大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

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イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

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相模原市住宅基本計画 概要版

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

多摩ニュータウン地域再生ガイドライン|第4章 多摩ニュータウンが目指す将来像

住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

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北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

公的な住宅改修制度について

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目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

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計画の今後の方向性

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

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第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1


[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

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(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

表紙

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

平成13年度分譲マンションアンケート調査(簡易集計結果)

2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,

Taro-全員協議会【高エネ研南】

目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

第 2 章市の住宅 住環境をとりまく現状 人口増減 (H17 H22) 千里ニュータウンの建替団地のある町丁目で顕著に人口増加 ( 新千里西町 2 丁目 新千里東町 2 丁目等 ) 新規住宅地開発 ( 建替含む ) が行われた町丁目で 顕著に人口増加 ~-30% 減少 -30%~-5% 減少 -5%

平成 29 年度 過去 20 年 24 年 熊本市分譲マンション実態調査報告書 平成 29 年 11 月熊本市建築政策課 2

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東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

計画書

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

市街地再開発事業の今後の展開に関する検討会 の目的 目的 行政における再開発実務担当者の 1 問題意識の共有 2 情報交換と継承 3 専門家との交流 4 地方の声を集約する場として活用 目的 1 問題意識の共有 Step1 Step2 各自治体で抱える再開発ビルの再生に 各担当者の自由な発想による活

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目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

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平成 30 年 3 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁 福島県 大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 世帯の代表者 (5,218 世帯 ) 2. 調査時期 : 平成 30 年 1 月 4 日 ~1 月 18 日 3. 調査方法 : 郵送配布 郵送回収 4. 回答者数 :

柏駅西口北地区まちづくり

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三鷹市耐震改修促進計画(改定素案)

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報道関係者各位 平成 29 年 4 月 4 日 横浜市 東京急行電鉄株式会社 次世代郊外まちづくり が次のステージへ ~ 横浜市と東急電鉄が共同で進めるまちづくりの包括協定を更新 ~ 横浜市と東京急行電鉄株式会社 ( 以下 東急電鉄という ) は 2012 年 4 月に締結した 次世代郊外まちづくり

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本町は 過疎地域における人口減少や少子高齢化 核家族化の進展という構造的な課題を抱え 若年層の人口流出や世代間交流の機会が少ない現代社会現象が問題となっている また 本町は 県を代表する観光地であるが 観光入込客数は 瀬戸大橋が開通した昭和 63 年をピークに減少しており 平成 27 年には約 23

上田市都市計画マスタープラン地域別構想 上田中央地域(案)

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

(2) 配布 回収の状況 団地 No 団地名戸数 入居年月 配布数回収数回収率駅距離地区 1 エステート落合 5-8 団地 277 S % 1km 以上 2 グリーンテラス豊ヶ丘団地 251 S % 1km 以上 3 エステート鶴牧 4

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

金沢都市計画地区計画の変更

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

中井町緑の基本計画(概要版)

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交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

①基本計画_ xbd

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

PowerPoint プレゼンテーション

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明舞団地のあゆみ 明舞団地は 昭和 30 年代から 40 年代にかけて兵庫県と兵庫県住宅供給公社が開発し 昭和 39 年に入居を開始した県内最古のニュータウンのひとつです 近年 住民が一斉に高齢化するとともに 住宅 施設が老朽化し 住宅地としての活力の低下が懸念されてきました このため 平成 15

Microsoft PowerPoint - 資料2 国交省提出資料

8 月 : 新大阪駅周辺地域について 都市再生緊急整備地域の候補となる地域として公表 10 月 : 第 3 回大阪港ベイエリアに関する意見交換会 を開催 11 月 : 旧成人病センター跡地等に関するマーケットリサーチ結果の公表 ( 予定 ) グランドデザイン 大阪都市圏 の推進 淀川沿川の広域連携型

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

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- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

Transcription:

1 団地の現状と活性化 再生の始め方 (1) はじめに 高度経済成長期における大都市圏への人口集中に対応するため 都内には 公共住宅等の事業者や民間事業者により開発された住宅団地が 数多く存在します こうした住宅団地の多くは 入居開始から 40 年以上が経過し 建物の老朽化が進み 改修や建替えなどの時期を迎えるととともに 同時期に大量に入居した世代が一斉に高齢化しています 中でも 大規模な住宅団地では 建物の老朽化や入居者の高齢化の問題が 地域のまちづくりに大きな影響を与えます 立地特性などから住宅需要が低いと 今後 人口減少が加速し 維持管理 コミュニティ機能 住民や地域による見守りや生活支援機能が弱体化するおそれがあります 戸建住宅地では 住宅の管理が個々の戸建住宅所有者に委ねられており 中長期的な視点に立った地域の活性化等について主体的に検討 活動する組織が存在しないため 空き家の発生等による住環境の悪化や高齢化等による地域の活力低下を招くおそれがあります そのため 団地を活性化させ 再生に向けた取組を行うことが重要です 本事例集では 先進的に団地の活性化や再生に取組んでいる事例について 課題ごとに分類して紹介しています ( 参考 ) 大規模住宅団地の入居開始年次と高齢者人口比率 大規模住宅団地の開発年次と地区の高齢者人口比率には 高い相関がみられ 入居開始からの経過年数が長いほど 高齢化率が高い傾向が見られます 大規模住宅団地の入居開始年次と高齢者人口比率 高齢化率 50% 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 愛宕 38.2% 永山 32.2% 諏訪 27.9% 和田 48.6% 東方寺 43.6% 松が谷 37.7% 鹿島 33.2% 豊ヶ丘 33.0% 貝取 32.1% 落合 26.9% 鶴巻 22.5% 聖ヶ岡 37.6% 唐木田 27.5% 南大沢 25.3% 向陽台 22.8% 別所 16.4% 下柚木 13.6% 中沢 17.4% 松木 10.2% ( 東京都平均 22.4%) 長峰 19.5% 上柚木 16.9% 若葉台 10.1% 0% 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 ( 年 ) S40 45 50 55 60 H2 7 12 17 入居開始年次 ( 資料 ) 住民基本台帳による東京都の世帯と人口 / 東京都総務局 ( 注 )2016( 平成 28) 年 10 月 1 日時点 東京都平均は 2016( 平成 28)1 月 1 日時点東京都住宅マスタープラン (2016-2025) より

(2) 団地の活性化 再生に向けた取組み 団地を活性化 再生するためには 自治会や管理組合といった自治組織の活動が重要です 地域や団地の自治の核となる自治会や管理組合とは別に 地域や団地内の生活環境の充実を図るための実施組織 (NPO など ) を作り 自治会や管理組合と連携しながら 地域や団地の課題に取り組むケースも見られます こうした組織の取組は コミュニティ活動 文化活動の企画運営 集会施設等の運営 高齢者世帯向けのお手伝いサービス 子ども向けの学習サービス 子どもの一時的な預かり コミュニティカフェの運営など様々です 自治組織 ( 自治会や管理組合 ) から独立してできたもの 自治組織とは全く別に設立され 自治組織と連携するようになったものなどがあります 地域に必要なサービスを提供するためには 自治組織とこうした組織が連携することが重要であり 高齢化が進む団地や地域の中で 住民の地域貢献を含めた共助を図る仕組として 生活環境の充実を図る組織は 魅力的な地域づくり まちづくりとともに 地域の活性化や再生に大きな役割を担うものと考えられます (3) 大規模住宅団地の活性化 再生 大規模住宅団地は 計画的に整備された道路など質の高い都市インフラや 緑 オープンスペースなどの優れた環境を有しているものが多く 居住者のみならず 地域の貴重な資源となっています こうした大規模住宅団地は 地域の資源として将来世代に継承していくことが重要であり 団地の立地や 地域のニーズを踏まえた建替えや改修等を進め 都市づくりと一体となって団地を再生していく必要があります 大規模住宅団地の活性化 再生は 賃貸住宅管理者 管理組合 戸建住宅地の自治会等が 主体的に維持管理 建替え 改修 良好なコミュニティの形成等に取り組むことが重要となります 大規模な住宅団地では 様々なライフスタイルの人が居住し 多様な考え方があるため まずは 少人数からできることから取り組み 活動の輪を広げていくことが大切です 多くの人が賛同し 団地再生を進めることができれば 新たな機能 ( 福祉 生活利便等 ) の導入や土地利用の改善等が可能となり 地域のコミュニティ拠点づくり 高齢者や子育て世帯等への福祉 医療等のサービス提供の充実 若年ファミリーの入居促進 居住の安定につながります 区市町村において まちづくりや地域の福祉の担い手として 賃貸住宅管理者や管理組

