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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市


相模原市住宅基本計画 概要版


(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

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用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

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[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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Microsoft Word - ■【滑川町総合振興計画】計画書_修正_ _NXPowe

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大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

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計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

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はじめに

計画の今後の方向性

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

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2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

0-1表紙

1 計画の目的と位置づけ 1 計画の目的 本県では 平成 17 年度に 福井県住宅 宅地マスタープラン を策定 平成 23 年度に改定して ゆとりある豊かな住生活の実現に取り組んでいます 今回 本計画の上位計画となる住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 28 年 3 月に改定されたことや 人口減

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

第 1 部 施策編 4


第2節 茨木市の現況

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を


北見市総合計画.indd

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市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

Taro-全員協議会【高エネ研南】

意見集計結果 平成 30 年 月 5 日から2 月 5 日までの間, つくば市空家等対策計画 ( 案 ) について, 意見募集を行った結果,3 人 ( 団体を含む ) から2 件の意見の提出がありました これらの意見について, 適宜要約した上, 項目ごとに整理し, それに対する市の考え方をまとめまし

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地域子育て支援拠点事業について

1 広島市障害者計画の策定について

で広く体幹トレーニング推進することにより 健康なまち としてイメージア ップを図り魅力の向上につとめ 転出の抑制や転入の促進へとつなげる 数値目標 体幹づくりを通じて行う地域活性化事業 KPI 体幹トレーニング参加移住者数のべ人数年月のべ人数 申請時 0 0 H29.3 初年度 H30.

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高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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地域住宅計画の名称 大崎地域住宅計画第 Ⅲ 期 ( 第 2 回変更 ) 作成主体 大崎市 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 32 年度 1. 地域の住宅施策の経緯及び現況 大崎市は, 市西部の奥羽山脈を源とする鳴瀬川, 江合川が東流する肥沃な耕土として形成された大崎平野に位置し, 田園と水資源豊

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

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1 章計画の目的と方法 計画の目的 小樽市住宅マスタープラン( 住生活基本計画 ) は 安全で快適に暮らせる住環境づくりを推進するために 官民含めた住宅施策の方針を示すものであり 本市の住宅施策は 第 6 次小樽市総合計画及び本プランに基づき展開していきます 平成 16 年度に現行プランを策定後 第

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

H28秋_24地方税財源

1. 上位計画 1 住生活基本計画 ( 全国計画 )( 平成 23 年度 ~ 平成 32 年度 ) 住生活基本法 ( 平成 18 年法律第 61 号 ) 第 15 条第 1 項に規定する国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画を 平成 23 年度から平成 32 年度までを計画期間と

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

Microsoft Word - 【資料3】表紙

地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画都道府県名三重県作成主体名計画期間平成 17 年度 ~ 22 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 当該地域は 三重県の南部に位置し 人口約 25,000 人 世帯数約 8,400 世帯の地域である は伊勢志摩国立公園の玄関口として 観光及び水産業を中心に発展

部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

4 平成 年度のと 基本目標 1 しごとをつくり 安心して働けるようにする 本市の基幹産業である農漁業を魅力あるものにするため 六次産業化や高収益型農業を推進し 新規就農者や農業後継者の育成にました また 働く場所の確保と地域経済の活力向上のために企業誘致へのや 創業支援プログラムの作成

本町は 過疎地域における人口減少や少子高齢化 核家族化の進展という構造的な課題を抱え 若年層の人口流出や世代間交流の機会が少ない現代社会現象が問題となっている また 本町は 県を代表する観光地であるが 観光入込客数は 瀬戸大橋が開通した昭和 63 年をピークに減少しており 平成 27 年には約 23

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

茨木市総合計画基本計画 重点プラン修正案 ( 平成 26 年 9 月 16 日 )

第3節 重点的な取り組み

中井町緑の基本計画(概要版)

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

目次 第 1 章 : この計画について 1 (1) 舞鶴市住生活基本計画とは (2) 国 府の住宅政策の動向 (3) 舞鶴市住生活基本計画策定の考え方 第 2 章 : 舞鶴市の住宅 住環境に係る課題 2 (1) 地域生活の 安心基盤 としての住宅 住環境づくり (2) 居住魅力の向上に資する 良質な

