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遮熱性舗装用塗料 ミラクール ウェイ 塗るだけで遮熱効果を発揮 技術資料 2013 年 4 月 1 日 0

目 次 ページ 1. ミラクールウェイとは 2 2. ミラクールウェイの遮熱原理 2-1. 概念 2 2-2. 塗膜の日射反射特性 3 3. 特長 5 4. 温度抑制効果と舗装特性 4-1. 路面温度の上昇抑制効果 5 4-2. 現場透水量とすべり抵抗性 6 5. 施工方法 5-1. ミラクールウェイの施工フロー 7 5-2. 施工仕様 8 5-3. 塗装機械 9 5-4. 施工手順 9 5-5. 施工管理 10 6. 施工上の注意点 11 7. 塗料 添加剤の取り扱いについて 12 8. 排水性舗装以外への適用 12 1

1. ミラクールウェイとは弊社は 約 15 年前から環境改善を目的とした建築用遮熱塗料 ( 商品名 : ミラクール ) の開発を手掛け 多くの技術的な経験の結果 屋根 外壁などに塗布することにより その室内の温度を夏場でも大幅に低下し 快適な状態に保つことに成功しました その需要は年々増加の一途をたどっております この技術の応用の一環として 舗装道路への適用を目的とした ミラクールウェイ を開発致し約 7 年を経過しました この塗料は 強い日差しを浴びた夏場の舗装体表面温度の上昇を抑制し 道路利用者の暑さによる不快感を軽減させ また 熱による道路の劣化を少なく長持ちさせる機能を有しております つまり ミラクールウェイ は 排水性舗装の機能 ( 排水 騒音の低減 ) を保ちながら 高い路面温度の抑制をもつ特殊塗料でございます ミラクールウェイ の塗膜の排水性舗装における断面図は図 1 の通りです 図 1. 排水性舗装におけるミラクールウェイ塗膜 遮熱コート層 ミラクールウェイ塗膜 遮熱性舗装 基層 2. ミラクールウェイの遮熱性原理 2-1. 概念ミラクールウェイは 遮熱技術を用いた道路舗装用塗料です 太陽光から照射される各波長の電磁波のエネルキ ー分布は 紫外部 3% 可視部 50% 赤外部 47% です 特に赤外部電磁波は 照射した物体に吸収されるとその構成する分子運動を励起し 熱エネルキ ーに変換し その物体の温度を昇温します ミラクールウェイは 太陽光 ( 日射 ) に含まれる近赤外線を可及的に反射し 物体に吸収される赤外部を少なく保ちます その遮熱付与のために 温度抑制効果を発揮する次の機能材料が配合されております 2

熱反射性特殊顔料 日射反射率の高い顔料各色であり 赤外領域において高い反射率を示します 一般 に日射による昇温は 日射反射率に反比例します 中空セラミック微粒球子微細な透明性中空粒子であり これを弊社特殊技術により塗膜中に均一に分散存在し 日射を散乱させ反射特性を向上させます これら材料の塗膜の概念は図 2 の通りです 図 2. 塗膜の日射反射特性 太陽光 ( 日射 ) の内 近赤外線を効果的に反射 遮熱コート層ミラクールウェイ アスファルト及び舗装体 熱反射性特殊顔料 中空セラミック微粒子 2-2. 塗膜の日射反射特性 図 3-1 および 2 は 熱反射特殊顔料および中空セラミック微粒球子を使用したミラクールウェイ の JIS A5759-1994 にもとづく日射反射率の測定図です 明度 (L 値 )60 灰色 汎用および遮熱塗膜 明度 (L 値 )40 濃灰汎用および遮熱塗膜の比較測定ク ラフです 表 1 にそれぞれの日射反射率の値をまとめます 3

図 3-1. 灰色についての汎用と遮熱塗料の日射反射率 100 遮熱 ( 灰色 ) 反射率 (%) 50 汎用塗料 ( 灰色 ) 高粘度 As( 黒色 ) 0 500 1000 1500 2000 可視光域赤外線域遠赤外域 波長 (nm) 図 3-2. 濃灰色についての汎用及び遮熱塗料の日射反射率 100 遮熱性 ( 濃灰色 ) 反射率 (%) 50 汎用塗料 ( 濃灰色 ) 0 500 1000 1500 2000 可視光域 赤外線域 遠赤外域 波長 (nm) 表 1. 汎用および遮熱塗料の日射反射率 明度 (L 値 ) 60 40 色 相 灰 色 濃 灰 反射率 種別 汎 用 遮 熱 汎 用 遮 熱 日 射 反射 率 (%) 21.53 59.39 11.48 51.20 赤外部反射率 (%) 17.92 88.55 9.65 87.64 4

