第 1 章計画の策定について 1 策定の背景 (1) 現状近年 人口減少 少子高齢化や高度情報化の急速な進展 地域社会の変容 経済のグローバル化による雇用環境の変化など 社会構造の急激な変化に伴い 市民の学習ニーズが多様化 高度化するとともに 様々な地域課題も複雑さを増しています こうした状況の中で

Similar documents
第3節 重点的な取り組み

計画の今後の方向性

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

Microsoft Word - 基本方針案ver.3.33

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

はじめに

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

4 施策別計画 4 施策別計画 施策別計画の見方 施策の方向性を示しています 関連する施策と連携の内容を示して 取組の目標を示しています います なお 市民協働や人権 行政 施策の必要性を示しています の効率化などを内容とする まちづ 取組の現状と課題を示しています くりを進めるための基盤 である施

八街市教育振興基本計画(平成26年~平成35年)

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

untitled

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

0-1表紙

資料1 第1回会議のポイントについて

北見市総合計画.indd

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

Microsoft Word - 3


<4D F736F F D20CADFCCDEBAD D9595B68E9A816A8AEC91BD95FB8E735F5F91E682558AFA89EE8CEC95DB8CAF8E968BC68C7689E >

泉大津

1 広島市障害者計画の策定について

このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えて

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

経営課題 1 主な経営課題について 現状 データ 区民モニター : あなたにとって住民同士の つながり や きずな があると感じますか ( 単位 :%) 年代別 問 6 1. 感じる 2. ある程度感じる 3. あまり感じない 4. 感じない無回答 全体

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )


基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

8

持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)

活動状況調査

計画の基本的な考え方 〇 〇本計画でのスポーツ〇 〇 スポーツをより身近なものとし スポーツの果たす多様な役割を踏まえて 本計画におけるスポーツを位置づけます 競技スポーツやレクリエーション活動だけでなく 健康づくりのためのウォーキング ハイキング 気分転換の散歩や軽い運動 サイクリング キャンプ活

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

Microsoft Word - aglo00003.学力の三要素

第 1 部 施策編 4

<4D F736F F D B4E88C4817A89A1956C8E738BB388E791E58D6A2E646F6378>

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

基本施策情報活用能力の育成を図ります 幼児教育の推進 にあたっては 幼児期が生涯の人格形成の基礎を培う大切な時期であるとの認識のもと 子どもたちの心身の発達に資する質の高い幼児教育を推進します 2 人との絆や自然との関わりの中で伸びゆく豊かな心の育成 子どもたちが生命を大切にする心や思いやりの心 感

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

Microsoft Word - ■【滑川町総合振興計画】計画書_修正_ _NXPowe

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

平成18年度標準調査票

札幌市教育振興基本計画第3章

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

第 1 章計画の基本的考え方 第 1 計画の概要 1 計画の目的 (1) 生涯学習社会の実現を目指して目黒区は 平成 4 年度に 生涯学習推進基本構想 ( 以下 構想 という ) を定め 平成 5 年度には 構想に基づく 生涯学習実施推進計画 ( 以下 計画 という ) を策定し その後 平成 9

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

hyoushi_ol

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています


地域子育て支援拠点事業について

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

第 1 章計画策定にあたって 1 計画策定の趣旨 用語説明 6 終戦直後のベビーブーム期には 4.32 だったわが国の合計特殊出生率は, その後低下を続け, 15 年には 1.29 と戦後最低の水準を更新しました こうした出生率の低下は, 先進国共通 の現象ですが, 先進諸国の中でも, アメリカ,

PrimoPDF, Job 20

Uモニ  アンケート集計結果

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

第2節 茨木市の現況

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

副学長 教学担当 中村 久美 新しい大学づくりに向けた教育の展開 巻頭言 2012年6月に文部科学省が公表した 大学改革実行プラン は 激動の社会における大学機能の再構築を掲げています 教学に関し ては ①学生の主体的な学びの創出や学修時間の拡大化をはじめと する大学教育の質的転換 ②グローバル化に

宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

Microsoft Word - 04æŒ⁄å„Œè−¸è¡fi㇙呌ã‡−巻㆑癰墅ㆮ夛儌

高齢者のボランティアなどの社会活動 に関するアンケート報告 高齢者のボランティア活動など地域における社会活動について 県民の皆さんの関心やその意識傾向を把握するために 高齢者のボランティアなどの社会活動 についてのアンケートを実施しました アンケートにご協力いただきました e- モニターの皆さまにお

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

<91E682548FCD5F8AEE967B8D5C917A2E786477>

スライド 1

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

トヨタの森づくり 地域・社会の基盤である森づくりに取り組む

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的


中井町緑の基本計画(概要版)

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

<4D F736F F D E9197BF322D31817A8E968BC68C7689E682CC8A65985F82C982C282A282C42E646F6378>

-218-

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

福利厚生基本計画

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

第4次日田市行政改革に向けての方針

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス


<4D F736F F D E48E738AEE967B8D5C917A816988C4816A939A905C>

2

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ


TRY TRY TRY TRY TRY 5

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

ができるボランティア活動 のメニューを開拓するとともにウェブサイ トや SNS などを通じて情報発信を行います 施等により スポーツ団体等と連携した体験型ボランティアイベントの実施等により ボランティアムーブメントを拡大します 向けのボラ 学ボランテ 身近な所属等を通じて活動への参加を促すため企業や

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

Transcription:

第 1 編基本構想

第 1 章計画の策定について 1 策定の背景 (1) 現状近年 人口減少 少子高齢化や高度情報化の急速な進展 地域社会の変容 経済のグローバル化による雇用環境の変化など 社会構造の急激な変化に伴い 市民の学習ニーズが多様化 高度化するとともに 様々な地域課題も複雑さを増しています こうした状況の中で生涯学習を推進することは 個人の人生を豊かにするものであるとともに 学習成果を地域づくりやまちづくりに還元し 生かすことにより 社会全体の発展を実現する基盤となるものと期待されています 市民一人一人が 自立する力を高めるための知識や能力を身に付けられるよう 生涯にわたり学習が継続でき その成果を適切に生かすことができる社会の実現が求められています 本市では 生涯学習を推進するための指針として平成 19 年に 三条市生涯学習推進計画 を策定しました 市民一人一人が生涯にわたって いつでも どこでも だれでも 学び合える生涯学習の機会や場を提供し 心豊かで生きがいのある生活を営むことができる生涯学習社会の実現を目標に取組を進め 生涯学習環境の拠点づくりや様々な生涯学習機会の提供などにおいて 一定の成果を上げることができました (2) 課題一方 東日本大震災以降 地域の絆という地域コミュニティの再構築に向けた地域住民の意識の醸成が声高に叫ばれており 学んだ成果を地域で生かすためのネットワークづくりなども重要な課題であり また まちの活力の維持 充実のためには 人の力こそがその資源であり 様々な現代的 社会的な問題 課題を解決するためには 生き抜く力 すなわち 総合的な力 を培った創造的な市民の存在は欠くことができません 今後 本市が直面する人口減少社会においては 生産年齢人口の減少等による地域経済への悪影響などが指摘されています これらの変化は何も対策を講じなければ 現在から将来にかけて負担が増えていき 厳しい未来が到来することが容易に予測されます それに向けた対策を講ずることで 今後 ますます顕在化することが見込まれる課題に対して しっかりと備えを行うことでプラス面を見出し 新たな価値の創造につなげることによって 生涯学習社会の実現 を目指していくことが重要となります (3) 策定の目的第 2 次三条市生涯学習推進計画は これまでの市の取組や社会環境の変化などを踏まえ 市民一人一人が生きがいをもって学び合うまち を基本目標とした生涯学習社会の実現を目標に掲げ 市の生涯学習施策をより総合的 計画的に推進するための新たな指針として策定します 1

