Microsoft Word - こども保険に関するFAQ.docx

Similar documents
スライド 1

なお こども保険 は子どもを持っていない人も保険料を負担しながら給付を受けられないことから 保険原理とは相いれないとする批判がある しかし 1 民間保険と公的保険は自ずと性格が異なること 2 当保険の目的は ( 子どもが必要な保育 教育等を受けられないために ) 少子化が進行することで国民が不利益を

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

税・社会保障等を通じた受益と負担について

<4D F736F F F696E74202D DB92B789EF8B638E9197BF C CA8F8A8E7B90DD81458DDD91EE B ED2816A817989DB92B789EF8B638CE38A6D92E894C5817A2E707074>

タイトル


14 日本 ( 社人研推計 ) 日本 ( 国連推計 ) 韓国中国イタリアドイツ英国フランススウェーデン 米国 図 1. 1 主要国の高齢化率の推移と将来推計 ( 国立社会保障 人口問題研究所 資料による ) 高齢者を支える

第8回税制調査会 総8-2(案とれ)

「人づくり革命」の財源を消費税使途変更で捻出

第3回税制調査会 総3-2

Microsoft PowerPoint - (参考資料1)介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

Microsoft PowerPoint - 7.【資料3】国民健康保険料(税)の賦課(課税)限度額について

女性が働きやすい制度等への見直しについて

スライド 1

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

本資料は 様々な世帯類型ごとに公的サービスによる受益と一定の負担の関係について その傾向を概括的に見るために 試行的に簡易に計算した結果である 例えば 下記の通り 負担 に含まれていない税等もある こうしたことから ここでの計算結果から得られる ネット受益 ( 受益 - 負担 ) の数値については

第17回税制調査会 資料1-3

資料9

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

PowerPoint プレゼンテーション

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

研究報告(田近、小林)

参考資料

平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク

消費税増税等の家計への影響試算(2018年10月版)

消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

2012 No

年金改革の骨格に関する方向性と論点について

3. 働き方や家族のあり方の構造変化への対応現在の社会保障制度は 終身雇用や年功序列 男性が世帯主で専業主婦の妻と子どもを養うという雇用 家族形態を標準モデルとしてきた しかし 雇用慣行や労働市場が激変する中で 働き方や家族のあり方も大きく変化している それらに柔軟に対応できる社会保障制度を構築する

スライド 1

Microsoft Word - ke1106.doc


1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

平成 23 年度に向けた子ども手当の主な課題 論点 1 子ども手当の上積み等 子ども手当の上積み ( 水準はいくらにするか 上積みの対象年齢はどうするか ) 上積みのために必要な財源の確保 論点 2 財源構成 ( 特に地方負担分の取扱い ) 児童手当制度時に負担してきた地方負担分等の取扱い 扶養控除

目次 1. 少子化対策や子ども 子育て支援の拡充の必要性 ~ 全世代型社会保障の実現 ~ (1) 子育てをとりまく状況の変化とこれまでの施策 2 (2) 少子化対策や子ども 子育て施策の拡充の必要性 3 2. 拡充すべき施策 ~ 使途をどうするのか ~ (1) 幼児教育 保育の負担軽減 子育て対策の

【政治経済】 第9回 「W」の未来予想図

三鷹市健康福祉総合計画2022

< 参考資料 目次 > 1. 平成 16 年年金制度改正における給付と負担の見直し 1 2. 財政再計算と実績の比較 ( 収支差引残 ) 3 3. 実質的な運用利回り ( 厚生年金 ) の財政再計算と実績の比較 4 4. 厚生年金被保険者数の推移 5 5. 厚生年金保険の適用状況の推移 6 6. 基

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

<4D F736F F F696E74202D208ED089EF95DB8FE182CC8B8B957482C CC8CA992CA82B52E707074>

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

別紙2

1

第2回税制調査会 総2-2

小泉小委 社会保障 メッセージ(最終版)

問 6 候補者氏名選挙区分所属政党あなたは 地方分権を進めるためにカギとなる課題は何だと考えていますか < その他具体的に > その他道州制導入の推進道州制導入の推進基礎自治体の強化 1,5,8 等は一体的に行うことが必要であり 一つを優先して他を置き去りにする話ではない 無回答 国の行政コストを削

