2. 目標六番町地区の歴史 文化的背景や文教地区としての落ち着いた町並みを将来にわたって担保していくため 住民の主体的な参加により まちづくりの基本方針の策定と地区計画の制定を行うことを目標として行政 ( 区 公社 ) 住民 民間事業者等の間で継続的な議論が行われた 千代田区都市計画マスタープランで

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第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

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立川市絶対高さを定める高度地区指定に関する検討方針 平成 26 年 5 月 立川市 0

Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

第2章

計画書

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

2

Microsoft Word - 岡崎駅南リーフレット案【最終】

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

地区計画パンフレットP.1

区域の整備 開発及び保全に関する方針地建築区物等整に関備する計事項画地区計画ガイド八日市出町地区 八日市出町地区 地区計画の内容 名称八日市出町地区地区計画 位 置 金沢市八日市出町の一部 面積地区計画の目標土地利用の方針建築物等の整備方針 約 10.7 ha 本地区は 市中心部の南西約 4kmに位

区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

平井二丁目付近地区地区計画の概要 平井二丁目付近地区地区計画の概要をお示しします 詳しくは 同封の 平井二丁目付近 地区計画書 計画図 をご確認ください 地区計画の区域地区計画の対象区域は 下図のとおりです 平井二丁目付近地区 ( 約 28.6ha) 江戸川区平井一丁目 平井二丁目及び 小松川三丁目

(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この


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区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

<4D F736F F D2090E797A2836A B835E CC82DC82BF82C382AD82E88E77906A B8C91CE8FC6955C F97702E646F63>

都市計画図 外神田二・三丁目地区(PDF)

金沢都市計画地区計画の変更

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□高度地区見直し案

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

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千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 豊中市 はじめに市は 平成 4 年 (1992 年 )7 月に 千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) を策定し 同地区内で計画される建築物などに対して その用途をはじめ 建築物の建て方 ( 容積率 建ぺい率 高さ

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絶対高さ制限を定める高度地区についてのQ&A

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

稲毛海岸5丁目地区


用途地域の指定のない地域の建築形態規制\(素案\)

平井二丁目付近地区のまちづくり 平井二丁目付近地区は JR 平井駅南東部の都市計画道路放射第 15 号線に接し 都市計画道路補助第 120 号線が南北に通るなど 交通利便性が高く 旧中川沿川のうるおいある環境を感じられる地区です しかし 耕地整理により形成された街区内などでは 幅員 4.0m 未満の

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

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P19-20.ai

地区計画の届出とは

地区整備計画書地区整備計画建築物等に関する事項地区の区分 地区の名称地区の面積 建築物等の用途の制限 建築物の敷地面積の最低限度 建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の最高限度建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度 壁面の位置の制限 独立住宅地区 A 約 21.9 ha (1) 長屋

区域の整備 開発及び保全に関する方針 江戸川一丁目地区地区計画 計画書 計画決定 H 江戸川区告示第 433 号 計画変更 H 江戸川区告示第 27 号 計画変更 H 江戸川区告示第 482 号 名称江戸川一丁目地区地区計画 位置 江戸川区江戸川一丁目 江戸

調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

[ 地区計画における地区施設道路等の整備効果に関する分析 ] まちづくりプログラム MJU09061 津田あゆみ はじめに 1-1 研究の目的と背景都市計画区域内においては地域地区制 ( ゾーニング ) による土地利用規制が行われている これらの土地利用規制は規制がなかった場合に用途や高さの混在によ

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目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

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表1-表4-2

Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

多摩都市計画地区計画の決定(多摩市決定)

市街化調整区域内における地区計画について

多摩都市計画地区計画の決定(多摩市決定)

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

用途地域変更の考え方 ( 素案 ) 1 駅 駅前広場 アクセス道路沿道の土地利用の促進 駅 北側沿道 25m 以内及び沿道南側街区を近隣商業地域へ変更 18

第 5 地区拠点地区計画の区域には 次に掲げる区域及び地域は含まないものとする (1) 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 以下 農振法 という ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域 (2) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229 号 ) による農

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建築物等の整備の方針 1 健全な地域環境の維持 形成を図るため 風俗営業等の用途の建築物を規制する 2 地域コミュニティの維持 再生を図るため ワンルーム形式の集合住宅の集中を避け 多様な住宅供給を誘導する 3 定住人口の回復を誘導するため 住宅等の用途に供する建築物に係わる容積率制限の特例を適用す

