PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
「○○○(団体名を記入)の低炭素社会実行計画」

4. 革新的技術の開発 ( 中長期の取組み ) 現在開発中の COURSE50 フェロコークスについて 2030 年までの実用化を目指す 5. その他の取組 特記事項 - 2 -

鉄鋼協会・材料系主要大学講義資料(22年度)rev.ppt


2. 低炭素製品 サービス等による他部門での削減 3. 海外での削減貢献 4. 革新的技術の開発 導入 概要 削減貢献量 : 高機能鋼材について定量的に把握している 5 品種 (2016 年度生産量 736 万 t 粗鋼生産比 6.9%) に限定した国内外での使用段階での CO2 削減効果は 201

低炭素社会実行計画

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

PowerPoint プレゼンテーション

参考資料2 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 2016年

石灰製造工業会の低炭素社会実行計画フェーズ Ⅱ 計画の内容 目標 行動計画 2020 比で 12 万 t-co 2 削減を目指す (2020 基準 ) ただし 前提条件 ( 生産量及び燃料事情等 ) が変化した場合は目標値の見直を行う 対象とする事業領域 : 生石灰 消石灰 軽焼ドロマイト 及び水酸

石灰製造工業会の 低炭素社会実行計画 (2030 年目標 ) 計画の内容 1. 国内の企業活動における 2030 年の削減目標 目標 設定 根拠 2020 年度比で 12 万 t-co 2 削減を目指す (2020 年度基準 ) ただし 前提条件 ( 生産量及び燃料事情等 ) が変化した場合は目標値

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

事例2_自動車用材料

電機・電子業界「低炭素社会実行計画」の推進について

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

スライド 1

プラ協マテリアル2017.indd

エネルギー効率

参考資料3(第1回検討会資料3)

npg2018JP_1011

スライド 1

23 年のエネルギーミックス 一次エネルギー供給構成 発電構成 6 原油換算百万 kl 億 kwh % 24% 再生可能 ( 含水力 ) 原子力 % 1% ,666 9,88 1,65 17% 程度の省エネ 再生可能 22~24

2 目次 1. 目的 政策的位置づけ 2. 目標 3. 成果 目標の達成度 4. 事業化 波及効果 5. 研究開発マネジメント 体制等 6. 評価 7. 提言及び提言に対する対処方針

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

公開用_ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の定義と評価方法(150629)

PowerPoint プレゼンテーション

バイオ燃料

<4D F736F F D208D8291AC93B BF8BE08E7B8DF482CC89658BBF92B28DB E92B A2E646F63>

Microsoft Word - (基本計画)民間主導による低炭素技術普及促進事業(set)

< F2D916688C481698A A E6A>

UIプロジェクトX

すべての事業者 ( 企業 ) の責務 省エネ法第 3 条告示第 57 号エネルギーの使用の合理化に関する基本方針 1 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者が講ずべき措置 (1) 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者は 次の各項目の実施を通じ エネルギー消費原単位の改善を図るものと

各企業の目標水準及び実績値 独自に目標を設定している企業について 目標及び実績値を記載 企業名目標指標基準年度目標水準 別紙 2 アルミニウム圧延業 基準年度比削減率 2013 年度

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - Panelist2_Haya_presentation_jp

お知らせ

Microsoft Word 磁気ディスク装置_Version 1.1(p)

<4D F736F F D E9197BF312D33817A91E63289F CC A F8B638E E7C E646F6378>

総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第 18 回会合資料 2-5 火力発電の高効率化 資源エネルギー庁 平成 27 年 11 月

<4D F736F F F696E74202D C55F8FC C91E58FDC8EF68FDC8EAE C835B EC976C88C EC89C1954D2E >

<372E926E8B8589B BB91CE8DF42E786C73>

Microsoft Word - 公募要領_別添1_別添2.docx

<4D F736F F F696E74202D CA94838EE690A C982C282A282C481698BE091AE944D8F88979D816A2E707074>

Microsoft PowerPoint - NIES

CONTENTS

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

PowerPoint プレゼンテーション

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

7. 鉄 (Fe) 7.1 マテリアルフロー分析 鉄鋼製品は 鉄鉱石を主原料として高炉と転炉を用いる転炉法と 原料として主に鉄スクラップを用いて電気炉で製鋼する電気炉法の 2 種の製鋼法で製造される 国内粗鋼生産量は 1995 年には 1 億 164t であったが 1998 年には 9,355 万

