n_201202

Similar documents
金融監督等にあたっての留意事項について*事務ガイドライン*第三分冊:金融会社関係

平成 25 年 1 月 25 日 年金資産運用に係る 運用の基本方針 愛媛県機械金属工業厚生年金基金 ( 以下 当基金 という ) の年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 の運用にあたり基本方針を以下のとおり定める 当基金から年金資産の運用 管理を委託された運用受託機関は この年金資産運用の基本方針

写 年発第 0926 第 4 号 平成 24 年 9 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局長殿 厚生労働省年金局長 ( 公印省略 ) 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて の 一部改正について 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインにつ い

基金通信

PowerPoint プレゼンテーション

平成18年9月1日

1 乖離幅が許容範囲を超えた場合 乖離状況が是正されるよう資産の移受管によりリバランスを行う 2 上記 1にかかわらず 積立水準の変化 マーケットの変動 マーケットインパクト 取引コスト等 総合的に判断したうえで 乖離状況が是正されるようリバランスを行うことができる 3 上記 1 2に基づくリバラン

平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

企業年金ノート

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

資産運用ガイドラインの位置づけとこれまでの経緯 資産運用ガイドラインは 現行法のもとで資産運用関係者に課されている善管注意義務 忠実義務について 業務を行う場面を想定して具体的な行動指針を記述したものである 資産運用ガイドラインは法令そのものではなく 資産運用関係者が職務を全うするために留意すべき事

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

< F2D8AEE967B934982C895FB906A5F8CFA90B6944E8BE >

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

厚生年金基金等の資産運用 財政運営に関する有識者会議報告 平成 24 年 7 月 6 日 Ⅰ. はじめに 本有識者会議は いわゆる AIJ 問題を契機として顕在化した厚生年金基金等 の企業年金をめぐる課題について 資産運用と財政運営の両面からこれまでの施策を検証し 今後の見直しの方向性について検討す

1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

企業年金におけるスチュワードシップ・コード の受入れ促進に向けて

<4D F736F F D A944E8BE08E918E59895E977082CC8AEE967B95FB906A F E82518C8E825893FA89FC92E82E646F63>

将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

年金資産運用の基本方針 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 ( 以下 基金 という ) は 年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 という ) の運用にあたり厚生年金保険法第 136 条の4に基づき 以下の基本方針を定め 当基本方針に基づき年金資産の管理運用を行うものとする

金融監督等にあたっての留意事項について*事務ガイドライン*第三分冊:金融会社関係

厚生年金基金に関する要望.PDF

22222

運用基本方針

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

柔軟で弾力的な給付設計について

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

退職等年金給付積立金等の管理運用の方針

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

平成22 年 11月 15日

14個人情報の取扱いに関する規程

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

年金資産の運用に関する基本方針 東京金属事業企業年金基金 ( 以下 当基金 という ) の年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 という ) の運用にあたり以下の基本方針を定める 年金資産の管理又は運用を委託された運用受託機関は 本基本方針並びに運用ガイドライン ( 運用指針 ) に基づき その役割及

PowerPoint プレゼンテーション


預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

さくらグループ厚生年金基金制度の今後について 安定した年金給付を継続していくため 厚生年金基金制度の見直しを進めています はじめに はじめに さくらグループ厚生年金基金は 平成 9 年 4 月に設立され これまで退職された多くの加入員の皆様に一時金給付や年金給付を行ってきました また 基金制度は当社

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

現況報告書チェック表

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

マツダ株式会社

基本方針に関する取組状況

事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

特定個人情報の取扱いの対応について

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

(3) リスク分散を図りポートフォリオの効率を高めるために 株式 債券 ( 短期資金 ) といった伝統的な資産以外に プライベート エクイティ 不動産 ヘッジファンド インフラストラクチャーなどのいわゆる非伝統的な資産も投資対象とする ( オルタナティブ投資 ) オルタナティブ投資に当たっては レバ

年金資産運用委員会は 理事 代議員 事業主の財務または労務に関する業務を担当する役員等の中から理事長が選任する者 専門的知識および経験を有する者であって理事長が選任する者で構成されなければならない また 年金資産運用委員会の議事を記録にとどめて保存し 当該議事の概要について直近の代議員会へ報告および