流山市子ども・子育て会議

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

参考 3 平成 27 年度税制改正に関する提言 ( 要約 ) 基本的な課題 Ⅰ. 社会保障と税の一体改革と今後のあり方 1. 社会保障制度のあり方に対する基本的考え方 我が国の社会保障制度は 中福祉 低負担 であり 高齢化社会の急進展により今後の社会保障給付は急速な増大が不可避とされることから 社会

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

別紙2

<4D F736F F D CA A944E8BE082A982E782CC95DB8CAF97BF8E7895A582A282C98AD682B782E B78EF588E397C3816A2E646F63>

人生100年時代・全世代型社会保障への転換 ~2020年以降を見据えて

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

地域子育て支援拠点事業について

要 旨 政府の社会保障国民会議は 2008 年 5 月 19 日の雇用 年金分科会で 公的年金制度に関する定量的なシミュレーションを公表した 主たる注目点は 基礎年金の財源を全額税方式とした場合の必要財源の規模と消費税率換算のシミュレーションである 基礎年金の税方式化を行うにあたっては 制度移行前の

子ども・子育て支援新制度の解説資料 1.制度概要 その1

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

消費税増税等の家計への影響試算(2017年10月版)<訂正版>

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 保険料減免制度について 府の統一基準に一致させることで急激な保険料増加となる世帯が生じることから 段階的に低所得者減免制度を解消していく 保険料の減免制度については 平成 30 年度からは災害 収入減

緊急に措置すべき事項

Microsoft Word - 【第4章】無償化実施計画 修正.docx

(0830時点)PR版

48

平成 31 年度社会保障関係予算のポイント 頁 新 ( 平成 31 年 1 月 18 日閣議決定 ) 旧 ( 平成 年 12 月 21 日閣議決定 ) 1 平成 31 年度社会保障関係費の姿 平成 31 年度社会保障関係費の姿 ( 注 ) 年度 31 年度増 減 329, ,914 +1

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

平成 30 年 5 月 21 日 ( 月 ) 平成 30 年第 6 回経済財政諮問会議資料 4-1( 加藤臨時議員提出資料 ) 資料 年を見据えた社会保障の将来見通し ( 議論の素材 ) 平成 30 年 5 月 28 日 厚生労働省

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学

スライド 1

<8E9197BF325F90E096BE97708E9197BF2E786C7378>

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

平成18年度地方税制改正(案)について

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

握の問題 執行面での対応の可能性等を含め様々な角度から総合的に検討する 複数税率の導入について 財源の問題 対象範囲の限定 中小事業者の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討する 施策の実現までの間の暫定的及び臨時的な措置として 簡素な給付措置を実施する つまり 低所得者対策として 給付付き税額

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

【事務連絡】「高額療養費制度の見直しに関するQ&A」の送付について

2018年度税制改正大綱ポイント整理

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

中小企業の退職金制度への ご提案について

スライド 1

Taro-H29å”ıçfl�å−´å…“çŽ½æł¸ï¼‹ç¤¾ä¼ı編;-1+朕絇;.jtd

鳩山政権の経済政策の効果

資料4 幼児教育無償化に係る食材料費の取扱いについて

< 目次 > 四大臣合意 (H ) 2 民主党マニフェスト (2009 衆議院選挙 2010 参議院選挙 ) 3 の概要 ( 現行制度の仕組み ) 4 平成 22 年度予算 5 平成 23 年度概算要求 6 の実質手取り額の試算 7 ( 児童手当 + 扶養控除 と の比較 ) に関する

金のみの場合は年収 28 万円以上 1 年金収入以外の所得がある場合は合計所得金額 2 16 万円以上が対象となる ただし 合計所得金額が16 万円以上であっても 同一世帯の介護保険の第 1 号被保険者 (65 歳以上 ) の年金収入やその他の合計所得が単身世帯で28 万円 2 人以上世帯で346

平成 28 年度の貸付決定件数 1 平成 27 年度貸付 決定件数 2 平成 28 年 度貸付決定件 数 ( 速報値 ) 3 貸付決定件 数の増減 2-1 (%) 4 2 のうち 自立を利用し た件数 (%) 件 5 2 のうち 家計を利用し た件数 (%) 全資金合計 29,782 28,386-

介護保険料引き上げの背景と問題点を考える-財政の帳尻合わせではない真正面からの負担論議を

Microsoft Word - N_ 子供手当て.doc

平成14年度社会保障給付費(概要)

