1 土壌熱容量を用いる外気負荷低減システムに関する研究 名古屋大学 尹奎英 紹介内容 2 クール / ヒートチューブについて クール / ヒートチューブの熱交換特性 クール / ヒートチューブの導入事例と性能 (T 社研修棟 健康センター ) クール / ヒートチューブ導入に関する検討事例
クール / ヒートチューブについて 地中埋設管内に室内空気あるいは外気を通して 夏には冷熱を冬には温熱を得るパッシブ手法である Cooling Ambient air temp. Air in Cool/heat tube Air out re Temperatu Heating Soil temp. クール / ヒートチューブの概念 Time Ground-coupled (air) heat exchanger, Earth-air heat exchanger, Ground tube heat exchanger, Air-to-earth heat exchanger, Cool tube, Air-earth exchanger, Earth-to-air to air heat exchanger, Soil heat exchanger, クール / ヒートチューブ, アース 3 チューブとも呼ばれる クール / ヒートチューブの利用形態別分類 4
クール / ヒートチューブの熱交換特性 設計要求と制限 新鮮外気風量 設置コスト 地中埋設スペース チューブの熱交換量 チューブ出口温度 Building 地域条件 土質 地下水 ( 土壌含水率 ) 外気条件 6 チューブ埋設間隔 深さ管径 管材質管材質, チューブの本数 性能パラメーター 外気条件 ( 地域条件 ) チューブシステムの熱交換効 果は 外気温の年較差また は日較差が大きい地域ほど大きい 多湿な外気条件では 熱交換の潜熱成分が多くなる 札幌 東京 ~ 大阪 v=2.2m/s 那覇 出典 :Early design guidance for low energy cooling technologies 7
管内風速 ( 導入風量 ) チューブ内風速を速くするほど取 得熱量は大きくなるが チューブ出 入口温度差は小さくなる 地域 : 東京配管長さ :20m 管径 :0.5m 外気温が低いとき 風量を大きく したほうが 冷却効果は大きく 外気温が高い場合 風量を小さくしたほうが冷却効果は大きい 適切な管内風速は 管内の空気抵抗による圧力損失を考慮すると 20m/s 2.0m/s である 管内風速は 2.0m/s~2.5m/s 2.5m/s が適切と提示している 8 出典 : 石原ら クールチューブの冷却効果に関する実大住宅実験およびシミュレーション 配管長さ 配管長さは長いほど出入り口の温度差は大きくなる また 長さは 十分である場合 管内空気温度 は土壌温度に収束してしまいそれ以上の冷却 / 加熱効果は期待で きない 管径と管内導入風量によって適 切な長さは異なる 適切な配管長さは管径と管内風速により異なり 40m 以上の長さ では管径は大きいケースのみ効果のよい挙動を見せる また 冷却効果の80% となる配管長さが最 適である 管内風速 :2.0m/s 固定 9 出典 :Early design guidance for low energy cooling technologies
配管径 管径が大きくなれば取得熱量は多くなるが 熱交換効率は低下する 同じ風量であれば 管径を大きくするより風 速を速くする方が良いと指摘する文献もあれば 管内風速より管径を大きくした方が良い と指摘するものもある 埋設深さ 埋設深さは深いほど取得熱量は大きくなる 通常において 最低 1.8m 最適 2.5m~3.0m の埋設深さが適当で あると提示している 最適な管径はチューブ長さ コスト 管内風速 導入風量によって様々であるが 適切と される管径は0.15m~0.5m 0.5m であると提示して いる 10 出典 :Analytical and numerical investigation of the characteristics of a soil heat exchanger for ventilation systems 配管材質 熱伝導性の優れた材料の採用はチューブの熱交換性能向上に効果がある 金属製 ( アルミ 鋼管 ) コンクリートや素焼粘土製 樹脂製の順に熱交換 性能が高い チューブの材質による熱交換性能の 違いにはわずかであり 安価の塩化 ビニルの採用例が多い 土壌物性 土壌の熱伝導率が大きいほど熱交換性能は向上する 熱拡散率の大きな土壌ではチューブの埋設深さが 熱拡散率の小さい土壌ではチューブの長さが重要で ある 土壌の違いによってチューブの熱交換性能は10%~ 30% 程度異なるまた この傾向は各土質の熱物性か らなるcp - 1 λ -1 と比例関係にある 11
チューブ直上部被土条件 チューブ直上部の地表面には日射が当たらないほうがチューブの冷 却性能によい 地被条件が芝生の場合に比べて 裸地がチューブの加熱性能によい と指摘している チューブの熱交換性能を向上させ るためには 管周囲土壌の温度を 冬期には高く 夏期には低く保つ必要があるといえる シミュレーションによる実測システムの熱交換性能検討 ( チューブを建物下部に埋設したことによる建物への影響 ) アスファルト地表面 取得熱量冬期 :11.2GJ 夏期 :10.8GJ 地被条件と取得熱量 取得熱量冬期 :12.5GJ 夏期 :19.2GJ 建物 室内床貫流負荷増加量 26GJ/ 2.6GJ/ 年 チューブ 省エネ効果と床熱損失 アスファルト :23.0GJ/ 年 建物下部の約 73% 省エネ効果 :31.7GJ/ 年 建物下部 :31.7GJ/ 年 床熱損失 :2.6GJ/ 年 省エネ効果の約 6% 12 複数管の配管パターンと熱性能 埋設断面積を揃えたケース同士 a に対して年間取得熱量の大きさを比較 X1 一列等間隔配置 一列等間隔が最も取得熱量の多い配管パターンであった A Y1 一列非等間隔配置 30 管内風速 :3.0m/s b c A 年間取得熱量 (GJ J) 13 20 10 0 一列等間隔一列非等間隔二列配置 0.8m 1.0m 1.2m 1.4m 一列等間隔の配管間隔 a(m) 配管パターンと年間取得熱量 Y2 a A X2 検討対象の配管パターン d * 埋設断面積 X1 Y1=X2 Y2=A 二列配置
クール / ヒートチューブの運用方法 チューブの取得熱量が最も多かったのは CASE- 3(CASE-1 に対して年間 11.6% 増 ) であり 外気負荷低減率の向上が最も大きかったのは CASE-4(CASE- 1 に対して年間 3.6 ポイント増 ) であった 本システム現行の運転導入外気は常にチューブを通す ( 一日 10 時間 土 日 祝日の休館日は運停 ) 夏期のみ24 時間運転 (10 時間冷房 14 時間換気 ) ほかはCASE-1 と同様 省エネ量 (GJ) 50 50 40 30 20 10 0 省エネルギー量外気負荷低減率 (%) システム COP CASE-1 CASE-2 CASE-3 CASE-4 中間期に導入外気をチューブを通さない 40 30 20 10 0 成績績係数 (-) 外気気負荷低減率 (%) 外気温度制御 ( 冬期 13 以上 夏期 23 以下のとき導入外気をチューブを通さない ) する 14 システム運転効率の観点からはチューブによる送風ファン動力増加を小さくできる運転方法が有効となり システムの成績係数はCASE-4 と CASE-3 で大きくなった外気取入を選択的に行うためには チューブシステムを介さない別途の外気取入口や換気経路 そしてダンパーや制御装置などの計画が必要となり 設備投資の増加に対する綿密な検討を要する クール / ヒートチューブ導入事例 CANADA 温室 韓国 オフィス 日本 住宅 ドイツ オフィス 日本 福祉施設 ドイツ オフィス ドイツ オフィス 15
16 クール / ヒートチューブ導入事例