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札幌市特定粉じん排出等作業 における飛散防止対策 マニュアルの改訂について 札幌市環境局環境都市推進部環境対策課 平成 30 年 (2018 年 )7 月 4 日 5 日 1

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レベル 1 2 石綿届出対象 記入例 レ労働安全衛生法第 88 条第 3 項 労働安全衛生規則第 90 条第 5 号の2 の規定による計画の届出 石綿障害予防規則第 5 条第 1 項の規定による作業の届出 レ大気汚染防止法第 18 条の15 第 1 項の規定による作業実施の届出を行っております 石綿

アスベスト対策に関する行政評価・監視_事前調査結果等の適切な掲示の確保

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2012年度 発議文書台帳(施行簿) 労働基準局安全衛生部科学物質対策課分

別添 1 日付 ( 鉄道事業者 ) 殿 労働局労働基準部 課長 鉄道車両等における石綿含有製品等の把握の徹底について ( 要請 ) 日頃は労働安全衛生行政に御協力いただき誠にありがとうございます さて 石綿をその重量の0.1% を超えて含有するすべての製品等は製造 輸入 譲渡 提供又は使用が禁止され

届出義務者の変更 何が変更になるの? 特定粉じん排出等作業 (*) の実施の届出義務者が 工事の施工者から工事の発注者又は自主施工者に変更になります * 吹付け石綿等が使用されている建築物等の解体 改造 補修作業注 ) 労働安全衛生法及び石綿障害予防規則に基づく届出義務者は変更になりません 解体等工

第4回 東日本大震災アスベスト対策合同会議

2 上記 1と同等以上の精度を有する分析方法として以下に掲げる方法 (1) 廃止前の平成 8 年 3 月 29 日付け基発第 188 号 建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法について の別紙の第 3の3の 位相差顕微鏡を使用した分散染色法による分散色の確認 による定性分析の方法 ( 以下 分

2016年度 施行簿 労働基準局 安全衛生部 化学物質対策課分

1 大阪府の石綿対策の制度 1-1 建築物等の解体等工事に係る法 条例の主な規制内容 建築物の解体等工事 吹付け石綿 断熱材 保温材 被覆材 成形板 ( 石綿使用面積 1,000m 2 以上 ) 成形板 ( 石綿使用面積 1,000m 2 未満 ) 石綿無 着手前 着手中 事前調査条例条例条例条例

スライド 1

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年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

石綿飛散防止小委員会 石綿含有建材成形板等について 平成 30 年 11 月 21 日一般社団法人 JATI 協会技術参与浅見琢也 一般社団法人 JATI 協会 1

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

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の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

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第1部厚生労働省における石綿ばく露防止の取組み

める製品でトリブチルスズ化合物が使用されているものの環境汚染防止措置に関し公表する技術上の指針本指針は 第二種特定化学物質であるトリブチルスズ=メタクリラート ビス ( トリブチルスズ ) =フマラート トリブチルスズ=フルオリド ビス ( トリブチルスズ )=2,3 ジブロモスクシナート トリブチ

災害時のアスベスト飛散防止対策について 平成 28 年 4 月 18 日環境省 1. 環境省では 災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル を作成 公表している ( 2. このマニュアルでは 災害発生

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02【通知案】年管管発 第号(周知・機構宛)

改修の記録 資産除去債務の計上のための石綿使用有無の調査結果などの過去に実施した石綿に係る調査の結果が適切に提供される必要がある なお 特定建築材料における石綿の含有の考え方については 平成 18 年 9 月 5 日付け環水大大発第 号において 建築材料の製造若しくは現場施工にお

第2部石綿粉じん飛散防止処理技術の実例(その1)

指定保育士養成施設の各年度における業務報告について新旧対照表 ( 下線部 : 変更箇所 ) 改正後 現行 雇児発 0722 第 6 号 雇児発 0722 第 6 号 平成 22 年 7 月 22 日 平成 22 年 7 月 22 日 一部改正雇児発 0808 第 4 号 一部改正雇児発 0808 第

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

グラスト Si 石材調の外観により高級感があり 落ち着きのある外観を兼ね備えた仕上げ材となります 色の種類 : 標準色 53 色他調色可 ( 注意 : 標準色以外の場合は限界色となる場合がございます ) 上塗材の特徴 : 高い耐候性を有し 防藻 防カビ剤を配合しており 長期にわたり美観を保ちます グ

薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

年管発 0331 第 1 号 平成 29 年 3 月 31 日 日本年金機構理事長殿 厚生労働省大臣官房年金管理審議官 ( 公印省略 ) 国民年金の保険料を追納する場合に納付すべき額を定める件等について 国民年金の保険料を追納する場合に納付すべき額を定める件 ( 平成 29 年厚生労働省告示第 12


01 施行通知(都道府県宛)

汚染の除去が行われた場合には 指定を解除その他 区域の指定等 1 要措置区域 ( 法第 6 条 ) 土壌汚染の摂取経路があり 健康被害が生ずるおそれがあるため 汚染の除去等の措置が必要な区域 汚染の除去等の措置を都道府県知事等が指示 ( 法第 7 条 ) 土地の形質の変更の原則禁止 ( 法第 9 条

参考資料 2 石綿に関する法令等 大気汚染防止法 1 頁 ~ 大気汚染防止法施行令 5 頁 大気汚染防止法施行規則 6 頁 ~ 労働安全衛生法 10 頁 ~ 労働安全衛生法施行令 13 頁 労働安全衛生規則 14 頁 石綿障害予防規則 15 頁 ~ 建築基準法 20 頁 建築基準法施行令 23 頁

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地域支援事業交付金の算定方法について

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

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1. 検討の背景建築物においては 吹付け材 保温材 耐火被覆材 断熱材 成形板等の多用な石綿 ( アスベストともいう 本資料では 石綿 の呼称を用いる ) 含有建材が 1970 年代 1980 年代をピークに用いられてきた 石綿を含有する製品は 石綿の重量比が段階的に引き下げられ 平成 18 年には

1.1 阪神 淡路大震災環境省は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 1 月 17 日発生 ) の際に兵庫県及び神戸市の協力を得て 大気中の石綿濃度のモニタリング調査を実施した 当時の被災地における一般環境大気中 (17 地点 ) の石綿濃度の調査結果を表 R2.1 に 解体工事現場の敷地境界付近に

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る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

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ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

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別紙 1 地方厚生 ( 支 ) 局保険年金 ( 企業年金 ) 課長殿 年企発 0422 第 1 号 平成 28 年 4 月 22 日 厚生労働省年金局 企業年金国民年金基金課長 ( 公印省略 ) 平成 28 年熊本地震に係る厚生年金基金及び国民年金基金の事務処理に関する 指導等について 今般 熊本県

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

( 別添 ) 薬食発 0513 第 1 号平成 23 年 5 月 13 日 都道府県知事各保健所設置市長特別区長 殿 厚生労働省医薬食品局長 薬事法の一部を改正する法律等の施行等についての一部改正について 薬事法の一部を改正する法律 ( 平成 18 年法律第 69 号 ) については 関係政省令とと

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(8) 住民等住宅等の居住者又は管理者をいう 説明 このガイドラインで使われている用語のうち 明確にしておかなければならない用語について定義づけしたものです (1) 風力発電設備 とは 風が持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置の総体をいいます (2) このガイドラインの対象となる発

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

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障発 第 7 号 平成 31 年 2 月 15 日 都道府県知事 各指定都市市長殿 中核市市長 厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部長 ( 公印省略 ) 障害者に対する航空旅客運賃の割引について の一部改正について ( 通知 ) 身体障害者 知的障害者及び精神障害者に係る航空旅客運賃

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老発第    第 号

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建設業法施行規則 ( 昭和二十四年建設省令第十四号 ) 様式第一号 ( 第二条関係 ) 改正案 様式第一号 ( 第二条関係 ) 改正部分に下線 新設及び削除の場合は下線を省略 現 行 - 1 -

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改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について

1 0 年保存 基発 第 1 号 平成 3 0 年 3 月 9 日 都道府県労働局長殿 厚生労働省労働基準局長 ( 公印省略 ) 労働基準法施行規則の一部改正について 労働基準法施行規則の一部を改正する省令( 平成 30 年厚生労働省令第 21 号 ) が平成 30 年 3 月 9

大気汚染防止法の概要について 熊本県環境保全課

医政経発第 号 平成 20 年 3 月 28 日 社団法人日本臨床検査薬協会会長 在日米国商工会議所 (ACCJ) 医療機器 IVD 小委員会委員長 殿 欧州ビジネス協会 ( E B C) 医療機器委員会委員長 厚生労働省医政局経済課長 医療機器等へのバーコード表示の実施について 医

