2012 年 6 月 25 日日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 須藤徳之 ジェトロの日本酒 焼酎輸出事業 1. ジェトロの日本酒 焼酎の輸出支援事業ジェトロは 農林水産物 食品業界等海外販路開拓支援事業 ( 注参照 ) において 日本酒造組合中央会の応募を受け 日本酒 焼酎の輸出支援事業を実施して

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産業共同研究センターによせて

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

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1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

中国における日本酒市場の現状と提案 株式会社和醸 代表取締役山本敬 1, 現状 (1) 市場状況 日本酒の国別輸出から見る中国市場 * 出展 : 財務省貿易統計 中国への輸出は 日本からの輸出全体の 3.2% である しかし香港は 14.1% もあり 同じ中華圏でも大きく異なる 香港は輸入税が低いた

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中小企業海外展開支援大綱の改正について

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27/12/2013 ジェトロ パリ事務所 ホタテ 日本酒商談会 ( パリ ) 運営業務公募要綱 ジェトロでは 日本産冷凍ホタテと日本酒の輸出促進のため 2014 年 2 月 10 日 ( 月 ) 同 2 月 12 日 ( 水 ) にそれぞれパリ ニースに置いて 別添 1 2 のとおり ホタテと日本

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訪日外国人消費動向調査1

平成22年度         タイトル

管内中堅 中小企業のアジア地域等への進出ニーズ 地域特性及び特徴的な取組み並びに地域金融機関の支援体制 対応状況 1. 進出ニーズ等 当局管内 ( 沖縄県 ) においては 製造業が少ない産業構造であることや企業規模も中小 零細企業が太宗を占めていること等から 海外進出ニーズの形態については 輸出や販

平成 30 年 9 月 10 日修正 海外ベンチャー企業連携 案件組成イベント Global Connection 2018 募集要領 平成 30 年 7 月 10 日 IoT 推進ラボ 経済産業省 (IoT 推進ラボ事務局 : 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 ) 0

輸出食品展 ~MADE IN / BY JAPAN~ 6B10 純米雄町碧天 通年 1 年間 岡山県 ml 1188 円 12 本 常温 中 2 日以内に発送 1 ケース 縦 260mm 横 340mm 高さ 323mm (16kg) 商社 卸 日本酒飲酒歴がある程

(資料3-9)日本酒輸出協議会 提出資料

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目次 調査概要 プロフィール 1 調査結果まとめ 2 調査結果 詳細飲食店 居酒屋 レストラン バーなど外でのお酒との関わり 飲用頻度 3 3ケ月内飲用酒 4 一番初めによくオーダーしたお酒 5 2 番目によくオーダーしたお酒 6 3 番目によくオーダーしたお酒 7 オーダーパターン 8 自宅でのお

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梨県間における観光交流の促進等について意見交換を行った ベトナム政府観光総局と山梨県との協力関係の強化が両国の国際友好交流に重要な役割を果たすことを確認し 覚書を締結した ( ベトナム政府観光総局が日本の地方自治体と覚書を締結することは初 ) 覚書の概要 両県局の協力による観光プロモーションの実施

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の差については確認できないが 一般的に定温で流通している弁当の管理方法等についてアンケートにより調査した その結果 大部分の事業者が管理温度の設定理由として JAS 規格と同様に食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを挙げ 許容差は JAS 規格と同様に ±2 としていた また 温度の測定方

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3 小売業事例 地元の山ぶどうを使用したワインの販売 ( 差別化商品の開発 ) 13 純米大吟醸を原料にした無添加石鹸の開発 ( 差別化商品の開発 ) 14 生き残りをかけた日本酒の輸出 ( 新たな販売方式の導入 ) 15 地元特産品のきゅうりを使用した酒類の開発 販売 ( 差別化商品の開発 ) 1

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紳士倶楽部における日本食 日本酒の提供在イタリア大使館 ( 平成 25 年 11 月 ) 日本食及び日本酒の普及促進を目的として, イタリアの紳士倶楽部チルコロ デッラ カッチャにて, 日本酒とともに公邸料理人の手による日本料理を提供した 会場の中央には寿司カウンターを設け, 来場した約 100 名

