Microsoft PowerPoint - 資料4_救急(ガイドライン)

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2. 延命措置への対応 1) 終末期と判断した後の対応医療チームは患者および患者の意思を良く理解している家族や関係者 ( 以下 家族らという ) に対して 患者が上記 1)~4) に該当する状態で病状が絶対的に予後不良であり 治療を続けても救命の見込みが全くなく これ以上の措置は患者にとって最善の治

私のリビングウィル 自分らしい最期を迎えるために あなたが病気や事故で意思表示できなくなっても最期まであなたの意思を尊重した治療を行います リビングウィル とは? リビングウィルとは 生前に発効される遺書 のことです 通常の遺書は 亡くなった後に発効されますが リビングウィルは 生きていても意思表示

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患者学講座第1講「医療と社会」

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人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン の改訂について ( 平成 30 年 3 月 14 日公表 ) 1. 見直しの必要性 富山県射水市民病院の人工呼吸器取り外し事件を踏まえ 平成 19 年に策定された 終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン ( 平成 27 年に 人生の

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)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

1)表紙14年v0

MC-80 人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン 1 人生の最終段階における医療及びケアの在り方 1 医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ それに基づいて患者が多専門職種の医療 介護従事者から構成される医療 ケアチームと十分な話し合いを行い 患者本人による意思

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2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

はじめに 平成 27 年の日本医療機能評価機構創立 20 周年を機に 病院機能評価事業のさらなる発展を目指すため 次世代医療機能評価のアジェンダ ( 以下 アジェンダ ) を取りまとめた アジェンダでは (1) 地域医療の質向上に寄与するための評価 の実現に向け 以下 2 点の施策について検討するこ

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看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

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SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

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身体高速廃止に関する指針


医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

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富山西総合病院 医療安全管理指針

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いろいろな治療の中で して欲しい事 して欲しくない事がありますか? どこで治療やケアを受けたいですか? Step2 あなたの健康について学びましょう 主治医 かかりつけ医や他の医療従事者にあなたの健康について相談する事も大切です 何らかの持病がある場合には あなたがその病気で将来どうなるか 今後どう

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要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

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配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

平成 30 年度診療報酬改定に向けた検討について H29/1/16WG 厚労省提出資料 平成 30 年度診療報酬改定に向けた検討の方向性 平成 30 年度診療報酬改定に向けて 以下の遠隔医療形態モデルも参考に 委員からご指摘のあった初診に関する取扱いも含め 対面診療に比べて患者に対する医療サービスの

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家族の介護負担感や死別後の抑うつ症状 介護について全般的に負担感が大きかった 割合が4 割 患者の死亡後に抑うつ等の高い精神的な負担を抱えるものの割合が2 割弱と 家族の介護負担やその後の精神的な負担が高いことなどが示されました 予備調査の結果から 人生の最終段階における患者や家族の苦痛の緩和が難し

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2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

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点滴 経管栄養等のチューブを抜かないように または皮膚をかきむしらないよう手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける 車椅子 椅子からずり落ちたり 立ち上がったりしないように Y 字型拘束帯や腰ベルト 車いすテーブルを付ける 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する 脱衣やオ

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Q1 訪問看護の導入時期は どのように判断すればよいでしょうか? A 医療処置や医療機器の管理などが必要な場合は比較的早期に訪問看護の依頼がありますが ADLの維持 向上などの予防的ケアや病気の悪化予防の目的での訪問看護についても できるだけ早期の導入が理想的です また ターミナル時期の利用者の場合

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移植治療による効果と危険性について説明し 書面にて移植の同意を得なければならない 意識のない患者においては代諾者の同意を得るものとする 6 レシピエントが未成年者の場合には 親権者からインフォームド コンセントを得る ただし 可能なかぎり未成年者のレシピエント本人にも分かりやすい説明を行い 可能であ

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第 2 回人生の最終段階における医療の普及 啓発の在り方に関する検討会 平成 2 9 年 9 月 2 9 日 資料 4 救急 集中治療における 終末期医療に関するガイドライン 日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 同付属病院高度救命救急センター 横田裕行 1