2 計画の位置付け 本計画は 平成 19 年に策定した 三条市生涯学習推進計画 に続く計画です 三条市総合計画を上位計画とし 教育委員会の三条市教育基本方針との整合性を図りながら 本市の生涯学習を具体的に推進するための計画です 今までの計画では 教育基本法第 3 条に基づく生涯学習の理念に沿って 全ての年代層に応じて 学校教育 家庭教育 文化 スポーツ 福祉 健康 環境 防災等を始めとした多岐にわたる分野ごとの計画と施策を掲載していましたが 今回の計画では 計画期間中に重点的に取り組む内容の 具体化 見える化 に力点を置いています なお 本計画に掲載されていない取組については 各個別計画等に基づき着実に実施してまいります 重点ターゲット 0~5 歳幼児期 4.5% 6~14 歳少年期 7.8% 15 ~ 24 歳青年期 9.4% 25 ~ 64 歳成人期 50.5% 65 歳 ~ 高齢期 27.8% 生涯学習の範囲 年齢構成比は 平成 26 年 4 月現在の住民基本台帳人口階層による 3 計画の期間 本計画は 三条市総合計画の年度に合わせ 平成 27 年度から平成 34 年度までの 8 年間とします 年度 27 28 29 30 31 32 33 34 三条市総合計画 ( H 2 7 ~ H 3 4 ) 第 2 次三条市生涯学習推進計画 (H27 ~ H34) 2

第 2 次三条市生涯学習推進計画の概念図 基本理念 生涯 基本目標 市民一人一人が 顕在化意識へのアプローチ 学校教育 成人期 (25 ~ 64 才 )50.5% 家庭教育 青年期 (15 ~ 24 才 )9.4% 少年期 (6~14 才 )7.8% 幼児期 (0~5 才 )4.5% 生きがい 地域づくり 新しい時代における地域活動の拠点づくり 基本施策 1 地域活動のための人材育成 2 地域づくり まちづくり学習の推進 3 学習施設の有効活用 潜在意識へのアプローチ ( 円グラフの構成比は 平成 26 年 4 月現在の住民基本台帳人口階層による ) 3

学習社会の実現 生きがいをもって学び合うまち 基本施策 1 現代的課題への学習機会の提供 2 心身の健幸づくり活動の充実 3 生涯学習推進体制の整備 四つの視点 自分づくり 地域づくり 元気づくり 自分づくり あらゆる変化に適応できる自分を育てる自分づくりの支援 すそ野づくり づくり 高齢期 (65 才 ~)27.8% 元気づくり 元気な高齢者がまちにあふれる高齢期学習の推進 社会教育 基本施策 1 にぎわいの場の創造 2 意欲や能力に応じた社会参画機会の創出 すそ野づくり 生涯学習のすそ野を広げる取組の推進 基本施策 1 生涯学習のすそ野を広げる事業の展開 4

4 生涯学習とは 生涯学習 という概念は 家庭教育 学校教育 社会教育を全て含むもので 一般には 人々が生涯に行うあらゆる学習を総称するものです 生涯学習の分野には 学校教育や社会教育の中で組織的に行われるものだけに限らず 文化 芸術 スポーツ レクリエーション ボランティア 趣味など 様々な分野が含まれます 学習形態も 本を読んだり通信教育を受けたりする個人学習 学校での学習 公民館 図書館などの公共施設が行う講座の受講 民間のカルチャースクールやスポーツクラブでの学習 企業内教育 サークル活動など 様々な形態で行われています また 生涯学習という言葉は 生涯にわたり学習することができる社会を目指そうという考え方 理念自体を表す言葉でもあります 教育基本法では 第 3 条で 国民一人一人が 自己の人格を磨き 豊かな人生を送ることができるよう その生涯にわたって あらゆる機会に あらゆる場所において学習することができ その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない と生涯学習の理念を定めています この計画では 上記の考えを踏まえた上で より具体的に施策を展開するため 次の三つを達成することを目的に 自分に適した方法で生涯にわたって行う学習や活動を生涯学習と定義しています 自分自身の充実や生きがいを求めること 自分や家族 地域の生活を向上していくこと 生き抜いていくために必要な知識を学ぶこと 第 2 章基本理念及び基本目標 生涯学習活動を推進することは 個人の人生を豊かにするとともに 学習を通じた仲間づくりから さらには学習の成果を生かした地域づくり まちづくりへと進展していくことが期待されています 市民一人一人が 自立する力を高めるため生涯にわたり学習が継続でき その成果を適切に生かし 学習を通じてつながることができる生涯学習社会の実現が求められます そこで 第 2 次三条市生涯学習推進計画の基本理念を 生涯学習社会の実現 とし 基本目標を 市民一人一人が生きがいをもって学び合うまち と定めます 基本理念 生涯学習社会の実現 基本目標 市民一人一人が生きがいをもって学び合うまち 5