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24産労金金第●号

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京都と言えば、、、

平成20年度

が 28.8% であった イメージが広く確立できているのは 発泡酒の カジュアル 庶民的なイメージ 77.5% チューハイ サワーの ヤングイメージ 69.8% ワインの 女性的 なイメージ 69.7% 同じくワインの お洒落で 格好いい イメージ 65.7% カクテル リキュールの 女性的 なイメ

久光百貨店での物産展募集要項について

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

リサーチ Press Release 報道関係者各位 2015 年 10 月 27 日 アウンコンサルティング株式会社 インバウンド PPC 取組み状況調査台湾 旅行業界編 ~ 日系企業のインバウンド取組み状況は?~ アジア 8 拠点で SEM( 検索エンジンマーケティング ) サービス インターネ

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

目次 (No.1)Floating World, Inc./ 米国 サンタフェ...1 (No.2)Sake Social, Inc./ 米国 オーステイン...2 (No.3)GALERIE K PARIS/ フランス パリ...3 (No.4)Vinites B.V./ オランダ ハーレム...

ニュースリリース 平成 3 1 年 3 月 2 8 日 消費者動向調査 : 軽減税率 株式会社日本政策金融公庫 消費税の 軽減税率制度 消費者の受け止め方を調査 ~ 約 7 割の消費者が制度を認知認知 制度運用には わかりやすさ を求める ~ < 平成 31 年 1 月消費者動向調査 > 日本政策金

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

日本産酒類の輸出促進に向けた課題及び対応方針について

第 9 回料理体験を通じた地方の魅力発信事業 ( 石川県 ) アンケート結果 1 属性 (1) 性別 (2) 年齢 アンケート回答者数 29 名 ( 参加者 30 名 ) 7 人 24% 22 人 76% 女性 男性 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 8 人 28% 2 人 7

ニュースリリース

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

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資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

B 輸出についてお伺いします 輸出を行っている方 ( A-1 で 1 直接輸出 2 間接輸出 のいずれかを回答 ) B-1 現在, 主力の輸出先となっている国 地域と, 今後重視又は検討している国 地域を下記の選択肢から 選び, それぞれ上位から記載してください 該当がない場合は, 直接, 回答欄に

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

ぶり ( 冷凍したフィレ ) の輸出 2011 年は 数量 価額ともに過去最高 平成 24 年 11 月 21 日 門司税関 はじめに ぶり は 刺身 寿司 照り焼きなど日本の食卓には欠かせない食材の一つですが 近年 その ぶり ( 冷凍したフィレ ) の輸出が増加しています 2011 年全国税関別

Q4M3: 燗酒 清酒 ( 日本酒 ) ( 複数回答可 )[MA] ヤングアダルト男性的女性的 度数 度数

< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

EXPORT PROMOTION STRATEGIES

1 海外原料の酒が増える? TPP に参加することで農産物の関税が撤廃された場合 日本の酒類 特に清酒は原料となる米の調達先の変化という形で直接的な影響が考えられます 図表 1に示したとおり米 大麦 小麦などには高率の関税がかかっています ビールや麦焼酎で使う大麦や麦芽は 関税割当制度や SBS 制

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規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

はじめに は 日本中の中小企業が今よりもっと容易に海外進出を果たす為の仕組みづくりとして 海外進出コンソーシアムを結成します このコンソーシアムは 当社と大手貿易支援企業のパートナー関係を中核とし 貿易に関して得意分野を持つ企業とのコラボレーションにより構成されます Copyright(C) 201

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み状 (3) お取引先への専門家派遣必要に応じて お取引先へ税理士や中小企業診断士などの専門家を直接派遣する 外部専門家派遣制度 を活用し 経営支援機能の強化を図っています 19 況中小企業の経営の改善及び活性化のための取組み状況 中小企業の経営の改善及び活性化のための取組 3. 中小企業の経営支援