対策事業推進上のポイント 1. 事業の導入フロー 再生可能エネルギー事業 省エネルギー事業 2. 事業の概要及び判断基準 ( テーマ別 ) 3. 事業導入時における実作業 (Gr 討議 ) 4. 回答例 ( 別資料 ) 5. 参加者からの意見等 2

Q1 1

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) ( フリガナ ) エンジニアウッドミヤザキジギョウ実施者名キョウドウクミアイエンジニアウッド宮崎事業協同組合住所 宮崎県都城市吉尾町 プロジェクト代

資料3 船舶ワーキンググループにおける検討方針等について

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について

(3) 目標フェーズ Ⅰ ステップ 2 においては CO 2 発生量を大幅に削減する 環境に調和した製鉄プロセスの開発として 製鉄所における現状の全排出レベルに比較して総合的に約 30% の CO 2 削減可能な技術の確立を目指し 各要素技術を統合したパイロットレベルの総合実証試験を行うとともに 実

<4D F736F F D208EC090D195F18D908F B4C93FC977697CC816A32392E30322E31352E646F63>

第 2 章各論 1. フェーズ 1( 水素利用の飛躍的拡大 ) 1.2. 運輸分野における水素の利活用 FCV は 水素ステーションから車載タンクに充填された水素と 空気中の酸素の電気化学反応によって発生する電気を使ってモーターを駆動させる自動車であり 一般ユーザーが初めて水素を直接取り扱うことにな

今までの省エネ GHG 削減努力 ーエネルギー効率の国際比較ー 化学 石油化学産業全体 また製品別にみるとエチレン製造装置 か性ソーダのエネルギー効率において 世界最高レベルを達成している 2

暮らしの中の石炭

福岡大学人文論叢47-3

4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) < 下記要件のいずれかを満たすもの > 年間稼働率 80% 以上と見込まれるもの kw あたりの資本費一定以下 2,000kW 未満 62 万円 /kw 以下 2,000kW 以上 2

平成 29 年 3 月 14 日ビール酒造組合 概要 ビール業界における CO2 排出量削減の取組みについて 1. ビール業界は経団連の環境自主行動計画に参画し 環境関連への設備投資を前倒しで実施する等 地球温暖化対策に向けた省エネルギー 及び CO2 排出量削減の施策 活動に積極的に取組んできた

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

取組概要 ( 申請書からの転記 ) 全 般 排 出 量 の 認 識 取組名称 認証取得者名取組の概要 適用したカーボン オフセット第三者認証基準のバージョン認証の有効期間オフセット主体認証ラベルの使途 認証対象活動 認証番号 :CO 有効期間満了報告書受領済み 持続可能な島嶼社会の発展に

200kW 未満 272 万円 /kw 以下 200kW 以上 1,000kW 未満 109 万円 /kw 以下 1,000kW 以上 3 万 kw 未満 39 万円 /kw 以下 4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) <

2. 低 炭 素 製 品 サービス 等 による 他 部 門 で の 削 減 3. 海 外 での 削 減 貢 献 2020 年 の 削 減 貢 献 量 : 高 機 能 鋼 材 について 定 量 的 に 把 握 している 5 品 種 (2014 年 度 生 産 量 730 万 t 粗 鋼 生 産 比 6

ecopro_maetuke_sample_j.indd

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc

はじめに 本書は NEDO 技術委員 技術委員会等規程第 32 条に基づき研究評価委員会において設置された 環境調和型製鉄プロセス技術の開発 / 水素還元活用製鉄プロセス技術開発 (STEP2) ( 前倒し事後評価 ) の研究評価委員会分科会 ( 平成 29 年 9 月 13 日 ) 及び現地調査会

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

RIETI Highlight Vol.66

揮発油税等の当分の間税率とその環境効果 揮発油税の概要 揮発油税及び地方揮発油税の税率は 昭和 49 年度税制改正において税率引上げが行われた際に 暫定的な措置として 租税特別措置法により税率の特例措置が講じられて以来 平成 20 年度改正において平成 30 年 3 月末までの 10 年間の措置とし


(2) ベースラインエネルギー使用量 それぞれの排出起源のベースラインエネルギー使用量の算定方法は以下のとおり 1) 発電電力起源 EL BL = EL ( 式 1) 記号定義単位 ELBL ベースライン電力使用量 kwh/ 年 EL 事業実施後のコージェネレーションによる発電量 kwh/ 年 2)