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

Transcription:

問 1. 子どものいない方や 子どもを持つつもりがない方もなぜ保険料を負担 しなければならないのか 不公平ではないか 子どもが増えれば 人口減少に歯止めがかかり 経済 財政や社会保障の持 続可能性が高まる こども保険の導入により 企業や勤労者を含め 全ての国民にとって恩恵があり 就学前の子どもがいない世帯にとっても 間接的な利益がある なお 従前より 政府も少子化対策や子ども 子育て支援に取り組んでいる中 最大の問題は 社会全体で子育てを支える国の本気度が若者や現役 世代に伝わっていないことである 社会全体で子育てを支える ことを明確化する観点からも こども保険の提言にいたったということをご理解頂きたい 問 2. 現役世代は既に高い社会保険料を負担している これ以上 負担を拡大するのは問題ではないか また 社会全体で支える と言いつつ 高齢者 から社会保険料を徴収しないのは問題ではないか 現役世代の皆様には 年金 医療 介護等について 収入の約 15% を社会 保険料として負担していただいている 今回の提案は 0.1~0.5% 程度の負担を追加でお願いするもの 安倍政権では 雇用環境の改善を受け 2016 年度と 2017 年度に それぞれ 0.1% ずつ 雇用保険料の引き下げを行っている こうした環境の下 まずは 0.1% 程度の負担であれば ご理解いただける範囲と考 えている また こども保険は 保険料負担という意味では現役世代に負担をお願い するものとなっているが 高齢者の方にも 現役世代の負担抑制に協力いただくフレームワークを考えている 具体的には 現役世代が高齢者を支えるために既に重い社会保険料を負担していることを踏まえ こども保険の 0.1% からの拡充の財源については 医療 介護の給付改革により医療 介護の負担の伸びの抑制を充てることと し それにより 世代間公平を実現することとしている 1

こうした新たなフレームワークの下 高齢者の皆様に 医療 介護の給付 改革にご協力いただければ こども保険を拡大し より充実した給付を行うことができる 全世代型社会保障の実現に向けて ご協力いただきたい 問 3. こども保険は 子どものいない世帯や 子育てが終わった世帯は給付が受けられない 受益と負担が一致しておらず 保険 とは言えないのでは ないか 子どもが増えれば 人口減少に歯止めがかかり 経済 財政や社会保障の持続可能性が高まる こども保険の導入により 企業や勤労者を含め 全ての国民にとって恩恵があり 就学前の子どもがいない世帯にとっても 間接的な利益がある また 社会保障の 将来的な担い手 を育てることに他ならないため 将 来的に社会保障の給付を受ける時点において 現在の 負担 が 受益 として戻ってくるという側面もある なお 他の社会保険においても 年金では 支給開始前にお亡くなりになると 給付は受けられない また 医療や介護においては 保険料が減免されていても 給付が受けられる つまり 社会保険においては 個人 ベースでみれば 完全に給付と負担が一致しているわけではない 問 4. 保険と言いつつ 結局は増税と同じではないか 国民に負担を求める前 に 国会議員の定数削減など 国が 身を切る改革 を行うべき こども保険は 子育て支援に必要な給付を行うため 薄く広く 事業者や勤労者に負担を求めるもの こうした新たな負担は 全額が子育て支援に回るため 使途が明確であるという点で 使途が見えにくい増税とは異なる ( 保険料 0.1% の場合 ) 年収 400 万円の家庭の場合 月 240 円の負担増となるが 就学前の子どもがいれば 1 人当たり月 5 千円の給付を受けら れる 子育て世代には 大変な恩恵がある 2

