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Q7. 再生計画において 法人税法第 25 条第 3 項及び第 33 条第 4 項 ( 平成 17 年度税制改正によるいわゆる資産評価損益の計上 ) 並びに同法第 59 条第 2 項第 1 号 ( 同改正によるいわゆる期限切れ欠損金の優先利用 ) の適用を受ける場合の手続はどのようになりますか A. 法人税法第 25 条第 3 項及び第 33 条第 4 項 ( 平成 17 年度税制改正によるいわゆる資産評価損益の計上 ) 並びに同法第 59 条第 2 項第 1 号 ( 同改正によるいわゆる期限切れ欠損金の優先利用 ) の適用を受ける再生計画を策定する場合は 本基本要領に定められた手順ではなく 中小企業庁が別に定めた 中小企業再生支援協議会の支援による再生計画の策定手順 ( 再生計画検討委員会が再生計画案の調査 報告を行う場合 ) に定められた手順に従う必要があります 同策定手順は 一時停止の通知 再生計画検討委員会の設置 実態貸借対照表作成に当たっての評価基準 に基づいた資産評定などの点で 本基本要領に定められた手順 ( 協議会スキーム ) と異なります Q10. 協議会事業が対象とする 中小企業者 とはどのような企業ですか A. 協議会事業が対象とする 中小企業者 は 産業活力再生特別措置法第 2 条第 17 項に定義される 中小企業者 のとおりです 産業活力再生特別措置法第 2 条 ( 定義 ) 17 この法律において 中小企業者 とは 次の各号のいずれかに該当する者をいう Q7. 再生計画において 法人税法第 25 条第 3 項及び第 33 条第 3 項 ( 平成 17 年度税制改正によるいわゆる資産評価損益の計上 ) 並びに同法第 59 条第 2 項第 1 号 ( 同改正によるいわゆる期限切れ欠損金の優先利用 ) の適用を受ける場合の手続はどのようになりますか A. 法人税法第 25 条第 3 項及び第 33 条第 3 項 ( 平成 17 年度税制改正によるいわゆる資産評価損益の計上 ) 並びに同法第 59 条第 2 項第 1 号 ( 同改正によるいわゆる期限切れ欠損金の優先利用 ) の適用を受ける再生計画を策定する場合は 本基本要領に定められた手順ではなく 中小企業庁が別に定めた 中小企業再生支援協議会の支援による再生計画の策定手順 ( 再生計画検討委員会が再生計画案の調査 報告を行う場合 ) に定められた手順に従う必要があります 同策定手順は 一時停止の通知 再生計画検討委員会の設置 実態貸借対照表作成に当たっての評価基準 に基づいた資産評定などの点で 本基本要領に定められた手順 ( 協議会スキーム ) と異なります Q10. 協議会事業が対象とする 中小企業者 とはどのような企業ですか A. 協議会事業が対象とする 中小企業者 は 産業活力再生特別措置法第 2 条第 15 項に定義される 中小企業者 のとおりです 産業活力再生特別措置法第 2 条 ( 定義 ) 15 この法律において 中小企業者 とは 次の各号のいずれかに該当する者をいう 2

