<4D F736F F D F8E9197BF F935F90AE979D82BB82CC E9F90A291E38ED4816A E312E646F6378>

Similar documents
資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

スライド 0

別紙 フロン排出抑制法に基づく平成 28 年度のフロン類の再生量等及び破壊量等の集計結果について 環境省 1. 再生量等の集計結果 (1) 再生量フロン排出抑制法に基づき第一種フロン類再生業者から報告のあった平成 28 年度におけるフロン類の再生量の合計は約 1,248 トンであり 平成 27 年度

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

平成○○年○○月○○日

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

事例2_自動車用材料

フロン回収・破壊法の改正内容等について

フロン類製造業者等の フロン類の使用合理化の状況

スライド 1

使用済自動車の再資源化等に関する法律の概要


資料4  道路運送車両法改正後(平成17年1月以降)の処理状況

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

新システム概念図 変更点及び今後の課題 新システムの検討にあたっては 当初 シールを用いた徴収方法を検討していたが 関係者との調整の結果 以下のような変更及び課題が生じている 1 変更点 : 製品価格に内部化する費用の性質発炎筒の流通は 主として 新車搭載用として自動車製造業者等 交換用として自動車

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

〔表紙〕

財団法人自動車リサイクル促進センター再資源化支援部業務規程(案)

p01

目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

001p_......

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

添付参考資料 ( 和訳版 ) 11 th International Automobile Recycling Congress IARC 2011 メキシコにおける使用済み自動車管理 Msc. Sergio Gasca Alvarez メキシコ連邦環境省 (SEMARNAT) 持続型固形廃棄物管理

参考資料3(第1回検討会資料3)

資料 3 参考 2 使用済自動車の再資源化等に関する法律 からの抜粋 解体自動車の全部再資源化の実施の委託に係る認定に関する規定 第三十一条自動車製造業者等は 解体業者又は破砕業者に委託して 解体自動車の全部再資源化 ( 再資源化のうち 解体業者が第十六条第二項の主務省令で定める再資源化に関する基準

1 計画策定の意義 私たちが暮らす現代社会は これまで快適で潤いのある生活環境を築くため 大量生産 大量消費 大量廃棄という使い捨てのライフスタイルを恒常化させてきた それに伴い排出される廃棄物は 多様化 増大化を続けたため 処理場や処分場の確保は次第に困難になり 廃棄物処理を取り巻く環境は厳しくな

CONTENTS

お知らせ

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

第 2 章各論 1. フェーズ 1( 水素利用の飛躍的拡大 ) 1.2. 運輸分野における水素の利活用 FCV は 水素ステーションから車載タンクに充填された水素と 空気中の酸素の電気化学反応によって発生する電気を使ってモーターを駆動させる自動車であり 一般ユーザーが初めて水素を直接取り扱うことにな

産業廃棄物の処理に係る管理体制に関する事項 ( 管理体制図 ) ゼロエミッション推進体制 ( 第 2 面 ) 滋賀水口工場長 定期会議事務局会議 1 回 /W 担当者会議 1 回 /M 推進報告会 1 回 /2M 推進責任者 : 工務安全環境部長 実行責任者 : 安全環境課長 事務局 中間膜製造部機

第一種特定製品の管理者が取り組むべき措置について フロン類の漏えい防止対策が必要です 第一種特定製品とは 1 業務用のエアコンディショナー 1 及び 2 業務用の冷蔵機器及び冷凍機器であ って 冷媒としてフロン類が使用されているもの 管理者とは原則として 当該製品の所有権を有する者 ( 所有者 )

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

<93648CB C982A882AF82E98AC28BAB934B8D878B5A8F70>

Microsoft PowerPoint - 【0918】統合版.pptx

モントリオール議定書キガリ改正の内容 2009 年以降 地球温暖化対策の観点から モントリオール議定書に代替フロンを追加するという議論が行われてきたが 2016 年 10 月にルワンダ キガリで開催された MOP28( 第 28 回締約国会合 ) で 代替フロン (HFC) を新たに議定書の規制対象

第 4 回 動 リサイクルに係る情報発信の在り 等に関する検討会 参考 2-5 別添 2 輸 のリサイクル関連の 情報発信に関する取組み 2016 年 5 31 ( ) 日本自動車輸入組合 (JAIA) Japan Automobile Importers Association Contents