サッポロ生ビール黒ラベル「いたばし花火缶」発売のお知らせ

参考 2 国内実施主体について国内実施主体である株式会社つくば研究支援センターは研究交流 人材育成 最先端技術の情報提供等を通して新事業の創出を推進し 産学官の研究者の交流 連携による研究成果の事業化 企業化を効率的に支援する つくば地域の産業支援機関である 国内実施主体紹介


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平成 27 年 2 月 24 日 ドバイビジネスミッション報告 ~ 食関連企業等の中東市場への本格進出に向けて ~ ( 本件お問い合わせ先 ) 北海道経済産業局産業部農商工連携課 ( 担当名 : 渡辺 小島 ) 電話 : ( 内線 2593) FAX:

1 酒類業を取り巻く環境 (1) 国内市場環境国内の市場環境は 平成 2 年に1 億 2,88 万人であった人口が減少過程に入っており その構成においても 成人人口に占める6 歳以上の割合が 平成元年度の23.2% から平成 28 年度には4.7% へ増加するなど 人口減少社会の到来 高齢化が進展し

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日本チリ経済連携協定 (EPA) 付属書 1 関税率表 ( 日本 ) 独立行政法人日本貿易振興機構サンティアゴ事務所編 本資料は外務省より許可を得て日本チリ経済連携協定 (EPA) 付属書 1 関税率表を編集し本ウェブサイトに掲載しています ジェトロでは情報 データ 解釈等をできる限り正確に記するよ

ジェトロ

ビール系飲料の輸入

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なお, 食材等提供事業者は, ベトナムに輸出する宮城県産食材等について, 最終加工施設等の登録など, 事前に必要な手続を完了しているか, 又は当該手続の履行に誠実に協力する事業者とする ただし, 委託業務において受注者が行うべき手続は除くものとする (2) Miyagi Week において使用する宮

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

調査出張報告書〔文化厚生委員会〕

電通、「ジャパンブランド調査2014」を実施

2 アニメ ファッション 食 地域産品 伝統文化 匠の技術など海外で人気の高いクール ジャパンの魅力と底力を産業化し 海外市場開拓及び海外顧客の訪日を促進するため ターゲット国と分野を決め 業種を超えたチームづくり 市場開拓 成果の検証 他事業への応用 実際の事業展開 という企業や若手人材の一貫した

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

3 参加しやすい工夫 ( 効果的な周知や会議運営 ( 開催時間 委員の構成等 ) の工夫 ) 4 名柳田委員 猪瀬委員 庄司委員 小橋委員 2 名関口副会長 高柴委員 1 名櫻井委員 関口副会長 パブリックの後の説明会 意見交換会の開催検討の方向性は 担当課の工夫がある 高柴委員 このバスを望んでい

クールジャパン戦略と JETRO 事業 < 戦略的海外展開 > 1 日本ブーム創出 2 現地で稼ぐ 3 日本で消費 日本の魅力の効果的発信 現地で稼ぐためのプラットフォーム構築 日本に呼び込み大きく消費を促す J E T R O 事業 BtoC への取り組み ( 消費者向けイベントにおけるビジネス機

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消費税の転嫁状況に関するモニタリング調査 (10 月調査 ) の結果について 平成 30 年 11 月 経済産業省 1. 調査概要 調査手法書面郵送調査 調査時期平成 30 年 10 月 1 日 ( 月 )~10 月 16 日 ( 火 ) 対象事業者数 40,000 者 対象事業者の従業員規模分布

Ⅲ 平成22年度花きのネットワーク構築モデル地区事例

tadaku については 説明会内でお話ししたので 割愛いたします notteco はライドシェアの分野ですが 近距離 即時型の Uber とは異なり 長距離 事前予約制のサービス 例えば 東京から大阪に車で行く方がいて 同乗者が無く 1 人だとした場合 高速代などの費用が 円かかるとし

