山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

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回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

123

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

「標準的な研修プログラム《

ICTを軸にした小中連携

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

授業概要と課題 第 1 回 オリエンテェーション 授業内容の説明と予定 指定された幼児さんびか 聖書絵本について事後学習する 第 2 回 宗教教育について 宗教と教育の関係を考える 次回の授業内容を事前学習し 聖書劇で扱う絵本を選択する 第 3 回 キリスト教保育とは 1 キリスト教保育の理念と目的

福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

成績評価を「学習のための評価」に

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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工業教育資料347号

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校


学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

平成20年度内部評価実施結果報告書《本編》

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

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教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

45 宮崎県

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管理職等育成プログラム(完成版8月28日)

新学習指導要領の理念と カリキュラム マネジメント 2019( 平成 31) 年 1 月 16 日 文部科学省 3 階講堂 天笠茂 ( 千葉大学特任教授 )

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

平成30年度シラバス作成要領

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p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

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Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

開設 全学共通科目 講義コード 科目ナンバー ZC103 講義名 手話入門 ⅠA 組 開講期 前期 担当者名 橋本一郎 受講可能学部 E/I/C/U 単位数 2 備考 科目の趣旨 手話という聴覚障害者のコミュニケーションツールの初歩レベルを学び あわせて 聴覚障害者を取り巻く社会的

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

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平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

ウィメンズ ヘルス プロモーション概論 2 井村真澄 1 年次前期 授業の目的 リプロダクティブヘルス ライツやウィメンズヘルスに関する歴史背景 国際的動向 基盤となる理論 概念への理解を深め 女性の生涯を通じた健康課題について学び 女性とその家族に対する健康支援の充実に向けたエビデンスに基づく助産

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9.H H H FD 企画特別講義 統計学をナゼ学ぶのか,FD 講演会 統計教育 tips ( 講師 : 狩野裕大阪大学大学院教授 ) 教員 20 名参加 平成 25 年度キャリア教育報告会 教職員約 10 人参加 平成 25 年度パイロッ

磐田市水道事業ビジョン

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

授業科目名英語科教育基礎論 a (Basics of English Language Education a) 科目番号 授業形態講義単位数 1 単位標準履修年次 2 年次実施学期春 AB 曜時限水曜 2 時限対象学群 学類担当教員 ( 連絡先 ) 斉田智里 ( 非常勤講師 ) オ

CONTENTS

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

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平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

4.原稿(資料)

愛媛県学力向上5か年計画

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

17 石川県 事業計画書

1 1,200m ,482,620m 1 323,825m 1 205,988m 114,988m 60,000m 31,000m ,837m ,158,795m ,340m 1 48,006m 1 33,016m 1,125m

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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卒業研究 担当教員によって演習の内容がまったく異なります With の案内に従い 希望教員のスクーリング業関連福祉心理学演習科目コード FP5571 単位数履修方法配当年次担当教員 2 SR( 講義 ) 4 年以上山口奈緒美 予備登録 受講申込みをしてください いずれか 1 名の教員の演習しか受講で

小学生の英語学習に関する調査

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

表 回答科目数と回答数 前期 後期 通年 ( 合計 ) 科目数 回答数 科目数 回答数 科目数 回答数 外国語 ( 英語 ) 120 / 133 3,263 / 4, / 152 3,051 / 4, / 285 6,314 / 8,426 外国語 ( 英語以


平成 30 年度授業シラバスの詳細内容 科目名 ( 英 ) 担当教員名 情報技術と職業 - 演習 (Information Technology at Work Place - 授業コード exercise ) 松永多苗子 星芝貴行 坂井美穂 足立元 坪倉篤志 科目ナンバリン 福島学 グコード 配当

スライド 1

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

2、協同的探究学習について

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

第1章フランチャイズビジネスの基礎知識

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5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

Transcription:

1 (1) (2) CST(core science teacher) 21 24 2

(1) (2) (3) 3 4

(1) PDCA Plan, Do, Check, Action OPPA One Page Portfolio Assessment (2) 5 OPPA (1) OPPA(One Page Portfolio Assessment : ) OPPA (2) OPPA 6

