レポート作成と文書作成ソフトの機能 (2) この回では 文書作成ソフトを用いた複数ページに渡る文書作成において 有用とされる機能について解 説する 1. 課題の確認 作成する文書 :A4 複数ページの文書 利用するソフトウェア :Microsoft Word 1.1. 演習の内容大学で作成するレポートは 1ページで完結させるのが一般的である しかし ゼミ等で作成する報告書 卒業論文では複数ページで作成される場合がある 実際にビジネス等で作成する報告書は 1ページで完結することはほとんどなく 見出し によって文書構造を設計して 報告内容をまとめる ここで 見やすい構造とするために 章 節 などの見出しが設定された 読み手が理解しやすいレイアウトが求められる 1.2. 文書ファイルの準備長文テキストのレイアウト練習のために 著作権切れの小説データを利用する ここでは青空文庫 1 で公開されている 銀河鉄道の夜 ( 宮沢賢治 : 一部抜粋 ) をダミーテキストとして利用する 2. 演習 2.1. 表紙の作成 タイトル 著者 を記載した表紙を作成する ここでは 通常の フォント設定 書式設定 を利用して 適宜レイアウトを行う まず 目次の下に改行を一つ入れ [ 挿入 ] タブの [ ページ ] にある [ ページ区切り ] をクリックする すると カーソルがあった場所を最後に次のページへカーソルが飛ばされる [ ページ ] には [ 表紙 ] というコマンドもあるが 特に凝ったデザインをする必要がなければ 利用しない ページ設定 通常であれば ページ区切りを設定しても画面上には何も表示されない ページ区切りを設定している箇 所を明示したい場合は [ ホーム ] タブの [ 段落 ] にある [ 編集記号の表示非表示 ] をクリックする 1 http://www.aozora.gr.jp/ 情リテ文演習 2-1
編集記号の表示 非表示と 改ページ記号 これは編集記号であり 文書 印刷時には無視される 2.2. アウトラインの作成ここでは [ アウトライン ] の設定を行う [ アウトライン ] は 段落番号と同様に連番を振る機能であるが 階層構造を持つ見出し ( 章 節など ) を作成できる 今回題材にしている小説には 階層が存在しないので 仮の形で見出しを作成する 2 ページ目にある (Word の画面左下にページ番号と全体のページ数が記載されている ) 午后の授業 の下に 見出し2( ダミー ) 見出し3( ダミー ) 見出し3 ( ダミー ) 見出し2 ( ダミー ) がある これにアウトラインを設定する まず 午后の授業 にカーソルを置き [ 段落 ] メニューの [ アウトライン ] ボタンをクリックする すると サブメニューが表示されるため [ リストライブラリ ] の 6 つ目にある形式をクリックする クリック後 カーソルのあった行に 第 1 章 という文字が追加される 次に [ 書式コピー ] を利用して 以下 4 行にも同じ書式を設定する [ アウトライン ] の設定 設定が終わると 第 5 章 まで表示される 次に 見出し2 の頭にカーソルを置き キーボードの[TAB] キー もしくは [ インデントを増やす ] ボタンをクリックする すると 第 2 章 が 第 1 節 に切り替わり 階層が構成される Word 上に [ ナビゲーションウィンドウ ]( 左のウィンドウ ) が表示されていると 文書構造が登録されていることを確認できる 次に 見出し3 見出し3 にカーソルを置き[ インデントを増やす ] を2 回設定する 増やしすぎた場合は インデントを減らせばよい 最後に 見出し 2 にインデントを1 回設定する このようにすれば Word の機能として 章 節 などの文書構造を設定することができる これは 後に解説する 目次の設定 で役に立つ 情リテ文演習 2-2
2.3. スタイルの登録ここでは [ スタイル ] の登録方法を解説する 先に設定した [ アウトライン ] において 第 1 章に適当なフォント設定を施す ( 例えば 明朝体 太字 など ) ここで設定したレイアウトを後の見出しにも利用することにする このように繰り返し同じレイアウトを利用したい場合 [ 書式コピー ] を利用せずに [ スタイル ] の登録によって作業を効率化できる スタイル設定 スタイルは 文書上で繰り返し用いられるレイアウト設定を登録し 適宜呼び出せる機能である ここでは いくつかの文書スタイルを作成して登録 利用してみる まず 見出し 1 を登録する アウトラインを施したため 自動的に 見出し 1 の設定が存在するが フォント設定などは登録されていない これを登録するには フォント設定を施した 午后の授業 にカーソルを置き [ スタイル ] 上の [ 見出し1] を右クリックする 表示されたメニューから [ 選択箇所と一致するように を更新する ] をクリックする スタイルを右クリック 更新をクリック アウトラインの登録 すると [ アウトライン ] の設定が更新され 設定したフォント設定などが登録される 一度登録すれば 同じレイアウトを施したい箇所に 簡単に設定できるようになる 次に 活版所 家 ケンタウル祭の夜 天気輪の柱 北十字とプリオシン海岸 鳥を捕る人 に同じ設定を施す 2 該当する行にカーソルを置き 先に設定した[ スタイル ] の [ 見出し1] をクリックすると アウトラインやフォント設定を含めた 見出し1に登録されたレイアウトが設定される 登録されたスタイル 設定が反映される 2 見出しの箇所は フォント色を青色に設定している 情リテ文演習 2-3