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

2. 重点施策 事業 (1) 人が集まるまちづくりの取り組み空き家 空き地の適切な管理を促進し その活用等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため 枚方市空家等対策計画 を策定し 空き家等対策に取り組みます また 市外に住む子育て世帯や若年夫婦世帯が 市内在住の親世帯と同居 近居する目標ための住

スライド 1

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

公的な住宅改修制度について

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阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

Transcription:

丹波市住生活基本計画 概要版 平成 28 年 3 月

目次第 1 章計画策定の趣旨... 1 第 1 節計画策定の背景と目的... 1 第 2 節計画期間... 1 第 3 節計画の位置づけ... 2 第 2 章住生活を取り巻く現状と課題... 3 第 3 章基本理念と施策の展開... 5 第 1 節基本理念と10 年後の住生活の展望... 5 第 2 節基本方針と施策のテーマ... 8 第 3 節評価指標... 13 第 4 章計画の実現に向けて... 14 第 1 節市民 民間事業者 行政の役割分担... 14 第 2 節国 県等との連携... 15 第 3 節進行管理の実施... 15

第 1 章計画策定の趣旨 第 1 節計画策定の背景と目的 1 背景丹波市では 平成 18 年 6 月に交付 施行された住生活基本法の施行を踏まえ 新たな住宅政策の基本方針を平成 19 年 3 月に 丹波市住宅マスタープラン として策定し これまで住宅施策を推進してきました 国においては 住生活基本法の基本理念や基本的施策を具体化し それを推進していくための基本的な計画である 住生活基本計画 ( 全国計画 ) を平成 18 年に策定し その後平成 23 年 3 月に改定を行っており さらに現在見直しが進められています また 丹波市住宅マスタープラン が平成 27 年度末をもって計画期間終了となるため 上位計画である第 2 次丹波市総合計画や近年の住宅事情等を取り巻く環境の変化を踏まえた計画の見直しが必要となっています 2 目的住まいは 人の生活の場という視点 から見ると 家庭や人を育むかけがえのない生活空間であるとともに 社会生活や地域コミュニティ活動を支える拠点でもあり まさに人が生活を営む上での基盤となるものです また まちの構成要素という視点 で見ると 住まいは まちの機能面 景観面等において 公共施設 商業施設 オフィス 工場などとともにまちを構成する重要な要素であり 健全で活力あふれる魅力的なまちをつくる礎でもあります このように住まいは 人が生活を営む上においても まちがまちとして機能する上においても最も重要なものです そして そのまちの中で住まいを中心に展開される人の営みが 住生活 です このように 住生活 という概念が非常に広範囲にわたる概念であり 今後の住生活のあり方を考えるとき 市の様々な課題や施策などと密接に関係してきますが とりわけ人口減少問題の克服に向けた施策に留意し 連携を図っていく必要があります 丹波市が将来にわたって活力を維持し さらに発展させるため 人口減少に歯止めをかけるとともに活躍人口を増やすという 市の最重要課題の方向性と同じ方向性を持った住生活の施策を総合的に推進するため 中長期の計画として 住生活基本計画 を策定します 第 2 節計画期間 本計画の計画期間は 平成 28 年度 (2016 年度 ) から平成 37 年度 (2025 年度 ) までの 10 年間とします なお 国 県の動向や第 2 次丹波市総合計画の見直し 検討に応じて計画の修正 見直しを行うこととします 1

第 3 節計画の位置づけ 本計画は 国の 住生活基本計画 ( 全国計画 ) 兵庫県の 兵庫県住生活基本計画 及び第 2 次丹波市総合計画を上位計画として策定します また 第 2 次丹波市総合計画に基づく各分野別計画の住宅施策に関連する項目を抽出し 相互に連携 整合性を図りつつ 丹波市独自の住宅政策の基本方針を定めた計画とします 国 県の計画 国 住生活基本計画 ( 全国計画 ) ( 平成 23 年 3 月改定 ) 第 2 次丹波市総合計画 ( 平成 27 年 1 月策定 ) 丹波市の計画 即する 丹波市丹 ( まごころ ) の里創生総合戦略 ( 平成 27 年度策定予定 ) 県 即する 部門別計画 即する 住まい 住宅に関する計画 その他の行政計画 兵庫県住生活基本計画 ( 平成 24 年 1 月改定 ) 即する 丹波市住生活基本計画 ( 平成 28 年 3 月策定 ) 整合 調整 その他関連計画 住生活基本計画と部門別計画の関係 ( イメージ ) 部門別計画 ( 関連計画 ) 丹波市子ども 子育て支援事業計画 丹波市中心市街地活性化基本計画 丹波市地域福祉活動促進計画 丹波市都市計画マスタープラン 丹波市復興プラン..etc 部門別計画の住生活に関わる部分を抽出 丹波市住生活基本計画 : 住生活に関わる部分 2