3. 特長 ミラクールウェイのもつ主な特長は表 2 の通りです 表 2. ミラクールウェイの特長 項目内容 温度抑制機能 濃色でも路面温度が上昇しにくく 最高路面温度を低減できます 快適性蒸し暑さの解消など 夏季の道路環境を改善できます 機能の両立 温度抑制機能と ベースの排水性舗装が有する機能 ( 騒音の低減や水はねの防止など ) との両立性が図られています 幅広い適用性 重交通道路から軽交通道路まで 新設 既設を問わず適用できます メンテフリー 温度抑制機能を発揮させるための 水分補給などの管理が不要です カラー化 耐久性の向上 熱反射性特殊顔料の選定により 視認性や景観性の向上が可能です ( 標準 7 色 : 濃灰 灰色 薄茶 象牙 土色 薄緑 赤茶 ) 路面温度を低減することにより 耐流動性など 母体アスファルト舗装の耐久性の向上につながります 4. 温度抑制効果と舗装特性 4-1. 路面温度の上昇抑制効果一般舗装の最高路面温度が 56 に達する状況において比較すると 遮熱性舗装の濃灰色 (N-40 相当 ) は一般舗装に対して約 10 低減しており 灰色 (N-60 相当 ) にした場合は約 21 も低減しています このように温度抑制効果は色調によって異なりますが ミラクールウェイは 通常の排水性舗装と同様の濃灰色とした場合でも路面温度が 10 程度低減することができ 機能を発揮させるための維持管理が不要で 安定した温度抑制効果が得られます 5

図 -4 色調と路面温度 舗装表面温度 ( ) 60 50 40 30 20 10 0 一般舗装遮熱性 濃灰色 56 遮熱性 灰色 46 (-10 ) 35 (-21 ) 気温晴れ 0:00 12:00 0:00 12:00 0:00 12:00 4-2. 現場透水量とすべり抵抗性表 -2 より ミラクールウェイの現場透水量は一般排水性舗装と同等であり 排水性舗装としての排水機能が確保されていることが分かります 一方 すべり抵抗性については ミラクールウェイと一般排水性舗装の BPN 値と DF 値が同等であり すべり抵抗性が十分確保されていることが分かります 表 -2 ミラクールウェイの現場透水量とすべり抵抗性 ( 測定例 ) 項目 工区 ミラクールウェイ 一般排水性舗装 現場透水量 ( cc / 15sec) 1,129 1,056 BPN 64 63 20 km/h 0.63 0.67 すべり抵抗 DF 40 km/h 0.59 0.61 (μ) 60 km/h 0.59 0.56 80 km/h 0.60 0.54 6

5. 施工方法 5-1. ミラクールウェイの施工フローミラクールウェイは 図 5 の手順で施工します 図 5. ミラクールウェイによる施工フロー 1 下地舗装の舗設 ( 新設舗装 ) 1 既設舗装 2 表面処理 2 路面清掃 研削 研磨を原則実施 *1 排水性機能回復等 3 ミラクールウェイの一次散布 車道用標準色としては灰色 標準散布量は 0.4kg/ m2 散布作業は舗装温度が 50 以下にて実施一次散布後 直ちに骨材散布を開始 4 すべり止め骨材の散布 骨材には人工砂等を使用 標準散布量は 0.5kg/ m2養生時間は約 30 分 5 ミラクールウェイの二次散布 車道用標準色としては濃灰色 灰色 景観が求められる場合は他のカラーも可 標準散布量は 0.4kg/ m2養生時間は30 分 ~1 時間 6 交通開放 * 1. 下地処理研磨状況新設舗装に適用する場合は アスファルト表面の脆弱な部分を研磨除去して下さい また 表面研磨が出来ない場合には 遮熱塗料と舗装路面の接着性を確保するために 十分に供用した後に塗布して下さい ( 交通量 降雨状況などにより異なりますが 少なくとも 2 週間以上 ) 7

