コラム授業力の向上について食育では 生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいきます そのためには 教師の授業力が一つの鍵になることはいうまでもありません そこで どのような授業を行えば 子どもたちに望ましい生活習慣等が定着するのか 小学校 中学校授業評価システムガイドライン ( 平成

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活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

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実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

平成 26 年度努力点 1 研究主題 作って食べて食への思いを高める常安の子 - 広げよう! 食育の輪 - 2 研究主題設定の理由本校では 平成 24~25 年度の2 年間に渡り できたよ自分で というテーマの基 やてみたい できるようになりたい 分かるようになりたい と 自分の意思で意欲的に学ぶ子

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

愛媛県学力向上5か年計画

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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Taro-自立活動とは

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

工業教育資料347号

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

2、協同的探究学習について

17 石川県 事業計画書

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いて考え, 判断し, 実践している 解している 6 食育の視点 自の食生活を見つめ直し, よりよい食習慣を形成しようと努力すること ( 心身の健康 ) 食品の品質の良否を見け, 食品に含まれる栄養素やその働きを考え, 適切な選択をすること ( 食品を選択する能力 ) 7 学習計画 時 おやつの取り方

解答類型

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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資料2 これまでの学校における食育の取組について

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料


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02-01 ビジョンの基本的考え方

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

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ICTを軸にした小中連携

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2年生学級活動(性に関する指導)指導案

第3章 学校給食での対応

20情報【授業】

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

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2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明 計 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収

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gh 第 6 学年 3 組家庭科学習指導案 単元名 : わたしは料理家 ~ おすすめ給食献立を考えよう ~ 朝食から健康な 1 日の生活を 男子 15 名 女子 14 名計 29 名 指導者 T1 宮地仁美 ( 学級担任 ) T2 須山明香 ( 栄養教諭 ) 題材について 小学校学習指導要領家庭科第

平成25~27年度間

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)


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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

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学習指導要領の趣旨を実現する授業づくりのポイント

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

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県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

H26研究レポート一覧(6年研)変更2017.3.22

学校評価保護者アンケート集計結果 2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

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平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

徳教育推進部(道徳部道徳の指導計画には, 道徳教育の全体計画 道徳の時間の年間指導計画 学級における指導計画 学習指導案 がある いずれも道徳教育を推進させる重要な指導計画であるが, ここでは前三者の作成ポイントを取り上げる ( 学習指導案 については, 別ファイル 道徳の指導案作成のポイント を参

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

教員としてのキャリア形成について考えてみましょう

神戸市立月が丘小学校いじめ防止基本方針 はじめに月が丘小学校は 教職員 保護者 地域が一体となって いじめの問題に取り組むよう いじめ防止対策推進法 第 1 3 条の規定に基づき いじめ防止等のための対策を総合的 かつ効果的に推進するために 基本的な方針 ( 以下 月が丘小学校基本方針 という )

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Transcription:

2. 食に関する指導の進め方 集団指導 ⑴ 全体計画を作成する ( 全体計画の例小学校 P13 中学校 P17) 学校における食育を充実するためには 学校給食を 生きた教材 として活用するだけでなく 給食 の時間を始めとして 学級活動 各教科 道徳や総合的な学習の時間など学校教育活動全体の中で 計画的に体系的な食に関する指導を行うことが重要である そのためには 学校における食育の全体計 画を作成し 各教科等の指導内容 方法を生かしつつ 強化的横断的な指導として関連づけながら取 り組んでいくことが求めれる また 小学校低学年から食に関する指導を計画的 継続的に進めることにより 大きな成果をあげる ことが期待でき 各学校においては 学校教育目標を基に 食に関する指導目標 を立て 教科等にお ける指導内容等を明確化 体系化し 学校教育活動全体計画の中に位置づけることが必要である そして 学校教育目標を具現化するため 各学年の発達段階を考慮し 実態に即した食に関する指導 目標を具体的に設定する必要がある また 計画期間の節目ごとに実施状況を点検し 改善を検討する ことも求められる 企画段階 なぜ食に関する指導が必要なのか 背景や状況の把握 食に関する指導の目標 ( 短期目標 ( 学年ごとの到達目標 ) 長期目標 ( めざす子ども像 ) の設定 具体的な学習内容の設定 ( 給食指導とのかかわり ) 指導の役割分担と専門性をもった指導者の活用 ( 栄養教諭 養護教諭等 ) 年間の取組み計画 どんな子どもを育てたいか 計画立案段階 背景や状況を把握した上での 具体的なテーマの設定 年間指導計画の作成 教材の資料収集 先行事例の研究 実践段階 教材研究 事前準備 児童生徒の食生活や 目標の明確化 ( 評価規準づくり ) 家庭 地域の実態 まとめ段階 成果と課題の明確化 授業評価 校内体制の見直し 課題の検討 指導体制の確立 学校給食とのかかわり 給食指導 体験活動の場の設定 教材の作成 当日の授業 授業実践 栄養や健康にとどまらず 生産 環境 地域 消費や流通に関する学習等の視点からも取扱い 児童生徒が食の持つ多様な側面に気付くことができるよう支援する 食べ方 調理 の 基礎 基本 の定着を図るとともに 食べ物 地域と食文化 に関する内容について 発達段階に応じた指導 体験活動等を通した 実践力を身に付ける指導 を行う 8 食に関する指導の進め方