目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

12年~16年

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

岐阜県 ( 県主催説明会等での質問 ) フロン排出抑制法 Q&A No. 大分類小分類質問回答 1 全般法対象機器 第一種特定製品とは具体的にどのような製品か ( 真空脱脂洗浄機は第一種特定製品となるのか 工場で使用するドライヤーは第一種特定製品になるのか等 ) 国 Q&A No.1 業務用のエアコ

配慮事項 1 鉛の使用量 ( バッテリーに使用されているものを除く ) が可能な限り削減されていること 2 資源有効利用促進法の判断の基準を踏まえ 製品の長寿命化及び省資源化又は部品の再使用若しくは材料の再生利用のための設計上の工夫がなされていること 特に 希少金属類の減量化や再生利用のための設計上

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

携帯電話の料金その他の提供条件に関する タスクフォース 取りまとめ 平成 27 年 12 月 16 日

資料2 フロン類等対策の現状と課題及び今後の方向性について(案)

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

資料 3 1 ごみ減量化についての課題分析 1) 原因の抽出 課題 : どうして 家庭ごみの排出量が減らないのか? ごみが 減らな い原因 1 使い捨て製品やすぐにごみになるものが身の回りに多い 2ごみを減らしたり リサイクルについての情報が少ない 3 分別収集しているごみの品目が少なく 資源化が十



福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

第一種特定製品をお持ちの方へフロン排出抑制法に関するお知らせ 秋田県生活環境部環境管理課大気 水質班 第一種特定製品とは 1 業務用のエアコン 1 及び 2 業務用の冷蔵機器及び冷凍機器であって 冷媒としてフ ロン類が使用されているもの 業務用のエアコン パッケージエアコン ビル空調用ターボ冷凍機

本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

建設副産物小分科会 建設副産物小分科会は 工業化住宅の生産 供給 解体に係る廃棄物の排出量削減と適正処理推進のための事業を実施することを目的としています 現在 9 社で構成されています 2000 年 4 月 1 日 : 住宅部会の下部組織として 建設副産物分科会を設置 2004 年 4 月 1 日

npg2018JP_1011

<4D F736F F F696E74202D E291AB8E9197BF A F82CC8A A390698DF42E707074>

新車販売台数のシェア 分析の前提条件 燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは 自動車産業戦略 の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し 技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ 平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の

Microsoft Word - 産業廃棄物処理計画書(平成27年6月提出分)

計画の策定にあたって 本計画は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 6 条第 1 項の規定される網走市における一般廃棄物処理に関する基本計画です 網走市では 平成 4 年に策定した基本計画に基づき ごみの減量化の推進 リサイクルセンターや最終処分場を整備するとともに 平成 16 年度にはごみ処理の

資料3    既存品目の再商品化等について

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

岸和田市分別収集計画

第 2 回保障措置実施に係る連絡会 ( 原子力規制庁 ) 資料 3 廃止措置施設における保障措置 ( 規制庁及び IAEA との協力 ) 平成 31 年 4 月 24 日 日本原子力研究開発機構安全 核セキュリティ統括部 中村仁宣

る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

はじめに.indd

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を


<4D F736F F D E918A6990A793788A CEB0D1CDDFB0BCDE8C668DDA816A E31302E318CF68A4A2E646F63>

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

Microsoft Word - g

(*2) ハイブリッド自動車 ハイブリッドバス トラック ハイブリッド乗用車等車両総重量 3.5t 以下は 車 (*4) かつ燃費基準 +25% 達成車 (*5) 車両総重量 3.5t 超は重量車 車 (*9) かつ重量車燃費基準達成車 (*7) (*3) クリーンディーゼル乗用車平成 21 年排出

【環境省】各行政機関における政策評価の結果及びこれらの政策への反映状況(個表)

目次 第 1 章調査の概要 1. 調査の目的 3 2. 調査の対象 3 3. 調査の方法 3 4. 調査の内容 3 5. 回答者の属性 3 第 2 章調査の結果 1. 結果の概要 6 2. 結果の詳細 6 (1) 自動車ユーザーの自動車リサイクルについての理解状況 6 (2) 自動車購入時における自

スーツケース基準最終案ー基準重要度順化

1. 実施事業ごとにみた検証 検討 再構築にあたっては ごみ処理基本計画 ( 中間見直し ) に記載される実施事業ごとに実効性等を踏まえ (1) スケジュールの修正を要する実施事業 (2) 達成状況により目標値を改める実施事業 (3) 新たに取り組む実施事業 の 3 つに分け検証等を行いました (1

