Research 2 Vol.81, No.12013

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ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

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日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

資料3長谷川参考人資料

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

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汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

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0 歳 0カ月 乳幼児の予防接種スケジュール ( 例 : その 1) 同時接種を希望するが 1 回に受ける数は 2 種類以下を希望する場合 ( 受診回数 : インフルエンザを除いて 18 回 ) 1 歳 カ月 日本小児科学会推奨案 ジフテリア 百日咳 破傷風混合ワクチン生ワクチン別の種類のワクチンを

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

BIO Clinica 2010年5月号 (立ち読み)

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さらにのどや気管の粘膜に広く分布しているマスト細胞の表面に付着します IgE 抗体にスギ花粉が結合すると マスト細胞がヒスタミン ロイコトリエンという化学伝達物質を放出します このヒスタミン ロイコトリエンが鼻やのどの粘膜細胞や血管を刺激し 鼻水やくしゃみ 鼻づまりなどの花粉症の症状を引き起こします

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生ワクチン 不活化ワクチン ジフテリア 百日咳 破傷風 不活化ポリオ混合ワクチン の接種から20~24 週あけて3 回目を接種 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 27 日 ( いわゆる4 週間 ) 以上あけて受けます 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 6 日 ( いわゆる1 週間 ) 以

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

日歯雑誌(H22・7月号)HP用/p06‐16 クリニカル① 田崎

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クローン病 クローン病の患者さんサポート情報のご案内 ステラーラ を使用される患者さんへ クローン病に関する情報サイト IBD LIFE による クローン病治療について ステラーラ R を使用されているクローン病患者さん向けウェブサイトステラーラ.j

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1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

ルス薬の開発の基盤となる重要な発見です 本研究は 京都府立医科大学 大阪大学 エジプト国 Damanhour 大学 国際医療福祉 大学病院 中部大学と共同研究で行ったものです 2 研究内容 < 研究の背景と経緯 > H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスは 1996 年頃中国で出現し 現在までに

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医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領

とが知られています 神経合併症としては水痘脳炎 (1/50,000) 急性小脳失調症 (1/4,000) などがあり さらにインフルエンザ同様 ライ症候群への関与も指摘されています さらに 母体が妊娠 20 週までの初期に水痘に罹患しますと 生まれた子供の約 2% が 皮膚瘢痕 骨と筋肉の低形成 白

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第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

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生ワクチン乳幼児の予防接種スケジュール ( 例 : その 1) 同時接種を希望するが 1 回に受ける数は 2 種類以下を希望する場合 ( 受診回数 : インフルエンザを除いて 18 回回または 19 回 ) 0 歳 0カ月 カ月 カ月 1 歳 カ月 13 カ月 1 15 カ月 16 カ月 17 カ月

テイカ製薬株式会社 社内資料

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

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ワクチン免疫の基礎と臨床 ワクチン効果を上げるもの下げるもの Toll 図 1 自然免疫と獲得免疫 る これにより 2 度目の抗原刺激に対して急速な免疫応答が可能となる ワクチンは 病原体の曝露を受ける前に この獲得免疫を成立させておくことが目的である [ 免疫の獲得機序 ] ウイルスに対する獲得免

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

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報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに


表1_表4

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE 第 1 章 その魔力は薬か毒か ワクチンの効果を高める目的で添加されている補助剤がです しかし よいことだけではありません とはいったいどのようなもので ワクチンの

日産婦誌58巻9号研修コーナー

あり 一人の感染者が周囲の免疫のないヒトに感染させる数である基本再生産数は 10 流行を抑制するための集団免疫率は 90% 以上です 水痘の潜伏期間は通常 14~16 日間です 水痘ワクチンの定期接種が行われている米国では 1 回定期接種を行っていた 1996 年から 2004 年までの間に 水痘患

02別添:日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A[H28.3月版]

