第 52 巻 19 第 1 号 2013 年 3 月 特集 ここまできた低侵襲性がん治療の進歩 大腸癌に対する腹腔鏡下手術 Laparoscopic surgery for colorectal cancer 丸 山 聡 瀧 井 康 公 福 本 神 林 智寿子 金 子 耕 司 松 木 中 川 悟 藪 崎 裕 佐 藤 将 信 人 西 垣 大 志 淳 野 村 達 也 昭 土 屋 嘉 昭 梨 本 篤 Satoshi MARUYAMA, Yasumasa TAKII Masato FUKUMOTO Taishi NISHIGAKI Chizuko KANBAYASHI Kouji KANEKO Atsushi MATSUKI Tatsuya NOMURA Satoru NAKAGAWA Hiroshi YABUSAKI Nobuaki SATOU Yoshiaki TSUCHIYA and Atsushi NASHIMOTO 要 旨 大腸癌に対する腹腔鏡下手術は急速に普及し 現在 標準手術の主流になりつつある 当 院でも2009年6月から2012年11月までに259例の腹腔鏡下大腸手術を施行した 施行件数は年 次毎に徐々に増加し 2012年は11月までに85例施行され 初発大腸癌手術のうち腹腔鏡下手 術の占める比率は47.8% 85/178 であった その短期成績は本邦の先進的な施設で行われた 多施設共同試験の成績と較べても良好であった 大腸癌に対する腹腔鏡下手術の国内外の現 状と今後の展望につき概説し 当院における今後の課題を検討した はじめに 腹腔鏡下大腸切除術が施行されてから約20年が経 過した1,2 当初は手術操作の困難さやポート部再発 の懸念など癌治療としての妥当性の疑問から なか なか普及が進まなかったが 手術器具の開発や手術 手技の向上に加え 日本内視鏡外科学会における技 術認定制度の制定 欧米からの開腹手術との比較試 験で安全性や有効性が報告されたことにより 近年 急速に普及してきている 当院での腹腔鏡下大腸切除術の成績を報告すると ともに 大腸癌に対する低侵襲性手術に関する国内 外の現状と今後の展望につき概説する Ⅰ た 2009年6月から2012年11月までに259例の腹腔鏡 下大腸手術を施行した 腫瘍の主占居部位は V 5 例 C 25例 A 55例 T 24例 D 5例 S 54例 RS 46例 Ra 24例 Rb 17例 P 2例であり 図1 施行術式は 24 55 5 25 対象と方法 当院では他院に先駆けて大腸癌に対して腹腔鏡下 手術を施行した歴史がある 担当医師の交代や手術 適応の見直しなどで一時積極的に行わなかった時 期があるが 2009年6月から本格的に再導入となっ 5 46 2 図1 54 24 17 腹腔鏡下大腸手術の大腸癌占居部位 新潟県立がんセンター新潟病院 外科 Key words 腹腔鏡下手術 laparoscopic surgery 大腸癌 colorectal cancer ロボット支援手術 robotic surgery ポート減数手術 reduced port surgery 2013.3_がんセンター論文.indd 19 13/03/22 14:07
20 新潟がんセンター病院医誌 表 1 の如く, 右半結腸切除術が最も多く, ついで S 状結腸切除術, 低位前方切除術であり, 骨盤内臓全摘術などの稀な拡大手術を除いて全術式に及んでいる 表 1 腹腔鏡下大腸手術の施行術式 術式 件数 右半結腸切除術 79 S 状結腸切除術 53 ( 超 ) 低位前方切除術 53 前方切除術 32 横行結腸切除術 20 回盲部切除術 10 下行結腸切除術 5 としているのは下部直腸癌側方転移陽性例, 巨大腫瘍 ( 結腸癌で 8cm, 直腸癌で 6cm が一応の目安 ), 高度リンパ節転移陽性例 (cn2~cn3), 腸閉塞症例, 他臓器浸潤例 (csi), 開腹手術の臨床試験登録例などである 手術部位に一致した開腹手術既往例に関しては, その美容的意義も加味して適応を判断している なお, 手術適応は適宜見直しが必要であり, この適応もあくまでも 2012 年 11 月現在のものである Ⅲ 結 果 腹腔鏡下大腸手術件数の変遷をみると, 再導入年から年次毎に徐々に増加している ( 図 2) 2012 年は 11 月までに 85 例施行され, 初発大腸癌手術のうち腹腔鏡下手術の占める比率は 47.8%(85/178) であった 腹会陰式直腸切断術 4 大腸全摘術 2 結腸癌手術 ( 直腸 S 状部癌を含む )202 例と直腸癌手術 57 例に分けて, その短期成績を報告する 大腸癌についての記載様式は大腸癌取扱い規約第 