7 鉄 (Fe) -71-

<4D F736F F D2089C692EB BF B C838C815B CC AF834B E2895BD90AC E368C8E29>

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

( 出所 ) 中国自動車工業協会公表資料等より作成現在 中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である 15 年に販売された電気自動車のうち 約 6 割が乗用車で 約 4 割弱がバスであった 乗用車の中で 整備重量が1,kg 以下の小型車が9 割近くを占めた 14 年 8

二酸化炭素の分離回収・地中隔離技術の実用化・普及について

<8E9197BF31305F B E8D8096DA2E786C7378>

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

参考資料 5 ( 平成 26 年 10 月 24 日合同専門家会合第 1 回資料 4-1 より抜粋 データを最新のものに更新 ) 温室効果ガス排出量の現状等について 平成 27 年 1 月 23 日

<4D F736F F D DC58F4994C5816A8C9A8DDE E9197BF88EA8EAE2E646F6378>

水素の 利用 輸送 貯蔵 製造2030 年頃 2040 年頃庭用海外 水素 燃料電池戦略ロードマップ概要 (2) ~ 全分野一覧 ~ 海外の未利用エネルキ ー ( 副生水素 原油随伴カ ス 褐炭等 ) 水素の製造 輸送 貯蔵の本格化現状ナフサや天然カ ス等フェーズ3: トータルでのCO2フリー水素供

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

別紙2

Transcription:

日本鉄鋼業の地球温暖化問題への取組低炭素社会実行計画フェーズ Ⅱ について 平成 26 年 11 月 12 日 一般社団法人日本鉄鋼連盟

日本鉄鋼業の地球温暖化問題への取組の考え方 日本鉄鋼業は 低炭素社会実行計画フェーズ Ⅰ 策定時に示した基本方針に基づき 世界最高水準のエネルギー効率の更なる向上を図るとともに 日本を製造 開発拠点としつつ 製造業との間の密接な産業連携を強化しながら エコプロセス エコプロダクト エコソリューションと革新的技術開発の四本柱により 日本経済の成長や雇用創出に貢献するとともに 地球温暖化対策に積極的に取り組む

低炭素社会実行計画フェーズ Ⅱ の推進 2030 年 2020 年 エコプロセス それぞれの生産量において想定される CO 2 排出量 (BAU 排出量 ) から最先端技術の最大限の導入により 2030 年に 900 万トン -CO 2 の削減を目指すエコソリューション エコプロセスで培った世界最高水準の省エネ技術を途上国を中心に移転 普及し 地球規模での削減に貢献 (2013 年度約 5,000 万トン -CO 2 の削減貢献 2030 年に推定約 8,000 万トン -CO 2 の削減貢献 ) エコプロダクト 低炭素社会の構築に不可欠な高機能鋼材の供給を通じて 最終製品として使用される段階において排出削減に貢献 (2013 年度約 2,600 万トン -CO 2 の削減貢献 2030 年に推定約 4,200 万トン -CO 2 の削減貢献 ) 革新的製鉄プロセスの開発 (COURSE50) 水素による鉄鉱石の還元と高炉ガスからの CO 2 分離回収により 生産工程における CO 2 排出量を約 30% 削減 2030 年頃までに 1 号機の実機化 高炉関連設備の更新タイミングを踏まえ 2050 年頃までに普及を目指す 革新的製銑プロセスの開発 ( フェロコークス ) 高炉内還元反応の高速化 低温化機能を発揮するフェロコークス及びその操業プロセスを開発し 製銑プロセスの省エネルギーと低品位原料利用拡大の両立を目指す革新的技術開発を行う 3