アウトラインの設定 次に 本文の一字下げや インデント設定を施したのちに 本文 01 へスタイルを登録する 登録し たスタイルを用いて 本文の段落にレイアウトを設定せよ 全ての段落に 本文 01 3 を設定したのち 一部段落のレイアウト ( 文字の大きさ 色 インデントなど ) を設定し スタイル 本文 01 を更新せよ すると 本文 01 が設定された全ての段落が 同じレイ アウトに変更される 補足 ユーザ設定のアウトライン アウトライン設定には ユーザで新たに設定を作成することもできる 例として 通常の段落設定 を text00 セリフの箇所 を speech として登録する まず ではみなさん の箇所の一行目に空白を入れて 1 字下げ 左右のインデントを [ ページレイアウト ] タブの [ インデント ] を利用し 左に 1 字 右に 2 字 に設定する 次に 5 行ほど下にある ジョバンニさん のでしょう のセリフにインデント 左に 3 字 右に 3 字 を設定する 以上でレイアウトが確定したので [ スタイル ] に登録する 通常の段落設定を施した箇所にカーソルを置き [ ホーム ] タブの [ スタイル ] 設定において 下向き矢印に線が引かれている箇所をクリックする すると スタイル設定が拡張表示される ここをクリック スタイル設定の その他 ボタン 表示された拡張表示にある [ スタイルの作成 ] をクリックする 表示されたウィンドウで text00 と名前を入力し [OK] をクリックする すると カーソルを置いている箇所の設定が 新しいスタイル設定として登録される 同様の方法で セリフの箇所の設定を speech として登録する 名前を入力 スタイルの作成をクリック 新しいスタイルの登録 このようにスタイルを登録すると Word の文章で文書構造を意識した統一的なレイアウト設定を施すことができる 次に 1 ページのみで構わないので 登録したスタイル設定に該当する箇所に text00 と speech を設定する ( 動作を見るだけなので 大体で構わない ) 次に speech が設定された行のレイアウト設定を一括で変更する 例えば フォント設定を ゴシック 斜体 青色 にする その後 [ スタイル ] 設定にある speech を右クリックし [ 選択箇所と一致するように を更新する ] をクリックする すると speech が設定されている箇所が全て 登録されたレイアウトに変更される このように [ スタイル ] を設定しておくことで 文書作成後の調整が非常に効率的になる 3 このスタイルは 作業ファイル独自に用意されたものである 情リテ文演習 2-4
2.4. ページ番号の設定ここでは 文書にページ番号を設定する ページ番号の設定は Word 上にいくつか用意されているため 簡単にページ番号を設定できる [ 挿入 ] タブの真ん中より少し右にある [ ページ番号 ] をクリックする するとサブメニューが表示されるので 利用したいレイアウトのページ番号をクリックする ( 一般的にはページの下部 真ん中 or 右にページを記載する ) すると 所定の箇所にページ番号が追加される 配置したい箇所を選ぶ 番号の書式を選択する ページ番号の設定 なお 先ほどの表紙作成において [ 挿入 ] [ 表紙 ] を利用し Word の機能として表紙を作成していると 表紙の後から1ページ目が始まる これは [ ページレイアウト ] の [ 区切り ] を活用することでも同じことができる また 挿入されたページ番号の箇所をダブルクリックすることで 通常の フォント 書式設定 でページ番号のレイアウトを変更できる 2.5. ヘッダー フッターの設定 ヘッダー フッター を利用して 文書全体に統一的に表示される情報を記載することができる 例えば 作成者の名前 日付 文書のタイトル などである これを設定するのは 余白の範囲にある ヘッダー ( 頭 ) フッター( 足 ) という箇所である なお 先のページ番号設定は フッター に登録されている ヘッダー フッター の設定は [ 挿入 ] メニューにコマンドが用意されているが これを利用せず簡易な方法で作成してみる 文書にある余白の上部 ( ヘッダーが入る箇所 ) をダブルクリックする すると本文が薄い表示され ヘッダーの編集状態になり 上部メニュー表示が切り替わる [ ヘッダー / フッターツール ] が表示される 編集を終わる際は [ 閉じ る ] ボタン ヘッダーの編集画面 この状態で テキスト入力やレイアウト設定を行えば ヘッダーの文字列を作成できる 編集を終わる場 合は メニュー上にある ヘッダーとフッターを閉じる をクリックするか 本文の箇所をダブルクリック 情リテ文演習 2-5
する ヘッダー / フッターの内容は 通常グレー表示になる ヘッダーの設定 補足 ヘッダー フッターのオプション なお ヘッダーやフッターの設定は 先頭ページのみ別 奇数 偶数別にも設定できる 例えば 先頭ページのみ 日付 その他は 文書タイトル としたい場合 ヘッダーをダブルクリックし [ ヘッダー / フッターツール ] にある [ オプション ] 先頭ページのみ にチェックを入れる ヘッダー / フッターのオプション ヘッダー フッターのオプション すると 先頭ページとその他ページのヘッダーを別途作成できるようになるため 適宜 文字列を入力する これは 見開きで文書を作成する場合に 左ページに 章のタイトル 右ページに 全体タイトル を表示したり ページ番号を外側に寄せたりすることができる 課題 今回の作業で作成したデータを ファイル名 学籍番号情報リテラシー第 5 回 として保存し メールの添付ファイルとして提出 送信メールは大学メール 提出期限は本日中 必ず 件名に 組 - 学籍番号情報リテラシー第 5 回課題 を記載すること 例 )3 組学籍番号 P18991 の場合 3-991 情報リテラシー第 5 回課題 情リテ文演習 2-6