コラム授業力の向上について食育では 生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいきます そのためには 教師の授業力が一つの鍵になることはいうまでもありません そこで どのような授業を行えば 子どもたちに望ましい生活習慣等が定着するのか 小学校 中学校授業評価システムガイドライン ( 平成 19 年度愛媛県教育委員会 ) から 授業力 について示しました 授業力とは 授業を通して 子どもたちに確かな学力を定着 向上させ る力 と考えます 授業力の構成要素は 児童生徒理解力 教材解釈力 授業構成力 授業実践力 の 4 つに分類できる また 常に謙虚な姿勢をもち 授業をよりよいものにしていこうとする意欲や 具体的な事実せいさつりょくに基づいて授業を冷静に振り返ることのできる能力 ( 省察力 ) が 授業向上の基礎であり 児 童生徒への深い愛情や 教職に対する使命感や情熱 豊かな人間性などが 授業力の構成要 素を支え PDCA サイクルのエネルギー源となる 次の表 1 のように 各構成要素の具体的な場面を考えることにより 身に付けたい授業力や目 指したい授業の姿が明らかになってくる これらは 授業評価を行うときに 評価の視点となる ものである 食に関する指導の進め方 9

表 1 授業力の構成要素が表れる具体的な場面 構成要素 具体的な場面 ( 評価の視点 ) 例 児童生徒理解力 学習意欲やレディネスなど 児童 生徒の状況を把握する能力 児童生徒の到達度や意欲などの学習状況を的確に把握し 授業改善のために整理する 各児童生徒の思考スタイルや性格の特徴を理解し 教材の選択や指導計画立案に生かすために整理する 教材解釈力 教材や資料の分析を的確に行い ねらいに合った教材や資料を選択 開発したり活用したりする能力 ねらいを達成するのにふさわしい教材や教具を選択し 適切な使い方をす る 教材について正しく理解したり 深く理解したりする 単元目標や授業目標を明確にし 児童生徒の状況に応じて単元の指導計画や 授業構成力 単元や各時間のねらいを明確にし その達成にふさわしい展開や学習形態の工夫を行う能力 一単位時間の授業を計画する 学習過程を工夫し 体験的な学習や問題解決的な学習を積極的に取り入れる 一斉学習とグループ学習や個別学習など 適切な学習形態を工夫する 適切な学習評価や授業評価の場を設定する 授業実践力 板書を構造化したり 発問 指示を適切に行ったりする能力児童生徒の学習状況等に応じて 臨機応変に対応できる能力 児童生徒の理解や思考に役立つような構造的な板書を行う 児童生徒の思考を促したり焦点化したりするために適切な発問を行う 的確な指示を行ったり 分かりやすく説明を行ったりする 児童生徒の反応や状況を把握し 適切に対応できる 個別指導の中で 個の学習状況を把握し 適切に対応する 児童生徒の思いや考えを引き出す 先生や友達の話をしっかり聞ける状況を作り出す 学習習慣 学習態度を育成する能力 支持的風土づくりに努め 発言しやすい状況を作り出す 児童生徒の興味関心を高め 課題意識や学習意欲をもたせる 学習活動とリンクした掲示物を掲示したり 学習に集中できるように教室環 学習環境を整備する能力 境を整えたりする 練り合いを高め合う場を作る ICT( 情報通信技術 ) を効果的に活用する 10 食に関する指導の進め方