(1) (2) (3) 7

授業科目名 担当教員名 理数学力評価論 堀哲夫 / 中村享史 / 進藤聡彦 / 早川健 科目区分 : 発展科目選択対象学生 :1 年開講学期 : 後期単位数 :2 授業の到達目標 ストレートマスター 新しい学習指導要領を中心にして学力と教育評価およびそれらと授業や学習の関わりについての理解を深める また TIMSS や PISA などの国際調査で求められている学力や日本の全国学力 学習状況調査の特に 活用に関する問題 が求める学力についての知見をまとめる 評価に関して 算数 数学科や理科の評価問題を作成し 問題のねらいや評価する目標について検討する 新指導要録の評価観点についてどのような評価方法があるかを検討し 授業や学習と関連させて検討できる力を育成する 現職教員学生 新しい学習指導要領を中心にして学力と教育評価およびそれらと授業や学習の関わりについて 自らの経験を踏まえ問題点を明らかにする また TIMSS や PISA 教育課程実施状況調査結果などの実態から 今後求められる学力のあり方について方向性を見いだし とりわけ 活用する力 を育成するための授業や学習および評価について具体例を作成できるようにする さらに 新しい指導要録の提起する評価観点を構造的に捉え 学力の構造と評価観点および授業や学習が一貫性をもっていることを理解し 実践に適用できる力を育成する 授業の概要 授業の方法 理数に関する学力論について理論的な側面と実証的な面の両面から考察する まず 理数教育のおける学力構造を明らかにする また TIMSS や PISA などの国際調査で求められている学力や日本の全国学力 学習状況調査の特に 活用に関する問題 が求める学力についての知見をまとめる 評価に関して 算数 数学科や理科の評価問題を作成し 問題のねらいや評価する目標について検討する 評価の観点として挙げられている 知識 技能 思考 判断 表現 関心 意欲 態度 からどのような評価方法があるかを検討する これまでに行われてきた TIMSS PISA などの調査問題を実際に分析して その意図や問題設定の構造などを知る 国内の学力調査の問題を分析する その中で 問題を作成し どのような学力を測定できるかを実証的に行う さらに 一枚ポートフォリオ評価シートを作成し授業のグランドデザインと実践の検証を行う 授業計画の概要 1 理数教育における学力と評価に関する課題 ( 堀 中村 進藤 早川 ) これまでの学力や評価の問題点 授業および学習と学力および評価がどう関わっているか 学力と評価を考える新しい視点など 3 名の担当教員から 理科および算数 数学教育 認知心理学からみた学力と評価に関する問題点と講義の概要を紹介する 2 学力構造に関する理論的考察 ( 進藤 堀 中村 早川 ) 学力はどう捉えられてきたか 1

理念と実態の乖離はなぜ起こっているのか 学力のグローバルスタンダードの問題など進藤が学力構造に関する全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の学力構造の概要を講義する 3 学力調査に関する実践的考察 ( 早川 堀 中村 進藤 ) 学力調査はどのように行われているか 各種学力調査のねらいと比較 学力調査が授業や学習に意味するものなど堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の学力調査に関する実践的考察を講義し 進藤が補足説明を行う 4 学力に関する変遷 ( 歴史的考察 )( 進藤 中村 堀 早川 ) 学力観の変遷 学力観と授業実践の関わりに関する問題 学力観の変遷から何を学ぶかなど進藤が学力に関する歴史の全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育における学力歴史の概要を講義する 5 TIMSS 調査問題における学力 ( 進藤 中村 堀 早川 ) TIMSS のねらいと方法 TIMSS の具体的調査問題の検討 TIMSS の具体的調査問題と日本の学力調査問題比較など進藤が TIMSS 調査問題の学力に関する全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の概要を講義する 6 TIMSS 調査結果の国際比較 ( 進藤 中村 堀 早川 ) TIMSS の国際比較が意味するものなど進藤が TIMSS 調査結果の国際比較に関する全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の概要を講義する 7 PISA 調査問題における学力 ( 進藤 中村 堀 早川 ) PISA のねらいと方法 PISA の具体的調査問題と日本の学力調査問題比較など進藤が PISA の調査問題に関する全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の概要を講義する 8 PISA 調査結果の国際比較 ( 進藤 中村 堀 早川 ) PISA の国際比較が意味するものなど進藤が PISA の調査結果の国際比較に関する全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の概要を講義する 9 TIMSS PISA 型問題の作成 評価 ( 演習 )( 早川 中村 堀 進藤 ) 学力のねらいと調査問題の作成 調査問題の実施と評価など受講生が TIMSS PISA 型問題として作成したものについて 堀と中村がそれぞれ理科および算数 数学教育の立場から受講生とともに討議を行い 問題に対する評価の視点も検討する 進藤がそれに対する補足説明を行う 10 活用型問題 ( 言語 ) の考察 ( 進藤 中村 堀 早川 ) 言語領域における活用型とはどのようなものか 2

