1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

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1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

をしていないもの と読み替えた場合に同号イに該当する所得割の納税義務者又は同項第 12 号中 妻と死別し 若しくは妻と離婚した後婚姻をしていない者又は妻の生死の明らかでない者で政令で定めるもの とあるのを 婚姻によらないで父となった男子であって 現に婚姻をしていないもの と読み替えた場合に同号に該当

議案用 12P

げる期間 ( 令第 48 条の9の9 第 4 項各号に掲げる市民税にあつては 第 1 号に掲げる期間に限る ) を延滞金の計算の基礎となる期間から控除する 第 40 条の各納期限の翌日から当該減額更正に基因して変更した税額に係る納税通知書が発せられた日までの期間当該減額更正に基因して変更した税額に係

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

た後に その賦課した税額が増加したときに限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて

1 審査請求人の主張 審査請求人は おおむね次のとおり主張し 本件処分が違法不当であ るとして 本件処分の取消しを求めている ⑴ 審査請求人が平成 28 年〇〇月に申し立てた婚姻費用の調停で 参加人から仕送りすべき額は毎月〇〇万円と決まったが 同月 銀行の通帳及びキャッシュカードの使用停止手続がなさ

過納金とは 納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していたが 結果的に不適法な納付納入となった場合における地方公共団体の徴収金のことであり 1 納付納入の時には一応適法であったものが その申告 更生 決定又は賦課決定が誤って過大にされていたため 後になって減額更正 減額の賦課決定又は賦課決定の

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資料2-1(国保条例)

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

< E9197BF88EA8EAE817995F18D D9195DB8E5A92E895FB8EAE8CA992BC82B5816A817A2E786264>

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

その額に老人扶養親族 1 人につき ( 当該老人扶養親族のほかに扶養親族等がないときは 当該老人扶養親族のうち1 人を除いた老人扶養親族 1 人につき ) 60,000 円を加算した額 ) (3) 条例第 3 条第 2 項第 4 号に規定する心身障害者に 扶養親族等がないときは 3,604,000

不在者財産管理人:

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

第 3 4 条の9 第 1 項中 第 3 3 条第 4 項の申告書 を 第 3 3 条第 4 項に規定する特定配当等申告書 に 同条第 6 項の申告書 を 同条第 6 項に規定する特定株式等譲渡所得金額申告書 に 法第 2 章第 1 節第 6 款 を 同節第 6 款 に改める 第 4 8 条第 1

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

(1)制度創設時の考え方

11総法不審第120号

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

3 特別徴収義務者の指定及び特別徴収税額の決定手続 5. 給与所得に係る特別徴収義務者の指定等 ( 法 3の4) 市町村は 特別徴収の方法によって個人の住民税を徴収しようとする場合には 当該年度の初日においてその納税義務者に対して給与の支払いをする者のうち 所得税の源泉徴収義務がある者を 当該市町村

新座市税条例の一部を改正する条例

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処分済み

のとする () 道府県は, 上記 (1) の規定により個人の市町村民税均等割を課することができないこととされる者に対 しては, 市町村民税均等割と併せて賦課徴収すべき個人の道府県民税均等割を課することができない 3 4 所得割の特例( 法付則 3の3) -10 点 - (1) 所得割の非課税道府県及

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

より同条例第 20 条第 1 項に規定する課税標準及び税額が過大である者 ( 第 5 において 交付対象者 という ) に交付する ( 特別返還金の交付額 ) 第 4 特別返還金の交付額は 次の各号に掲げる年度分の区分に応じ 当該各号に定める額とする (1) 平成 16 年度以後の各年度分当該対象年

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を 配偶者 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を 婚姻 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むものとする 5 この条例において 医療保険各法 とは 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192

妙高市 税に関するWEBページ

2 た金額の百分の三十に相当する金額によるものとする )の合算額がた金額の百分の三十に相当する金額によるものとする )の合算額が地方税法第三百十四条の二第二項に規定する金額にその世帯に属する地方税法第三百十四条の二第二項に規定する金額にその世帯に属する被保険者の数と特定同一世帯所属者の数の合計数に五

定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

住民税 所得税の税率国から地方への税源移譲に伴い 平成 19 年度から住民税所得割の税率が 10% に統一され 所得税の税率が 4 段階から 7 段階の累進税率に改正されています 住民税については平成 19 年度分 ( 平成 19 年 6 月納付分 ) 所得税については平成 19 年分 ( 平成 1

