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( 宅建 ) <30> 要点解説講義 要点確認テスト 2 権利関係 2 問題 制限時間 20 分 問 1 不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか なお この問において 第三者とはいわゆる背信的悪意者を含まないものとする 1 甲不動産につき兄と弟が各自 2 分の1の共有持分で共同相続した後に 兄が弟に断ることなく単独で所有権を相続取得した旨の登記をした場合 弟は その共同相続の登記をしなければ 共同相続後に甲不動産を兄から取得して所有権移転登記を経た第三者に自己の持分権を対抗できない 2 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に 売主が当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り消した場合 売主は その旨の登記をしなければ 当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない 3 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に 売主が当該契約を適法に解除した場合 売主は その旨の登記をしなければ 当該契約の解除後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない 4 取得時効の完成により乙不動産の所有権を適法に取得した者は その旨を登記しなければ 時効完成後に乙不動産を旧所有者から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない 9142-18501702 要点 2 問 -1

問 2 Aは 自己所有の建物を Bに売却したが Bはまだ所有権移転登記を行っていない この場合 民法の規定及び判例によれば 次の記述のうち誤っているものはどれか 1 Aはこの建物をCから買い受け CからA に対する所有権移転登記がまだ行われていない場合 Bは Cに対し この建物の所有権を対抗できる 2 Dが何らの権原なくこの建物を不法占有している場合 Bは Dに対し この建物の所有権を対抗でき 明渡しを請求できる 3 この建物がAとEとの持分 1/2ずつの共有であり Aが自己の持分をBに売却した場合 Bは Eに対し この建物の持分の取得を対抗できない 4 FがAからこの建物を賃借し 引渡しを受けて適法に占有している場合 Bは Fに対し この建物の所有権を対抗でき 賃貸人たる地位を主張できる 問 3 Aは BのCに対する債務を担保するため Aの所有地にCの抵当権を設定し その旨の登記も完了した後 建物を新築して Dに対し当該土地建物を譲渡した この場合 民法の規定によれば 次の記述のうち正しいものはどれか 1 Cは Bが債務を返済しないときは Dに通知しなければ 抵当権を実行することができない 2 Cは 抵当権を実行して 土地及び建物をともに競売し 建物の売却代金からも優先して弁済を受けることができる 3 Dは Cの抵当権が設定されていることを知らなかったときは Cが抵当権を実行する前においても Aに対し 売買契約を解除することができる 4 Dは B 及びCの反対の意思表示のないときは Bの債務を弁済して 抵当権を消滅させることができる 要点 2 問 -2

問 4 根抵当権に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 正しいものはどれか 1 根抵当権は 根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で 設定することができる 2 根抵当権の被担保債権に属する個別の債権が 元本の確定前に 根抵当権者から第三者に譲渡された場合 その第三者は 当該根抵当権に基づく優先弁済を主張できない 3 登記された極度額が1 億円の場合 根抵当権者は 元本 1 億円とそれに対する最後の 2 年分の利息及び損害金の合計額につき 優先弁済を主張できる 4 根抵当権の極度額は いったん登記がされた後は 後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得た場合でも 増額することはできない 問 5 A 及びBは Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し 連帯して代金を支払う債務を負担している この場合 民法の規定及び判例によれば 次の記述のうち誤っているものはどれか 1 CがBに対して支払いを請求して Cの代金債権の消滅時効が中断されたときは A の債務についても 中断される 2 Aの債務が時効により消滅したときは Bは Aの負担部分について支払いを免れる 3 CがAに対して期限の猶予をしたときは Bの債務についても 期限が猶予される 4 Aが債務を承認して Cの代金債権の消滅時効が中断されたときでも Bの債務については 中断されない 要点 2 問 -3