エコプロセス 2030 年の鉄鋼生産プロセスにおける削減目標として それぞれの生産量 1 において想定される CO 2 排出量 (BAU 排出量 ) から最先端技術の最大限の導入により 900 万トン -CO 2 削減 ( 電力係数の改善分は除く ) を目指す 2.2 2.1 BAU 排出量 BAU 比削減目標のイメージ 目達後排出量 対策メニュー フェーズ Ⅱ 2030 年 フェーズ Ⅰ 2020 年 1 コークス炉効率改善 130 万 t-co2 程度 90 万 t-co2 程度 CO2 排出量 ( 億トン ) 2.0 1.9 1.8 1.7 1.6 0.90 0.95 1.00 1.05 1.10 1.15 1.20 1.25 1.30 1.35 参加会社粗鋼生産量 ( 億トン ) 2 発電設備の効率改善 160 万 t-co2 程度 110 万 t-co2 程度 3 省エネ強化 150 万 t-co2 程度 100 万 t-co2 程度 4 廃プラ 2 200 万 t-co2 200 万 t-co2 5 革新的技術の開発 導入 3 260 万 t-co2 程度 - 合計 計 900 万 t-co2 計 500 万 t-co2 上記削減量には電力排出係数の変動分は含まない 2030 年度想定 1 : 本目標が想定する生産量は 全国粗鋼生産の水準 1.2 億トンを基準ケースとし 生産増減 ±1,000 万トンの範囲とする 生産量が大幅に変動した場合は 想定の範囲外である可能性があり その場合には BAU や削減量の妥当性については 実態を踏まえて見直しを行う 2: 廃プラ等の利用拡大に関して a. 政府による容器包装プラスチックリサイクル制度の見直し等に関する検討結果を見極めることとし 2030 年度において 2005 年度実績対比に見合う鉄鋼業界の処理可能量増加が見込めない場合には見直し ( 目標引下げ ) を検討 b. 併せて 2020 年度目標に織り込んだ削減目標に関しても 政府による同制度に関する検討結果を見極めることとし 2020 年度に上記目標に見合う処理可能量増加が見込めない場合は見直し ( 目標引下げ ) を検討 3: 革新的技術の開発 導入に際しては a.2030 年断面において技術が確立すること b. 導入に際して経済合理性が確保されること を前提条件とする 加えて COURSE50 については 国際的なイコールフッティングが確保されること 国主導により CCS を行う際の貯留地の選定 確保等を含めた社会的インフラが整備されていることも前提条件とする これらの前提が成立しない場合には 目標内容の見直しを行う 4

エコプロセスにおける目標レベルの国際的な位置づけについて IEA による主要製鉄国の省エネポテンシャルの比較において 鉄鋼生産トン当たりの省エネポテンシャルは 日本が最小 ( 右目盛 : 約 1GJ/t steel) と分析 日本鉄鋼業の 2011 年度のエネルギー原単位に対して IEA が示した日本の鉄鋼生産トン当たり省エネポテンシャル ( 右目盛 : 約 1GJ/t steel) は約 5% に相当 日本鉄鋼業の 2011 年度のエネルギー消費量に対して IEA が示した日本の省エネ量は ( 左目盛 : 約 0.1EJ( エクサシ ュール )) は約 5% に相当 他方 低炭素社会実行計画フェーズ Ⅱ の目標について 粗鋼生産が基準ケースだった時に 900 万トン -CO 2 削減を実施した場合 削減率は約 5% である これは 我々の目標が最大限の取組みであること また世界最高水準のエネルギー効率を更に向上させるチャレンジングなものであることを示唆するものである 鉄鋼業の省エネポテンシャル国際比較 (2011 年時点 ) 左目盛 : 棒グラフ 省エネ量 右目盛 : ドット鉄鋼生産トン当たり省エネポテンシャル 日本の省エネポテンシャルは 1GJ/t steel( 右目盛り ) と世界最小 日本 0.1EJ 日本 1 GJ/t steel 出所 :IEA Energy Technology Perspective 2014 5

エコソリューション 日本鉄鋼業の優れた省エネ技術 設備の世界の鉄鋼業への移転 普及により 地球規模で CO 2 削減に貢献する 世界の粗鋼生産の 5 割弱を占める中国や 更なる生産拡大が見込まれるインド等において 主要省エネ設備の普及の余地は十分ある 日本で普及している先進省エネ技術を国際的に移転 普及した場合の CO 2 削減ポテンシャルは 全世界で 4 億トン -CO 2 超に達する こうした中 2030 年断面における日本の貢献は約 8,000 万トン -CO 2 と推定される (2013 年度約 5,000 万トン -CO 2 の削減貢献 ) 高炉メーカーにおける主要省エネ設備の普及率 2020 年における日本の貢献約 7,000 万トン -CO 2 ( 注 ) 連続鋳造は 3 か国とも高炉 電炉メーカー等を含む ( 連続鋳造生産の合計 粗鋼生産の合計 2013 年時点 ) その他の設備については 日本は 2013 年度時点 中国のコークス炉カ ス回収と転炉カ ス回収は 2012 年時点 CDQ と TRT は 2010 年時点 インドは 2000 年時点 ( 出所 ) 日本 : 日本鉄鋼連盟中国 : コークス炉カ ス / 転炉カ ス回収 中国鋼鉄工業協会 (CISA) CDQ 冶金報 (2012/11/27) TRT 王維興 ( 中国金属学会 ) 2010 年重点鉄鋼企業能耗述評 世界金属導報 (2011/3/8) イント :Diffusion of energy efficient technologies and CO2 emission reductions in iron and steel sector(oda etal. Energy Economics, Vol.29,No.4, pp.868-888,2007) より 鉄連編集 2030 年における日本の貢献約 8,000 万トン -CO 2 本試算は 現時点で移転 普及が可能な省エネ設備による削減ポテンシャルであり 今後 新たな技術が試算対象となった場合は 削減ポテンシャルが拡大する 6