個人データの安全管理に係る基本方針

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

「定款」等の一部改正について

Microsoft Word - レジュメ(送付用).doc

DB申請用紙_ xlsx

個人情報保護宣言

年金制度のポイント

(4) リスク管理の徹底運用受託者は 運用ガイドライン及び組合との間で合意した目標リスク ( トラッキング エラー等 ) を遵守し リスク管理を徹底しなければならない (5) その他その他 組合から運用上の指示がある場合には 運用受託者はこれに従うものとする 3 個別の資産区分に関する運用上の遵守事

特定個人情報の取扱いの対応について

わが国の投資顧問業務について

260401【厚生局宛て】施行通知

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

3. 募集期間 平成 26 年 8 8 日 ( 金 )~9 12 日 ( 金 )( 当日消印有効 ) 4. 募集方法 本用紙の応募書式に必要事項をご記入 ご捺印の上 下記まで送付ください 応募用紙送付先 お問い合わせ先株式会社 NTTデータ 東京都江東区 豊洲センタービ

Ⅲ 第 43 期監査報告書等 監査報告書 私たち監事は 平成 27 年 9 月 1 日から平成 28 年 8 月 31 日までの第 43 期事業年度にお ける理事の職務の執行を監査いたしました その方法及び結果につき以下のとおり報告い たします 1. 監査の方法及びその内容私たち監事は 理事及び使用

会員限り

個人情報保護規定


第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

平成22年2月●日

年 12 月 厚生年金基金制度を解散して後継制度に資産を持込む場合の手続き 本資料は 平成 26 年 12 月 11 日に発出された事務連絡 解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付又は移換する際の取扱いについて 及び関連する法令等に基づきその要点を纏めたものです 作成時点にお

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

2 厚年基金付加支給利率を定める告示 解散する厚生年金基金から中退共へ資産を移換した場合 掛金納付月数へ通算するとともに 掛金納付月数へ通算されなかった残余の額については 予定運用利回り ( 年 1%) に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率を乗じて得た額をとして支給することとしており 本告示で当該

する なお 年間資金運用計画には 次の事項を記載する (1) 資金収支見込みア収入予定額 ( ア ) 負担金 ( イ ) 掛金 ( ウ ) 利息 利金 ( エ ) その他の収入イ支出予定額 ( ア ) 退職給付金 ( イ ) 繰入金外 ( ウ ) その他の支出ウ短期運用額エ投資運用額 (2) 資金運

公的年金制度について 制度の持続可能性を高め 将来の世代の給付水準の確保等を図るため 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく社会経済情勢の変化に対応した保障機能の強化 より安全で効率的な年金積立金の管理及び運用のための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の

<4D F736F F D20335F395F31392E31312E323895BD8BCF925089BF82C982E682E98EE688F88EC08E7B82CC82BD82DF82CC8BC696B191CC90A CC90AE94F

社長必見≪ここがポイント≫マイナンバーガイドライン(事業者編)

企業年金体系の変貌と法制上の課題

Microsoft Word - 法令解釈通知(新旧)

年金通信25-03(厚生年金基金制度見直し)

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

2014(平成26)年度決算 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

版 知る前契約 計画 に関する FAQ 集 2015 年 9 月 16 日 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令が改正され いわゆる 知る前契約 計画 に係るインサイダー取引規制の適用除外の範囲が拡大されています 日本取引所自主規制法人に寄せられる 知る前契約 計画 に関する主な

安全管理規程

運用商品一覧 作成日 :2019 年 10 月 8 日 規約名 フジ アスティ企業型確定拠出年金 運営管理機関名 第一生命保険株式会社 < 商品ラインアップの選定 > 選定理由 複数の資産に分散投資を行うバランス型投資信託と 基本 4 資産 ( 国内外の株式 債券 ) を投資対象とする単一資産型投資

<303682BB82CC91BC964089FC90B EA94CA8BA492CA E786C73>

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 23 国民年金関係事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 甲府市は 国民年金関係事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしかね

Transcription:

平成 24 年 7 月 18 日 No.2012-02 明治安田生命保険相互会社総合法人業務部団体年金コンサルティング室 TEL:03 3283 9094 今号のコンテンツ NO 内容関連制度 1 運用関連 厚生年金基金 の資産運用に関する規制改正等について厚年基金 DB DC ポイント 1. 厚生年金基金規則及びガイドライン等の一部改正案が公表され 意見募集を開始 厚生労働省では AIJに絡む年金資産消失を契機に発足した有識者会議 ( 全 8 回 ) での議論を踏まえて 厚生年金基金の資産運用規制の一部改正を検討していましたが 平成 24 年 7 月 13 日に厚生年金基金規則及びガイドライン等の一部改正案が公表され 意見募集 ( パブリックコメント ) を開始しました 2. 改正の主な概要 公布の日から施行 オルタナティブ投資を行う場合 投資の目的 基本ポートフォリオにおける投資の位置づけ 固有のリスクなどを 運用の基本方針 に規定することを義務化 また 運用受託機関の選任 商品の選定に関する留意事項をガイドラインに明記 基金の役職員の職務に係る倫理に関する規程の制定を義務化 平成 25 年 4 月 1 日から施行 基本ポートフォリオの策定を義務化 運用の基本方針 に集中投資に関する方針を定め 厚労大臣への届出を義務化 資産運用委員会の構成員に 金融または経済に関する学識経験者や実務経験者を加えることを義務化 1

1 運用関連 厚生年金基金 の資産運用に関する規制改正等について厚年基金 DB DC 厚生労働省では 厚生年金基金等に関する資産運用 財政運営に関する有識者会議 ( 以下 有識者会議 といいます ) での議論を踏まえ 厚生年金基金の資産運用規制の一部改正を検討していましたが 平成 24 年 7 月 13 日に 厚生年金基金規則及び 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて ( 通知 ) 等の一部改正について に関する意見募集 ( パブリックコメント ) が開始されました 以下に主な概要をご案内いたします 意見募集期間平成 24 年 7 月 13 日 ( 金 ) から平成 24 年 8 月 20 日 ( 月 ) まで ( 意見募集の詳細な内容につきましては 次をご参照ください ) (http://search.e-gov.go.jp/servlet/public?classname=pcmmstdetail&id=495120156&mode=0) 1. 改正の趣旨厚生年金基金の資産運用については 各基金が自己責任の下で自主的に運用を行なうことを基本原則とし 厚生労働省から受託者責任等について 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて ( 通知 )( 以下 ガイドライン といいます ) が示されてきました しかし 資産運用の手法も多様化 複雑化し 金融市場の変動幅も大きくなる中で 資産運用規制のあり方も時代に即した内容とする必要が生じています また いわゆる AIJ 問題を契機として 受託者責任の徹底も必要となってきていることから 今般 厚生年金基金規則及びガイドライン等について改正が行なわれるものです 従来 基金 ガイドライン 各基金がガイドラインに基づき 自己責任の下で自主的に運用を行なう 資産運用の手法の多様化 複雑化 金融市場の変動幅拡大 資産運用規制のあり方を時代に即した内容への改正の必要性 受託者責任の徹底の必要性などの運用環境の変化 有識者会議 今般 厚生年金基金規則及びガイドライン等についての改正 2

2. 改正の主な概要 以下は 7 月 13 日に公表された改正案を整理したものです 全基金共通 受託者責任の明確化 資産管理運用体制の強化 公布の日から施行予定 忠実義務の徹底 公的年金制度の一部を代行する公共性の高い事務を行うことにかんがみ 国家公務員倫理規程に準拠した 基金の役職員の職務に係る倫理に関する規程の制定を義務化 受託機関の選任に関する留意事項 選任の際行う受託機関に対するヒアリングは 投資判断を行なうファンドマネージャー等を含めることが望ましく 必要に応じ運用コンサルタントや資産運用委員会等からのヒアリングを行なうことが望ましい 受託機関に関する評価基準の追加 受託機関の評価基準として次の留意事項を追加ア. 定量評価の基準アクティブ運用においては シャープレシオやインフォメーションレシオ等の指標にも留意しなければならないイ. 定性評価の基準 ( 例 ) 投資方針 : 合理性や一貫性等組織人材 : 意思決定の流れや責任所在の明確性人材の定着度と継続性等運用フ ロセス : 投資方針との整合性等事務処理体制 : リスク管理体制の適切性等コンフ ライアンス : 法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況等 平成 25 年 4 月 1 日から施行予定 分散投資の徹底 政策的資産構成割合の策定を義務化 過度に特定の受託機関に集中しないよう 集中投資に関する規定を 運用の基本方針 に盛り込むことを義務化 分散投資を行なわない合理的理由がある場合は 理由を運用の基本方針に規定し加入員等に周知 運用の基本方針を厚生労働大臣あて毎事業年度の資産運用業務報告書に添付して届出を義務化 資産運用業務報告書の大幅見直しと提出期限の変更 (5/15 9/30) 資産管理運用業務に携わる役職員の資質向上 運用執行理事をはじめとする管理運用業務に携わる者は 管理運用業務に関する専門的知識及び経験等の程度に応じ 企業年金連合会等が実施する資産運用に係る研修を受講しなければならない 基金のガバナンス 情報開示の強化 代議員会への報告事項として次を追加ア. 受託機関の選任状況や評価結果イ. 受託機関のリスク管理状況や運用結果ウ. 理事や職員の研修受講状況並びに自己研鑽の状況 基金の管理運用体制の状況エ. 理事会における議事の状況 加入員等への業務概況の周知事項として 資産運用委員会の議事の概要等を追加 管理運用業務に関する情報開示にあたり 代議員会への報告事項や加入員等への業務概況の周知事項 事業主への情報提供事項について できる限り平易な表現を用いなければならない 3