第 2 章住生活を取り巻く現状と課題 社会的背景 状況 住まい 住環境の 課題整理 住まい 住環境の現状 1 市内各地域に住宅市街地 開発住宅地 農村集落地があり それぞれのを活かした多様な住宅地像を形成している 総合計画などにおいて 歴史的な建築物や町並みに調和した景観づくりが掲げられている 豊かな自然環境や田園環境と調和した住環境が形成されている 市民の地域への愛着は強く 親元への近居など 継続した市内での居住意向は強い 地域の魅力を 生かした住環境 の形成 課題 1 快適で魅力ある住環境を 形成する必要がある 人口 世帯の動向 住宅事情の動向 建設動向 都市基盤の状況 2 年少人口の割合は 14.0% で県全域 13.6% を上回っているが この 20 年間で 5.0 ポイント以上も減少しており 今後も少子化の進行が予測される また 生産年齢人口も減少している 世帯分離による世帯の小規模化 単身世帯の増加 市外への転出者が転入者を上回っている 一方で 市民の地域への愛着は強く 親元への近居など 継続した市内での居住意向は強い 少子化の進行と人口減少の傾向 課題 2 若者世代の移住 定住性を高める必要がある 公営住宅等の現況 市の重要な施策として 若者の定住支援 の要望が非常に高い 市民意識 住宅市場の動向 多様な住宅地像 3 空き家 (H15:2,400 戸 H20:4,290 戸 ) が増加している 今後も新設住宅の建設とともに増加する傾向にある 空き地や売れ残っている開発住宅地などがある 老朽化し危険な状態の空き家もあれば 良好な空き家もある 市の施策として 空き家の利活用の促進 空き家の適切な管理 除去の促進 について 重要度が高い 空き家の増加と既存住宅 宅地の利活用 課題 3 多数存在する空き家を適切に管理し 有効に活用する必要がある 住宅政策の動向 ( 国 県 市 ) 住生活基本法の制定 4 高齢化率は 29.1% と県全域 22.9% を大きく上回り 今後も高齢化の進行が予測される 高齢者のいる世帯は増加しており 全世帯の 55.6% を占め 特に高齢単身世帯が増加している 住まいの重要度や満足度では 高齢者対策についての課題性が高い 市の重要な施策として 高齢者や障がい者が安心できる住宅やまちの形成 についての重要度が高くなっている 高齢者や障がい者に対する配慮 課題 4 高齢者 障がい者が安心して生活できる住宅とまちを形成する必要がある 空家対策特別措置法 の制定 第 2 次丹波市総合計画 (H27.1~) 住生活基本計画の策定と魅力ある住宅づくり 住宅改修関連支援制度の周知 普及 市営分譲地の販売促進 市営住宅の長寿命化 5 6 持ち家では 建築基準法改正以前の住宅が約 45% あり 耐震性に不安が残る住宅がある 住宅の耐震化に対する認識は高いが 耐震診断及び耐震改修工事が進んでいない 住宅の耐震化に関する市の施策に対する認知度は低いが 重要度の認識が高く課題性が高い 平成 26 年 8 月豪雨災害による甚大な土砂災害 水害に見舞われており 防災 減災への関心が高まっている 丹波市環境基本計画 において 住宅分野における環境への配慮や省エネルギー 自然エネルギーが重点的な取り組みに位置付けられている 住宅困窮者に対して 市営 県営 雇用促進住宅の公的賃貸住宅を提供している 公営借家率 ( 借家に占める公営住宅の割合 )31.9% が 県全域や近隣市町と比べ高い傾向にある 平成 33 年度に雇用促進住宅が廃止となる 既に耐用年限を経過している若しくは今後経過する市営住宅 耐震性が不足している市営住宅が9 団地 96 戸ある 防災 減災への関心の高まり市営住宅の老朽化と住宅困窮者への対応 課題 5 安全な住宅とまちを形成する必要がある課題 6 需要に応じた 公営住宅の整備 管理を進める必要がある 3 4