交野市税条例の一部を改正する条例案 交野市税条例の一部を改正する条例 交野市税条例 ( 平成 15 年条例第 38 号 ) の一部を次のように改正する 第 69 条の次に次の1 条を加える ( 法第 349 条の3 第 28 項等の条例で定める割合 ) 第 69 条の2 法第 349 条の3 第 2

以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

市 県民税 ( 住民税 ) 市民税は 県民税と合わせて住民税と呼ばれ 住民のみなさんがそれぞれの税の負担能力に応じて分担し合うという性格をもつ税金で 個人が負担する個人市民税と 会社などが負担する法人市民税があります 市民税には 均等の額によって納めていただく均等割と 個人の所得に応じて納めていただ

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による

平成15年4月

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

(4) 上場株式等に係る配当所得等の課税方式選択の明確化上場株式等の配当所得や株式等譲渡所得等については 従前より所得税 個人住民税ともに申告不要の所得を申告した場合 課税方式を任意に選択できたが 今回の改正でこの点が明確化された 公布の日施行 申告不要の上場株式等の配当所得を申告した場合 課税方式

Microsoft Word - 公布文.doc

する軽自動車をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該 3 輪以上の軽自動車の取得者に環境性能割によって 軽自動車等 ( 法第 442 条第 3 号に規定する軽自動車等をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該軽自動車等の所有者に種別割によって課する 2 前項に規定するもののほか

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

11総法不審第120号

(z68i\225\\\216\206juumin-2)

( 市町村の条例で定めるところにより当該市町村民税を免除された者を含む ) をいう (6) 所得を有しない者その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員につき 医療保険各法の給付が行われた月の属する年度分の地方税法の規定による市町村民税に係る同法第 313 条第 1 項に規定する総所得金額及び山林所得金

おけるこれらの申告書に記載された事項その他の事情を勘案して この項の規定を適用しないことが適当であると市長が認めるときは この限りでない (1) 第 26 条第 1 項の規定による申告書 (2) 第 27 条第 1 項に規定する確定申告書 ( 同項の規定により前号に掲げる申告書が提出されたものとみな

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

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平成19年度分から

Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)

議案第 60 号 松阪市税条例の一部改正について 松阪市税条例 ( 平成 17 年松阪市条例第 105 号 ) の一部を次のように改正する 平成 29 年 5 月 25 日提出 松阪市長竹上真人 松阪市税条例の一部を改正する条例松阪市税条例 ( 平成 17 年松阪市条例第 105 号 ) の一部を次

平成14年7月3日

申告を要せず, 所得割の課税から除外する 国債の利子 9 () 申告を要せず, 所得割の課税から除外する () 申告した場合 国債の利子に係る所得が生じた年の翌年の4 月 日の属する年度分の申告書に, 当該所得の明細に関する事項の記載をして申告分離課税するときは,() を適用しない なお, この場合

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

平成19年度市民税のしおり

○H30条例22-1

第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

<4D F736F F D2095F18D9091E682518D E7390EC8E E738C7689E690C58FF097E182CC88EA959482F089FC90B382B782E98FF097E EA8C88816A B8C91CE8FC6955C E646F6378>

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妙高市 税に関するWEBページ

見附市税条例の一部を改正する条例をここに公布する 平成 29 年 3 月 31 日見附市長久住時男見附市条例第 13 号見附市税条例の一部を改正する条例見附市税条例 ( 昭和 36 年見附市条例第 28 号 ) の一部を次のように改正する 第 21 条第 4 項中 第 25 条の2 第 1 項の規定

2 税金から控除される額 市区町村や都道府県に対する寄附金は 特定寄附金 と呼ばれ 所得税や住民税を計算するときに 寄附金控除が適用され 税が軽減されます 所得税の控除 総所得金額等の 40% が限度 2,000 円 所得税率 住民税の控除基本控除 総所得金額等の 30% が限度 2


報告第 1 号 専決処分事項の報告及びこれの承認を求めることについて 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 179 条第 1 項の規定により 下記の とおり専決処分したので 同条第 3 項の規定によりこれを報告し 承認を求める 記 ( 処分事項 ) 三田市市税条例の一部を改正する条