救急 集中治療を取り巻く医療倫理環境の変化 高齢化 多死社会 多様な倫理観 複雑な家族関係 生前意思 事前意思 高度な医療機器 チーム医療 IC 承諾書等の取得 記録 瞬時の判断 2

終末期医療 人生の最終段階における医療 ( 厚生労働省 ) 厚生労働省は 平成 27 年 3 月から 終末期医療 を 人生の最終段階における医療 という表現への切り替えをした これは 最期まで尊厳を尊重した人間の生き方に着目した医療を目指すことが重要であるという考え方によるものであるという 今回は終末期という表現を使用します http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/zaitaku/dl/h260425-02.pdf 3

日本医師会 医師の職業倫理指針 ( 平成 16 年 2 月 ) 末期患者における延命治療の差し控えと中止 医師はそれなりに慎重に判断すべき ( 中略 ) 薬物投与 化学療法 人工透析 人工呼吸 輸血 栄養 水分補給などの措置が問題となる 上記治療行為の差し控えや中止の要件 1 回復の見込みもなく死が避けられない末期状態 2 治療行為の差し控えや中止を求める患者の意思表示がその時点で存在 1: 判断は困難 2: 事前の文章による意思表示 4

集中治療に携わる医師の倫理綱領 ( 日本集中治療医学会平成 17 年 2 月 ) 集中治療に携わる医師は ( 中略 ), その治療の継続 変更 中止に関しては, 患者あるいはその家族の十分な理解と同意のもとに行う 5

救急医療の終末期には必ずしも当てはまらない! むしろ違和感がある 何故? 6

救急 集中治療の終末期医療 開始された救急 集中治療の後に 救命不能な状態 ( 救急 集中治療の終末期 ) となることがある 上記のような場合の対応について 本人はもちろん 家族の意思表示は困難で期待できないことが多い 終末期の定義 その対応について具体的な記載がない 具体的な記載の必要性 7

日本救急医学会 終末期ガイドラインの作成経緯 アンケート調査( シナリオの提示 ) 日本救急医学会指導医 (417 名 ) 救命救急センター 指導医施設師長(606 名 ) 委員会ガイドライン ( 案 1) 法曹界 本学会員 学識経験者等からの意見聴取パブリックコメント日本医師会 医師の職業倫理指針 他学会ガイドライン参照 委員会ガイドライン( 案 2) 学会としての合意 8

シナリオ内容 症例 1 : 若年者 脳死判定後 家族は脳死を受容せず 症例 2 : 不法入国者で身元不明 経済的背景 不可逆的ショック 症例 3 : 若年者 労災 不可逆的意識障害 広範囲熱傷 呼吸不全 症例 4 : 悪性腫瘍末期 蘇生後脳症 症例 5 : 高齢 認知症 蘇生後脳症 血液透析 症例 6 : 高齢 蘇生後脳症 積極的家族 症例 7 : 自殺 不可逆的多臓器不全 9

55 歳 男性 肺癌の全身転移で自宅療養中であった 帰宅した妻が倒れている患者を発見し 救急車を要請した 救急隊到着時心肺停止状態で 心肺蘇生術を施行しつつ 当施設に搬送された 搬送中心拍が再開したが 来院時意識は深昏睡 (JCS 300, GCS 3) で両側瞳孔は散大し 血圧も不安定であった 直ちに集中治療室へ搬送したところ 患者が上記のごとく癌末期であることが判明した この時点で 人工呼吸器にて呼吸状態は安定し 循環動態も昇圧剤の減量が可能となり小康状態を得た 10

結 果 専門医 看護師 さらに高度な治療 0.3% 0% 現在の治療維持 18.2 11.8 水準を下げる 32.7 7.8 治療の中止 3.1 1.3 家族の希望 38.4 68.8 その他 5.4 7.0 未記入 1.9 3.2 11

シナリオのアンケート結果から 様々な判断 職種による相違 複数の人間の判断 多職種の判断 12

日本救急医学会の基本的スタンス 本人の事前指示 事前意思 家族の意思 複数の医師の判断 医療チームの判断 検証可能な診療録記載 複数の医師 : 主治医と主治医以外の医師 医療チーム : 複数の医師 看護師らを含むチーム 13