履修条件 成績評価基準 これまでのものと活用型の問題は何がどう違うかなど進藤が活用型問題の全体的考察を行い 堀と中村がそれぞれ教科教育の立場から補足説明を行う 11 活用型問題 ( 算数 数学 ) の考察 ( 中村 堀 進藤 早川 ) 中村が算数 数学に関する活用型問題に関する講義を行い 堀と進藤が補足説明を行う 12 活用型問題の作成 評価 ( 演習 )( 早川 中村 堀 進藤 ) 算数 数学分野における活用型とはどのようなものか これまでのものと活用型の問題は何がどう違うかなど受講生が算数 数学に関して作成した活用型問題を中村が中心となって討議を行い 堀と進藤が補足説明を行う 13 学力を高めるための学習履歴を重視した授業のグランドデザイン ( 堀 進藤 中村 早川 ) 授業のグランドデザインと一枚ポートフォリオ評価 一枚ポートフォリオ評価の本質的問い 学習履歴 自己評価という要素と学力形成の関わり堀が一枚ポートフォリオ評価法と授業のグランドデザインについて講義し 学力形成との関わりについて中村と進藤が補足説明する 14 一枚ポートフォリオシートの作成と授業の実施 ( 堀 進藤 中村 早川 ) 授業のグランドデザインと一枚ポートフォリオシートの作成および授業の実施堀が中心となって受講生に一枚ポートフォリオシートの作成を受講生に行い 学習指導案とどう位置づけ授業を行うのか検討する 中村と進藤は補足説明を行う ストレートマスターと現職教員学生が作成したものを比較検討し 内容の違いからストレートマスターには 教師として備えるべき資質 能力を認識させ 現職教員学生にはさらなる力量形成をはかる 15 授業の実施と学力形成の検証 ( 早川 堀 進藤 中村 ) 一枚ポートフォリオシートの記録を分析することによる学力形成の検証作成した一枚ポートフォリオシートを実際の授業の中で活用することにより 具体的な学力形成の検証を堀が中心となって行う それに対して中村と進藤が補足する 特になし ストレートマスター 学力や評価の問題点を理解できる 学力および評価について文献から歴史的 比較文化的に理解できる TIMSS PISA および日本の学力調査問題を分析し 比較 検討を行い 趣旨に添った問題を作成することができる 一枚ポートフォリオシートを作成することができる 現職教員学生 学力や評価の問題点を理解するとともに 解決への具体的方策を見いだすことができる 学力および評価について文献から歴史的 比較文化的に理解するとともに 教育現場の課題解決に適用できる 3

成績評価の方法 授業の進め方 参考図書 TIMSS PISA および日本の学力調査問題を分析し 比較 検討を行い 趣旨に添った問題を作成し 実践および具体的改善に寄与することができる 一枚ポートフォリオシートを作成し 授業のグランドデザインと実践 学力形成効果の検証をすることができる 成績評価は4 名の担当教員が協議して決定する 成績評価の項目 割合 評価の観点は次のとおりである レポート課題: 50% 課題は適宜出すのでそのたびに提出 一枚ポートフォリオシートの作成も含む 受講への参加態度 :50% 授業での質問 発言などの参加意欲 授業での課題に自らの意見を述べることを重視する 授業を担当する4 名の教員が常時授業に関わって進行する それぞれの専門分野の違いにより 核となって授業を進める教員が毎授業時間ごとに存在する これまでに行われてきた TIMSS PISA などの調査問題を実際に分析して その意図や問題設定の構造などを知る 国内の学力調査の問題を分析する その中で 問題を作成し どのような学力を測定できるかを実証的に行う また 学力と評価が授業や学習とどのように関わっているのかを理解するために学習履歴が枚核になる一枚ポートフォリオ評価シートを作成し 学力形成の実態を検証する ストレートマスターは同じ課題に対して 現職教員学生とどこがなぜどのように異なっているのか意識化できる働きかけを教員が行い 教師に必要とされる資質 能力の視点とその育成ができる授業を行う 現職教員学生には 自らの資質 能力の現状把握およびその変容が可能になるようにするとともに ストレートマスターとの討議などから現場における教師育成の具体的視点とその方法が獲得できるようにする 田中耕治編著 新しい学力テストを読み解く 日本標準 2008 年 田中 西岡編集 学力向上 実践レポート 教育開発研究所 2008 年 国立教育研究所編 TIMSS2003 数学教育の国際比較 ぎょうせい 2005 年 国立教育研究所編 TIMSS2003 理科教育の国際比較 ぎょうせい 2005 年 国立教育政策研究所監訳 PISA2006 年調査評価の枠組み ぎょうせい 2007 年 堀哲夫編著 子どもの学びを育む一枚ポートフォリオ評価 日本標準 2004 年 4