11総法不審第120号

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11総法不審第120号

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

11総法不審第120号

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平成13年度 住民税のしおり


債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

3 道府県民税の減免 ( 法 45)3 市町村長が個人の市町村民税を減免した場合においては 当該納税者に係る個人の道府県 民税についても同じ割合によって減免されたものとする について 1 意義 1 住民税は 地域住民が行政サービス等に要する費用を負担するものであるが 担税力又は社会的立場を考慮して

○H30条例19-1

平成10年度綾瀬市犬猫環境対策事業補助金交付決定通知書

議案第   号

入院おむつ代支給事業実施要綱

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

( 補助金の交付申請 ) 第 4 条補助金の交付を受けようとする保護者 ( 以下 申請者 という ) は 大阪狭山市私立幼稚園就園奨励費補助金交付申請書 ( 様式第 1 号 ) を市長に提出しなければならない ( 補助金の交付決定 ) 第 5 条市長は 前条の申請があった場合は 内容を審査し適当と認

第 3 条 第 4 条 広域連合は 被保険者の健康の保持増進のために健康診査を行う 前条に定めるもののほか 保健事業に関して必要な事項は 別にこれ を定める 第 4 章 保険料 ( 保険料の賦課額 ) 第 5 条 法第 104 条第 2 項の規定により被保険者に対して課する保険料の賦 課額は 被保険

第 3 条市長は 前条に規定する申請に基づいて医療費の給付を受けることができる者であることを確認したときは 申請者に重度心身障がい者医療費受給者証 ( 第 2 号様式 以下 受給者証 という ) を交付するものとする 2 前項の受給者証の資格取得日は 市長が交付決定をした日の属する月の翌月の初日 (

Transcription:

横浜市行政不服審査会答申 ( 第 4 号 ) 平成 29 年 1 月 18 日 横浜市行政不服審査会

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税条例 ( 昭和 25 年 8 月横浜市条例第 34 号 以下 市税条例 という ) 第 21 条の規定に基づき 審査請求人に対して 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 ( 平成 28 年 6 月 1 日付け 以下 本件処分 という ) を行ったところ 審査請求人は その所得控除額の計算等に不服があるとして その取消しを求めて審査請求を行ったものである 3 審査請求人の主張の要旨審査請求人が 審査請求書及び反論書において主張している本件処分に対する主張は 次のように要約される (1) 本件処分において 生命保険料控除額が 13,742 円とされているが 正しくは 審査請求人が平成 27 年中に支払った生命保険料の全額である 15,483 円が控除額とされるべきである この結果 所得控除の合計額は 本件処分において所得控除の合計額として認定されている 360,162 円から 361,903 円へと増額されるべきである (2) 本件処分において 処分庁は 審査請求人に対して 6,200 円の市民税 県民税を賦課している しかし 平成 27 年の審査請求人の所得金額は 上記審査請求人の本来の所得控除額である 361,903 円を下回る したがって 審査請求人の市民税 県民税は非課税となるべきである (3) 本件処分により国民健康保険料がほぼ倍増し 平成 28 年度の臨時福祉給付金の支給対象者から外れるなど課税額を上回る多大な損失が生じており 本件処分は取り消されるべきである 4 処分庁の主張の要旨本件処分は 法 市税条例 横浜みどり税条例 ( 平成 20 年 12 月横浜市条 1

例第 51 号 ) 及び神奈川県県税条例 ( 昭和 45 年神奈川県条例第 26 号 ) の規定に基づき適法に行われた処分であって その理由は次のように要約される (1) 法の規定に基づく審査請求人の生命保険料控除額は 次の計算のとおり 13,742 円となる ( 計算 ) 12,000 円 +(15,483 円 -12,000 円 ) 2 13,742 円 ( 小数点以下切上げ ) したがって 審査請求人の生命保険料控除額及びこれを前提とした所得控除の合計額に誤りはない (2) 法及び市税条例は 市民税 県民税の均等割について 当該年度の初日の属する年の前年の合計所得金額が 350,000 円にその者の控除対象配偶者及び扶養親族の数に1を加えた数を乗じて得た金額 ( その者が控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合には 当該乗じて得た金額に 210,000 円を加算した金額 ) 以下である者に対しては これを課さないこととしている しかし 本件処分に係る審査請求人の提出した確定申告書 ( 以下 本件確定申告書 という ) においては 平成 27 年中の株式等に係る譲渡所得として 353,998 円の所得が申告されており 他に控除対象配偶者及び扶養親族の申告がないことから 市民税 県民税の均等割が非課税となる者には該当しない したがって 審査請求人に対して 市民税 県民税の均等割額として法及び市税条例の規定によって定められた 6,200 円を賦課した本件処分に誤りはない (3) 3(3) の審査請求人の主張は 本件処分と直接関係がない 5 審査庁の裁決についての判断本件審査請求は 棄却するべきとし その理由を審理員意見書の 判断理由 に記載のとおりとしている 6 審査会の判断当審査会の判断理由は 審理員意見書の 判断理由 と同旨であり 次のとおりである (1) 審査請求人の生命保険料控除額及び所得控除の合計額について 2