第 3 章基本理念と施策の展開 第 1 節基本理念と 10 年後の住生活の展望 1 基本理念丹波市では 第 2 次丹波市総合計画 のもと 市民がそれぞれのライフスタイルやライフステージに応じた豊かな生活を享受できる社会の構築に向け 市民や民間事業者 行政など様々な主体の 参画と協働 により 総合計画で掲げられたまちづくりの目標である 誰もが住みたい定住のまち を実現するための 住生活の基本理念を次のように定めます 第 2 次丹波市総合計画 まちづくりの目標 : 誰もが住みたい定住のまち 施策目標 : 丹 ( まごころ ) の里に住みたい快適で安全な住環境をつくろう < 住生活の基本理念 > 丹 ( まごころ ) の里に住みたい快適で安全な住環境をつくる 第 1 章計画策定の趣旨 の記述にもあるように この住生活基本計画の策定の目的は 今後の住生活に関する施策を丹波市の最重要課題である人口減少克服に向けた様々な施策と整合 連携を図りながら進めるために 中長期的な対応策を取りまとめることです また それによって実現する具体的な将来像は 人口減少に歯止めがかかり 高い地域の自治機能を背景に 住み慣れた地域で 多様な住まい方をしながら 一人ひとりが力を発揮し 活躍する暮らし方 (10 年後の住生活の展望 ) を実現することです そうした将来像は 第 2 次丹波市総合計画で示している 丹( まごころ ) の里に住みたい快適で安全な住環境をつくろう が目指す方向と同じものです そのため この住生活基本計画における基本理念も 第 2 次丹波市総合計画で示している 丹( まごころ ) の里に住みたい快適で安全な住環境をつくる とし これらの計画と整合を図ることとします この基本理念で示されている住生活を実現するためには 個性と能力を発揮しながら活躍する人を増やす必要があります また 一方で そうした住生活の実現に向けて取り組むことで 人口減少に歯止めがかかり 活躍人口も増えます このように目指すべき住生活の実現と人口減少対策 活躍人口増加対策は相互に密接に関連しており これらを一体的に推進していく必要があります 5

2 10 年後の住生活の展望この住生活基本計画に記載されている施策を推進することで 10 年後にどのような住生活が実現するのか その具体的な姿を展望として次に示します また この展望を共有し 実現に向けて市民 事業者 地域 市などがそれぞれ役割や責任を自覚し 互いに協力 連携することが重要です 人口減少克服に明るい兆しが見えてきました 2010 年の合計特殊出生率は 1.66 でしたが 2025 年には 1.91 まで上昇し 地域のいたるところで子どもの泣き声 笑い声が聞こえてきます 2010 年ごろまでは年間 300 人から 400 人の転出超過でしたが 今では転出の超過はなくなりました 若者の流出が止まり あるいは一度丹波市を離れた若者が戻ってくるなど まちに活気が戻ってきました 長年住み慣れた地域で住み続けています 10 年前の人口ビジョンでは このまま人口が減少し 住み慣れた地域で住み続けることは難しいのではと心配しましたが 今では地域に多くの若者も住み あらゆる世代の市民が住み慣れた地域で住み続けることに希望を持てるようになりました 自治機能が以前にもまして高まってきました もともと丹波市は自治基本条例の制定や地域づくり交付金などにより地域の自治機能は高かったですが この 10 年間でさらに自治機能は高まり 地域の課題は地域で解決する機運が盛り上がっています 自治機能の高まりに加えて 市民プラザの設置などにより 様々な専門性の高いNPOなど市民活動団体の活動が活発に展開され 多様なサービスが提供されるようになりました 健康 医療 福祉の連携した民間の多様なサービスが住み慣れた地域で受けることが可能となる地域包括ケアシステムが確立されました 自治協議会の自治機能の高まり 専門性の高いNPO 等の活動の出現 地域包括ケアシステムの充実などにより 多様なサービスの提供や行政以外での地域課題の解決が可能になり 住み慣れた地域で住み続けることが可能になりました 6