5-2. 施工仕様 (1) 施工仕様 表 4. ミラクールウェイの標準施工仕様 工程作業内容使用材料標準使用量 1 層目 ミラクールウェイ塗装骨材散布 2 液先端混合型エアレススフ レーで路面に吹付ける上記塗膜の硬化する前に骨材を散布する ミラクールウェイ ( 下塗 ) 各色白色人口骨材セラサント B 粒 0.4kg/m 2 0.5kg/m 2 2 層目 ミラクールウェイ塗装 指定色のミラクールウェイを同様に吹付ける ミラクールウェイ ( 上塗 ) 各色 0.4kg/m 2 (2) 使用塗料 表 5. 使用ミラクールウェイ 品名種別細別備考 ミラクールウェイ 下塗 上塗 MMA 樹脂標準 7 色 MMA 樹脂標準 7 色 主材 / 硬化材 主材 / 硬化材 配合重量比 1:1 (3) 荷姿 表 6. 荷姿 種 別 容 器 入目 ラベル色相 備 考 主材中には 季節に応じて促 青 他に蓋に進剤が配合されておりますの主材 15kg 青シール貼布で 在庫を使用する場合はご 18L ロット番号にて確認下さい 石油缶使用に際して硬化剤赤 他に蓋に硬化材 15kg BPO-50( ハ ーカト ックス CH50) ナイ赤シール貼布ハ ー CL を所定量配合する 8

5-3. 塗装機械 (1) 塗料吹付用 2 液先端混合型エアレス吹付け装置ノス ル口径 :1~1.3mm 塗料液圧送圧 :80~100kg/cm 2 (2) 骨材撒布用リシンカ ンなど 2 液先端混合型エアレス吹付け装置 5-4. 施工手順 (1) 周囲養生施工範囲に接する縁石や 道路表示などミラクールウェイが付着しないようにカ ムテーフ マスカーなどを使用して まず養生します また 周辺に駐車されている車輌などには専用マスクカハ ーにて覆います 特に交通条件において苛酷な条件 ( すえ切りなど ) と思われる部分は エラット ( 砥石 タ イヤモント 製 ) で路面表面を研磨します (2) 樹脂の準備まずラヘ ル表記により主材か硬化材かを確実に確認します 開封して下塗硬化材中に路面温度に応じて硬化剤 (BPO-50 等 ) を計量配合します その混合はホ ータフ ル電動攪拌機 ( ハント ミキサー ) 等で均一に混合 溶解します (3) 下塗の塗装と骨材の撒布 (1 層目 ) 2 液先端混合型エアレススフ レーにより均一に所定量を塗装します 下塗に合わせて直ちに滑り止め骨材を所定量撒布します (4) 上塗の塗装 (2 層目 ) 下塗と骨材撒布層の硬化確認後 同様に上塗りを均一に所定量吹付けます (5) 上塗の硬化確認塗膜の硬化を確認します (6) 片づけ養生を残らず撤去し 規制を解除します 9

5-5. 施工管理 (1) 塗付量の管理 1セット (30kg/ セット ) 当たりで吹付け可能な範囲をマーキンク して塗付量管理を行って下さい 任意寸法の板などを路面において 吹付けた塗料の量を計量し 平方米当たりの量を算出して下さい 作業終了後 工事全体での材料数量 使用量を確認して下さい (2) 硬化剤の配合硬化剤は 塗料を硬化させるための添加剤 ( 有機過酸化物 ) で 塗料中に所定量を添加します その対象とする路面温度により表 7-1 7-2 の添加量を標準とします 添加剤は BPO-50( 濃度 50%) を使用します 表 7-1 ミラクールウェイ下塗への硬化剤標準配合量 外気温 下塗 15kg/ 缶に添加する BPO 等の硬化剤の量 (g) 硬化時間の目安 5 以下 15~25 分 900g 5~10 15~20 分 10~20 900g 20~25 840g 10~20 分 25~30 720g 10~15 分 30 以上 480g 5~15 分 表 7-2 ミラクールウェイ上塗への硬化剤標準配合量上塗 15kg/ 缶に添加する外気温硬化時間の目安 BPO 等の硬化剤の量 (g) 5 以下 15~25 分 900g 5~10 15~20 分 10~20 720g 15~25 分 20~25 530g 25~30 10~15 分 30 以上 350g あらかじめ 主材および硬化材の配合を少量作り 対象路面に刷毛などで小面積 を塗装し 硬化性を確認することが大切です 10