審査請求人は 本件確定申告書において平成 27 年分の 新生命保険料の計 として 15,483 円と申告しており 本件においても当該保険料額の生命保険料控除額の認定を求めている そこで 生命保険料控除額に関する法の規定をみると 法第 34 条第 1 項第 5 号イ (1)(ⅱ) 及び第 314 条の2 第 1 項第 5 号イ (1)(ⅱ) は 生命保険料控除額について 前年中に支払った新生命保険料の金額の合計額が 12,000 円を超え 32,000 円以下である場合は 12,000 円と当該合計額から 12,000 円を控除した金額の2 分の1に相当する金額との合計額 と定めている したがって 法の規定に基づく審査請求人の生命保険料控除額は 13,742 円となる そして 審査請求人の所得控除は 上記生命保険料控除額 13,742 円のほか 審査請求人が支払った社会保険料の全額である 16,420 円 ( 法第 34 条第 1 項第 3 号及び第 314 条の2 第 1 項第 3 号 ) 及び基礎控除 330,000 円 ( 法第 34 条第 2 項及び第 7 項並びに第 314 条の2 第 2 項及び第 7 項 ) であると認められるから その合計額は 360,162 円となる したがって 市民税及び県民税に係る審査請求人の所得控除の合計額はそれぞれ 360,162 円となる (2) 審査請求人に賦課されるべき市民税 県民税の額についてア所得割額と均等割額の合計額による賦課について法は 賦課期日現在 市内に住所を有する個人に対して 均等割額及び所得割額の合計額によって市民税 県民税を課すこととしている ( 法第 23 条 第 24 条第 1 項第 1 号 第 39 条 第 41 条第 1 項 第 292 条 第 294 条第 1 項第 1 号及び第 318 条 ) 審査請求人は 本件処分に係る賦課期日である平成 28 年 1 月 1 日に横浜市内 ( 南区内 ) に住所を有していたことから 市民税 県民税が課されることとなる イ所得割について市民税の所得割額については 所得割の額は 課税総所得金額 課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に 100 分の6を乗じて得た金額とする ( 市税条例第 29 条の2) こと 市町村は ( 中略 ) 一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額 ( 中略 ) の 100 分の3に相当する金額に相 3

当する市町村民税の所得割を課する ( 法附則第 35 条の2 第 5 項 ) こととされ 県民税の所得割額については 課税総所得金額 課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に 100 分の 4.025 ( 神奈川県県税条例附則第 39 項第 1 号 ) を乗じて得た金額とすること 道府県は ( 中略 ) 一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額 ( 中略 ) の 100 分の2に相当する金額に相当する道府県民税の所得割を課する ( 法附則第 35 条の2 第 1 項 ) こととされている 本件確定申告書によれば 平成 27 年の審査請求人の所得は 平成 27 年中の株式等に係る譲渡所得として 353,998 円の所得のみであり (1) で認定した審査請求人の所得控除の合計額である 360,162 円を下回る したがって 審査請求人について 平成 28 年度の市民税 県民税の所得割は課されないこととなる ウ均等割について市民税 県民税の均等割については その名のとおり 原則として 市内に住所を有する全ての住民に均等に課されるべきものであるが 法は一定の場合にその例外を認めている すなわち 市内に住所を有する者で均等割のみを課すべき者のうち 当該年度の初日に属する年の前年の合計所得金額が 350,000 円にその者の控除対象配偶者及び扶養親族の数に1 を加えた数を乗じて得た金額 ( その者が控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合には 当該乗じて得た金額に 210,000 円を加算した金額 ) 以下である者に対しては 均等割を課さない こととしている ( 法第 23 条第 1 項第 13 号 第 24 条の5 第 3 項 第 292 条第 1 項第 13 号及び第 295 条第 3 項並びに条例第 23 条 ) つまり 控除対象配偶者及び扶養親族を有しない者が 市民税 県民税の均等割を課されないこととなるためには 前年の合計所得金額が 350,000 円以下であることが必要であるということである しかしながら 本件において 審査請求人は 平成 28 年 3 月 2 日に横浜南税務署に本件確定申告書を提出しており これを受け 処分庁は 法第 45 条の3 及び第 317 条の3の規定に基づき 本件確定申告書を平成 28 年度の市民税 県民税申告書の提出とみなして税額計算を行っているところ 本件確定申告書においては 審査請求人の所得として 平成 27 年中 4

