におけるの現状とその対応 獨協医科大学小児科福田啓伸 平成 年 7 月 日宇都宮市医師会館 階講堂 平成 年度栃木県小児保健会 新年度の給食における等を有する児童生徒等への対応について 平成 年 月 日 文部科学省スポーツ 青尐年局健康教育課. 生活管理指導表 ( アレルギー疾患用 ) の活用保護者 主治医および医の連携緊急時に教職員誰もが閲覧できる状態で一括して管理. 給食の対応の実際レベル : 詳細な献立表対応レベル : 一部弁当持参レベル : 除去食対応レベル : 代替食対応 * レベル を給食による望ましい形 * 児童の ( 重症度 除去品目数 人数など ) を総合的に判断 現状での最良の対応. アレルギー疾患時の緊急時対応 ( アナフィラキシーへの対応 ) エピペン注射の処方を受けている児童の情報を教職員全員で共有予期せぬ場面で起きたアナフィラキシーに対し教職員誰もが適切な対応が不可欠 とは? 原因食物を摂取したあとに免疫学的機序を介して生体に不利益な症状 ( 皮膚, 粘膜, 消化器, 呼吸器, アナフィラキシーなど ) が惹起される現象である 臨床的に つの類型に分類されている の頻度 下野新聞, 月 6 日, 乳児期で % 幼児期で % 学童期以降で % 程度と考えられる 全年齢を通して わが国では推定 -% 程度の有病率であると考えられる 平成 9 年全国調査 高校生全体で.6% 小学生.8%, 中学生.6%, 高校生.9% 診断基準が様々であり, 増加傾向について不明な点が多い 増えているのは間違いなさそう です
小学 ~ 高校学童のアレルギー疾患有病率 全国の公立小 中 高等 中等教育 H6 年 月調査数 6,6 校児童生徒数,77, 人 栃木県の現状 7 年のアンケート結果より アレルギー疾患有病率 アナフィラキシーショック アレルギー性結膜炎 アレルギー性鼻炎 アトピー性皮膚炎 喘息. %.6 %. %. %.7 % 9. %.%.%.% 6.% 8.%.% 児 万人 アナフィラキシー児 万 788 人 H9 アレルギー疾患に関する調査研究報告書文部科学省スポーツ 青尐年局より AR BA AD FA AC..7.8... 9..8.9. 6 8 の有病率は で.8% で.% であった 全国とほぼ同等の結果であった 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699, 年齢別の主な原因食物 年齢群 歳 歳, 歳 ~6 歳 7~9 歳 歳以上合計 症例数 7 699 9 99 66 88 第 位 第 位 第 位 第 位 第 位 第 6 位 第 7 位 6.%.% 7.%.6%.9% 7.% 魚卵 6.7%.% 9.7% 7.7% ピーナッツ.% 甲殻類果物類.%. 8.% 甲殻類 9.% 果物類 8.8% ピーナッツ 6.% ソバ.9%.% 甲殻類 6.%.% ソバ.8% 9.6% 果物類 9.% 8.% 魚類 7.% 甲殻類 8.%.8% 果物類.8% 魚類.% ソバ 7.% 6.6% 8.%.9% 8.% 甲殻類 6.% 果物類 6.% ソバ.6% 魚類.% 診療ガイドライン より引用 栃木県の実態 のアンケート結果 7 年 月 栃木県内 ( 園 ) および (9 校 ) を対象に 7 年 月にアンケート調査を実施 回収率 :.%(87 園 ), 87.8%(68 校 ) 園児数 :, 名, 児童数 96,78 名 記入者 対象 方法 9% % % % % % 教諭事務長養護教諭 < 結果 :FAの実態調査 > アレルギー疾患有病率 AR 9..8 BA.9. AD..7 FA.8. AC.. 6 8 給食の特別配慮が必要な FA 児 % % % % 教諭養護教諭栄養職員栄養士 いる いない % % % 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699, % % % 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699,
FA 児に対する給食の対応方法 < 結果 :FA の実態調査 > < 結果 :FA に関する認識度と対応の問題点 > FA 症状の認識 エピペン の認識 給食中発生した FA 症状 * あり (6.%) なし 弁当持参献立によって弁当持参献立対応 # 除去食 # 代替食 # 不明 #: 同献立で本人が除外しな がら食べる #: 同献立で原因食品を除去 #:# に代替食品を組み込む * 誤食 :% 前後あり 9.% 7 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699, 蕁麻疹かゆみ顔面の腫れ発赤湿疹呼吸困難喘鳴咳鼻汁 % % % アナフィラキシー対応マニュアル の認識と活用 ショック 意識消失 聞いたことある 嘔吐 下痢 あり認識 なし 腹痛 頭痛 8.8% その他 活用 7 あり.