公布の日から施行予定 平成 25 年 4 月 1 日から施行予定 運用コンサルタント等の要件を新設 基金が契約を締結する運用コンサルタント等は 金融商品取引法第 29 条の規定による投資助言 代理業を行なう者としての登録を受けて 外部の専門家等による支援体制 いる者でなければならない 運用コンサルタントと契約を締結する際には 当該運用コンサルタントと運用機関との契約関係の有無を確認しなければならない 資産運用委員会の体制強化 資産運用委員会の構成員に 金融又は経済に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者を加える 資産運用委員会の議事は記録にとどめて保存する他 理事は当該議事の概要について直近の代議員会に報告し加入員等に周知しなければならない オルタナティブ投資を行う基金 ( 上記に加えて必要な事項 ) 公布の日から施行予定 運用基本方針へ規定しなければならない事項 当該オルタナティブ投資を行う目的や政策的資産構成割合における位置づけとその割合等 運用受託機関の選任にあたっての留意事項 資産管理運用体制の強化 ア. 当該運用受託機関の組織体制に関する事項組織の概況 意思決定プロセスの流れ コンプライアンス等の内部統制体制 監査体制等イ. 当該運用受託機関の財務状況等に関する事項財務状況の推移 運用受託実績等の推移 一般に適正と認められる格付機関等による評価状況等 運用商品の選定にあたり 商品の内容等についての説明を求め 確認しなければならない事項 ( 共通事項例 ) リターンの源泉とリスク 時価の算出の根拠と報告の方法等 ( 個別運用商品例 ) ア. 外国籍私募投資信託等海外のファンドを用いた投資を行なう場合ファンド監査の有無 資産管理機関と事務処理機関の役員の兼職等の人的関係や資本関係イ. 先物取引 オプション等のデリバティブ ( 金融派生商品 ) を用いた投資を行なう場合レバレッジ ( 少額の投資でより多くのリターンを目指す運用手法 ) によるリスク 4

有識者会議報告書の中で必要とされた 基金が定める監事監査規程 や 行政の監査要鋼 の見 直し等については 今回の改正案には含まれておりません 上記のとおり 今回意見募集にかけられた改正案は 資産運用規制に係る部分だけです 有識者会議で議論された 1 厚生年金基金の財政運営のあり方 予定利率の見直しや積立不足への対応 ( 給付減額や解散基準 ) 2 厚生年金基金制度等のあり方 代行制度の意義 代行割れ問題への対応 総合型厚生年金基金の課題 中小企業の企業年金のあり方 等については 法律や政省令等に関する事項が多いこともあって 改正案の公表には一定の時間を要するものと思われ 来年の通常国会への法案提出に向けて 今年の秋以降に開催される社会保障審議会年金部会で議論されるものと予想されます なお 資産運用規制に係る改正案については 厚生年金基金だけでなく 確定給付企業年金制度にも適用されることが考えられますが 公表された意見募集は 厚生年金基金制度に関する改正案に限定されています 確定給付企業年金制度への適用の有無等については 確認が取れ次第 改めてご案内させていただく予定です 5