Q12. 債権放棄等の要請を含む再生計画 とは具体的にどのような再生計画を意味するのですか ( 本基本要領 6.(1)2) Q12. 債権放棄等の要請を含む再生計画 とは具体的にどのような再生計画を意味するのですか ( 本基本要領 6.(1)2) A. 再生計画案における金融支援の内容としては 第一に リスケジュールや DDS による条件変更による方法 第二に 直接債権放棄 実質的な債権放棄 DES により相談企業の債務の一部減免を求める方法の 大別してふたつの方法があります 債権放棄等の要請を含む再生計画 とは 金融支援の内容として 後者の方法を含む再生計画を意味します 債権放棄等の要請を含む再生計画 を策定する場合は 再生計画案の内容 ( 同 6.(5)6 8 9) 再生計画案の調査報告の内容 ( 同 6.(6)2) 等において 条件変更だけの場合と比較してより厳格に規定されています A. 再生計画案における金融支援の内容としては 第一に リスケジュールや DDS による条件変更による方法 第二に 直接債権放棄 実質的な債権放棄 DES により相談企業の債務の一部減免を求める方法の 大別してふたつの方法があります 債権放棄等の要請を含む再生計画 とは 金融支援の内容として 後者の方法を含む再生計画を意味します 債権放棄等の要請を含む再生計画 を策定する場合は 個別支援チームの構成 ( 本基本要領 6.(3)1) 再生計画案の内容 ( 同 6.(5)6 8 9) 再生計画案の調査報告の内容 ( 同 6.(6) 2) 等において 条件変更だけの場合と比較してより厳格に規定されています Q24. 個別支援チームのメンバーには どのような専門家が参画するのですか A. 個別支援チームには 必要に応じて 公認会計士 税理士 弁護士又は中小企業診断士等が参画します ( 本基本要領 6.(3)1) Q32. 調査報告書は誰が作成するのですか A. 統括責任者が調査報告書を作成します なお 弁護士が個別支援チームに参画した場合は 同弁護士が債権放棄等の要請を含む再生計画案の場合は原 Q24. 個別支援チームのメンバーには どのような専門家が参画するのですか A. 個別支援チームには公認会計士又は税理士を含める必要があります また 債権放棄等の要請を含む再生計画の策定を支援することが見込まれる場合は 原則として 弁護士及び公認会計士を含める必要があります ( 本基本要領 6.(3)1) Q32. 調査報告書は誰が作成するのですか A. 債権放棄等の要請を含まない再生計画案の場合は統括責任者が 債権放棄等の要請を含む再生計画案の場合は原則として個別支援チームに参画した 3

則として個別支援チームに参画した弁護士が 調査報告書を作成することができます ( 本基本要領 6.(6)1) 弁護士が 調査報告書を作成します ( 本基本要領 6.(6)1) Q36. 今般の改訂により 財務面及び事業面の調査分析は行わないこととなるのですか ( 新設 ) A. 従来 協議会では 再生計画策定支援 ( 第二次対応 ) において 個別支援チームの外部専門家による財務面及び事業面の調査分析を通じ 相談企業の財務及び事業の状況を把握していました 今般の改訂では 出来る限り迅速かつ簡易な再生計画の策定支援を行う観点化から 個別支援チームは 金融機関等が保有する相談企業の財務面及び事業面の情報や必要な調査等により 相談企業の財務及び事業の状況を把握することとなります ( あらかじめ相談企業が財務面及び事業面の調査分析を実施したうえで 相談の申し込みを行う場合も考えられます ) ただし 協議会が必要不可欠と認める場合は 外部専門家による財務面及び事業面の調査分析を実施することとなります ( 本基本要領 6.(4)1) Q37. 外部専門家による調査分析が必要不可欠な場合とは 具体的にどのようなケースですか ( 本基本要領 6(4)1) A. 外部専門家による調査分析が必要不可欠な場合とは 外部専門家による調査分析がない再生計画案では対象債権者から同意が得られないようなケースです 具体的には 例えば以下のようなケースが想定できます ( 例 ) 相談企業の負債総額が一定規模以上 ( 例えば 10 億円程度 ) で 債権者間の調整 合意が困難と予想されるケース 4

実質債務超過解消のため 大幅な債権放棄等が必要となるケース Q38. 今般の改訂により 協議会が策定支援した再生計画は 金融庁の監督指針や検査マニュアル上の取り扱いについて変更があるのでしょうか A. 協議会が策定支援した再生計画は 一定の要件を満たしていると認められる場合に限り 実現可能性の高い抜本的な経営再建計画 であると判断して差し支えないとされています 今般の改訂後も その取扱いに変更はありません なお 実抜計画等の取扱いについては以下を参考として下さい 中小 地域金融機関向けの総合的な監督指針 Ⅲ-4-9-4-3(2),3, ハ. 実現可能性の高い ( 注 1) 抜本的な ( 注 2) 経営再建計画 ( 注 3) に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合 ( 注 4) には 当該経営再建計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない ( 注 1) 実現可能性の高い とは 以下の要件を全て満たす計画であることをいう 一計画の実現に必要な関係者との同意が得られていることニ計画における債権放棄などの支援の額が確定しており 当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと三計画における売上高 費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること ( 注 2) 抜本的な とは 概ね 3 年 ( 債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない ) 後の当該債務者の債務者区分が正常先となることをいう なお 債務者が中小企業である場合の取扱いは 金融検査マニュアル別冊 中小企業融資編 を参照のこと ( 注 3) 中小企業再生支援協議会 ( 産業復興相談センターを含む ) が策定支援した再生計画 産業復興相談センターが債権買取支援業務において策定支 5