日本橋・東京駅前地区

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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目次 1 運用基準策定の目的 1 2 市街化調整区域の地区計画の類型 2 3 市街化調整区域の地区計画の基本事項 3 4 地区計画の技術的な基準 4 5 都市計画の提案制度のフロー 7 6 地区計画と開発行為の手続きフロー 8 7 市街化調整区域における地区計画の運用基準の見直し 9

(案)

大阪市再開発地区計画にかかる

届出の手引き

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

西原町 2~4 丁目地区 区域図 西原町 2~4 丁目地区 低密度住宅ゾーン 中密度住宅ゾーン 戸建ての低層住宅地を主体に落ち着いた雰囲気を持った良好な居住環境の形成を誘導します また 都市農地の保全に努め 農地と共存した良好な居住環境の形成を誘導します 低層住宅と中高層住宅が調和した良好な居住環境

東京都市計画高度地区変更(練馬区決定) 【原案(案)】

東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 2 建築物の各部分の高さは 当該部分から前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水 資料 5 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種 類 面積 建築物の高さの最高限度又は最低限度 備考 約 ha 建築物の各部分の高さ (

地区区分とまちづくり方針 D

目 次 市街化調整区域における地区計画運用基準 1. 運用基準策定の趣旨 都市計画制度変更への対応 2 市街化調整区域における土地利用方針 の実現に向けた運用基準策定 2. 地区計画の運用基準の基本的な考え方... 2 (1) 市街化調整区域の地区計画の基本的な考え方 1 基本的考え方

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

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江戸川五丁目付近地区 地区計画(素案)説明会



都市計画変更素案に関する説明会 建築規制の変更に関する説明会 特定整備路線補助 29 号線 井 東 込区間 (JR 横須賀線 区界 ) 沿道 日時 : 平成 29 年 8 3 ( ) 場所 : 品川区 伊藤 学校 前方右側に手話通訳者を配置しております 必要な方はお近くの席にお移り願います 1 本日

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住宅地区 A 約 41.1 ha (1) 長屋 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) (2) 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 建基法 という ) 別表第 2( い ) 項第 3 号に掲げる共同住宅 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) 寄宿舎又は下宿 (3) 建基法別表第

一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

1 総合設計 一定規模以上の敷地面積及び一定割合以上の空地を有する建築計画について 特定行政 庁の許可により容積率 斜線制限などの制限を緩和する制度である 建築敷地の共同化や 大規模化による土地の有効かつ合理的な利用の促進と 公開空地等公共的な空地 空間の 確保による市街地環境の改善を図ることを目的

その他当該区域の整備 開発及び保全に関する方針 近隣商業地区では 周辺地域との調和のとれた緑のネットワークの形成を図るため 敷地内の緑化や屋上緑化 壁面緑化を推進し その他の地区においても 緑豊かで潤いのある環境を創出するため 敷地内の緑化を推進する 位置東久留米市南沢五丁目地内 面積約 6.3ha

(案)

目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

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2-1-5 屋外広告物の制限

別紙 1 国都計第 号平成 28 年 6 月 13 日 各都道府県知事各指定都市の長殿 国土交通省都市局長 ( 公印省略 ) 宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度の創設について 訪日外国人旅行者数 2,000 万人の目標達成が視野に入ってきたことを踏まえ 本年 3 月 30 日に 明日

名古屋都市計画地区計画の決定計画書 ( ノリタケの森地区計画 ) ( 名古屋市決定 )

に基づく保安林指定計画地 (8) 自然環境保全法 ( 昭和 47 年法律第 85 号 ) 第 14 条第 1 項に規定する原生自然環境保全地域及び同法第 22 条第 12 項に規定する自然環境保全地域が指定されている土地の区域 (9) 自然公園法 ( 昭和 32 年法律第 161 号 ) 第 13

地区 の 区分 名称駅南口西街区地区駅南口東街区地区駅北口駅前広場地区 面積約 2.8 ha 約 0.6 ha 約 1.7 ha 用途地域による用途制限の他に 次の各号に掲げる建築物は 建築し てはならない 地区整備計画 建築物等に関する事項 建築物の 用途の制限 1. 指定道路 1 に面する敷地の

案の理由書 1 南大浜地区本地区は石垣島の南部に位置し 字大浜 字真栄里 字平得の3 字を含み 用途地域が指定されている市街地の東側に隣接する地区です 本地区は 農振農用地区域が除外されたことにより 農業的土地利用と都市的土地利用が混在し 道路 公園 下水道等の都市基盤整備が不十分なまま無秩序な開発