水素供給設備整備事業費補助金平成 28 年度概算要求額 62.0 億円 ( 新規 ) 省エネルギー 新エネルギー部燃料電池推進室 事業の内容 事業イメージ 事業目的 概要 燃料電池自動車 (FCV) は 水素を燃料とする自動車で 内外の自動車メーカーによって 開発競争が進め

平成 31 年度の軽自動車税の税率について 平成 31 年度の軽自動車税は下記のとおりとなりますのでご確認ください 原動機付自転車 小型特殊自動車 二輪の小型自動車 軽二輪 区分 税率 原動機付自転車 小型特殊自動車 50cc 以下 90cc 以下 125cc 以下三輪以上のもの ( ミニカー )

(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

スライド 1

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

再生材料や部品の利用促進を具体的に進めていることから その努力を示すものとして 本規格では マテリアルリサイクル及びリユースのみを対象としている 機器製造業者が直接その努力に関わるという 観点からも 本規格では 再生資源をマテリアルリサイクルのみに限定している Q5) 自らが資源循環利用をコントロー

Taro-フロン排出抑制法施行令

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

答申

<81798A6D92E8817A F925093C682C6834E838D83582E786C7378>

Q2-4: 水銀を回収した後のガラスくず ( 破砕したもの ) や 破損した水銀使用製品 は水銀使用製品産業廃棄物になるのか 水銀使用製品産業廃棄物には卒業基 準はないのか P.3 3. 廃水銀等について P.4 Q3-1: 当社は水質汚濁防止法の特定施設からは外れているが 廃棄物処理法でも今 P.

H28秋_24地方税財源

このような周辺状況の変化に対応し 諸課題の解決を図るべく 基本法及び第三次循環型社会形成推進基本計画に沿って 廃棄物処理法やリサイクルの推進に係る諸法等に基づく制度の適切な実施と相まって 改めて大量生産 大量消費 大量廃棄型の従来の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し 社会における高度な物質循

平成 29 年 4 月 1 日規程第 18-5 号国立研究開発法人国立がん研究センター PPP/PFI 手法導入優先的検討規程 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 国立研究開発法人国立がん研究センター ( 以下 センター という ) の公共施設等の整備等における優先的検討を行うに当たって必要な手続を

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

評価(案)「財務省行政情報化LANシステムの運用管理業務」

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

【set】基本計画(環境部_次世代冷凍空調技術)

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

マートシティ 省エネルギー対策の推進 <ビル 工場等における省エネルギー対策の推進 > 大規模事業所が対象のキャップ & トレード制度 * ( 以下 C&T 制度 という ) について 2020 年度からの第 3 計画期間に向け 専門家による検討会の設置に係る準備等を実施 新規 東京 2020 大会

Microsoft Word - hikitori-kisaire2407.doc

Transcription:

資料 3 自動車における 3R の推進 質の向上に向けた取組について 1. 背景自動車リサイクル制度の導入後 使用済自動車の全体のリサイクル率は大きく向上し 10 0% に近い水準を達成したと評価される一方で 今後は第三次循環基本計画に掲げられているように リサイクルよりも優先順位の高い2R( リデュース リユース ) の取組強化やリサイクルの質の向上を推進していくことが求められている また 次世代自動車の使用済自動車としての排出が拡大する中で レアメタルの回収等のより高度なリサイクルや使用される素材の多様化への対応が求められている 現状の自動車リサイクル制度は市場原理に基づいて使用済自動車のリサイクル 適正処理を持続的に進めることを前提として 解体 破砕工程を経て発生するASRについて ユーザーがリサイクル料金を負担し 自動車製造業者等が再資源化することによって 解体 破砕段階でのリユース リサイクルをビジネスとして行う環境整備を図った経緯がある こうした背景から ビジネスとして使用済自動車のリサイクルを進めていく中で 自動車の3R の推進 質の向上を通じた環境負荷の低減 資源の有効利用と ユーザー負担の軽減が同時に達成されるようなモデルを作りあげることが求められている 2. 論点 (1) 環境配慮設計 再生資源活用推進による解体 破砕段階でのリユース拡大 リサイクルの質の向上解体 破砕段階でのリユース拡大やリサイクルの質の向上を持続的かつ自律的に進めるためには より多くの部品や素材をリユース リサイクルすることが解体 破砕事業の収益性を高め 更に収益性を高めるためにより多くの部品や素材がリユース リサイクルされるような リユース拡大 リサイクルの質の向上と収益性向上の好循環 を生み出す必要がある この好循環を通じて ASR 再資源化に係るユーザー負担の軽減が図られるとともに 自動車の3Rの推進 質の向上が図られると考えられる この好循環を実現するためには 自動車製造業者による環境配慮設計の推進や再生資源活用拡大を促進することが重要であると考えられる 自動車の解体性が向上すること等により 自動車の解体時のコスト低減が図られ 部品リユースや取り外した素材の売却 ( マテリアルリサイクル ) の収益性が向上し より多くの部品や素材をリユース リサイクルするインセンティブとなる また 解体 破砕事業の収益性向上は 使用済自動車の価値の向上につながり 結果的にユーザーにその便益が還元される効果も期待される 1