様々な産業で若者が活躍し 多様な住まい方をしています 多くの兼業農家が高齢化 後継者不足により将来を心配していましたが この 10 年間で若い世代にバトンを渡せる農家が増え ようやく農地の集約化 規模拡大を進める下地が整い始めました 多くの若い世代の農業従事者が農地の近くに住み 多自然居住を楽しみながら 昔ながらの丹波の原風景を守っています 丹波市は自分のやりたいことに挑戦できるまちというイメージが定着し 丹波市で生まれ育った多くの若者が丹波市でスモールビジネスの起業をしています また 起業するためにIターンする若者が増えています 男女共同参画センターが開設され 女性の起業家が増えています また テレワークや子育てを応援する企業が増えて 女性が多様な働き方をしています 若い農業従事者への世代交代 都市部でなくても可能なスモールビジネスの起業 女性のより一層の社会での活躍など若者や女性の多様な働き方が 多自然居住 二地域居住 多世代同居 近居など多様な住まい方を広げつつあります 空き家が有効に活用されています 10 年前 市内各地に放置された危険な空き家が見受けられましたが 危険空き家に対する市民や自治会等の地道な努力と危険空き家の発生未然防止の仕組みにより いまでは増加が抑制されています 10 年前 空き家は やっかいなもの でしたが 今では適切な情報提供とマッチングの仕組みにより UIターン者を呼び込む貴重な地域資源として活用され 丹波の田舎らしい風景を構成する要因にもなっています どこでも安心して住めるようになりました 耐震改修支援により地震等災害に強い住宅が 10 年前に比べて増えるとともに フェニックス共済への加入も 2014 年 8 月の豪雨災害を契機に 15% まで増えるなど安全安心な住宅が増えました 適正な行財政への見直しに伴い 一部の公共施設の集約や公共サービスの見直し さらには市中心部での開発意欲の高まりによる商業施設の偏在は見られますが こうしたサービス等を居住地に関係なく享受できるよう 10 年前に比べて公共交通網が充実されています 新たな市営住宅は建設されていませんが 長寿命化の改修や設備の改修等の質的向上が図られ 住宅困窮者には確実に住宅が提供されるセーフティネットとしての役割が果たされています 高齢者や障がい者が安心して暮らせるよう グループホームやコレクティブハウジングなど多様な住宅が供給される支援策が整っています 7

第 2 節基本方針と施策のテーマ 住生活の基本理念のもと 丹波市の住環境のと課題を踏まえて 次に示す 4 つの基本方針とそれぞれの施策テーマを掲げ 今後 10 年間の施策展開を図ります 住まい 住環境の 住まい 住環境の課題 基本理念 丹 ( まごころ ) の里に住みたい快適で安全な住環境をつくる 1 地域の魅力を生かした 住環境の形成 課題 1 快適で魅力ある住環境を 形成する必要がある 基本方針施策の方針 ( テーマ ) 1-1 丹波の魅力を生かした地域拠点の形成と 市街地 開発地 2 少子化の進行と人口減少の傾向 課題 2 若者世代の移住 定住性を高める必要がある 基本方針 Ⅰ 丹波市 の魅力を活かした住まいとまちを創る 農村地域に応じた住環境整備 1-2 住まい 暮らし 健康 住環境に配慮したまちづくり 1-3 多世代同居 近居による地域づくりやコミュニティ活動の活性化の促進 1-4 食 農 里山に囲まれた田舎暮らしや多自然居住と生態系や 景観保全 3 空き家の増加と既存住宅 宅地の利活用 課題 3 多数存在する空き家を適切に管理し 有効に活用する必要がある 基本方針 Ⅱ 1-5 地元産材を活用した地産地消の家づくり 2-1 U ターンや定住における教育の役割 故郷の魅力や価値 愛着 貢献意識の醸成 4 高齢者や障がい者に対する配慮 課題 4 高齢者 障がい者が安心して生活できる住宅とまちを形成する必要がある 若者定住に向けた活気ある住まいとまちを創る 2-2 市内居住者の住環境の向上 若者の移住 定住促進 2-3 子育て世帯に適した環境と住まいの確保 2-4 空き家及び空き地の利活用の推進 3-1 高齢者 障がい者の居住の安定化の促進 3-2 高齢者 障がい者が安心して生きがいを感じ生活できる住ま 5 防災 減災への関心の高まり 課題 5 安全な住宅とまちを形成する必要がある 基本方針 Ⅲ 誰もが安全 安心に暮らせる住まいとまちを創る いの整備や公共交通の充実 3-3 住宅の耐震化 風水害対策の推進など 災害に強いリフォームなどの住まいづくり 3-4 安全安心なまちづくりと良質で環境に配慮した末永く住み続けられる住まいづくり 3-5 空き家及び空き地の適正管理の推進 6 市営住宅の老朽化と 住宅困窮者への対応 課題 6 需要に応じた 公営住宅の 整備 管理を進める必要がある 基本方針 Ⅳ 住宅セーフティネットの充実した住まいとまちを創る 4-1 市営住宅ストックの適正供給と改善 4-2 住宅確保要配慮者 への安定的な住まいの提供 4-3 民間賃貸住宅と市営住宅の役割分担 8