救急医療における終末期の判断 法的脳死判定基準 他の基準で脳死 ( 臨床的脳死診断 ( 当時 ) を含む ) の場合 新たに開始された人工的な装置に依存し 生命維持に必須な臓器の機能不全が不可逆的であり 移植などの代替手段もない場合 さらに行うべき治療方法がなく 現状の治療を継続しても数日以内に死亡することが予測される場合 悪性疾患や回復不可能な病気の末期であることが 判明した場合 14

主治医の判断と対応 人工呼吸器 ペースメーカー 人工心肺などを中止 または取り外す ( 注 ) このような方法は 短時間で心停止となるため原則として家族の立会いの下に行う 人工透析 血液浄化などの治療を行わない 人工呼吸器設定や昇圧剤投与量など 呼吸管理 循環管理の方法を変更する 水分や栄養の補給などを制限するか 中止する 15

絵で見る 救急医療における終末期医療に関する提言 16

3 学会合同ガイドラインの経緯 日本救急医学会 日本集中治療医学会 日本循環器学会 日本救急医学会 日本集中治療医学会 日本循環器学会は救急 集中治療領域における終末期の対応に関して 1それぞれが想定している対象患者がほぼ一致 2 終末期の定義とその後の対応に関して同様な考え 3 複数の提言や指針が存在することは混乱と誤解を招く 17

ガイドラインの公表 (2014.11.7) http://www.jaam.jp/html/info/2014/info-20141104_02.htm 18

ガイドラインの公表 (2014.11.7) http://www.jaam.jp/html/info/2014/info-20141104_02.htm 19

ガイドラインの公表 (2014.11.7) http://www.jaam.jp/html/info/2014/info-20141104_02.htm 20

3 学会合同ガイドライン (2015.11) 日本救急医学会のガイドラインを参考に作成 本人意思が存在する場合にも対応 患者家族の精神的ケアをより配慮 21

3 学会合同ガイドラインによる救急医療の終末期の判断 主治医を含む複数の医師 ( 複数科であることが望ましい ) と看護師らとからなる医療チーム ( 以下 医療チーム ) が慎重かつ客観的に判断を行った結果として以下の 1~4 のいずれかに相当する場合などである 1. 不可逆的な全脳機能不全 ( 脳死診断後や脳血流停止の確認後などを含む ) であると十分な時間をかけて診断された場合 2. 生命が人工的な装置に依存し 生命維持に必須な複数の臓器が不可逆的機能不全となり 移植などの代替手段もない場合 3. その時点で行われている治療に加えて さらに行うべき治療方法がなく 現状の治療を継続しても近いうちに死亡することが予測される場合 4. 回復不可能な疾病の末期 例えば悪性腫瘍の末期であることが積極的治療の開始後に判明した場合 次に 22

3 学会合同ガイドラインによる延命処置終了の選択肢 上図 延命措置終了についての選択肢 具体的な対応法としては 1 現在の治療を維持する ( 新たな治療は差し控える ) 2 現在の治療を減量する ( すべて減量する または一部を減量あるいは終了する ) 3 現在の治療を終了する ( 全てを終了する ) 4 上記の何れかを条件付きで選択するなどが考えられる 実際の対応としては 例えば以下のような選択肢がある a. 人工呼吸器 ペースメーカー ( 植込み型除細動器の設定変更を含む ) 補助循環装置などの生命維持装置を終了する ( 注 ) このような方法は 短時間で心停止となることもあるため状況に応じて家族らの立会いの下に行う b. 血液透析などの血液浄化を終了する c. 人工呼吸器の設定や昇圧薬 輸液 血液製剤などの投与量など呼吸や循環の管理方法を変更する d. 心停止時に心肺蘇生を行わない これら一連の判断やその後の対応に関しては後に検証が可能なように診療録に記載する 23

今後の課題 他領域 他診療科との整合性と相違性 医学会の中でのコンセンサス 社会での位置づけ 24