一方 現状では 自動車製造業者等は 使用済自動車の再資源化等に関する法律 ( 平成 1 4 年法律第 87 号 以下 自動車リサイクル法 という ) 第 3 条の責務規定等に基づき環境配慮設計に努めることとされているが その定量化は困難であるため 十分な評価はなされていない また 自動車製造業者による環境配慮設計が進むためには ユーザーが環境配慮設計の進んだ車を優先して選択することも重要である しかしながら 現状 ASRのリサイクル料金は 車両重量から金属類や事前回収物品等の重量を除いた重量を基に算出されているため 環境配慮設計により部品の取外し性が向上し 容易にリユース リサイクルできるようになったとしても 料金には直接的に反映されないなど 環境配慮設計情報の活用は限定的な状況である 環境配慮設計の更なる推進に向けて 解体業者と自動車製造業者の相互のコミュニケーションにより リユース拡大 リサイクルの質の向上と収益性向上の好循環 を実現する上で必要な環境配慮設計の効率的な導入や情報の提供を進めていくべきではないか また そのフォローアップは継続的に実施されるべきではないか また 環境配慮設計によって取外し性が向上し 容易にリユース リサイクルを行うことができるようになった部品 素材については その分だけリサイクル料金を引下げ 差別化を行う等 環境配慮設計の進捗の評価 活用方法について検討するべきではないか 解体 破砕によって得られる再生資源については 再生資源の需要を喚起し 市場価格を高めていくことが 解体 破砕段階でのマテリアルリサイクルを促進するインセンティブとなり リユース拡大 リサイクルの質の向上と収益性向上の好循環 の実現につながる しかしながら 現時点では再生資源に対する需要はあまり高くない 自動車製造業者にとっては 自動車の燃費性能や安全性能等の理由により天然資源と同様の品質 コスト競争力 安定供給が求められることとなるが これらの条件を満たす再生資源は少なく 再生資源の価格優位性も乏しい一方で 再生資源の利用によるコスト増を価格転嫁することがユーザーに受容される状況ではないため 市場原理においての利活用は限定的な状況である 再生資源の需要拡大を通じて リユース拡大 リサイクルの質の向上と収益性向上の好循環 を実現するためには 再生資源が広域的に効率よく収集 供給される環境を整備することによって再生資源の価格競争力を高めるとともに 自動車製造業者が再生資源の利用を自発的に拡大させていくことが重要ではないか 検討に際しては ユーザーが最終的に製品を選択し 使用済自動車として引渡すことを踏まえ 自動車ユーザーが自動車リサイクルにおける環境配慮設計や再生資源利用の重要性 社会的便益を理解し 行動に移していくことのできる環境整備を関係者が連携して進めていくべきではないか 2