基本方針 Ⅰ 丹波市 の魅力を活かした住まいとまちを創る 課題 1 にあるように快適で魅力ある住環境を形成する必要があることから 山の緑や川の水 田畑 などの豊かな自然環境や景観 昔から各地域の核を担ってきた便利なまち 子どもからお年寄りまで世 代を超えた地域のコミュニティなど 丹波の魅力を活かした住まいとまちを創ります 施策テーマ 1-1 丹波の魅力を活かした地域拠点の形成と市街地 開発地 農村地域に応じた住環境整備 1-2 住まい 暮らし 健康 住環境に配慮したまちづくり 1-3 多世代同居 近居による地域づくりやコミュニティ活動の活性化の促進 1-4 食 農 里山に囲まれた田舎暮らしや多自然居住と生態系や景観保全 1-5 地元産材を活用した地産地消の家づくり 重点施策 豊かな農山村 の生活と 便利なまち の生活を両立できる住環境の形成を図る各地域の中心となる地域拠点を形成し 公共交通ネットワークなどで市の中心市街地と連携し 様々な事業を推進することにより 少子高齢化に対応し 丹波市の魅力である 豊かな農山村 の生活と 便利なまち の生活を両立できる住環境の形成を図ります 住相談窓口の設置住宅に関する総合的な窓口を設置するとともに 住宅確保要配慮者への支援をはじめ 住宅施策 就業施策 就農施策等も含めた情報提供ができるよう一体的な体制を構築できるよう検討していきます 地域で生まれたアイディア実現のための支援 ( 世代 テーマ別タウンミーティングの実施 ) 子育てに関すること 女性 若者の働く場に関すること 地域の活性化に関することなど各テーマに沿った市民を対象としたタウンミーティングを実施することで 市民の意見を汲み上げ 地域で生まれた良質なアイディアを実現するための支援を行っていきます 9

基本方針 Ⅱ 若者定住に向けた活気ある住まいとまちを創る 課題 2にあるように若者世代の移住 定住性を高める必要があり また課題 3にあるように多数存在する空き家を適切に管理し 有効に活用する必要があることから 市民一人ひとりがずっと丹波で暮らしたいと感じられるように子どもの頃から郷土愛を育み 近年市内で増加する空き家や空き地の利活用などを通して 子育て世帯の住まい 生活環境を整えることにより 若者の定住に向けた活気ある住まいとまちを創ります 施策テーマ 2-1 U ターンや定住における教育の役割 故郷の魅力や価値 愛着 貢献意識の醸成 2-2 市内居住者の住環境の向上 若者の移住 定住促進 2-3 子育て世帯に適した環境と住まいの確保 2-4 空き家及び空き地の利活用の推進 重点施策 住教育と住広報の推進地域の教育資源 ひと もの こと を活用した学習により 児童生徒に地域社会の一員としての自覚を高め ふるさとへの愛着と誇りを育む教育を推進します また 丹波市で住むことの良さを住民自らが情報発信するとともに メディアを積極的に活用し 戦略的で継続的なPR 活動を行います 空き家利活用 跡地利用対策の推進一般的な空き家だけなく 古民家の空き家も有用な地域資源として捉え 移住 定住 交流の促進策として空き家バンクを創設活用し 移住希望者への空き家情報を提供します さらに 移住定住希望者の目的やニーズと空き家等所有者等及び地域の受入れ条件等とのマッチング 移住定住後のフォローまでのきめ細やかなサポート体制の整備を図ります そして 地域活性化や地域づくりを目的として 地域や NPO などが主体となった空き家等の利活用モデル事業や維持管理への支援策 都市農村交流から移住定住を見据えた体験滞在型住宅の供給などの 空き家等利活用促進支援策を構築していきます また 管理不全な空き家等を除却した跡地を 子どもたちの遊び場所や高齢者の憩いの場 さらには公共に資する防災空地などとして 地域で利用する場合の跡地整備への支援を検討していきます 10