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基安化発 0531 第 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 都道府県労働局労働基準部 健康主務課長殿 厚生労働省労働基準局 安全衛生部化学物質対策課長 ( 契印省略 ) 石綿含有建築用仕上塗材の除去等作業における大気汚染防止法令上 の取扱い等について 石綿をその重量 0.1% を超えて含有する建築用仕上塗材 ( その下地調整塗材を含む 以下 石綿含有建築用仕上塗材 という ) に関する大気汚染防止法令上の取扱いについて 今般 別添の通り 環境省水 大気環境局大気環境課長から都道府県等大気環境主管部局長あて通知 ( 以下 環境省通知 という ) がなされたので了知されたい なお 指導に当たっては 下記に留意されたい 記 1 石綿含有建築用仕上塗材について 建築物等に吹付け工法により施工されたものは 使用目的その他の条件を問わず 石綿障害予防規則 ( 平成 17 年厚生労働省令第 21 号 以下 石綿則 という ) の 吹き付けられた石綿等 に該当するが 石綿含有建築用仕上塗材の除去等を行う際には 吹き付けられた石綿等 か否かにかかわらず 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルにも留意しつつ 除去時等の石綿発散の程度等に応じた適切なばく露防止対策を講じるよう指導を行うこと 2 環境省通知の別紙の 4. では 環境汚染防止の観点から 剥離剤を使用す る工法では ジクロロメタン等の有害性の高い化学物質を使用しないよう 剥離剤の選択にも十分留意する必要がある とされている 剥離剤につい

ては 中毒による労働災害も散見されるところであり 化学物質の代替に当たっては 中毒をはじめとした労働災害を防止するため 危険有害性が不明な化学物質を危険有害性が低いものとして扱うことは避け 危険有害性が相対的に低いことが明らかな化学物質を選択するとともに いずれの化学物質を使用する場合も 危険及び健康障害を防止するため リスクに応じて必要な対策を講じるよう指導を行うこと 3 吹付け工法により施工された石綿含有建築用仕上塗材の除去等に当たって労働安全衛生法第 88 条第 3 項 ( 昭和 47 年法律第 57 号 ) 又は石綿則第 5 条に基づく届出 ( 以下単に 届出 という ) が必要であるが 剥離剤が除去等しようとする塗材に対して有効か否かを確認するために行う小規模な試験施工については 基本的に 届出の対象とならないこと なお そうした小規模な試験施工も石綿の取扱い作業に該当するのはもちろんであること なお 剥離剤の有効性を確認する前に届出が行われた場合においては 届出後に剥離剤が有効でないと判明したときに 届け出た内容から工法を変更する必要が生じることがあるが その際 変更後の内容について再度届出が必要であること

環水大大発第 1705301 号 平成 29 年 5 月 30 日 各 都道府県 大気汚染防止法政令市 大気環境主管部局長殿 環境省水 大気環境局大気環境課長 石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について 大気環境行政の推進については 日頃より御尽力いただいているところである さて 建築物等の内外装仕上げに用いられる建築用仕上塗材 ( 以下 仕上塗材 という ) には 石綿を含有するものがあり これらの石綿含有仕上塗材は建築物等への使用時には石綿の飛散の可能性は小さい 一方 建築物等の解体 改造 補修工事において石綿含有仕上塗材を除去 補修 ( 以下 除去等 という ) する際には 破断せずに除去等を行うことが困難であるため 除去等の工法によっては 石綿が飛散する可能性が指摘されている このため 除去等の工法に応じた適切な飛散防止措置を講ずる必要がある ついては 下記事項に留意の上 除去等の工法に応じた適切な石綿飛散防止措置が講じられるよう 事業者等への周知及び指導を図られたい なお 本通知は地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の4 第 1 項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える 記 1 石綿含有仕上塗材について 吹付け工法により施工されたことが明らかな場合には 大気汚染防止法施行令第 3 条の3 第 1 号の 吹付け石綿 に該当するものとして取扱う このため これら石綿含有仕上塗材に係る建築物等の解体 改造 補修に際しては 特定粉じん排出等作業の実施の届出 作業基準の遵守等が必要となる また 吹付け工法により施工されたかどうかが明らかでない場合も 石綿含有仕上塗材を 吹付け石綿 とみなして 特定粉じん排出等作業の実施の届出及び作業基準の遵守が行われることが望ましい 特に 鉄骨造 鉄筋コンクリート造等の規模の大きい建築物等で 除去作業を行う場合には 周辺環境への石綿飛散のおそれが比較的高いと考えられることから 届出及び作業基準の遵守について適切に指導されたい なお 吹付け以外の工法 ( ローラー塗り等 ) で施工されたことが明らかな場合は 特定粉じん排出等作業の実施の届出は不要であるが 適切な飛散防止措置が講じられることが望ましい