合等と連携し 住民やNPO 等のまちづくりに関わる人への相談や情報提供の支援を積極的に行い 地域資源を活かした住宅団地再生とまちづくりの方向性を定めることが重要です また 団地においては 住民が主体となって 良好な住環境を維持し 次世代へ引き継がれていく住宅地に再生し 従来のベッドタウンから 誰もが住みたい 住み続けたいと感じるまちへ変える 団地の再生への取組を進めていくことが重要です 優れた環境を兼ねそなえた大規模住宅団地の魅力を最大限に生かし 若者から高齢者まで 単身世帯からファミリー世帯まで 多様な人が住みたい 交流したいと感じる新たな まちの魅力 を生み出す取組を始めましょう 男山団地 ( 京都府八幡市 ) 左近山団地 ( 神奈川県横浜市 )

< 団地の活性化 再生に向けた進め方 > 団地の活性化 再生は 団地固有の課題と周辺地域の課題を同時に捉え 周辺地域を含めたまちづくりと一体となって進めることがポイントです 現状の把握 団地の特性 同世代の居住者が集まり急速な高齢化 道路などの良好な都市基盤 公共施設 公園 オープンスペース等豊かな住環境 交通環境 商業 不動産価値 生活ニーズと現状の施設の差異 空間的 地域的に完結されたコミュニティ 関連 周辺地域の特性 人口の減少 少子高齢化 人口構造の偏り 住宅ニーズの変化 商業施設の郊外化 人口構造に対応した生活サービス施設の不足 公共施設の統廃合等 公園 オープンスペース等の不足など 検討の視点 団地の視点 居住者のライフスタイルと生活サービスのニーズ 利便性 老朽化 住まい方 安全性等 団地固有の問題への対応 関連 地域の視点 地域全体の生活 居住環境の改善に向けたまちづくりや団地インフラ資源の活用 住民活動のネットワーク化による地域力の強化 課題の抽出 集合住宅団地の課題〇居住者 高齢化 子育て世代の減少〇建物 老朽化 ( 設備 耐震性能などの維持管理 ) 高齢化に対応したバリアフリー化の遅れ 再生に向けた法的課題 ( 団地認定制度 区分所有法の合意形成など ) 〇暮らし 医療 介護 物販 交流など生活に必要な施設の不足 防災 環境への対応が不十分 戸建住宅地の課題〇居住者 高齢化 子育て世代の減少〇建物 老朽化 持ち家が多く 資産の流動性が低い ( 空き家 空き地の発生など ) 〇暮らし 医療 介護 物販 交流など生活に必要な施設がない ( 立地制限がある ) 防災 環境への対応が不十分 地域の課題 若年世帯の入居促進 生活サービスの広域的利便性の確保 誘導 多様な住宅ニーズへの対応 誘導 地域全体でのコミュニティの活性化 公共施設の統廃合など利用圏 生活圏の変化への対応 行政の取組の課題 地域への専門家等の派遣 建築基準法 都市計画法の運用 見直し 相談 情報提供機能の強化 総合計画 都市計画マスタープラン 住宅マスタープラン等での位置付けの明確化 課題への対応 協議体制づくり 他団体の先行取組事例の把握 住民意見の把握 本編事例へ

参考 : 様々な団地の種類 分類の視点 住宅団地は ほぼ同時期に宅地開発された一団の住宅地です 一団の戸建て住宅 集合住宅 賃貸 分譲 これらが複合するなど その種 類は様々で 次のような視点で分類することができます 建物の別 1 所有関係別分譲 ( 所有権 区分所有権 ) 賃貸( 占有権 ) 2 建て方別 構造別戸建 共同住宅 ( 高層 中低層 ) タウンハウス( 長屋建て ) 3 建築時期の別旧耐震 新耐震 自治組織 管理組織等の別 自治会 町会のみ 管理組合と自治会 町会が併存 法人化している組織 法人化していない組織 集会施設などを所有する組織 しない組織 管理会社などがいる団地 いない団地 居住環境 立地環境の別 主要な鉄道駅まで徒歩圏 バス圏 平坦な団地 傾斜地の団地