7 版補訂版に従った 3) Ⅱ 当院における手術適応 早期癌, 進行癌とも腹腔鏡下手術の適応である また, 局在に関しても難易度が高いといわれる横行結腸癌や直腸癌にもその適応を広げている 適応外 図 2 当院における腹腔鏡下大腸手術件数の変遷 結腸癌手術 202 例の内訳を表 2 に示す 平均年齢 表 2 腹腔鏡下結腸癌手術 (RS 癌含む ) の内訳 結腸癌手術 202 例 (RS 含む ) 年齢 67.3(40 ~ 90) 才性別男 102 女 100 BMI 23.6(15.0 ~ 38.2) 開腹既往あり 83 なし 119 手術時間 ( 分 ) 180(105 384) 出血量 (ml) 10.5(5-160) 術後在院期間 8.1(5 ~ 35) 日中央値 7 日 fstage 0 31 Ⅰ 79 Ⅱ 42 Ⅲa 32 Ⅲb 12 Ⅳ 3 開腹移行 5 例 (2.5%) 吻合操作時のトラブル 2 ssi 2 癒着 1 術後合併症 27 例 13.3% 無症候性 DVT 6 3.0% 麻痺性イレウス 6 3.0% 腸炎 5 2.5% 胃排出遅延 2 1.0% 縫合不全 2 1.0% 肺炎 2 1.0% 創感染 1 0.5% その他 4 2.0%
第 52 巻第 1 号 (2013 年 3 月 ) 21 67.3 歳 (40~90 歳 ), 男性 102 例, 女性 100 例, 平均手術時間は 180 分 (105~384 分 ), 平均出血量は 10.5ml(5-160ml) であった 郭清度は D1 18 例,D2 26 例,D3 158 例, 最終病期 (fstage) は 0 31 例,Ⅰ 79 例,Ⅱ42 例,Ⅲa 32 例,Ⅲb 12 例,Ⅳ 3 例であり早期癌と進行癌でほぼ半数であった 開腹移行は 5 例 (2.5%) で, 術中に癌の他臓器浸潤が判定された症例 (ssi) が 2 例, 吻合操作の過緊張など技術的要因によるものが 2 例, 高度癒着症例が 1 例であった 現在, 当院のクリニカルパスでは術後 7 日目に退院としている状況下で, 実際の術後在院日数は平均 8.1 日 (5~35 日 ), 中央値 7 日であった 術後合併症は 27 例 (13.3%) に認め, 主なものとして縫合不全は 2 例 (1.0%), 創感染は 1 例 (0.5%) であった 直腸癌手術 57 例の内訳を表 3 に示す 平均年齢 61.9 歳 (36~87 歳 ), 男性 31 例, 女性 26 例, 平均手術時間は 217 分 (134~455 分 ), 平均出血量は 9.7ml (5-60ml) であった 最終病期 (fstage) は 0 3 例, Ⅰ 25 例,Ⅱ 7 例,Ⅲa 19 例,Ⅲb 2 例,Ⅳ 1 例であった 開腹移行は 2 例 (3.5%) で, 術中に腹膜播種と判定された症例 (sp2) が 1 例, 吻合操作時の技術的要因によるものが 1 例であった 現在, 当院のクリニカルパスでは低位前方切除術は術後 10 日目退院, 超低位前方切除術, 直腸切断術で人工肛門造設がなされた場合は 14 日目退院としているなかで, 実際の術後在院日数は平均 12.5 日 (7~42 日 ), 中央値 10 日であった 術後合併症は 10 例 (17.5%) に認め, 縫合不全は 3 例 (5.3%), 創感染は 1 例 (1.8%) であった Ⅳ 考察 大腸の腹腔鏡下手術は 1990 年に Jacobs が初めて報告し 1), 我が国では 1993 年から学会報告がなされるようになった 2) 当初は内視鏡治療が困難な大きな腺腫や早期がんを対象に本術式は行われ, 内視鏡的摘除と開腹手術との中間的な位置づけがなされていた 術創が小さいことによる術後疼痛の軽減, 入院期間の短縮や美容面での利点などその低侵襲性が強調された その一方で, 手術時間の延長や医療コストの増加, 手術安全性の問題, 悪性疾患における根治性の問題など多くの課題があり, 大腸癌手術においてすぐに普及したわけではなかった 本邦においてはいくつかの腹腔鏡下大腸切除に関する研究会やプロジェクトチームが立ち上げられ, 標準術式の確立, 講習会の開催と training 法の検討, データ集積による遠隔成績の分析がなされてきた 2004 年以降, 海外における大腸癌に対する開腹手術と腹腔鏡下手術を比較した大規模な Randomized Control Trial (RCT) で, 短期成績での腹腔鏡下手術の優越性および長期成績での同等性が報告され 4~7), 