公津西地区地区計画運用基準

目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

Transcription:

事例番号 046 良好な住宅地を地区計画で保全 ( 東京都千代田区六番町 ) 1. 背景千代田区六番町奇数番地地区は千代田区の北西部 JR 四ッ谷駅の北東側にあり 江戸時代の武家屋敷を起源とする 400 年にわたる閑静な住宅地としての歴史を持つ 東京都区部には文士村と呼ばれるまちがいくつかあるが ( 本郷 ( 漱石 鴎外 一葉 ) 田端 馬込 世田谷など文学者や芸術家が住んだところ ) ここ六番町界隈も島崎藤村 泉鏡花 有島武郎 武者小路実篤 与謝野晶子 鉄幹 永井荷風 寺田寅彦 堀辰雄 岡本綺堂 武田鱗太郎 内田百間などの名だたる作家や歌人が好んで居を構えたところであり 多くの名作を世に生み出してきた歴史を持っている そのため 質の高い住宅地として まちのイメージも高い 近年では周辺地区がオフィス 商業利用への転換やマンションの建設ラッシュにより高層ビル街に変貌してきた中 六番町地区では文教地区の姿を残そうという機運が住民中心に高まっていた 一方 千代田区では 街なみの形成 市街地環境の改善及び良好な住宅供給を目的に 地区計画制度を活用して独自のルールづくりを行っていた 地区計画制度は 壁面の位置の制限や建築物の高さの制限などを定めることにより 容積率や道路斜線などの制限の緩和等を行うことを一般的な内容としており 千代田区でも神田地区などにおいては居住者確保のために容積率を緩和する地区計画を実施してきた そして 1991( 平成 3) 年 千代田区は六番町地区においても容積率緩和を認める緩和型地区計画を導入する提案を行った しかしながら 同計画は地区住民の同意が得られるものではなかった 同地区は道路幅が最大 6mと比較的狭く それによる道路斜線などの制約により高層化が抑制されて良好な住宅地環境が維持されてきたこと 歴史 伝統のある低層住宅地は保全すべきであること等の認識があることが改めて確認された このため 地区の歴史 文化 景観 町並みなどを考慮しつつ千代田区 地区住民等が連携してワークショップを精力的に開催し 関係者の対話に基づく独自の地区計画づくりに取り組むこととなった 千代田区の地図左端の四ッ谷駅東北側が番町 ( 資料 : 千代田区観光協会ホームページ ) 1

2. 目標六番町地区の歴史 文化的背景や文教地区としての落ち着いた町並みを将来にわたって担保していくため 住民の主体的な参加により まちづくりの基本方針の策定と地区計画の制定を行うことを目標として行政 ( 区 公社 ) 住民 民間事業者等の間で継続的な議論が行われた 千代田区都市計画マスタープランでは 番町地域の将来像を次のように設定している 番町地域の将来像 ( 資料 : 千代田区総合ホームページ 千代田区都市計画マスタープラン ) 2

千代田区六番町奇数番地地区 ( 赤枠の街区 )= 周辺と比べ 中低層の建築物が多い ( 資料 : 千代田区資料を加工 ) 3. 取り組みの体制千代田区は人口確保等の観点から 1991( 平成 3) 年に容積率緩和を含めた緩和型地区計画を提示した これに対し 住民の望むまちなみや住環境を守るために 六番町に住み続けたい人たちの会 ( 六住会 ) が生まれた 1996( 平成 8) 年には 千代田区および財団法人千代田区まちづくり公社の呼びかけで 住民組織 ( 六住会 ) と民間事業者による検討会 六番町環境整備懇話会 ( 区はオブザーバー参加 ) が発足した 公社は専門家 ( 早稲田大学建築学部佐藤滋研究室 ) の派遣を行い 計画の骨格と合意形成を図るため 1 年間に 15 回のワークショップを開催し 住民の合意形成とまちづくりのルールの形成を図った 4. 具体策六番町の地区計画は地区の実情に応じて様々なバリエーションを持たせていることが特徴となっているが 特に六番町奇数番地地区の地区計画は街並み誘導型と用途容積型を組み合わせた独自の内容となっている 具体的には 地区内における今後の市街地更新にあたっては更なる良好な市街地の形成が求められるとの観点から 敷地の細分化を抑制するとともに 地区の街並みから突出した高層建築物の立地を制限している 3