(2)2R( リデュース リユース ) の推進自動車における2Rの推進に当たっては 部品リユースを進めることが重要である 安価なリユース リビルド部品によって整備 修理することができれば 経済的な理由から自動車を廃棄する可能性は低減され 中古車として引き続き使用されることになる 一般に 素材としてリサイクルするよりも 部品としてリユースする方が高く売却できるため 解体業者においてリユースをリサイクルよりも優先するインセンティブが働いており 解体業者により自発的にリユースの取組が行われている また 近年 自動車保険のノンフリート等級別料率制度の改定により 自費修理の増加が見込まれ その際 安価なリユース リビルド部品の活用が期待されている さらに ユーザーに対するリユース リビルド部品の信頼性向上や物流の高度化を図るため 関連事業者団体を中心に自動車補修用リサイクル部品の規格化の取組が行われている 加えて 保険修理でのリユース リビルド部品の利用については 一部の損害保険会社において 解体業者 整備業者と連携して 修理の際にリユース リビルド部品を使用することを保険契約者が事前に確約することにより保険料を割引く リサイクル部品特約 が商品化されている 一方で リユース リビルド部品市場は拡大傾向にはあるものの その伸びは鈍化しているとされ 普及拡大に向けた更なる取組が必要であると考えられる リユース リビルド部品の利用について 更なるユーザー理解の促進に取り組むとともに 自費修理 保険修理におけるユーザーの行動や 解体業者 整備業者 損害保険会社における課題等を整理した上で 積極的にリユース リビルド部品が選択される環境を整備していくべきではないか (3) リサイクルの質の向上 1 自動車リサイクルの全体最適化を通じたリサイクルの質の向上マテリアルリサイクルを実施するに当たっては 回収のタイミング ( 解体段階 破砕段階 ASR 再資源化段階等 ) 収集方法 再資源化方法等によって 得られる再生資源の質やコストが大きく異なる 特に レアメタルやプラスチック ガラス等の現段階ではリサイクルの収益性の乏しい素材について どのようにビジネスとしてマテリアルリサイクルを進めていくが課題である これらについては 解体段階で回収すれば素材として取り出しやすく また破砕するためエネルギー消費の低減 摩耗による設備への負荷回避 破砕 選別されるその他資源の品質向上にも資する可能性があるが 現状では 解体 破砕業者によって技術的かつ経済的に可能な範囲で有用物が回収された後の残さであるASRに含まれ大部分は廃棄物としてリサイクル料金を用いてスラグや燃料として再資源化されている状況である こうした素材のリサイクルを解体 破砕段階で行うことは ASRの発生量を抑制し ユーザー 3

が負担しているASRのリサイクル費用を低減させることにもつながるため 解体業者 破砕業者 自動車製造業者等が連携し 全体最適化を図ることで リサイクル全体の質の向上と社会的コストの低減も可能になると考えられる 現行の制度下においても 精緻な解体や分別の徹底等により リサイクルの質の向上と収益力向上を同時に追求している関係事業者が存在する リサイクルの質の向上に資する解体 破砕方法について ベストプラクティスをまとめ 普及を促進してはどうか リサイクル全体の質の向上と社会的コストの低減を達成するため 解体 破砕段階でのプラスチック ガラス等の回収を連携して実施するなど 解体業者 破砕業者 自動車製造業者等が創意工夫を発揮し全体最適化を段階的に進めていくべきではないか 23Rの推進 質の向上の進捗のモニタリング 評価について自動車リサイクル法においては 自動車製造業者等に対し ASR 等の再資源化目標が設定されており 現状では法律で定められる目標を大幅に上回っている 一方で 解体 破砕段階においては リユース リサイクルが経済的 技術的に可能な範囲で行うこととされていることから 自動車製造業者等の ASR 再資源化の取組は解体 破砕後のAS Rの性状に左右されることになるため 自動車全体の3Rの進捗を評価する観点では ASRの再資源化だけではなく 解体 破砕段階での取組と一体的に評価される必要がある また 最終処分量削減やリサイクル料金低減の観点からも 自動車全体で3Rの進捗を評価することが重要である ASRの再資源化率に加えて 解体 破砕段階を含めた自動車全体の3Rの推進 質の向上の進捗についてモニタリングし 定量的な評価を行う方法について検討を行うべきではないか その際 解体業者 破砕業者 自動車製造業者等が連携して行う 自動車全体の3Rの最適化を図る取組を高く評価するべきではないか 3フロン類の回収 破壊の方向性についてフロン類は オゾン層破壊や地球温暖化を進める環境負荷物質であることから 適正に管理され 破壊されることが求められている 業務用冷凍空調機器を中心としたフロン類対策については 平成 25 年に改正された フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 ( フロン排出抑制法 ) によって 総合的な対策が進められることとなっている フロン排出抑制法では フロン類製造業者等に対し 冷媒転換の促進やフロン類の再生利用による新規製造量の削減を求めるとともに カーエアコンを含む空調機器等の製品製造業者等に対し 目標値及び目標年度を設定し 使用されるフロン 4