援した事業計画 事業再生 ADR 手続 ( 特定認証紛争解決手続 ( 産活法第 2 条第 25 項 ) をいう ) に従って決議された事業再生計画 株式会社企業再生支援機構が買取決定等 ( 株式会社企業再生支援機構法第 31 条第 1 項 ) した事業者の事業再生計画 ( 同法第 25 条第 2 項 ) 及び株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が買取決定等 ( 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法第 25 条第 1 項 ) した事業者の事業再生計画 ( 同法第 19 条第 2 項第 1 号 ) については 当該計画が ( 注 1) 及び ( 注 2) の要件を満たしていると認められる場合に限り 実現可能性の高い抜本的な経営再建計画 であると判断して差し支えない ( 以下 省略 ) 貸出条件緩和債権関係 Q&A ( 問 28) 抜本的な の要件である (1) (2) なお 債務者が中小企業である場合の取扱いは 金融検査マニュアル別冊 中小企業融資編 を参照のこと の主旨如何 ( 答 ) 1. 貸し手の金融機関と借り手の企業間で再建計画を策定し事業再生を進めていく場合 当該企業に対する債権が貸出条件緩和債権 ( 要管理債権 ) から上方遷移するために再建計画が満たすべき基準としては 1 実現可能性の高い 及び 2 抜本的な という大別して 2 つの要件を満たすことが必要である旨規定している 2. このうち 抜本的な という要件の趣旨は 以下のとおり (1) (2) なお 債務者が中小企業である場合の取扱いは 金融検査マニュアル別冊 中小企業融資編 を参照のこと 6

中小企業においては 大企業と比較してリストラの余地も小さく黒字化や債務超過解消までに時間がかかることが多い そこで ⅰ) 監督指針が 債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長 を認めていること ⅱ) 私的整理に関するガイドライン において 中小企業においては合理的な理由があれば 柔軟な活用もあり得る としており 中小企業の再建計画の策定を実務的にサポートする中小企業再生支援協議会においても これを踏まえ 債務超過の解消年数は 5 年以内としていること ⅲ) 検査マニュアルでは概ね 5 年以内 (5~10 年で概ね計画どおり進捗している場合を含む ) に正常先となる経営改善計画が策定されていれば破綻懸念先から要注意先以上へのランクアップを認めていること等を勘案し 中小企業に限り 検査マニュアルを参照して 卒業基準 ( 要管理債権からのランクアップ基準 ) を 計画期間が概ね 5 年以内 (5~10 年で概ね計画どおり進捗している場合を含む ) で 計画終了後正常先となる経営改善計画が策定されていること に緩和することとしている ( ) ( ) 金融検査マニュアルにおける 合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画 を 監督指針における 実現可能性の高い抜本的な経営再建計画 と同義とみなして 差し支えない ( ) 合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画については 金融機関の再建支援を要せず 自助努力により事業の継続性を確保することが可能となる場合 は計画終了時点における債務者区分が要注意先でも差し支えない 金融検査マニュアル別冊 中小企業融資編 検証ポイント 5(2) 貸出条件緩和債権のいわゆる卒業基準については 中小 地域金融機関向けの総合的な監督指針 (Ⅲ-4-9-4-3(2),3, ハ )( 注 ) において記載されているところである ( 以下 省略 ) Q39. 再生計画策定支援が完了した案件のモニタリングはどのように行わ 7

れるのでしょうか ( 本基本要領 8) A. 協議会では 再生計画が成立してから概ね 3 事業年度 ( 計画成立年度を含む ) を目途として 決算期を考慮しつつ モニタリングに必要な期間を定めますが 今般の改訂により出来る限り迅速かつ簡易な再生計画の策定支援を実施するに当たり 今後は 少なくとも半年毎のモニタリングを実施します 計画の実施支援は 主要債権者の主体的な関与が必要となりますが 協議会では必要に応じ 外部専門家の協力を得るなどしてモニタリングをサポートします 8