2 吹付け石綿 とされた石綿含有仕上塗材の除去等に際しては 大気汚染防止法施行規則別表第七第一の項下欄イ~チの事項を遵守し除去等を行うか 同項下欄柱書の 同等以上の効果を有する措置 を講じる必要がある 同等以上の効果を有する措置 については 別紙を参考にされたい なお 厚生労働省の 建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針 に基づく石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル [2.10 版 ] ( 平成 29 年 3 月 ) においては 吹付け工法により施工された仕上塗材は 石綿則第 6 条に示す 吹き付けられた石綿 に該当するため 計画届又は作業届が必要となる 一方 それ以外の工法 ( ローラー塗等 ) により施工した仕上塗材は 届出の義務はない しかし いずれにしても 除去時のばく露防止対策については 施工時の工法に関わらず適切に対応することが求められる とされているところである このため 石綿含有仕上塗材の除去等に係る事業者等の指導に当たっては 労働基準監督署と十分連携を図ることとされたい ( 問い合わせ先 ) 環境省水 大気環境局大気環境課担当廣田 五十嵐 TEL : 03-3581-3351( 内線 6533) E-mail:kanri-kankyo@env.go.jp

別紙 大気汚染防止法施行規則別表第 7 第一の項下欄柱書に基づく 石綿含有仕上塗材の除去等に係る同等以上の効果を有する措置について 1. 仕上塗材の特徴仕上塗材は 建築物の内外装仕上に用いられており そのルーツは セメント 砂 着色顔料などを混合して砂壁状に吹付けるセメントリシン又は防水リシンと称される塗材 ( 薄塗材 C) である その後 合成樹脂系のリシン ( 薄塗材 E) や 吹付けタイルと称される凹凸模様の塗材 ( 複層塗材 ) などが開発されてきた 仕上塗材は 数十ミクロン程度の厚さの塗料とは異なり 数ミリ単位の仕上げ厚さを形成する塗装材料または左官材料である 吹付け こて塗り ローラー塗りなどの施工方法によって 立体的な造形性を持つ模様に仕上げられることから 塗膜のひび割れや施工時のダレを防止するために 主材の中にクリソタイル ( 白石綿 ) が少量添加材として使用されていた時期がある 2. 石綿含有仕上塗材の除去等における粉じん飛散防止の考え方仕上塗材の主材中に含まれる石綿繊維は合成樹脂やセメントなどの結合材によって固められており 仕上塗材自体は塗膜が健全な状態では石綿が発散するおそれがあるものではない しかし 仕上塗材の除去等に当たっては これを破断せずに除去することが困難であるため 除去等の方法によっては含有する石綿が飛散するおそれがある 一方で 石綿含有仕上塗材の除去等は 石綿の飛散レベルが著しく高い吹付け石綿や石綿含有吹付けロックウールの除去等と比較すると 建材自体の発じん性 石綿の含有量 処理工法などが異なる したがって 石綿を飛散させない適切な工法 養生などの措置を選択することにより 必ずしも吹付け石綿などの除去工事と同様の集じん 排気装置などの設備による負圧隔離等の措置を要さず当該措置と同等以上に石綿の飛散を防止できる可能性がある 以上のことから 国立研究開発法人建築研究所及び日本建築仕上材工業会では 共同で飛散実験等を行い 平成 28 年 4 月 28 日に 建築物の改修 解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針 ( 以下 処理技術指針 という ) を作成し 石綿含有仕上塗材の除去に関する提案を行っている 3. 厚生労働省 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル 2.10 版 における取扱いについて厚生労働省では 平成 29 年 3 月に 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル 2.10 版 を作成し 吹付け工法により施工された仕上塗材について 石綿則第 6 条に示す 吹き付けられた石綿 に該当するため 計画届又は作業届が必要となる 一方 それ以外の工法 ( ローラー塗等 ) により施工した仕上塗材は 届出の義務はない しかし いずれにしても 除去時のばく露防止対策については 施工時の工法に関わらず適切に対応することが求められる とした上で 石綿則第 6 条の 同等以上の効果を有する措置 として 処理技術指針の以下の内容を参考にすることができるとしている

