日本人の英語力は アジアの中でどれくらいか? 研究者池口美緒笹川真那杉本彩華永井雪乃長渕真央 指導者コピトスキー先生島崎先生 1 研究の動機 ( 背景 ) 現在 世界共通語として英語の役割はますます拡大し 英語を母国語としない者同士のコミュニケーションツールとして英語を使用する人々がアジアでも増え アジアの中でも英語は重要な国際言語となっている しかし他国に比べ日本に英語を話すことができる人は多くはいないと感じる そのように国際社会と謳われているが実際日本人の英語力はどのくらいなのか気になったから 2 研究の目的 ( 仮説 ) 日本の英語の授業は主に文法中心である 日本の英語教育は文法中心であるので話すことができない 今後 日本の英語力を向上させるためには実際に英語を使う機会を増やす 6-1
言語は人とコミュニケーションを取るためにあるものだが 実際に使うために学んでいるのではなく受験で格差をつけるために日本人は英語を学習している 日本人で英語を話せる人がより増えるようにするためには 実際に使える英語 を学び 英語を学ぶ目的を明確にさせれば良い 3 方法 日本 韓国 中国 ( 都市部 ) の G T E C f o r S T U D E N T S ( 読む 聞く 書く の 3 技能で総合的なコミュニケーション能力や 受験者の能力レベルに対応する出題内容で 実践的な英語力を正確に測定可能な東アジア高校英語教育 G T E C 調査 ) のスコアを比較する 韓国 中国( 都市部 ) と日本の英語教育の方法を比べる 調査結果より今後の日本の英語教育について考える 4 結果 中間発表までの研究 GTEC を使用する前は TOFUL のスコアを使用して比較していました TOFUL での比較を止めた理由は TOFUL は受験者が広すぎてしまうからです 結果は下図のようになりました 総合順位 国名 R e a d i n g L i s t e n i n g S p e a k i n g W r i t i n g T o t a l 1 Singapore 24 25 24 26 98 2 India 23 23 23 23 92 3 Malaysia 22 22 21 24 88 4 Pakistan 21 22 23 23 88 5 Philippines 21 22 23 22 88 6 Bangladesh 20 20 21 22 83 7 Sri Lanka 20 21 22 21 83 8 Bhutan 19 19 22 22 82 9 Hong Kong 19 20 21 22 81 10 Korea, Republic of 21 20 20 21 81 6-2
11 Kyrgyzstan 18 19 21 20 79 12 Nepal 19 1 9 21 21 79 13 Indonesia 19 19 20 21 78 14 Kazakhstan 18 19 21 20 78 15 K o r e a, D e m o c r a t i c P e o p l e s Republic of 19 19 19 20 78 16 China 20 18 18 21 77 17 Uzbekistan 18 19 21 20 77 18 Azerbaijan 18 18 20 20 76 19 Taiwan (Republic of China) 19 18 19 20 76 20 Turkmenistan 17 19 21 19 76 21 Thailand 18 19 18 20 75 22 Macao 18 18 18 20 74 23 Myanmar 17 17 19 20 74 24 Afghanistan 15 17 21 19 73 25 Mongolia 17 18 19 19 73 26 Viet Nam 18 17 18 20 73 27 Japan 18 17 17 18 70 28 L a o, P e o p l e s D e m o c r a t i c Republic 15 16 18 18 67 29 Tajikistan 14 15 20 17 66 30 Cambodia 13 14 18 18 63 - Brunei Darussalam * * * * * 6-3