本邦においてもリンパ節郭清手技の進歩と確立によって腹腔鏡下大腸切除の適応が早期大腸癌から進行癌へと広がると, その施行件数は飛躍的に増加した 内視鏡外科手術に関するアンケート調査が定期的に日本内視鏡外科学会から報告されている 8) それによると腹腔鏡下大腸癌手術は右肩上がりに増加しており, 日本内視鏡外科学会登録 419 施設において,2011 年 表 3 腹腔鏡下直腸癌手術の内訳 直腸癌手術 57 例年齢 61.9(36 ~ 87) 才性別男 31 女 26 BMI 23.8(17.1 ~ 31.7) 開腹既往あり 15 なし 42 手術時間 ( 分 ) 217(134 455) 出血量 (ml) 9.7(5-60) 術後在院期間 12.5(7 ~ 42) 日中央値 10 日 fstage 0 3 Ⅰ 25 Ⅱ 7 Ⅲa 19 Ⅲb 2 Ⅳ 1 開腹移行 2 例 (3.5%) 吻合操作時のトラブル 1 sp2 1 術後合併症 10 例 17.5% 無症候性 DVT 3 5.3% 縫合不全 3 5.3% 骨盤膿瘍 1 1.8% 創感染 1 1.8% 不整脈 1 1.8% 尿路感染 1 1.8%
22 新潟がんセンター病院医誌 の初発大腸癌手術のうち腹腔鏡下手術の占める比率は 46.8%(16,417/35,048) であった なお,2012 年における当院の施行比率は 47.8% で, 全国平均レベルにあると言える また, 腹腔鏡下手術における進行癌の割合も年次毎に徐々に増加しており,2003 年に 50% を越え,2011 年ではおよそ 70% となっていた ( 図 3) 腹腔鏡下手術症例数は今後も更なる増加が予想される 一方, 最新版である 2010 年版の大腸癌治療ガイドライン 9) では大腸癌に対する腹腔鏡下手術は D2 以下のリンパ節郭清で十分な早期結腸癌が良い適応で,D3 の必要な進行癌は習熟度を考慮して適応を決定すべきであると慎重な姿勢を示している これは, 欧米での複数の大規模 RCT における開腹手術, 腹腔鏡手術とも殆どが本邦でいう D1~D2 程度のリンパ節郭清しかなされていないため, この結果をそのまま日本の臨床に外挿することへの危惧と安全性 の配慮からと推察される また, 大規模な RCT での対象症例から手術の難易度が高い横行結腸癌や直腸癌は除外されており, 横行結腸癌や直腸癌に対する有効性, 安全性に関するエビデンスも不足している これらを解決するため, 本邦でも進行結腸癌に対する開腹手術と腹腔鏡手術の根治性に関する RCT が Japan Clinical Oncology Group(JCOG)0404 試験で行われ,1057 例の集積を終えて, 本年の米国臨床腫瘍学会 (ASCO,ASCO-GI) でその短期成績が発表された ( 表 4) 10) その結果,StageⅡ/Ⅲ 結腸癌を対象とした腹腔鏡下手術は, 開腹手術と較べて出血量が少なく, 術後の排ガスまでの期間が短く, 術後在院日数が短いが, 手術時間が長くなるというものであった 長期成績を含めた最終解析が 2014 年に予定されている また, 直腸癌に関しても腹腔鏡下大腸切除研究会で Clinical Stage 0-Ⅰ 期直腸癌に対する腹腔鏡下手術の妥当性に関する第 Ⅱ 相試験 (LapRC) 図 3 腹腔鏡下大腸手術件数の年次推移 ( 文献 8 より引用 ) 表 4 JCOG0404 短期成績のまとめ ( 中央値 ) 開腹群 腹腔鏡下群 p 症例数 524 523 手術時間 ( 分 ) 159 211 <0.0001 出血量 (ml) 85 30 <0.0001 排ガスまでの日数 2 2 <0.0001 術後在院日数 11 10 <0.0001 G3/4 縫合不全 2.1% 1.9% 0.83 G3イレウス 1.5% 0.9% 0.42 G3/4 尿路感染 0.2% 0.0% 0.50 術死 0.2% 0.0% 0.50
第 52 巻第 1 号 (2013 年 3 月 ) 23 が行われ,495 例が集積され, 安全性に関する短期成績が昨年の米国外科学会 (ACS) で発表された ( 表 5) 中央値で手術時間は 270 分, 出血量は 28ml, 術後在院日数は 12 日, 手術関連死亡はなく, 縫合不全は Double stapling technique (DST) 吻合による前方切除 400 例のうち 32 例 (8%) に, 内肛門括約筋切除 (ISR)78 例のうち 7 例 (9.0%) に認めた これらの成績は過去の開腹手術の報告と較べて満足のいくものであった なお, これら全国的な腹腔鏡手術の先進施設での臨床試験成績と較べて, 結腸癌, 直腸癌ともに当院の成績は遜色なかった 今後, 