% なし 聞いたことある 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699, < 結果 :FA に関する認識度と対応の問題点 > 給食における FA 対応に関する問題点 ありなし * 原因食品の多様化 除去食品の不明確性 * FA 児の増加 * 人手不足 施設設備の不備医師との連携不足 * 保護者との連携不足 FA 児の栄養不足 関係者との連携不足 その他 7. のアレルギー疾患に対する取り組みがイドライン. によるアナフィラキシー対応マニュアル. 給食を中心としたの対応の手引き. のアレルギー疾患に対する取組 アレルギー関係のガイドライン 手引き マニュアル 山田裕美 吉原重美日本小児アレルギー学会誌,,69-699, における対応 ~ 生活 ~ のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン 対応 生活管理指導表 ( アレルギー疾患用 ) を用いた情報の流れ 生活管理指導表 ( アレルギー疾患用 ) 養護教諭 担任が中心となり医療機関との連携を密にして 児童 生徒の情報を整理しておく必要があり このガイドラインの活用が期待される 8 年日本保健会発行 のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン P
対応 対応 アレルギー疾患に対する生活管理指導表 8 年度から文部科学省と日本保健会が作成した アレルギー疾患に対する生活管理指導表 使用開始となった 主治医ととの連携が今まで以上に円滑になることが期待される のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン P における対応 ~ 全国版 ~ によるアナフィラキシー対応マニュアル による緊急時の対応 における対応 ~ 栃木編 ~ 給食を中心としたの対応の手引き による緊急時の対応 このマニュアは の教職員がについて理解できるように 原因や症状とその治療法をわかりやすくまとめている 保護者 養護教諭 栄養教諭 担任が中心となり医療機関との連携を密にして 児童 生徒の緊急時の対応を整理しておく必要があり このガイドラインの活用が期待される 年財団法人日本保健会 9 年栃木県教育委員会 における対応 ~ 栃木編 ~ のアレルギー疾患に対する取組 緊急時の対応エピペンの使用法生活管理指導表 アレルギー疾患を持つ児童生徒が多くの時間を過ごすで 安全に 安心して生活を送ることが出るようにまとめたもの のアレルギー疾患に対する取組. におけるアレルギー医師間の特徴を踏まえ取組. の配慮 管理について. アレルギー疾患対応の流れ. 緊急時の対応について. アドレナリン自己注射薬の取り扱いについて 6. 生活管理指導表 ( アレルギー疾患用 ) の内容 栃木県教育委員会事務局健康福利課の HP 配布資料参照 年栃木県教育委員会
のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン を知っていますか ( 別 ) 栃木県における養護教諭からみたアレルギー生活管理指導表の使用調査結果 年 月 中 高等 特別支援 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン がにありますか ( 複数回答可 ) わかなない ない 校長室にある 職員室にある 保健室にある 体育教官室にある 給食室 ( 調理室 ) にある 特定の人が持っている 無回答 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, アレルギー疾患を有する生徒 児童のうち実際に相談を受けている割合 7. 6........8 気管支喘息.. ア皮ト膚ピ炎ー性.. アレ鼻ル炎ギー性 ア結レル膜ギ炎ー性 7.9 アナフィラキシー 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, 生活管理指導表を知っていますか ( 別 ) 中 高等 特別支援 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, 生活管理指導表および類する書類の疾患別使用状況 6 7 気管支喘息 8 6 ア皮ト膚ピ炎ー性 アレ鼻ル炎ギー性 ア結レル膜ギ炎ー性 アナフィラキシー から提出を求めた 保護者から提出があった 類する書式 ( 自治体指定のもの等 ) の提出をからもとめた 類する書類の提出が保護者からあった 福田啓伸 吉原重美研究会,,-,