6. 施工上の注意点 (1) 路面温度が 50 以上の場合は 塗膜の硬化過程において 塗膜表面へのワックスの浮びが悪くなり 硬化に酸素障害がおき 硬化不良を起こして 早期に剥離現象を引き起こす恐れがありますので 塗装しないで下さい 工期の事情にもよりますが 夏場などは極力夜間や早朝に工事を行って下さい (2) 路面に水分や油分 汚れ等がないことを確認して施工下さい (3) 排水性舗装面の場合 空隙外部 ( 凹部 ) にも確実に塗布し 仕上げて下さい 遮熱性の確実な確保に大切なことです (4) 塗料液である主材および硬化材が 塗装前に混入しないようにご注意下さい 本塗料は ラシ カルによる連鎖反応型であり 一度反応が行われるとこれを抑制することができず 発熱を伴ってケ ル化 ( 固まってしまう ) します 特に実作業において ホ ータフ ル電動攪拌機は必ず2 機用意して 主剤および硬化剤をそれぞれ別の機械で混合して下さい ごくごく僅かな量の両液の混入でも この反応は進行します その例を図 6に示します 図 6. ミラクールウェイ主材及び硬化材の混入による樹脂液の硬化温度 ミラクールウェイ ( 下塗 ) 硬化反応テスト 90 80 70 塗料液温度 60 50 40 ( ) 30 5 分 50 秒 21 分 50 秒 1 時間 20 秒 20 10 0 0:00 0:05 0:10 0:15 0:20 0:25 0:30 0:35 0:40 0:45 0:50 0:55 1:00 1:05 1:10 1:15 1:20 時間 主材 ( 促進剤 2%) へ BPO3% 添加硬化材 (BPO 3%) へ主材 ( 促進剤 2%)2.66% を添加硬化材 (BPO 3%) へ主材 ( 促進剤 2%)1.66% を添加 11

7. 塗料 添加剤 (BPO-50) の取り扱いについて ミラクールウェイは メタクリル酸メチル (MMA 樹脂 ) を主成分とするラシ カル反応性の塗料で保管 取り 扱いには 十分御注意下さい (1) 塗料液の取り扱い 1 ミラクールウェイは 消防法に定める 4 類第 1 石油類 ( 引火点 21 未満 ) の可燃性液体で火気には十分御注意いただくと同時に 熱や直射日光下の保管を避けて下さい 特に硬化剤の配合された後の硬化材液は短時間のうちに使いきって下さい 消火器は 常に御用意下さい 2 開封後 主材および硬化材共 それぞれホ ータフ ル電動攪拌機で均一に混合して下さい ( 主材および硬化材への攪拌機の共用は避けて下さい ) 3 ミラクールウェイは 粘度調節の必要のないように設計されております 粘度調節のため 一般のシンナーなどで希釈しますと硬化不良および塗膜物性の劣化をまねきますので 絶対に使用しないで下さい 4 塗料液の揮発物は 特別な毒性は認められておりませんが 御使用時には 有機溶剤用マスクの着用 および換気を十分に行って下さい 5 眼に入った場合 激しい痛みをともなうことがありますが 多量の水で十分に洗眼し 医師の診断を受けて下さい 主材には アルカリ性の促進剤を使用しています 取り扱いには 眼鏡をつけて眼に入らないよう御留意下さい 6 容器中で主剤および硬化剤の混合物は 80 程度の発熱を伴い 刺激臭の煙が出ます このような場合には 硬化反応が終わるまで屋外に放置下さい (2) 硬化剤の取り扱い 1 硬化剤 BPO-50 は 有機過酸化物で粉末状の第 5 類危険物 ( 自己反応性物質 ) であり 引火性はありませんが 直接火に触ると激しく燃焼します 火気には十分御注意下さい 2 硬化剤は 冷暗所に塗料とは分けて保管し その分解による劣化のないものを御使用下さい ( 黄色く変色したりフ ロッキンク したものは避けて下さい ) 8. 排水性舗装以外への適用 本技術資料は排水性舗装を塗布の対象としていますが 密粒度アスコンや細粒度アスコンなど ほぼ全てのアスファルト舗装にも適用する事ができます 以上 12