安倍政権では 雇用環境の改善を受け 2016 年度と 2017 年度に それぞ れ 0.1% ずつ 雇用保険料の引き下げを行っている こうした環境の下 まずは 0.1% 程度の負担であれば ご理解いただける範囲と考えている もちろん 国民に負担をお願いする以上 国も 身を切る改革 をしっかり進めていくべきと考えている 問 5. こども保険は どういう リスク に備えるものなのか 子どもを持つことや 幼児教育 保育にお金がかかることは リスク とは言えないの ではないか こども保険は 子どもが必要な保育 教育を受けられないリスク を社会全体で支えるもの こどもを持つこと 自体がリスクではないが 待機児童の問題をはじめ 子どもが必要な保育 教育を受けられないリスクは 政 策的に公的保険でカバーされるべきリスクと言えるのではないか 待機児童問題や金銭的な制約が理由で 子どもが必要な幼児教育 保育を 受けられず それにより子どもを持たない選択をするのであれば 日本全体にとって大きな損失 こども保険は そうしたリスクを社会全体で支え合い 少子化を食い止めることを目指すもの ( 注 ) 雇用保険事業のように 社会保険の枠組みの中で 保険料を財源として 保険事故 ( 失業 ) に対して保険給付を行うことを本体事業としつつ 附帯事 業として裁量的な事業を実施しているケースもあり そもそも現在の社会保険制度全体が 厳密に リスク に備えるものとして運営されているわけではない 3

問 6. 子育てを社会全体で支え合う必要性はどこにあるのか 子どもを持つか どうか どのような子育てを行うかは 個人の自由と責任にゆだねられるべきであり 国が介入すべきではないのではないか もちろん 子どもを持つかどうかは 究極的には個人の自由 当然 国が強制的に方向性を決めるものではない しかし 少子化は 我が国の最大の課題の 1 つ 子どもが増えれば 人口減少に歯止めがかかり 経済 財政や社会保障の持続可能性も高まる こども保険は 直接的には子育て世代の負担軽減を目指すものだが これにより経済や社会保障の支え手が確保され それらの持続可能性が高まれば 間接的ではあるが 子どもを持たない現役世代や 高齢世代を含め 全ての国民に恩恵がある こうした中 子育ての責任を一部の若者世代に任せるのではなく 今こそ 社会全体で支え合う仕組みを検討すべきではないか 問 7. なぜ事業者にも社会保険料負担を求めるのか 中小企業の保険料負担は限界ではないのか 中小企業の皆様より 社会保険料負担が重いという指摘をいただいていることは十分に承知している これまでも 協会けんぽへの財政支援など 中 小企業の負担軽減に取り組んでいるところ 医療 介護などの給付の効率化も含め こども保険の料率の引上げに伴い 中小企業にとって過度な負担とならないよう 配慮していきたい 4

問 8. 消費税率の引上げ (5% 10%) のうち 0.7 兆円は子育て支援に 回すことにされたはず なぜ国民に更なる負担を求めるのか 消費税 10% への増税は凍結するのか 消費税引上げによる増収は 保育所の整備や保育士の待遇改善など 喫緊の課題である待機児童の解消に向けた方策に使用している 政府 与党としては 平成 31 年 10 月からの消費税引上げに国民の理解が得られるよう 引き続きしっかり取り組んで行く 一方 今回の提案は 少子化対策は待ったなし という観点から さらなる少子化対策として 幼児教育 保育の実質無償化に向けた道筋を検討する もの 問 9. 保育所が足りないことこそ問題 児童手当の上乗せより まず待機児童の解消に全力を上げるべきではないか 児童手当の上乗せは あくまで考えられる使途の 1 つとして例示したもの ご指摘のとおり 保育サービスの拡充に使用することも一案 政府としても 待機児童の速やかな解消に向けて全力を上げており 消費 税引上げにより講じることとしていた方策のうち 一部前倒しで実施している 更に財源が必要となれば こども保険から支出することも考えられる 一方 今回の提案の肝は 待機児童の解消の先にある より幅の広い 踏み込んだ少子化対策であり 中長期的には こども保険により 幼児教育 保育の実質無償化を進めることを視野に入れている ( 注 ) なお 保険 の性質に着目すると 受益と負担の関係が見えやすい個人補助の方が適切であることに留意が必要 5

問 10. こども保険給付金は 高所得者にも支給するのか 所得制限をつけるべ きではないか 今回お示した使途はあくまで例示であり 詳細は 今後検討していく段階 ただし 社会保険の基本的な仕組みとしては 高所得者も含め 負担してい ただいた方には給付することが必要と考えている 子どもがいれば必ず支援されるという分かりやすい制度にすることで 子育て支援に対する国の本気度も伝わりやすくなると考える なお 年金や医療 介護等の他の社会保険でも 高所得者について 給付の制限は行っていないと承知している ( 注 ) 医療や介護では 高所得者に対する給付の制限は行っていないが 相応の自己負担は求められる仕組み 6