問 6 AとBが 共同して Cから土地を購入し Cに対する代金債務については連帯債務 ( 負担部分は平等とする ) とする契約を締結した この場合に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 誤っているものはどれか 1 Cは AとBに対して 同時に それぞれ代金全額の支払いを請求することができる 2 Cが Aに対し代金の支払いを請求した場合 その効力は Bにも及ぶ 3 Cが Aに対して代金債務の全額の免除をした場合でも Bに対して代金の 1/2の支払いを請求することができる 4 Cが 本件売買契約を解除する意思表示を Aに対してした場合 その効力は Bにも及ぶ 問 7 Aは BのCに対する 1,000 万円の債務について 保証人となる契約を Cと締結した この場合 民法の規定及び判例によれば 次の記述のうち誤っているものはどれか ただし 根保証契約については 考慮しないものとする 1 CがAを保証人として指名したため Aが保証人となった場合 Aが破産手続開始の決定を受けても Cは Bに対して保証人の変更を求めることはできない 2 BのCに対する債務が条件不成就のため成立しなかった場合 Aは Cに対して保証債務を負わない 3 AC 間の保証契約締結後 BC 間の合意で債務が増額された場合 Aは その増額部分についても 保証債務を負う 4 CがAに対して直接 1,000 万円の支払いを求めて来ても BがCに600 万円の債権を有しているときは Aは Bの債権による相殺を主張して 400 万円を支払えばよい 要点 2 問 -4

問 8 BがAに対して負う金銭債務について CがAとの間で保証契約を締結した場合に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 誤っているものはどれか 1 Cが保証人 ( 連帯保証人ではない ) である場合で AがCに対して保証債務の履行を請求したとき Cは Bに弁済の資力があり かつ 執行が容易であることを証明することによって Aの請求を拒むことができる 2 Cが保証人 ( 連帯保証人ではない ) である場合 Bに対する履行の請求その他の事由による時効の中断は Cに対してもその効力を生ずる 3 Cが連帯保証人である場合で AがCに対して保証債務の履行を請求したとき Cは Aに対して まず Bに請求するよう主張することができる 4 Cが連帯保証人である場合 Cに対する履行の請求による時効の中断は Bに対してもその効力を生ずる 問 9 Aは Bに対して貸付金債権を有しており Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した この場合 民法の規定及び判例によれば 次の記述のうち誤っているものはどれか 1 貸付金債権に譲渡禁止特約が付いている場合で Cが譲渡禁止特約の存在を過失なく知らないとき BはCに対して債権譲渡が無効であると主張することができない 2 Bが債権譲渡を承諾しない場合 CがBに対して債権譲渡を通知するだけでは Cは Bに対して自分が債権者であることを主張することができない 3 Аが貸付金債権をDに対しても譲渡し Cへは確定日付のない証書 Dへは確定日付のある証書によってBに通知した場合で いずれの通知も Bによる弁済前に到達したとき Bへの通知の到達の先後にかかわらず DがCに優先して権利を行使することができる 4 Аが貸付金債権をEに対しても譲渡し Cへは平成 28 年 6 月 10 日付 Eへは同月 9 日付のそれぞれ確定日付のある証書によってBに通知した場合で いずれの通知も Bによる弁済前に到達したとき Bへの通知の到達の先後にかかわらず EがCに優先して権利を行使することができる 要点 2 問 -5

問 10 債権譲渡に関する次の 1から4 までの記述のうち 民法の規定 判例及び下記判決文によれば 明らかに誤っているものはどれか ( 判決文 ) 民法 467 条の対抗要件制度の構造に鑑みれば 債権が二重に譲渡された場合 譲受人相互の間の優劣は 通知又は承諾に付された確定日付の先後によって定めるべきではなく 確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決すべきであり また 確定日付は通知又は承諾そのものにつき必要であると解すべきである 1 Aが Bに対して有する金銭債権を CとDとに二重に譲渡し Cへの譲渡については確定日付のない証書 Dへの譲渡については確定日付のある証書によって Bに通知した場合で いずれの通知も Bによる弁済前に到達したとき Bへの到達の先後にかかわらず DがCに優先して権利を行使することができる 2 Aが Bに対して有する金銭債権を CとDとに二重に譲渡し いずれの譲渡についても確定日付のある証書によってBに通知した場合で Dに係る通知がCに係る通知よりも先にBに到達したとき DがCに優先して権利を行使することができる 3 Aが Bに対して有する金銭債権を CとDとに二重に譲渡し いずれの譲渡についても確定日付のある証書によってBに通知した場合で Dに係る通知の確定日付がCに係る通知の確定日付よりも先のときは Cに係る通知が Dに係る通知よりも先に Bに到達していたとしても DがCに優先して権利を行使することができる 4 Aが Bに対して有する金銭債権を CとDとに二重に譲渡し いずれの譲渡についても確定日付のある証書によってBに通知した場合で 双方の通知が同時にBに到達したとき CDともに Bに対して権利を行使することができる ( 以下余白 ) 要点 2 問 -6