( 仮称 ) 大阪新美術館の運営への PFI 手法導入に向けた マーケット サウンディング ( 市場調査 ) 実施要領 平成 29 年 11 月 大阪市経済戦略局

Transcription:

資料 1 独立行政法人 日本貿易振興機構 須藤徳之氏 提出資料

2012 年 6 月 25 日日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 須藤徳之 ジェトロの日本酒 焼酎輸出事業 1. ジェトロの日本酒 焼酎の輸出支援事業ジェトロは 農林水産物 食品業界等海外販路開拓支援事業 ( 注参照 ) において 日本酒造組合中央会の応募を受け 日本酒 焼酎の輸出支援事業を実施しています 日本酒造組合中央会との本事業の実施は 平成 22 年度 23 年度に実施しました (23 年度実施事業等は別添 1 参照 ) ( 注 ) ジェトロの農林水産物 食品業界等海外販路開拓支援事業は 農林水産物 食品の輸出を 2020 年までに 1 兆円を目指すとの政府目標の実現に資するため 輸出拡大を目指す農林水産物 食品業界の団体を幅広く対象として 事業実施希望を広く公募し 実施している事業です 事業実施希望のある業界団体は 当該業界を代表しうる団体と認められるものであることが必要であるとともに 予めジェトロの支援可能な事業メニューの中から業界団体において希望する事業を選択し提案してもらうことが必要です ジェトロは 実施団体の適格性や事業内容の実施可能性等を審査し 必要な場合には事業内容の調整を行い 採択を決定しています なお 本事業は予め業界を特定して輸出拡大を支援するスキームとはしていませんが これは 1 農林水産 食品関係企業を業界団体を通じて幅広く支援できるよう 開かれたものとする必要があるとともに 2 海外市場の変化や国内業界の動向に適切に対応するためには ジェトロは BtoB のマッチングを核とする新規販路の効果的獲得のための事業を実施していることに理解をいただきつつ 商品の大まかなジャンルごとに 事業実施の必要性や具体的事業メニュー等を逐次検討していく必要があるためです ( 参考 ) フランスにおいてワイン輸出のプロモーションを手がける SOPEXA は 約 5 0 年前 仏農業省により設立されましたが 官民の役割分担等の観点から完全民営化され 株主は職能団体や輸出企業等となっています 他方 SOPEXA の事業実施予算は 職能団体や企業から大半を得ていますが 仏農業 食品 漁業省 地方公共団体や EU プログラムを顧客とする事業も実施しています

なお フランス政府には貿易 投資促進機関としては UBIFRANCE が経済省の下に設置されており おおむねジェトロと同じ事業目的の機関と聞いています 2.23 年度までの事業実施や関係者から得られた海外情報国産の日本酒が海外の方の目から差別化され受け入れてもらえるよう 日本酒が味わいや香りが幅広く豊かなアルコール飲料であること 食中酒として現地の料理を含めた多様な料理とのマッチングに適していること 温度管理などデリケートな管理が必要であることを試飲を通じて説明しながら 日本酒の奥深さにバイヤーの方に興味を喚起し 商談で販路の確実な拡大を図っているところです また 焼酎についても 試飲 商談により可能性を模索中です この事業の経験を通じて得られた海外の状況は 次のとおりです 1 現地の反応 < 日本酒 > 2012 年 1 月米国 ( ロサンゼルス ) 現地人ソムリエによる日本酒の歴史 日本酒と各国の料理を紹介するセミナー 試飲商談会を開催しました 寿司 春巻き ハンバーガー等と提供したところ ( 日本酒は 寿司以外の食材とも ) 確かによく合っている との感想が寄せられました 2012 年 2 月韓国 ( ソウル ) 料理との組み合わせや飲み方を提案するセミナー 試飲商談会を開催 様々な日本酒を味わい どのような商品がレストランに適当かを決定するにあたり参考となった との声がありました < 焼酎 > 2012 年 12 月シンガポールセミナー 試飲商談会を開催 和食 シンガポール料理 イタリアン 中華と様々な料理と相性の合う 食中酒 を PR しました 焼酎を飲みたいと思う理由を聞いたところ 62% が 味 風味が好き と回答がありました 2012 年 2 月米国 ( ニューヨーク ) 3 店舗の日本食レストランでの試飲会 イベントホールでのセミナー 試飲イベントを実施し 総勢約 900 名の参加者が来場 お湯割り 水割り ロック等伝統的な飲み方を披露しました 今後も焼酎を飲みたい理由の一位は 味や風味が好きだから 46% もの人が 好きな原料は芋 でした 2 どの種類の酒の反応が良いか日本酒は ロサンゼルスおよびソウルでは いずれも純米大吟醸が一番人気 次