第 3 章基本的な視点 第 2 次三条市生涯学習推進計画の基本目標である 市民一人一人が生きがいをもって学び 合うまち を達成するための基本的な視点は次のとおりです 地域づくり 自分づくり 元気づくり 四つの視点 すそ野づくり 1 自分づくり 多様で変化の激しい社会を生き抜く力を育てる自分づくりの支援 2 地域づくり 地域の絆と地域力を高める地域活動の拠点づくりと課題解決に向けた学習機会の充実 3 元気づくり 高齢者が生きがいをもって元気に暮らし抜く力を育てる高齢期学習の推進 4 すそ野づくり 市民の潜在意識へ働きかける仕組みづくりと生涯学習に取り組む人の拡大 6

第 4 章基本構想の四つの柱 目標に向けた柱として次の四つの柱を掲げ その下に基本施策を展開します 1 あらゆる変化に適応できる自分を 育てる自分づくりの支援 3 元気な高齢者がまちにあふれる高 齢期学習の推進 2 新しい時代における地域活動の拠 点づくり 4 生涯学習のすそ野を広げる取組の 推進 第 5 章生涯学習推進のための基本施策 1 あらゆる変化に適 応できる自分を育て る自分づくりの支援 グローバル化や高度情報化の一層の進展に伴って 人 モノの流動化 多様化が進み 産業の空洞化 雇用環境の変容 所得格差の拡大等の雇用環境の変化が激しく 先行き不透明な厳しい状況になっています こうした状況を乗り越え 新たな付加価値を創造する社会へと転換するには 市民一人一人がその力を向上 底上げすることが不可欠となっています この力としては 子どもについては 生きる力 が 成人については 自立した一人の人間として力強く生きていくための 社会を生き抜く力 があげられます このようなことから 家庭 学校教育等の時期で 生きる力 についての学習機会を得て 成人となった市民が生涯にわたって 多様な場で様々な学習経験を積む中で この厳しい 社会を生き抜くための力 を すなわち 総合的な力 を身に付ける学習機会の充実を図っていきます 基本施策 1 現代的課題への学習機会の提供 2 心身の健幸づくり活動の充実 3 生涯学習推進体制の整備 大崎地区体育レクリエーション大会 7

2 新しい時代における 地域活動の拠点づ くり 核家族 共働き世帯の増加や家族形態の変容 価値観やライフスタイルの多様化等により 地域社会の人間関係の希薄化や孤立化が指摘されています 地域で顔の見える関係 づくりを推進するためには 地域住民との協働による地域課題の解決や地域の活性化などの地域づくりを推進し 地域住民が学習を通じて市民意識を高め 必要な知識 技術等を身に付け その成果を地域参 加や地域貢献の活動につなげていけるようにするための実践的な学習機会の提供が必要となっています 生涯学習に関するアンケート 1 では 生涯を通じて学習活動に積極的に取り組み 自ら豊かな経験を重ねている市民が多くいる一方で 学校卒業後は ほとんど学習をすることがない市民も少なからずいるという課題があり この両者の間で いわゆる 学習意欲の格差 が広がっていることが懸念されます こうしたことから 学習をする機会がなかった人々に対しても 生涯にわたる学習の必要性についての啓発や学習情報の提供等を行って学習意欲を喚起し より強いコミュニティを形成するためには 学習や地域活動に関心を持つよう工夫するとともに より多くの市民が地域社会の中での 居場所 や 出番 があるような 知の循環型社会 の創出を推進する必要があります 基本施策 1 地域活動のための人材育成 2 地域づくり まちづくり学習の推進 3 学習施設の有効活用 三条東公民館身近な防災教室 下田地区五穀豊穣に感謝する 虫送り 1 生涯学習課 生涯学習に関するアンケート ( 平成 25 年 7 月実施 ) によれば この 1 年間に生涯学習をしたことがないと回答した人は 40.2% であった 8