- Maldives * * * * * - Timor- Leste * * * * * T O E F L のスコアランキングより 日本はアジアの中で 27 位という結果が出ている どの項目でもスコアがとても低いことが上からわかる これは日本が アジア諸国の中でも相当低いレベルであることがわかる 本発表について 日本 韓国 中国の英語力比較 R e a d i n g L i s t e n i n g Wr i t i n g To t a l ( 3 2 0 点満点 ) ( 3 2 0 点満点 ) ( 1 6 0 点満点 ) ( 8 0 0 点満点 ) 日本 1 6 4. 0 1 5 8. 4 8 5. 5 4 0 8. 0 ( + 1. 9 ) ( + 3. 4 ) ( + 2. 5 ) ( + 7. 9 ) 韓国 1 9 5. 1 1 8 7. 4 6 6. 0 4 4 8. 6 ( + 9. 8 ) ( + 1 8. 9 ) ( + 1 1. 2 ) ( + 4 0. 0 ) 中国 1 9 3. 0 1 7 3. 0 8 7. 6 4 5 3. 5 ( + 7. 4 ) ( + 8. 8 ) ( - 0. 6 ) ( + 1 5. 2 ) ( 英語コミュニケーション能力調査 2 0 03 2004 結果より 高校 1 年生での成績比較. G E T C f o r S T U D E N T S の平均スコア ) () 内は 2003 年から 2004 年のスコアの増減を示している 日本は R e ad i n g L i s t e n i ng のスコアは韓国 中国と比べ低いが, Wr i t i n g のスコアは韓国を上回っている 韓国 T o t al スコアが大きく伸びている 中国は 3 項目すべてにおいてスコアが高く To t a l スコアも高い 日本は Wr i t i n g に長けているが総合的に見ると 韓国と中国が日本の高校生より T o tal スコアが高い 6-4
日本の英語教育の沿革 1999 年高校週 4 時間必修化 2002 年中学校週 3 時間必修化 2011 年小学校 5 6 年生週 1 時間必修化 韓国の英語教育の沿革 1994 年 中学校週 4 時間必修化 高校週 5 時間必修化 1997 年 小学校 3 ~ 6 年生週 2 時間必修化 2012 年 小学校 5 6 年生週 3 時間に 中国の英語教育の沿革 2000 年高校週 5 時間必修化 2001 年小学校 3 ~ 6 年生週 4 時間必修化 中学校週 4 時間必修化 6-5
英語の授業が必修化される前から行われていた学校も多いため 実質的な英語必修化状態はわからない 時間数にも若干の誤差が含まれている 中学校 高校の英語必修化した年は中国とさほど差がない 韓国が 3 カ国の中で最も早く英語が必修化された 日本は韓国 中国と比べ 小学校での英語必修化が 10 年以上遅い 時間数を比較すると 日本は小学校 中学校 高校いずれにおいても他 2 カ国よりも尐ない 必修語彙数比較 小学校 中学校 高校 Total 日本 285 1200 1800 3285 韓国 500 1290 1550 3340 中国 650 1550 1710 4910 ( 文部科学省必修単語数を比較. 2 0 1 2 年での現状 ) 日本 韓国と比べ 中国は小学校 ~ 高校までの必修語彙数が約 1500 語多い 韓国 中国は小学校から本格的に英語を習っている 中国英語教育の特徴 英語を習得しようとするモチベーションが非常に高い 英語教育が質的に優れている 指導要領の目標が明確であり 授業内容もそれを実現するものとなっている 学習量が多い 英語の授業時間数は課程基準に基づき多くなっている 生徒のモチベーションが高い理由について 世界で活躍するには英語が必要であることを生徒たちが実感していること 中学高校では進学するために 英語の成績が良いことが絶対条件であること 一人っ子政策により一人の子供にかける教育費が増し 予備校に通わせたり 海外留学 6-6
させたりする親が急増したこと が その背景にある 韓国英語教育の特徴 すべての中学校に 1 人のネイティブスピーカー補助教師を配置しているので 人数グループで, 英会話のトレーニングを受ける 教科書は日本と比べて ページ数が多く 一課の構成も 4 技能に分かれている 主として, 発音, 会話が中心で, Reading, Writing の授業はない 毎日 2 時間が会話練習に費やされる 韓国全土の小中高の英語授業をすべて英語で行う GTEC の結果より韓国の Reading Listening のスコアが 3 カ国の中で一番高いのは 普段の授業でネイティブスピーカーによる英語会話のトレーニングを受けているからと考 えられる 日本英語教育の特徴 授業の中で英語を教えるとき日本語を使うのでリスニング力が培われない たとえば英語を言った後日本語に翻訳してから生徒に伝えるので 生徒が自ら英語を理解しなくてもいい したがって 積極的に聞き取ろうとしない T h i s i s y o u r c o untry. のように日常では使わないような英語が例文として使われるので実際に会話する時には役に立たない Is this a pen? という表現が私たちが中学の時の教科書 n e w horizon にあり 使われない英語がほかにも多々例文として使用されていた その例 ( 私たちが中学の頃の教科書 new horizon 参照 ) ( 現在は教科書改訂で改良された ) 受験英語が優先されるため 文法が正しいか間違っているかが重要視され ライティン グ力とリーディング力の習得に偏ってしまいスピーキング力が培われない 6-7