<4 種ウイルス疾患 ( 麻疹 風疹 水痘 流行性耳下腺炎 ) フローチャート> 医療機関の記録または母子手帳でワクチンを接種したことが A B C 2 回確認できる 1 回確認できる全く確認できない D E 前回接種より少なくとも 1 ヶ月以上あけて さらに 1 回ワクチン接種を受ける 抗体検査を

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

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卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

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次の人は 医師が健康状態や体質に基づいて 接種の適否を判断します 心臓や血管 腎臓 肝臓 血液の障害や発育の障害などの基礎疾患がある人 他のワクチンの接種を受けて 2 日以内に発熱があった人や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある人 過去にけいれんをおこしたことがある人 過去に免疫

娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

従来のペプチド免疫療法の問題点 樹状細胞 CTL CTL CTL CTL CTL CTL CTL CTL 腫瘍組織 腫瘍細胞を殺す 細胞傷害性 T 細胞 (CTL) の大半は 腫瘍の存在に気づかず 血管内を通り過ぎている! 腫瘍抗原の提示を考えると それは当然! 2

顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

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Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

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研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

針刺し切創発生時の対応

日本脳炎不活化ワクチン ( シード ) 平成 24 年 7 月 4 日 ( 告示第 1622 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した日本脳炎ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称日本脳炎ウイル

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

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インフルエンザ(成人)


蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

目次 1. 抗体治療とは? 2. 免疫とは? 3. 免疫の働きとは? 4. 抗体が主役の免疫とは? 5. 抗体とは? 6. 抗体の構造とは? 7. 抗体の種類とは? 8. 抗体の働きとは? 9. 抗体医薬品とは? 10. 抗体医薬品の特徴とは? 10. モノクローナル抗体とは? 11. モノクローナ

図アレルギーぜんそくの初期反応の分子メカニズム

< 研究の背景と経緯 > 私たちの消化管は 食物や腸内細菌などの外来抗原に常にさらされています 消化管粘膜の免疫系は 有害な病原体の侵入を防ぐと同時に 生体に有益な抗原に対しては過剰に反応しないよう巧妙に調節されています 消化管に常在するマクロファージはCX3CR1を発現し インターロイキン-10(

RS ウイルスは 乳幼児に呼吸器感染症を引き起こす重要な原因 ウイルスです 大人が感染した場合は軽いかぜ様症状のみでおさ まりますが 予定日よりも早く生まれた赤ちゃん ( 早産児 ) 生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃん あるいは免疫不全を伴う赤ちゃんやダウン症候群の赤ちゃんが感染すると

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上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

