歯 との 交換 が 円滑 に 行 な わ れ る場 合 が 多 い.こ 術 後2カ 月 所 見 では,手 術 中所 見 か ら根 問 中隔 の腐 骨 とに 発 育 す る小 児 の 栄 を大 き く削 除 した た め か到 の 骨 再 生 は お くれ,遠 心 の根 養 摂 取,さ 尖 部 か ら分 岐 部 に わた っ て大 き な透 過 像 が 見 られ る.し 根 管 治 療 は 可能 な か ぎ りに お い て最 大 の 努 力 を払 わ な け か し,近 心 根 内 側 には 粗 な骨 梁 の発 達 を認 め る.画 は, れ ば な らな い.か か る意 味 か ら,私 達 は 乳 歯 の 保 存 療 法 近 心 お よび 遠 心 の 根 尖 部 にX線 の透 過 が よ い とこ ろが あ の 範 囲 を広 げ る こ とが で き な い か と考 え,1 下7),黒 り,と くに 近 心根 の 歯 根 膜 腔 は 拡 大 して見 られ るが,骨 須5),石 川8),ら が述 べ て い る乳 歯 根 管治 療 の非 適 応 症 の うち, 根 尖 病 巣 が大 き く,そ れ が根 分 岐 部 ま で達 して 梁 の形 成 像 は 良 好 で あ る(図4-b). 術 後6カ 月,Dの い る もの さ らに は 根 吸 収 が歯 根 長 の1/3以 上 にお よ 歯 槽 骨 再 生 は お そ く,骨 梁 の 形成 も ん で い る もの な ど にっ い て再 検 討 を加 え てみ た. 粗 で,根 分 岐 部 に まだ透 過 像 を認 め る.し か し遠心 根 の 内側 の歯 根 膜腔 の 拡 大 は 減 少 し 墨aminaduraが 認 め られ る.一 方,珂 らに は歯 列 不 正 を予 防 す る た めに は,乳 歯 の 一部 に す な わ ち,永 久 歯 にお い て根 尖 部 に大 き な 慢 性 病 巣 は近 心 根 尖 部 に わ ず か な透 過 像 を が あ る歯 で も,根 尖 切 除 術 で 完 全 に 治 癒 す る こ と が,臨 認 め る が,遠 心 の根 尖部 か ら根 分 岐部 に わ た っ て密 な骨 床 的 お よ び病 理 組 織 学 的 に も認 め られ て い る9).他 方, 梁 が見 られ,骨 の再 生像 は瑚 に 比 して 著 しい(図4-c). 発 育 中 の小 児 にお い て は,的 確 な処 置 を 誤 ま ら な け れ 月 に な る と,瑚 の歯 槽 中隔 部 の骨 の再 生 像 も ば,新 鮮 な生 体 組 織 の 修 復 力 は成 人 よ り も強 く,再 生 も よ くな り,分 岐 部 の歯 根 膜 腔 の拡 大 は縮 小 し,骨 梁 も緻 早 い とい う有 利 な 面 を有 す る.加 えて,乳 歯 に 急 性 あ る 密 とな つ て くる.画 は近 心 根 根 尖部 の透 過像 が消 失 し, い は慢 性 の 根 尖 部 炎症 が あ る と,後 継 永 久 歯 に 形 成 異 常 1aminaduraの を起 こす こ とは,既 に 知 られ て い るn 1り. 術 後8カ 形 成 も よ く,歯 槽 骨 の形 成 像 は 良好 で あ る. 大塚B)は,動 図4 物 に 実験 的 乳歯 根 尖 性 磁 膜 炎 を 起 こ さ
2) Orban, B. : Oral Histology and Embryology 3rd. ed. C.V. Mosby Co., St. dom6, 1953, p. 139. 10) Finn S.B. : Clinical Pedodontics 2nd. Saunders Co. London 1963, p. 59, p. 192. 11) Turner J.G. : Two Cases of Hypoplasia of Enamel, Brit. J. Dent. Sci. 55, 227, 1912. 14) Ando S., Sanka Y. Nakashima T., Shinbo K. Kiyokawa K., Oshima S. and Aizawa K. : Studies on the Consecutive Survey of Succedanous and Permanent Dentition in the Japanese Children Part 3. Effects of Periapical Osteitis in the Decidous Predecessors on the Surface Malformation of their Permanent Successors.J. Nihon Univ.Sch. Dent. 8, 21, 1966.