の株式等に係る譲渡所得 353,998 円が申告されており 他に控除対象配偶者及び扶養親族の申告はなく 合計所得金額が上記 350,000 円以下とはならない したがって 審査請求人は 市民税 県民税の均等割を課されないこととはならない エ均等割額の計算についてその上で 審査請求人の均等割額を計算する 市民税に係る均等割額についてみると まず 第 21 条第 1 項第 1 号又は第 2 号の者に対して課する均等割の税率は 年額 3,000 円とする 及び 平成 26 年度から平成 35 年度までの各年度分の個人の市民税に限り 均等割の税率は 第 25 条の規定にかかわらず 同条に規定する額に 500 円を加算した額とする ( 市税条例第 25 条及び附則第 9 条の4の2) との規定により 3,500 円となる これに 平成 26 年度から平成 30 年度までの各年度分の個人の市民税の均等割の税率は 市税条例附則第 9 条の4の2 の規定にかかわらず 同条に定める額に 900 円を加算した額とする ( 横浜みどり税条例第 2 条第 2 項 ) との規定により 900 円を加算することとなるから 市民税の均等割額は 4,400 円となる そして 県民税に係る均等割額は 1,000 円とする 平成 26 年度から平成 35 年度までの各年度の分の個人の県民税の均等割の税率は 第 11 条の規定にかかわらず 1,500 円とする 及び 均等割の税率は 第 11 条及び附則第 7 項の規定にかかわらず 1,300 円 ( 平成 26 年度から平成 28 年度までの各年度分にあっては 1,800 円 ) とする ( 神奈川県県税条例第 11 条 附則第 7 項及び附則第 39 項第 1 号 ) との規定より 1,800 円となる したがって 平成 28 年度の審査請求人の市民税の均等割額は 4,400 円 県民税の均等割額は 1,800 円となるから その合計額 6,200 円が賦課されることとなる (3) 以上のとおり 本件処分に係る生命保険料控除額及び所得控除の合計額の計算並びに市民税 県民税として賦課される額は (1) 及び (2) のとおりであり その他本件において本件処分を違法又は不当足らしめる事情 5

はないから 審査請求人の請求には理由がない (4) 審理員の審理手続本件審査請求に係る審理手続は 適正に行われたものと認められる (5) 結論以上のとおりであるから 5の審査庁の裁決についての判断は 妥当である 6

参考 1 審理員の審理手続の経過 年月日 審理手続の経過 平成 28 年 8 月 31 日 審査請求書( 副本 ) 送付及び弁明書の提出等依頼 平成 28 年 10 月 3 日 弁明書の受理 平成 28 年 10 月 4 日 弁明書( 副本 ) の送付及び反論書の提出等依頼 平成 28 年 10 月 13 日 審理関係人への資料送付 平成 28 年 10 月 25 日 反論書受理 平成 28 年 10 月 31 日 反論書( 副本 ) 送付 平成 28 年 11 月 30 日 審理手続の終結 平成 28 年 12 月 6 日 審理員意見書の提出 参考 2 審査会の調査審議の経過 年月日 調査審議の経過 平成 28 年 12 月 20 日 審査庁から諮問書及び事件記録等の写し受理 平成 28 年 12 月 21 日 調査審議 平成 29 年 1 月 18 日 調査審議 7