基本方針 Ⅲ 誰もが安全 安心に暮らせる住まいとまちを創る 課題 4にあるように高齢者 障がい者が安心して生活できる住宅とまちを形成する必要があり また課題 5にあるように安全な住宅とまちを形成する必要があります さらに課題 3にあるように多数存在する空き家を適切に管理し 有効に活用する必要があることから 高齢者や障がい者が永く健康に住み続けられる住まいやまちを整え 地震災害だけでなく豪雨災害など近年増加する自然災害に強い住まいづくりを推進し 空き家 空き地の適正な管理を推進することにより 誰もが安全 安心に暮らせる住まいとまちを創ります 施策テーマ 3-1 高齢者 障がい者の居住の安定化の促進 3-2 高齢者 障がい者が安心して生きがいを感じ生活できる住まいの整備や公共交通の充実 3-3 住宅の耐震化 風水害対策の推進など 災害に強いリフォームなどの住まいづくり 3-4 安全安心なまちづくりと良質で環境に配慮した末永く住み続けられる住まいづくり 3-5 空き家及び空き地の適正管理の推進 重点施策 高齢者を地域で支える仕組みづくり ~ 地域包括ケアシステム ( 介護予防 日常生活支援総合事業 )~ 自助 互助 共助 公助の連携によって 地域の包括的なケアシステムを構築することで 生活支援 介護予防を推進します ボランティア等の生活支援の担い手の養成 発掘等の地域資源の開発やそのネットワーク化などを行う 生活支援コーディネーター を配置するなど 多様な生活支援 介護予防サービスが利用出来るような地域づくりを支援し 互助の役割を強化します 空き家等の適正管理に対する支援空き家等所有者等の管理意識の向上と空き家等になった場合の連絡体制の徹底と併せて 空き家等維持管理助成制度や地域 NPOなどによる空き家等管理サービス業の育成 普及など 地域等と連携した適正管理に対する支援を推進していきます 11

基本方針 Ⅳ 住宅セーフティネットの充実した住まいとまちを創る 課題 6 にあるように需要に応じた 公営住宅の整備 管理を進める必要があることから 真に住宅に 困窮する世帯の数を把握し 市営住宅ストックを適正に供給 維持管理し 民間賃貸住宅と連携す ることにより 住宅セーフティネットの充実した住まいとまちを創ります 施策テーマ 4-1 市営住宅ストックの適正供給と改善 4-2 住宅確保要配慮者 への安定的な住まいの提供 4-3 民間賃貸住宅と市営住宅の役割分担 重点施策 市営住宅の長寿命化市営住宅ストックの長寿命化を図り ライフサイクルコストの縮減につなげていくことで 厳しい財政状況下で 更新期を迎えつつある老朽化した大量の市営住宅ストックの効率的かつ円滑な更新と市営住宅需要に的確に対応していきます 12