(1) まちづくり活動の概要と経緯六番町の容積率は幹線道路沿いが 600% その他が 400% ともともと高容積であったが 更に 1991 年に千代田区が緩和型地区計画案を提示したことから住民の間で住環境を守るための活動が始まり 以下の 3 つの段階を経て 2004 年 6 月に高さ制限等を定める地区計画が都市計画決定された 区の提案から実に 13 年をかけての粘り強い活動により良好な住宅地を保全するための地区計画が出来上がったのである 第 1 段階 (1991 年 ~) 1991( 平成 3) 年に千代田区が人口回復を目的とした規制緩和型地区計画を発表したが その内容は住民の意向との間に距離があるものであったため 住民がまちづくりルールの必要性に気付き 住民提案による地区計画が作成 提出された段階 第 2 段階 (1997 年 ~) 行政がその提案を受け止め 公社による地区計画作成手続きを開始した段階 公社による地区計画案は住民との合意形成に至らず また 民間事業者の高層住宅開発事業計画をめぐる訴訟などもあり 取り組みは一時足踏みしたが 長期にわたる話し合いが続く中 住民の町並み整備への思いが継続した 第 3 段階 (2003 年 ~) 公社中心に策定が進んでいた地区計画策定業務が千代田区都市整備部に移り 行政側が地区計画の策定方針を大きく方向転換し ( 住民増加型から町なみ環境保全のダウンサイジング型へ転換 ) 住民の意向に沿った地域独自の地区計画案が決定した段階 (2) 六番町まちづくり憲章 の策定 1996( 平成 8) 年に開催された六番町環境整備懇話会のワークショップにより 住民同士の合意形成 住民と事業者の一定の意思疎通が図られ まちづくりには 地域の望ましい将来像を実現していくためのルールづくりが必要であることが再確認された ワークショップの結果は広報誌により逐次住民に周知されたが それらの中から誰もが納得できるレベルの内容を まちづくり憲章 としてとりまとめ その後の地区計画策定に至るまで共通の基本理念となった (3) 六番町奇数番地地区地区計画 の概要 1 建築物等の整備方針 ⅰ) ワンルーム形式の集合住宅が集中することを避け 定住を目的とした住宅を供給するよう誘導する ⅱ) 敷地面積の最低限度 (75 m2 ) 建築物の高さの最高限度 斜線制限による隣地境界線側の建築物の高さ制限を規定する 建築基準法第 59 条の 2 第 1 項の適用に際しても建築物の高さの最高限度を適用することにより 建築物の高さが整った良方好な街並みの形成を目指す ⅲ) 街並みに十分配慮した形態 意匠の建築物を誘導する 4

2 地区計画の概要総面積は約 4.2ha であるが 地区の特性から以下の 3 つの地区に分けられている <A 地区 > 幹線道路に沿う地区 後背地における居住環境に配慮しつつ 高層の商業 業務を主体とした複合市街地の形成を図ることを基本方針とする 東京都文教地区建築条例別表 1に掲げる用途の建築物等は建築禁止 敷地面積の最低制限は 75 m2 高さ制限は 40m <B1 B2 地区 > 隣接地に配慮しつつ 住宅を主体とした中層程度の質の高い市街地の形成を図る ワンルーム形式の集合住宅が集中することを避け 定住を目的とした住宅を誘導することを基本方針とする 30 m2以下の住戸が 10 戸以上ある 4 階以上の共同住宅等は建築禁止 敷地面積の最低制限は 75 m2 高さ制限は B1:22m B2:25m 六番町奇数番地地区計画区域図 ( 資料 : 千代田区 ) 5. 特徴的手法行政 住民 事業者の粘り強い話し合いにより 地域の将来ビジョンの共有とルール化 住民の望む形での独自性の高い地区計画の制定を実現した まちづくりの手法としては 住民参加型のまちづくりに定評のある専門チームが初期段階から参加し 住民のまちづくり意識の高揚に寄与したこと 住民の意識が長期にわたって継続したことがも大きな特徴となっている 地区計画の具体的な特徴としては 建物の最低敷地面積を 75 m2としたことや 高さ制限を地区ごと (A B1 B2) に設定したこと 全ての地区において総合設計制度の例外を認めないこと B1 地区においては天空率の適用を認めないことなどが明記されていることなどがあげられる 5

六番町奇数番地地区地区計画 6. 課題 住民による 自分たちのまちの住環境を守りたい という強い思いで実現した地区計画であるが 今後 住民の高齢化により意識をいかに継承していくかが課題となる 6

( 参考 引用文献 ) 千代田区総合ホームページ 7