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Wako 22 Vol.81, No.12013

Wako Vol.81, No.12013 23

Wako ワークショップ見聞録 ない乳幼児 幼児の重大な呼吸器感染症ウイルスである RS(respiratory syncytial) ウイルスのタイプ A の F G 抗原等で組換えた生ワクチンを調製する戦略を述べられた こうして調製された組換えムンプス生ワクチンはモルモットでの経鼻投与において 水痘ウイルスおよび G L J 全てのタイプのムンプスウイルスの中和抗体を誘導することができた 同様に RS ウイルスワクチンはモルモットでの経鼻投与で水痘ウイルスおよび RS ウイルスタイプ A に対する中和抗体が誘導できたが RS ウイルスタイプ B は中和できなかった RS ウイルスに関してはウイルスタイプ A の G 抗原とタイプ B の F 抗原の両方を入れる改良を行う予定であるということであった ここで 20 分のコーヒーブレイクがあったが フロアーの各所で熱心な交流会が展開されていた 午後の休憩後の最初の講演は大阪大学大学院の中川晋作先生の 皮膚内溶解型マイクロニードルを用いる経皮ワクチン製剤の開発 で 医療廃棄物として問題になっている注射器 注射針がなく 痛みを伴わない経皮ワクチンデリバリーの開発のために ヒアルロン酸を主成分とする 300 800μm のマイクロニードル内にワクチンを溶かし込み 塗布した後ニードルが皮膚の水分を吸って溶解されワクチンも溶けて真皮下にデリバリーされる新規投与ワクチンに関する話をされた 具体的には可溶性抗原として破傷風またはジフテリアトキソイドを 粒子状抗原としてインフルエンザ HA 抗原を用いてマウスで試験した結果 中和抗体価 チャレンジ試験で 皮下 筋肉内投与または経鼻投与と同等のワクチン効果が得られた そこで 今回 A 型 (H1N1 と H3N2) 及び B 型インフルエンザ HA 抗原を用いて 経皮ワクチン 19 例 注射ワクチン 20 例で臨床研究を実施した結果 紅斑 (1ヶ月で消失) 以外の副作用はなく 注射と同等の抗体陽転率 当社展示抗体保有率を示したことが報告された 続いて 国立感染研の内田哲也先生の ウイルスの変異に関わらず奏功することが期待される 細胞性免疫誘導型リポソームワクチンの開発 の話で リポソームをオレイン酸のような不飽和脂肪酸で作製すると膜流動性が高くなり リポソーム結合抗原が pinocytosis により抗原提示細胞に取り込まれるが その際 CD8 + T 細胞に Class I Cross presentation が起こるということであった この事実をインフルエンザワクチン開発に応用することで インフルエンザウイルス亜種にも共通な CTL エピトープをリポソーム結合抗原として用いれば 変異したウイルスにも効果のあるワクチンが開発できるという ただ実用化には HLA 拘束性の問題 例えば日本人では HLA A2 の方は 39% A24 は 64% でこの 2 つの CTL エピトープを使えば 88% の日本人に効果があるワクチンが作れるが すべての日本人に効果のあるワクチンにするためにはさらに 5 つのエピトープを導入しなければならない これ克服するために 変異の少ない M1 蛋白全体をリポソームに結合することで HLA に関係なく効果の期待できる CTL 誘導型インフルエンザワクチンが開発できるという なお ヒトに効果があるリポソーム結合 HLA A2 または A24 CTL エピトープワクチンは ヒト HLA A2 または A24 を発現している Transgenic mice に免疫することで CTL が誘導でき 感染実験で防御効果があることが確認 できているとのことである 最後の講演は同じ国立感染研の長谷川秀樹先生の 次世代ワクチンとしての経鼻インフルエンザワクチン という題で 現行のインフルエンザワクチンの問題点は (1) 発症 重症化を予防できるが 感染そのものを予防できない (2) 流行株と一致しないと効果が低い (3) パンデミックにおいては流行株の予測が難しい等があるが これを克服するために現行の全粒子不活化インフルエンザワクチンをアジュバントとして自然免疫受容体の Toll like receptor (TLR)-3 を活性化する Poly I : C を用いて マウスに経鼻投与することで 鼻腔粘膜中に抗原特異的 IgA を誘導しウイルス量を減らし感染そのものを抑制でき かつワクチン株と異なる株をチャレンジした場合も交差防御が可能であることが示された この結果はカニクイザルを用いた経鼻免疫でも追試され 防御免疫が誘導できかつ抗体価は1 年後も残存していたという そこで 経鼻投与 H3N2 全粒子不活化ワクチンのヒトでの臨床研究において アジュバントの代わりに鼻腔上皮細胞に粘着性のある Carboxy Vinyl Polymer (CVP) を用いて行ったところ 3 週間隔の2 回投与で 血清 鼻腔での中和抗体が認められ 鼻腔 IgA は別の株に対する中和抗体も誘導できた さらに 経鼻投与 H5N1 全粒子不活化ワクチンを用いた Naïve な個体での臨床研究も実施したところ 3 週間隔 2 回投与では有意な抗体の上昇は認められなかったが 8 ヶ月後に再度経鼻投与することで 160 倍以上の抗体価が誘導できたとの報告があった 以上 どの講演も次世代ワクチン開発に直結するすばらしいお話であり 日本から世界に発信できるワクチンがすぐそこまで来ている期待を持つことができ 来られたかたも感動されたのではないかと思われた 講演後 行われた懇親会も大変な盛り上がりであった 24 和光純薬時報 Vol.81, No.1(2013)

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