第 3 節評価指標 市民や住宅関連事業者などと目標達成に向けて協働の取り組みを進めるため 施策による達成状況を評価する指標を次のように基本方針ごとに定めます なお 評価指標は 5 年を目安に検証するとともに 必要に応じ見直しを行います 1. 丹波市 の魅力を活かした住まいとまちを創る 1 住生活の成果指標 住み続ける上で困っていること : 買い物や通勤時の交通手段が不便 (H26 住まいの市民アンケートの結果より ) 現状値 目標値 ( 平成 37 年度 ) 20.9% 減少 2 相談窓口を利用して移住した世帯数 7 世帯 / 年増加 2. 若者定住に向けた活気ある住まいとまちを創る 1 住生活の成果指標 今後の居住意向 : 丹波市に住み続けたい (H26 住まいの市民アンケートの結果より ) 現状値 目標値 ( 平成 37 年度 ) 57.4% 増加 2 ふるさと教育の参加人数 1104 人 / 年増加 3 20 代女性の純移動数 ( 転出超過数 ) 132 人 / 年減少 3. 誰もが安全 安心に暮らせる住まいとまちを創る 1 2 住生活の成果指標 住み続ける上で困っていること : 水害や土砂災害など防災面に不安 (H26 住まいの市民アンケートの結果より ) 高齢者が積極的に地域での活動に参加できていると感じている市民の割合 (H27 丹波市市民意識アンケートの結果より ) 現状値 目標値 ( 平成 37 年度 ) 40.9% 減少 43.2% 増加 3 バリアフリー改修の補助件数 239 件 / 年増加 4. 住宅セーフティネットの充実した住まいとまちを創る 住生活の成果指標 現状値 目標値 ( 平成 37 年度 ) 1 長寿命化型の改修を実施した市営住宅の戸数 18 戸 150 戸 13

第 4 章計画の実現に向けて 第 1 節市民 民間事業者 行政の役割分担 本計画では様々な施策を掲げていることから 市民 民間事業者 行政が住宅や住環境に対して知識と意識を高め それぞれが協力して役割を果たすことによって 目標の実現を図っていきます 1 市民の役割市民一人ひとりが自らの住まい 住環境に関心を持ち 本市で住まうことの良さや魅力を発見するとともに 良好な住環境の実現に向けて積極的に取り組む必要があります 活躍人口の要となる壮年層を含むいろんな世代の市民がまちづくりや地域活動に関心を持って参加し 自治機能の高い魅力ある住環境を創っていく必要があります 2 民間事業者の役割住宅供給の大半を担う住まいの作り手として 住まいの安全性や品質 性能の確保を図りつつ 良質な住環境を提供することが求められます また 市民ニーズ及び市の施策を理解し 住みよいまちづくりに協力することが求められます 3 行政の役割地域特性を活かした住宅施策を実施します また 市民の住宅建築や民間事業者の開発行為などについて 住みよいまちづくりを実現するための支援を行います 住宅セーフティネットとして 関連部署と緊密に連携を取りながら 住宅困窮者に対して適切な住宅供給を行います また 市民だけでなく市外からの転入希望者に対しても 積極的に住まいづくりに関する情報提供を行います 市民 民間事業者 行政の役割分担のイメージ 14

第 2 節国 県等との連携 1 国 県との連携総合的かつ効果的な施策を推進するため 市営住宅の維持管理 民間住宅の供給の誘導 空き家問題への対応 住まいの情報提供や安定した居住環境の維持のための仕組みづくりなど 国や県との連携を強化していきます また 施策の推進にあたって交付金等必要な財源の確保 既存制度の拡充等については 国及び県に要望していきます 2 市の施策相互間の連携本計画に示された住宅施策は 住宅長寿命化に向けた支援 高齢者 障がい者 子育てに対する施策 自治協議会の支援 防災対策 交通対策などのほか 福祉施策や地域住民の活動など 市の複数の部署に関係しています こうした市の施策相互間の連携を一層強化し ハード ソフト両面の取り組みを進めていきます 第 3 節進行管理の実施 本計画の施策の進捗状況については 成果指標による達成状況の確認や各種統計データによる現状把握を概ね 5 年を目処に行うとともに 今後の国の住宅政策の動向や社会経済情勢の変化 上位 関連計画の見直しなど必要に応じて成果指標 施策及び本計画の見直しを行うなど PDCA サイクルによる計画の進行管理を行います 15

丹波市住生活基本計画発行 / 兵庫県丹波市 ( 平成 28 年 3 月 ) 編集 / 建設部住まいづくり課住所 / 669-4192 兵庫県丹波市春日町黒井 811 番地 TEL/(0795)74-0221( 代表 ) URL/http://www.city.tamba.hyogo.jp/