8 6 生活管理指導表および類する書類の別使用状況 気管支喘息 中 高等 アレルギー性鼻炎 中 高等 支援 支援 中 高等 アレルギー性結膜炎 中 高等 支援 支援 9 6 アトピー性皮膚炎 中 高等 アナフィラキシー 中 高等 支援 支援 良かった点. 医師の診断でアレルギーの重症度が明確に なった. 給食での除去食品が明確になった. 体育などの運動の強度が明確になった. 校内のアナフィラキシー時の緊急対応が明確になった. 保護者 医療側が同じ視点で管理可能と なった 6. 全職員の共通理解が得られた 7. 次年度の引継ぎが容易になった 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, 問題点. 保護者側に関する事項 有料のため保護者に提出を求めづらい 医療機関によって書類提出費用に差異がある (~ 円 ) アレルギー疾患重複の場合 診療科毎に費用が発生し経済的負担が大きい. 医療側に関する事項 小児科 皮膚科 眼科 耳鼻科の 管理表 に対する意識にレベル差がある 管理表 の使用にあたり 医 主治医による理解に差異がある 医療機関にも同様の 管理表 が置いてあれば便利である. 側に関する事項 管理表の必要なアレルギー児の選択が難しい場合がある 手帳形式の方がアレルギー児を継続してフォローするのに便利である 福田啓伸 吉原重美研究会,,-, での対応エピペン を含めた対応 のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン エピペン の使用についての記載あり エピペン の使用について アナフィラキシーの救命の現場に居合わせた職員が エピペン を自ら注射できない状況にある児童生徒に代わって注射することは 反復継続する意図がないものと認められるため 医師法違反にならないと考えられます また 医師法以外の刑事 民事の責任についても 人命救助の観点からやむを得ず行った行為であると認める場合には 関係法令の規定によりその責任が問われないものと考えられます 6
のアレルギー疾患に対する取組 エピペン の取り扱いについての記載あり アドレナリン自己注射薬の取り扱いについて エピペンは本人 もしくは保護者が自ら注射する目的で作られたものである エピペンを自らできない状況にある児童生徒を支えて 職員等が注射の補助をすることも場合によってありうる エピペンの取り扱いについては 主治医 保護者 ( 医 薬剤師 ) の三者で協議することに努め 情報の共有化を図る での緊急時対応の問題点 ( エピペン 処方例を含む ) WHO 誰に伝えるか 本人 家族だけでなく関係者 ( 教諭 養護教諭 栄養教諭 ) WHAT 何を伝えるか 使用のタイミング 常に携帯すること HOW どのように伝えるか 統一したフローチャート / 指導表の必要性 での緊急時の対応が問題 エピペン 使用のタイミング 呼吸器症状が出現する Grade 以上の場合や 過去に重篤なアナフィラキシー歴があり違和感を覚えた場合には 早期にエピペン を注射し 直ちに医療機関を受診させるべきである 獨協医科大学病院では エピペン を接種するタイミングは 呼吸器症状を認めた場合には早期に使用すること 使用後は必ず医療機関を受診することを説明している 福田啓伸他 : 日本小児難治喘息 アレルギー疾患学会雑誌 7,-,9 給食を中心としたの対応の手引き 上記対応は基本原則で最小限の方法である 状況に合せて現場で臨機応変に対応することが求められる エピペンは アナフィラキシー重症度の グレードで使用を考慮 し 症状は一例であり その他の症状で判断に迷う場合は中等症以上の対応を行う グレードは速やかに使用 する必要がある (H. Sampson:Pediatrics. ;;6-8. を独立行政法人国立病院機構相模原病院改変 ) 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン 厚生労働省 9 年栃木県教育委員会必要に応じてダウンロード可能 7
緊急時の対応 ( 様式 : ダウンロード可能 ) 実例 外来にて 本人 母 教頭 担任 このフローチャートがダウンロードできるため 各患児に合わせた個別の対応表が容易に作成可能となり 便利で有用性が高いと考えられる 外来にて 教頭 担任 本人 母親にアナフィラキシー発症時の対応法について説明している 調布市立富士見台 年生女児児童 ( 歳 ) 死亡事故の概要 調布市教育委員会報告秘 月 日 :7 チーフ調理員が当該児童専用の給食 黄色いトレイを直接手渡す : 当該児童は 保護者が持たせている 除去食にマーカー付きの献立表 をみて チェックがないため大丈夫と判断しておかわりした この時 担任は 除去食一覧表 ( 担任用 ) の 印の確認をしなかった 調布市立富士見台 年生女児児童 ( 歳 ) 死亡事故の概要 : 当該児童は 先生 気持ち悪い と訴えた その際 持参している喘息用の吸入器を使い吸入した 担任は養護教諭に連絡 さらに エピペンを打とうか? と尋ねると 当該児童は ちがう 打たないで と答え 担任は打つのをやめた 養護教諭は救急車を要請 その後 当該児童が もれそう と言って おんぶして トイレへ行く 便座に座ると チアノーゼ 意識障害出現 :6 校長がエピペンを打つ ( すでに 心肺停止に近い状態であった ) : 救急車が到着 心肺停止を確認 6:9 死亡 御清聴ありがとうございました 8