類からノンフロン 低 GWPへの転換を求めている 例えば カーエアコンは 2023 年を目標年度として 現状の HFC134a(GWP 値 :1430) を新たな冷媒に転換することにより 150 まで GWP を下げることとされている また フロン排出抑制法では 製品廃棄時のフロン類の回収率が3 割程度で低迷していたことを受けて 抜本的な冷媒転換に向けた対策に加えて 業務用冷凍空調機器の整備時におけるフロン類の充塡及び回収する業者の業規制 回収されたフロン類を再生する業者の業規制 製品使用時の漏えい対策を導入することにより 新規製造の抑制 フロン類の回収率向上等を図っている 自動車についても 新車製造時の冷媒転換の推進 使用中の漏えい対策 使用済自動車からの回収率向上については業務用冷凍空調機器と同様の課題と考えられる 新車製造時の冷媒転換の推進については 上記のとおりフロン排出抑制法の改正により同法に基づく目標の対象となった また 使用中の漏えい対策については 整備時の遵守事項としてフロン排出抑制法第 88 条 ( 改正前の第 40 条 ) に基づく措置が従前より講じられている 一方 フロン類の回収率向上に向けては 自動車リサイクル法において ユーザーが新車購入時にフロン類の回収 破壊に係るコストをリサイクル料金として預託し 自動車の廃棄時にフロン類回収業者が回収する経済的インセンティブを付与して 確実に回収 破壊が進められている状況である 自動車から回収されたフロン類の再生については 自動車リサイクル法上 フロン類回収業者が自ら再利用することは認められているが 自動車製造業者等に対しては引き取ったフロン類を全量破壊することが義務付けられている 新たに再生を処理方法として位置付ける場合 業務用冷凍空調機器のフロン類の再生需要にどのような影響を及ぼすか考慮する必要がある フロン類は環境負荷物質であり 適切に管理 処理することが優先されることから 自動車リサイクル制度においても 冷媒転換 省冷媒化 漏えい量減少など抜本的な解決に向けた対策を優先的に進めていくべきではないか 対策の検討の際には リサイクル料金を活用した回収状況 環境配慮設計等による漏えい防止対策 冷媒転換状況について評価し 課題を踏まえて どのように推進することができるか検討すべきではないか (4) 次世代車 / 素材の多様化への対応 1 次世代自動車のリユース リサイクルに関する課題の整理ハイブリッド自動車や電気自動車 燃料電池自動車等の次世代自動車は普及が拡大しており 2013 年度末時点での保有台数は約 300 万台となっている 次世代自動車の普及に関する政府目標では 2030 年度までに新車販売に占める次世代自動車の割合を 5 割から 7 割とすることを目指しており 各国の燃費規制の強化や充電インフラの整備等を伴いながら 一層の普 5

及が図られることが想定される 現時点では 使用済自動車としての排出は 1 万台に満たないが 今後新車販売台数の拡大とともに使用済自動車の排出も増加する 次世代自動車では 大容量 高電圧のバッテリーや駆動用モーター 燃料電池自動車では燃料電池スタックや水素タンクなど これまでの内燃機関を用いた自動車では使われていなかった部品が搭載されている これらの部品のリユース リサイクルに当たっては レアメタルが含有されているため高度なリサイクルが求められることや リユース リサイクルに当たって取扱いに注意を要すること等を考慮する必要がある こうしたことから 今後 使用済自動車としての排出が増加することを踏まえ 次世代自動車をリユース リサイクルしていく上でどのような課題が発生しうるか整理する必要がある 特にリチウムイオン電池については コバルト等のレアメタルの使用量削減が進む中でのリサイクルのあり方や 高電圧や発火の危険性があるため取扱いに注意が必要であること 電池の寿命を正確に把握できないことなどがリユース リサイクルを行う上での課題として指摘されている 現在 自動車製造業者等において回収スキームが整備されていることも踏まえながら 安全性を担保した上で 円滑にリユース リサイクルが行われるよう環境を整備していくべきではないか また 駆動用モーターや燃料電池スタックなどに用いられるレアメタルについては 国内でのリサイクルの競争力強化等を通じて 戦略的に資源循環を促進するべきではないか 2 素材の多様化への対応近年 車体重量の軽量化のために 従来用いられてきた鉄ではなく アルミや樹脂をボディに使用した自動車が増加している アルミについては 鉄よりも素材としての経済的価値が高く選別技術も確立されているが 樹脂が主体のボディについては 従来の破砕業では想定していなかったこともあり 自動車リサイクル制度において円滑な処理が行われるかどうか検証が必要である また 自動車製造業者等の責務として リユース リサイクルしやすい製品を製造することが求められていることも踏まえた対応をする必要がある 特にCFRP( 炭素繊維強化プラスチック ) については その処理 リサイクル手法は官民で研究開発が行われている途上である 現時点では CFRP 製のボディは スクラップとしての経済的価値が小さいことや従来の自動車と同様の処理が難しい等の理由で 解体 破砕が円滑に行われない可能性があることから 自動車製造業者等の責任の下でリサイクルを行う等 セーフティネットを整備するべきではないか 6