いで大吟醸が人気でした バンコク 上海では焼酎ベースの梅酒 シンガポールでは麦焼酎 ニューヨークでは芋焼酎が それぞれ人気でした 3 値段への反応シカゴのバイヤーの意見 : 皆 その蔵で最も良い高級品を持ってきますが 現在の米国のマーケットにとっては高すぎます 大吟醸 純米等の特定名称にこだわらず 美味しいお酒であれば普通酒でもカップ酒でも買いたいです 米国の景気に合わせ 今はコストパフォーマンスを求めています 4 酒のうんちくが重要 ( 香港人は酒のうんちく好き ) 香港では ワイン評論家に認められた日本酒が良く売れています うんちく好きの香港人のために 著名人や評論家 きき酒師等の影響力が重要です 5 食事とともに酒を飲む習慣は海外で多くはない中国では 食中酒の文化は無いが 焼酎試飲会で行ったアンケートでは日本のお酒を飲みたい場所は日本食レストラン (55%) が最も多く レストランを通じ日本食と合わせた普及が効果的です 3. 日本酒 焼酎の輸出拡大に向けた課題 ( 私見 ) 日本酒は海外でブームになりつつある感を受けますが 現地の酒類消費に占める割合はわずかであり 差別化を図りながら 確実に商流を拡大していく努力が必要です ( 別添 2 参照 ) 既存の商流をより確実に拡大する作業は受益者が特定されやすいことから 通常 民間事業者の活動にゆだねられることとなりますが 日本酒 焼酎は嗜好性が高い商品であることから 商品の持つ価値へのこだわりを消費者の口まで届けることを可能とするよう 次のような課題があるのではないかと思われます 社内で 海外業務の担当を特定することが必要です 専任の営業を置けない場合 営業を頼むことも選択肢の一つと思います ( 信頼できる代理店の確保 米でのセールスレップの活用など ) 現地人のマーケットに入るためには 現地の料理とのコラボレーションを覚えさせる仕掛けが有効です ( 多様な料理とマッチングの良い酒があるのが日本酒の強み ) この仕掛けを プロモーションの中でどう体系立てていくか 工夫が必要と思います 現地バイヤーへのしっかりとした教育 このためには現地語で酒の種類 取扱方法 料理とのとりあわせなどを解説した定本の作成と その説明者 ( 現地人が望ましい ) を増やしていく努力が必要と思います 以上