3 元気な高齢者がま ちにあふれる高齢 期学習の推進 急速な高齢化に伴う医療費や介護保険費等の増大 地域社会の活力の低下 単身老人世帯の増加等の問題が顕在化しつつあります 一方で 65 歳以降の平均寿命は非常に長くなり 退職後の人生を自ら設計し 生きがいをもって主体的に生きるとともに 地域における様々な活動の重要な担い手として活躍していくことは 本人のみならず 地域社会の活性化という視点からも重要となっています 平成 24 年 3 月に文部科学省が作成した報告書 長寿社会における生涯学習の在り方について~ 人生 100 年いくつになっても学ぶ幸せ 幸齢社会 ~ の中では 人生 100 年時代を想定した人生設計が必要であるとされました さらには 高齢者の実態とイメージの乖離にも触れ 社会から支えられる 存在から地域が抱える様々な課題を解決する 地域社会の主役 として活躍する場を整備する必要があるとされています 本市においても 高齢者が健康で元気に人生を暮らし抜く過程において 全ての市民が健康で生きがいをもって主体的に生きるとともに 地域における様々な活動において その重要な担い手 支え手として活躍することができる高齢社会の実現が求められます 高齢者が身体的にも経済的にも自立して生きがいをもって生き生きと暮らすことができるような学習活動や これまでの人生で培った豊富な経験や知識 技能を地域参加 地域貢献に生かすための学習機会の充実を推進していく必要があります 基本施策 1 にぎわいの場の創造 2 意欲や能力に応じた社会参画機会の創出 中央公民館高齢者教室 栄公民館さわやかウォーキング教室 9

4 生涯学習のすそ野 を広げる取組の推 進 生涯学習に関する意識調査では 日頃から学習活動の必要性について どちらかといえば感じている 強く感じている と答えた方が 79.8% となっている一方で この 1 年間学習をしていない と答えた方が 40.2% にも上っています その理由としては 学習する時間がない が 46.9% と最も高く 次いで 講座などの時期 時間が合わない が 23.8% となっています すなわち 過去 現在において生涯学習活動を行い 今後も続けていきたいとしている 継続層 は学習に対して肯定的な考え方を持っていることに加えて 学ぶ意欲が旺盛で 今日まで顕在化している生涯学習活動の主流を占め そして今後も占めていくものと考えられます これまでの生涯学習は 意欲のある人が積極的に学んできましたが 現在の社会状況を勘案すると 一人でも多くの市民が心の健康を保ちつつ 生きがいをもった生活を享受していくことが社会全体の発展を遂げていくことと捉え より広範な人々が生涯学習活動を実践していくことが重要となってきます そのためには 今は生涯学習活動を中断しているが 将来的にはまた 学び を始めたいと考えている 復帰層 や これまでは生涯学習活動を行ってこなかったが 今後は 一歩踏み出してチャレンジしたいと思っている人や気になる何かがあるというような 新規需要層 が生涯学習活動に取り組めるよう 生涯学習のすそ野を広げる取組を積極的に展開していく必要があります また これまで全く生涯学習活動に関心がなく 今後も生涯学習に取り組まない 無関心層 に対して いかに生涯学習に対して肯定的な意識変容を起こさせて 何らかの生涯学習活動の取組を始めさせることができるかが今後の行政の使命であり 役割であると考えられます 基本施策 1 生涯学習のすそ野を広げる事業の展開 中央公民館まちなかギャラリー 下田ふるさと祭り雨生ケ池の大蛇祭り 10

民一人一人が生きがいをもって学び合うまちづくり市生涯学習社会の実現11 第 2 次三条市生涯学習推進計画の体系図 基本理念 基本目標 四つの視点 自分づくり地域づくり元気づくりすそ野

四つの柱 基本施策 主要施策 12

13