臨床試験と同様に当院でも長期成績の検証を行っていく必要がある 腹腔鏡下手術の安全性担保のために本邦に限らず海外のガイドラインでも, 適応に術者の経験や技量を考慮するよう記載されていることも特記すべきである 本邦では 2005 年に日本内視鏡外科学会により技術認定制度が制定された 後進を指導できるレベルの高い技量を要しているかどうかの判定を, 未編集の手術ビデオを評価することにより行われる これは今までの外科系専門医制度にはない, 手術技術が評価される画期的なものであり, 合格率は 20~ 40% と比較的厳しくなっている ただし, 認定を持つことが腹腔鏡下手術をするうえでの必要条件ではなく, その制度制定の目的は腹腔鏡下手術の健全な 普及と進歩を促すことである 反して本邦においては通常の腹腔鏡下手術ですら長期成績の検証がなされていない状況でも, 低侵襲手術として更なる試みも進んでいる その流れは 2 つの方向性がある 一つは, 通常の腹腔鏡下大腸手術では 5 つのポート ( 創 ) を使うことが一般的であるが, そのポート ( 創 ) を減らす, いわゆる Reduced port surgery という流れである 標本摘出のための 3cm 程度の創のみを利用して送気し, 腹腔鏡と手術器具を挿入して手術を行うのが単孔式手術 (TANKO) である Reduced port surgery に関しては本当に低侵襲であるのか, 安全性は担保されているか, 癌の根治性は損なわれないかなど, 通常の腹腔鏡手術が導入される際に慎重に議論された過程がスキップされていることは大きな問題である 特に単孔式手術は 2010 年の治療ガイドラインでは全く触れられていないにも関わらず, 実臨床において急速に広がりつつある 単孔式手術における手術操作の困難性は如何ともし難い事実であり, ポートを減らすメリットとデメリットを明らかにすることは早急に解決すべき問題であり, その適応は慎重に議論すべきであると思われる なお,Reduced port surgery の究極といえるのが, 膣や胃, 大腸から腹腔内に至り, 体壁に全く創をつけない手術 (Natural orifice translumenal endoscopic surgery: NOTES) であ 表 5 Lap-RC 短期成績のまとめ 直腸癌手術 495 例 年齢 61.9 (36-87) 才 性別 男 283 女 212 BMI 22.7 (14.8-37.7) 開腹既往 あり 115 なし 380 腫瘍占拠部位 RS 1 上部直腸 218 下部直腸 276 術式 前方切除 400 内肛門括約筋切除 (ISR) 78 直腸切断術 12 その他 2 開腹移行 8 (1.6%) 手術時間 ( 分 ) 270 (110 565) 出血量 (ml) 28 (1-2,103) 術後在院期間 ( 中央値 ) 12 (6-167) 日 pstage(uicc) 0 22 (4.5%) Ⅰ 314 (64.0%) Ⅱ 38 (7.7%) Ⅲ 116 (23.6%) Ⅳ 1 (0.2%) 主な術後合併症 前方切除 ISR 縫合不全 32(8%) 7(9.0%) 創感染 32(8%) 3(3.8%) 腸閉塞 23(5.8%) 6(7.6%) 尿路感染 8(2.0%) 3(3.8%) 創離開 7(1.8%) 0 術死 0 0
24 新潟がんセンター病院医誌 り,NOTES による虫垂切除術や胆嚢摘出術などは比較的多く報告されてきている 大腸癌に関しては経膣的に S 状結腸切除を行った症例報告 11) がある程度であり, 現時点では純粋な NOTES の実臨床への普及の目処は立っていない また, もう一方の流れとしてロボット手術がある 12) 現在, 世界で最も広く使用されている da Vinci システムは人間に代わる本当の意味でのロボットではなく, 患者から離れたコンソールボックスにいる術者がロボットを操作し, 手術を行うものである この手術の利点は, 術者が同時にカメラ操作も行え,3 次元画像で奥行き感覚に優れ, 手ぶれ補正もあり多関節で自由度の高い鉗子操作が可能であることなどである 腹腔鏡下手術の欠点を補いより精密な手術が可能になり, 特に狭い骨盤内での直腸癌手術においては非常に魅力的である その一方で, ロボットアームの干渉による操作制限や触覚の欠如, 巨大で重たいシステムが欠点であり, さらに最大の問題としてコストが挙げられる 初期投資やメンテナンスに高額の費用が掛かり, コストに見合うだけのメリットが見い出せていないのが実情であり, 今後の課題である おわりに 当院における腹腔鏡下手術に関する今後の課題は, 