授業科目名 担当教員名 理数学習教材開発論 早川健 / 堀哲夫 / 中村享史 科目区分 : 発展科目選択対象学生 :1 年開講学期 : 後期単位数 :2 授業の到達目標 授業の概要 授業の方法 ストレートマスター 学習教材を多面的に比較検討し問題点と改善点を明確にする 授業実践の中で用いられる適切な学習教材の視点を明確にし 適切なものを選択する 実際の学習教材に関して効果的な利用ができるよう改善し 開発する 現職教員学生 学習教材を多面的に比較検討し問題点と改善点を明確にする 自らの経験に照らし合わせ 授業実践で用いる学習教材を改善したり開発したりする 改善や開発した学習教材の効果を模擬授業などで検証する 適切な学習教材を用いて他の教師にその効果を指導する 授業実践における学習教材のあり方や重要性について考察する 算数 数学科や理科の学習教材について日本や諸外国の教科書分析を通して その現状を把握し 授業実践における学習教材の重要性について考察する また 算数 数学科や理科の学習教材について 効果的な学習教材が具備すべき諸条件について グループ討議などで検討する 実際に 算数 数学科や理科における効果的な学習教材を開発し 実際の授業実践での活用を図っていく 開発した学習教材を用いて 模擬授業を行い その効果や課題を検討する 講義 演習 ビデオ授業による授業研究 授業研究会 校内研究会の実際を行う また テーマについての意見発表 意見交換などを行う 授業計画の概要 1 授業実践における学習教材の重要性とその定位について ( 早川 堀 中村 ) 学習教材の必要性と課題 学習教材と授業および学習の関わり 学習教材の効果と評価など 3 名の担当教員から 理科および算数 数学教育の教材開発論の現状および課題などに関する概要を紹介する 早川は現場からの 堀と中村は研究の立場からの講義を行う 2 日本の算数 数学科における学習教材の現状と課題 ( 早川 中村 堀 ) 算数 数学科における学習教材の位置づけ 現状と課題など算数 数学教育の学習教材の現状と課題について 早川が現場からの 中村が研究の立場からの講義を行う 堀は教科教育からの補足を行う 3 日本の理科における学習教材の現状と課題 ( 堀 早川 中村 ) 理科における学習教材の位置づけ 現状と課題など理科教育の学習教材の現状と課題について 堀が研究の立場からの講義を行う 早川と中村は教科教育からの補足を行う 4 諸外国の算数 数学教科書にみる学習教材の分析 ( 早川 堀 中村 ) 教科書と学習教材の役割 5