エコプロダクト 製造業との連携のもと開発した低炭素社会の構築に不可欠な高機能鋼材の国内外への供給を通じて 最終製品として使用される段階において CO 2 削減に大きく貢献している 最終製品に供給された高機能鋼材のうち 定量的に把握している代表的な 5 品種に限定した国内外における使用段階での CO 2 削減効果は 2030 年度断面において合計約 4,200 万トン -CO 2 と推定される (2013 年度約 2,600 万トン -CO2 の削減貢献 ) 1. 国内 変圧器 代表的な 5 品種による CO 2 削減効果 (2030 年度推計 ) 船舶 2. 輸出変圧器 船舶 CO2 削減量 1,129 万トン -CO2 CO2 削減量 3,060 万トン -CO2 電車 自動車 発電用ボイラー CO2 削減効果 : 合計約 4,200 万トン -CO 2 自動車 発電用ボイラー 出所 : 日本エネルギー経済研究所 自動車用鋼板 方向性電磁鋼板 船舶用厚板 ホ イラー用鋼管 ステンレス鋼板の 5 品種 7

革新的製鉄プロセス技術開発 (COURSE50) の推進 コークス製造時に発生する高温のコークス炉ガス (COG) に含まれる水素を増幅し コークスの一部代替に当該水素を用いて鉄鉱石を還元する技術 ( 高炉からの CO 2 排出削減技術 ) を開発する また 高炉ガス (BFG) から CO 2 を分離するため 製鉄所内の未利用排熱を活用した革新的な CO 2 分離回収技術 ( 高炉からの CO 2 分離回収技術 ) を開発する これらの技術開発により CO 2 排出量の約 3 割削減を目標に 低炭素製鉄を目指す 水素還元用コークス製造技術 水素還元用水素製造 (COG 改質 ) 技術 高炉水素還元技術 CO2 分離回収技術 未利用廃熱有効利用技術 開発スケジュール 2010 2020 2030 2040 2050 年 要素技術開発総合技術開発 フェース 1 Step1 (2008~12) フェース 1 Step2 (2013~17) 実用化開発 フェース 2 実用化 普及高炉関連設備の更新タイミンク を踏まえ 2050 年頃までに普及を目指す CO 2 貯留に関するインフラ整備と実機化に経済合理性が確保されることが前提 8

革新的製銑プロセス技術開発 ( フェロコークス ) の推進 鉄鋼業では 低品位製鉄原料の利用拡大による資源対応力強化及び省エネルギー化の促進が喫緊の課題 このため 高炉炉内還元反応の高速化 低温化機能を発揮するフェロコークス及びその操業プロセスを開発し 製銑プロセスの省エネルギーと低品位原料利用拡大の両立を目指す革新的技術開発を行う 事業概要 1. 事業費総額 : 約 47 億円 2. 開発期間 :2009~2012 年度 3. 実用化開始 :2020 年代初頭 9

本目標に関する留意事項 現時点で 政府よりエネルギーミックスを含む 2030 年時点の我が国の姿が示されていないこと また 目標年次までの期間が長期に亘り その間の経済情勢 社会構造の変化が見通せないことから 今後 少なくとも以下のタイミングで目標内容を見直し その妥当性を確保することとする 1 エネルギーや経済に関する計画や指標に連動した見直し 2 当連盟の計画の前提条件 ( 以下 A,B) と連動した見直し A: 政府等による集荷システムの確立が前提であり この前提が成立しない場合には 目標内容の見直しを行う B: 革新的技術の導入に際しては a2030 年断面において技術が確立すること b 導入に際して経済合理性が確保されること c 国際的なイコールフッティングが確保されることを前提条件とする 加えて COURSE50 については 国主導により CCS を行う際の貯留地の選定 確保等を含めた社会的インフラが整備されていることも前提条件とする これらの前提が成立しない場合には 目標内容の見直しを行う 3 定期見直し (2016 年度 2021 年度 2026 年度 ) 10