長期成績の検証, エビデンスがいまだ不十分である直腸癌, 横行結腸癌手術の洗練化と学術報告, 技術認定医の育成を一つの目標にした後進の指導, 患者のニーズと安全な癌手術のバランスを加味した reduced port surgery などである がん治療としての低侵襲性治療の本質を見失うことなく, 日々進歩することを目標にしたい 文 献 1)Jacobs M, Verdeja JC, Goldstein HS: Minimally invasive colon resection (laparoscopic colectomy). Surgical Laparoscopy & Endoscopy. 1: 144-150, 1991. 2) 渡邊昌彦, 大上正裕, 寺本龍生, 他 : 早期大腸癌に対する低侵襲手術の適応. 日消外会誌.26:2548-2551, 1993. 3) 大腸癌研究会編 : 大腸癌取扱い規約第 7 版補訂版. 金原出版. 東京.2009. 4)Clinical Outcomes of Surgical Therapy Study Group: A comparison of laparoscopically assisted and open colectomy for colon cancer. N Engl J Med. 350: 2050-2059, 2004. 5)Jayne DG, Guillou PJ, Thorpe H, et al: UK MRC CLASICC Trial Group: Randomized trial of laparoscopic-assisted resection of colorectal carcinoma: 3-year results of the UK MRC CLASICC Trial Group. J Clin Oncol. 25: 3061-3068, 2007. 6)Lacy AM, Delgado S, Castells A, et al: The long-term results of a randomized clinical trial of laparoscopy-assisted versus open surgery for colon cancer. Ann Surg. 248: 1-7, 2008. 7)Buunen M, Veldkamp R, Hop WC, et al: Colon Cancer Laparoscopic or Open Resection Study Group: Survival after laparoscopic surgery versus open surgery for colon cancer: longterm outcome of a randomized clinical trial. Lancet Oncol. 10: 44-52, 2009. 8) 日本内視鏡外科学会 : 内視鏡外科手術に関するアンケート調査 第 11 回集計結果報告. 日鏡外会誌.17 : 571-611, 2012. 9) 大腸癌研究会編 : 大腸癌治療ガイドライン医師用 2010 年版. 金原出版. 東京. 2010. 10)Yamamoto S, Inomata M, Kitano S, et al : Short-term clinical outcomes from a randomized controlled trial to evaluate laparoscopic and open surgery for stage Ⅱ - Ⅲ colorectal cancer : Japan Clinical Oncology Group study JCOG0404 (NCT00147134). J Clin Oncol. 30: (suppl 4)abstr 538, 2012. 11)Alba Mesa F, Amaya Cortijo A, Romero Fernandez JM, et al: Transvaginal sigmoid cancer resection: first case with 12 months of follow-up technique description. J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 22: 587-590, 2012. 12) 長谷川博俊, 石井良幸, 遠藤高志, 他 : 大腸癌におけるロボット手術 現状と展望. 日本臨床.69, 414-417, 2011.