⑵ 家庭 地域との連携を推進する 学校給食を 生きた教材 として活用し 給食だより や 給食試食会 等を通して家庭 地域の人たちと様々な取組を行いながら 食に関する指導の啓発を図る 啓発の方法 学校 家庭 給食だより 保健だより 給食試食会 親子料理教室 食に関する指導実践の情報提供 学校保健委員会 食のアンケート調査 栄養個別指導学校 地域 食に関する講演会の実施 地域主催の行事等への参加 交流給食の実施 家庭 学校 体験活動などの学習への協力 学校保健委員会等への参加 食のアンケート調査への協力 給食試食会 親子料理教室への参加地域 学校 食に関する講演会への参加 体験活動などの学習への協力 地域主催の行事等への参加依頼 公民館等主催の 親子料理教室 や クッキングコンテスト の実施 保健所を中心とした食のネットワークの活用 市町の食育の取組 ⑶ 繰り返し指導する 給食の時間を食育の重要な指導場面として 積極的に活用する 給食時の放送 学級担任による指導 栄養教諭等の教室訪問等を繰り返し行うことにより 望ましい食習慣が形成される そのためにも 児童生徒の発達段階に即して意図的 計画的に根気強く指導していく 個別的な相談指導 児童生徒を取り巻く生活環境 食環境の変化に伴って 児童生徒の健康状態 栄養状態も多様化 複雑化し 肥満傾向や偏食等を原因とする生活習慣病の若年化が指摘されている また 食物アレルギーの児童生徒も増加する傾向にあり 家庭はもとより学校においても対応が求められている 児童生徒への集団指導を進めるだけではなく 食に関する健康課題を有する児童生徒の個別の事情に応じた対応や相談指導を行うことが 児童生徒の健康保持 増進のためには大切である ( 個別的な相談指導例 ) 偏食傾向のある児童生徒に対し 偏食が及ぼす健康への影響について指導 助言する 肥満傾向にある児童生徒に対し 適度の運動とバランスのとれた栄養摂取の必要性について理解を図り 肥満解消に向けた指導を行う 痩身願望の強い児童生徒に対し ダイエットの健康への影響を理解させ 無理なダイエットをしないよう指導を行う 食物アレルギーのある児童生徒に対し 原因物質を除いた学校給食の提供や不足する栄養素を補給する食品などについて助言を行う 食に関する指導の進め方 11

運動部活動などでスポーツをする児童生徒に対し 必要なエネルギーや栄養素の摂取等について指導を行う ( 指導上の留意点 ) 特定の児童生徒に対する個別的な相談指導の際 特別扱いということで児童生徒の心に過大な重荷になったり 他の児童生徒からのいじめのきっかけにならないよう 個々の児童生徒や学級の実態を踏まえて きめ細かな配慮をすること 児童生徒の心 ( 人格 ) を傷つけることがないように無理のない指導をすること 保護者の十分な理解や協力を得る必要があり 保護者とは密に連絡を取りつつ 児童生徒が抱えている問題を把握し 適切に指導 助言する必要がある その際 プライバシーの保護にも十分留意すること 解決を焦らずに長い期間をかけて指導する必要があり 改善すべき問題点がたくさんあっても 当面の目標を 1つにしぼり具体的な指導方法を考えて進めていくこと 改善目標は対象の児童生徒との合意により決定していくことが大切であり 改善への意欲を高めるためには 児童生徒が自ら決めた目標を設定することが望ましいこと 個に応じた指導計画を作成し 指導内容や児童生徒の変化を詳細に記録するとともに 必ず評価を行いながら 対象の児童生徒にとって適切な改善へ導くこと ( 食に関する指導の手引き 平成 19 年 3 月文部科学省より引用一部改編 ) アレルギー対応食をすすめるための手順のポイント 1 事前調査をしっかり行う 保健調査票 就学時健康診断票等でアレルギーの原因となる食品 ( アレルゲン ) 症状や状態を把握する 2 保護者からの聞き取りをていねいに行う 学校給食で対応できる範囲を十分説明し 共通理解を図る 3 関係教職員で情報を共有し 共通理解を図る 4 対応食の可否については 保護者からの申し入れだけでなく 主治医の指示があることを確認する 学校生活管理指導表 アレルギー除去食に関する連絡書 ( 愛媛県医師会 小児科医師会作成 2008) を参考に対応と方法の検討 決定をする 様式はえひめ子ども健康サポート推進計画( 平成 21 年 2 月愛媛県教育委員会作成 ) 愛媛県小児科医会 (http://www1.ehime.med.or.jp/epa/) 参照 5 調理 配食の方法について 間違いなく確実に行われるよう留意する 他の児童生徒とは別に配食し 他と混同しないよう 食札 などで明確にする 6 対象児童生徒の健康観察をしっかり行う 対応食実施後の対象児童生徒の症状の変化を確認し 必要に応じて記録しておく 7 食後に激しい運動を行うことがないよう配慮する 8 個人情報の取扱いやプライバシーの保護に十分留意する ( 学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン ( 平成 20 年 3 月財団法人日本学校保健会 ) を参考に作成 ) 12 食に関する指導の進め方