現状と課題など諸外国の算数 数学教科書における学習教材について 中村が研究の立場からの分析や講義を行う 早川と堀は教科教育からの補足を行う 5 諸外国の理科教科書にみる学習教材の分析 ( 早川 堀 中村 ) 教科書と学習教材の役割 現状と課題など諸外国の理科教科書における学習教材について 堀が研究の立場からの分析や講義を行う 早川と中村は教科教育からの補足を行う 6 算数 数学科における効果的な学習教材が具備すべき条件 ( グループ討議 ) ( 早川 中村 堀 ) トップダウンかボトムアップか 学習者が熱中する条件の明確化など算数 数学教科書における効果的な学習教材が具備すべき条件などについて 早川が現場の 中村が研究の立場を踏まえて 受講生を中心にして討議を行う 堀も討議に加わる 7 理科における効果的な学習教材が具備すべき条件 ( グループ討議 )( 早川 堀 中村 ) トップダウンかボトムアップか 学習者が熱中する条件の明確化など理科教科書におけるにおける効果的な学習教材が具備すべき条件などについて 堀が研究の立場を踏まえて 受講生を中心にして討議を行う 早川と中村も討議に加わる 8 算数科における効果的な学習教材の開発 ( 小学校 )( 演習 )( 早川 中村 堀 ) トップダウンかボトムアップか 学習者が熱中する条件の明確化など算数科における効果的な学習教材開発のために 早川と中村が中心になり演習を行う 堀も補足を行う 9 数学科における効果的な学習教材の開発 ( 中学校 高校 )( 演習 )( 早川 中村 堀 ) トップダウンかボトムアップか 学習者が熱中する条件の明確化など数学科における効果的な学習教材開発のために 早川と中村が中心になり演習を行う 堀も補足を行う 10 理科における効果的な学習教材の開発 ( 小学校 )( 演習 )( 堀 早川 中村 ) メッシングアバウト法 素朴概念の明確化とそれを活用する方法など小学校理科における効果的な学習教材開発のために 堀が中心になり演習を行う 早川と中村も補足を行う 11 理科における効果的な学習教材の開発 ( 中学校 高校 )( 演習 )( 堀 早川 中村 ) 慣性の学習教材の場合 ミステリーパウダー法など中学校 高校理科における効果的な学習教材開発のために 堀が中心になり演習を行う 早川と中村も補足を行う 12 開発した学習教材を活用した算数科の授業展開の提案と検討 ( 演習 ) 6

履修条件成績評価基準成績評価の方法授業の進め方 ( 早川 中村 堀 ) 開発した学習教材を取り入れた授業のグランドデザインを基にした討議など受講者が構築した授業のグランドデザインを発表 討議する際 早川が現場サイドから 中村が研究サイドから指導を行う 堀も補足を行う 13 開発した学習教材を活用した数学科の授業実践の試行と効果の検証 ( 演習 )( 早川 中村 堀 ) 開発した学習教材を取り入れた授業のグランドデザインを基にした討議など受講者が構築した授業のグランドデザインを発表 討議する際 早川が現場サイドから 中村が研究サイドから指導を行う 堀も補足を行う 14 開発した学習教材を活用した理科の授業展開の提案と検討 ( 演習 )( 堀 早川 中村 ) 開発した学習教材を取り入れた授業のグランドデザインを基にした討議など受講者が構築した授業のグランドデザインを発表 討議する際 早川が現場サイドから 中村が研究サイドから指導を行う 堀も補足を行う 15 開発した学習教材を活用した理科の授業展開の試行と効果の検証 ( 演習 ) ( 堀 早川 中村 ) 授業による効果の検証と討議 課題に対する評価など受講者が構築した授業のグランドデザインを発表 討議する際 堀が研究サイドから指導を行う 早川 中村も補足を行う 特になし ストレートマスター 授業研究の意義や役割について文献から歴史的 比較文化的に理解する 実際の授業分析を通して 授業研究の方法を捉えることができる 授業研究による教師の力量形成について意識化する 現職教員学生 校内研究会などの経験や文献から歴史的 比較文化的に授業研究の意義や役割について理解する 実際の授業分析を通して 教師の発問と子どもの発言の関連を捉えることができる 成績評価は3 名の担当教員が協議して決定する 成績評価の項目 割合 評価の観点は次のとおりである レポート課題: 50% 課題は適宜出題 受講への参加態度 :50% 授業での質問 発言などの参加意欲 授業での課題に自らの意見を述べることを重視する 授業の最重要点を各自記録させ 学習履歴として残し最後に自己評価させる 講義と演習が中心となり3 名の教員が常時共同で授業を行う 学習教材に関する理論的検討だけではなく その問題点を明確にしつつ実際に学習教材を開発し 発表 討論及びその試行には全員が参加する また 国内だけではなく 諸外国の理科教科書等も概観しながら 広範かつ多面的な視点から学習教材について検討を加えていく その際 ストレートマ 7

スターは学部での経験を踏まえ実践における課題を明確に意識でき 現職教員学生の意見からも学ぶことができるように 現職教員学生は後輩の指導という視点も意識しつつ受講が可能になるようにする つまり 異質かつレベルの違いが相互を高め磨きあうことができるような指導を行う 参考図書 杉山吉茂 公理的方法に基づく算数 数学の学習指導 東洋館出版社 1986 年 日本理科教育学会編 理科ハンドブックⅠ Ⅱ これからの理科授業実践への提案 東洋館出版社 2002 年 東 大橋 戸田編 理科教育事典自然科学編 大日本図書 1991 年 8