別紙 (1) 技術指針では石綿含有建築用仕上塗材を除去する工事を表 XI-2 のように分類している Ⅰ: 吹付けられた石綿 として隔離措置を講じて除去する工事 Ⅱ: 石綿則第 6 条のただし書きにより 粉じん飛散防止に関し隔離措置と同等の措置と判断できる工法による除去工事 Ⅲ: 改修工事での工事で 石綿を含有しない上塗りに洗浄などの工事 石綿を含有する主材を破砕等しないため 石綿関連作業には該当しない工事 (2) Ⅰ の隔離措置を講じて除去する場合には 本マニュアルに示す方法に準拠して行うことが必要となる ただし 仕上塗材は外壁仕上げとして使用されることが多いため 外部での隔離措置となり 風の影響等に十分に配慮する必要がある (3) 建築用仕上塗材の改修工事や除去工事では 仕上塗材の種類 仕上塗材層の劣化程度 仕上塗材層の処理の程度 仕上塗材層の除去効率 粉じんの発生程度 作業場の隔離養生の要否 廃水処理の要否 施工費等の諸条件を考慮して 1~15の処理工法中から適切なものが選定される これらの処理工法の中で Ⅱ の石綿則第 6 条ただし書きにより粉じん飛散防止に関し隔離措置と同等の措置と判断できる工法は 下線を施した 3 5 7 9 10 11 12 13 15である また 隔離措置と同等の措置と判断できる新しい処理工法が今後開発される可能性もある 1 水洗い工法 2 手工具ケレン工法 3 集じん装置併用手工具ケレン工法 4 高圧水洗工法 (15MPa 以下 30~50MPa 程度 ) 5 集じん装置付き高圧水洗工法 (15MPa 以下 30~50MPa 程度 ) 6 超高圧水洗工法 (100MPa 以上 ) 7 集じん装置付き超高圧水洗工法 (100MPa 以上 ) 8 超音波ケレン工法 9 超音波ケレン工法 (HEPA フィルター付き掃除機併用 ) 10 剥離剤併用手工具ケレン工法 11 剥離剤併用高圧水洗工法 (30~50MPa 程度 ) 12 剥離剤併用超高圧水洗工法 (100MPa 以上 ) 13 剥離剤併用超音波ケレン工法 14 ディスクグラインダーケレン工法 15 集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法

4. 大気汚染防止法上の運用及び留意事項について上述のとおり 厚生労働省の 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル 2.10 版 において 石綿則第 6 条ただし書きにより粉じん飛散防止に関し隔離措置と同等の措置と判断しうる目安として 以下の工法が挙げられている 集じん装置併用手工具ケレン工法 集じん装置付き高圧水洗工法 (15MPa 以下 30~50MPa 程度 ) 集じん装置付き超高圧水洗工法 (100MPa 以上 ) 超音波ケレン工法 (HEPA フィルター付き掃除機併用 ) 剥離剤併用手工具ケレン工法 剥離剤併用高圧水洗工法 (30~50MPa 程度 ) 剥離剤併用超高圧水洗工法 (100MPa 以上 ) 剥離剤併用超音波ケレン工法 集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法これらの工法については 大気汚染防止法上の運用においても 施行規則別表第 7 第一の項下欄柱書の 同等以上の効果を有する措置 と判断しうる目安とすることができる また 隔離措置と同等以上の効果を有する措置と判断できる新しい処理工法が今後開発される可能性もある これらの工法を 同等以上の効果を有する措置 として 適切に実施し 粉じん飛散を防止するためには 装置の使用方法 剥離剤の適用の可否等に精通していることが必要となる また 施工区画を明確に定め 水滴飛沫などによる汚れを防止するためにプラスチックシート等による養生を行うことが必要である 集じん装置付きの工法では 入隅部等 ( 窓 柱型 軒先部分など ) の除去ができないため 補助的に他の工法を併用する場合があるが その場合には 全体又は部分的な隔離養生の必要性も含め 飛散防止対策を十分に検討しなければならない また 集じん装置の排気での石綿除去を十分に検討する必要がある 剥離剤を使用する工法では ジクロロメタン等の有害性の高い化学物質を使用しないよう 剥離剤の選択にも十分留意する必要がある 水を使って除去する工事の場合には 未処理の廃水が流出 地下浸透しないようすべて回収しなければならない 現在 石綿に関する排水基準はないが 回収した廃水は 凝集沈殿後に上澄み水をろ過処理する等により 適切に処理した上で放流する必要がある なお 工法の種類や施工方法から判断して 同等以上の効果を有する措置 とは認められない場合には 大気汚染防止法施行規則別表第 7 第一の項下欄イ ~チの事項を遵守して隔離措置を講じた上で行うことが必要となる ただし 仕上塗材は外壁仕上げとして使用されることが多く その場合 建築物外部での隔離措置を講ずることとなるため 風の影響等に十分に配慮する必要がある