ジェトロ農林水産物 食品業界等海外販路開拓支援事業 事業概要 事業概要 : 輸出拡大を目指す農林水産物 食品業界団体を対象にした輸出のサポート事業 業界団体からの応募を受け 外部委員を含めた審査員による厳正な審査により採択を行う 応募の条件 : 農林水産物 食品分野における特定商品群を代表する団体 機関 ( 企業単独による応募は対象外 ジェトロから業種の特定を行ってはいない ) 支援対象となる取り組みは全国ベース 広域地方ベースのいずれも可 応募の時点で参画企業の目処がたっていること など 募集期間 : 通年 実施期間 :1~3 年 具体的支援内容 以下プログラムから業界団体が選択 別添 1 国内プログラム海外プログラムその他 1 海外有識者の招聘 2 バイヤー招聘 3 国内研究会 4 海外市場 制度調査 5 専門家派遣 6 海外商談ミッションの派遣 7 海外専門見本市への出展 8 その他 H23 年度実績 業界団体名 品目 都市 ( 時期 ) プログラム 日本酒造組合中央会 日本酒 本格焼酎 LA(1 月 ) ソウル (2 月 ) シンガポール (12 月 ) NY(2 月 ) 見本市出展 日本食レストランでの BtoB 試飲商談会 ロッテホテルでの BtoB 試飲商談会 BtoC 試飲会 ハイアットホテルでの BtoB 試飲商談会 イタリアンレストランでの BtoC 試飲商談会 イベント会場での BtoB 試飲商談会 BtoC 試飲会 日本食レストラン 3 店舗での BtoC 試飲会 ハンバーガー等と日本酒のペアリングを試す現地小売 飲食関係者 (Ozumo LA 12 年 1 月 30 日 ) 日本酒セミナーで利き酒をする来場者 ( ロッテホテル ソウル 12 年 2 月 21 日 ) お湯割り焼酎を味わう米国ビジネス関係者 (ASTOR センター NY 12 年 2 月 13 日 )

香港における日本酒普及活動 別添 2 1. 日本清酒文化交流会 2007 年 12 月 香港人ルイス ホー (2010 年酒サムライ任命 2008 年 SSI 唎酒師 2009 年焼酎アドバイザー ) が 香港での日本酒愛好者の輪を広げる目的で設立した 会員制の交流会 エンドユーザーに広げるための普及啓発活動を行う 主な事業は 会員向けに日本酒や日本酒文化を楽しむイベント ( 試飲 夕食会 1-2 カ月に 1 回 ) 日本の酒蔵訪問旅行 試飲 夕食会では 中華料理で日本酒とのマッチングの試飲をすることとしており 香港人にとり日頃親しみやすい銘柄の日本酒を 楽しみながら発見できるように心がけている 7 月は上海料理の予定 約 40 人 ~60 人が参加 ( 日本酒が 社用でしか行かないような高い日本料理屋で飲む高い酒とのイメージが香港人にあること (*) を払拭したいとのこと ) * 香港では 香港をワイン取引のハブにするとの香港政府の政策により アルコール度数 30% 以下の酒類の関税が撤廃 (2006 年 80% 40% へ引き下げ 2008 年 40% ゼロ ) され ワインブームに火がつき 一般の香港人の乾杯用にワインが急速に普及した 2. 香港で日本酒を広めるためのビジネス上の問題点と対策案 ( ルイス氏へのヒアリング ) (1) バイヤーの教育 < 問題 > 香港では日本酒がブームになりつつあるため 日本酒を扱いたいバイヤーは多いが 日本酒の勉強をせず 戦略を立てずに購入するバイヤーがおり 以下の問題が発生 商談した全ての銘柄を購入し 売れたもののみをリピート購入 一度ある業者が扱い 流通 ( 及び失敗 ) した銘柄は イメージがついてしまうため 他社は扱わない 100 本 200 本 コンテナ単位で購入した結果 結局売れ残り 古くなったまずい日本酒をディスカウントで販売 まずいというイメージが付いて 日本酒全体のイメージダウンにつながるおそれ < 解決策 > 蔵元は 相手を見極めて売る必要がある 本当に日本酒を広げる気があるバイヤーであるか 利益だけを求めていないか とりあえず買いをしない業者か 日本酒の文化 管理の仕方をバイヤーに教育する 日本酒を香港で広めるには時間がかかるため 地道に広げる努力が必要 (2) エンドユーザーへの普及 < 問題 > 日本酒を販売 購入したい業者が多いため 市場が受け入れることができる以上の量が香港市場に入る しかし エンドユーザーの数はそこまで多くないため 回転が悪くなる 品質低下 イメージ低下の悪循環 < 解決策 > 日本清酒交流会のような 草の根の普及啓発活動の着実な実施 香港に利き酒師が増えれば 自然と銘柄も増えるはずである バイヤーだけではなく 一般の方が利き酒師の免許を持っていれば 友人にも紹介することになる 日本酒の学校の開設 以上