ベネッセ教育研究開発センターの調査において 英語学習動機の 1 位 2 位は 英語のテストでいい点を取りたいから できるだけ いい高校やいい大学に入りたいから だった そのことより日本の中高生の英語学習における モチベーションは受験に関連することが多いことがわかった 5 考察 アジアの英語力を比較できるデータは T OE F L T O E I C しかなく データは国によって受験者の人数 年齢などに幅があり, 比較に用いるには適していなかった そのためアジアの中で日本の英語力はどのくらいか検証できなかった 日本は文法中心の英語教育であり 結果にも関係していると考えられる また 他 2 カ国と比べて小学校の英語教育時間が短いので 小さい頃から英語に関わる機会が尐ない 韓国は英語を書き慣れていないことが考えられる 2 0 03~2004 年で T otal スコアが高くなったのは 調査対象者が小学生の頃に英語が必修化されたことが関係していると考えられる 中国は日本 韓国より必修語彙数が多く G T E C のスコアにも反映されていることが考えられる 6 まとめと今後の課題 日本のこれからの英語教育のあり方についてさらに考える 韓国より中国の方が後に小学校での英語教育が必修化されたのに 韓国より G T E C のスコアが高くなった理由について 授業内容などについて調査して考える 7 参考文献 参考 URL など h t t p : / / w w w. g o o g l e. c o. j p / s e a r c h? h l = j a & s i t e = i m g h p & t b m=isch&source h t t p : / / w w w. f. w a s e d a. j p / h a m a g u c h / N i h o n n o E i g o k y o u i k u h a N a z e d a m e k a. h t m h t t p : / / w w w. p r e s e n c e. j p / t o e f l / f a q. h t m l h t t p : / / k g. k a n a z a w a - g u. a c. j p / k o k u s a i b u n k a /? p = 2 1 6 3 h t t p : / / i m g 0 1. e c g o. j p / u s r / e n g l i s h / i m g / 11 0 8 11 2 1 0 3 11. p d f 6-8
h t t p : / / w w w. f. w a s e d a. j p / h a m a g u c h / N i h o n n o E i g o k y o u i k u h a N a z e d a m e k a. h t m h t t p : / / w w w. g o o g l e. c o. j p / # q = T O E F L + % E 3 % 8 2 % B 9 % l = j a & h t t p : / / w w w. f. w a s e d a. j p / h a m a g u c h / N i h o n n o E i g o k y o u i k u h a N a z e d a m e k a. h t m h t t p : / / w w w. p r e s e n c e. j p / t o e f l / f a q. h t m l h t t p : / / k g. k a n a z a w a - g u. a c. j p / k o k u s a i b u n k a /? p = 2 1 6 3 h t t p : / / i m g 0 1. e c g o. j p / u s r / e n g l i s h / i m g / 11 0 8 11 2 1 0 3 11. p d f h t t p : / / w w w. f. w a s e d a. j p / h a m a g u c h / N i h o n n o E i g o k y o u i k u h a N a z e d a m e k a. h t m h t t p : / / w w w. g o o g l e. c o. j p / # q = T O E F L + % E 3 % 8 2 % B 9 % l = j a & h t t p : / / w w w. g o o g l e. c o. j p / s e a r c h? h l = j a & s i t e = i m g h p & t b m=isch&source=h J C U 6-9