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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

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前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

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スライド 1

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法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

089 リンパ脈管筋腫症

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4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色

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年呼吸器系の疾患 (Respiratory Disease) 責任者 : 木島貴志主任教授 長谷川誠紀主任教授 内科学呼吸器科 木島貴志主任教授 栗林康造准教授 横井崇特任准教授 三上浩司講師 南俊行講師 柴田英輔助教 金村晋吾助教 袮木芳樹助教 藤本英利子助教 外科学呼吸器外科 長谷川誠紀主任教授

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学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

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皮膚の血管炎・結節性多発動脈炎なら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト

肺病変の進行により呼吸不全に至った症例では呼吸リハビリテーションと酸素療法が COPD などの他疾患と同様に検討される 末期呼吸不全に対して肺移植が適応となるが 移植肺に LAM が再発し得ることが知られている 尚 妊娠 出産は患者にとって重要な課題であるが 病状が悪化する可能性がある 必ずしも禁忌

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

ラパリムス錠 1 mg 製造販売承認申請書添付資料 第 2 部 ( モジュール 2) 2.2 緒言 ノーベルファーマ株式会社

類膠原病および12) サルコイドーシス A C 410 縁疾患膠原病および類縁疾患 知識 技術 技能 症例 頁 9) その他の治療薬 ( 乾燥性角結膜炎治療薬, 唾液分泌促進薬, プロスタグランジン製剤など ) A B 血液浄化療法 ( 血漿交換療法, 免疫吸着療法, 白血球除去療法

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臨床研究に参加される研究対象者の方へ 皮膚症状を呈する膠原病における炎症性サイトカインの病態への関与について に関する研究の説明 これは臨床研究への参加についての説明文書です 本臨床研究についてわかりやすく説明しますので 内容を十分ご理解されたうえで 参加するかどうか患者さんご自身の意思でお決め下さ

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接歯や粘膜上皮に付着できない菌も組織定着が可能です ( 図 2) 口腔ケアが低下し異菌種間の凝集を仲介する細菌種の Fusobacterium や Actinomyces などが増えると プラーク量は一気に増加します ( 図 2) 徐々にプラーク内の嫌気度が増し 歯周病原菌 Porphyromona

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したことによると考えられています 4. ピロリ菌の検査法ピロリ菌の検査法にはいくつかの種類があり 内視鏡を使うものとそうでないものに大きく分けられます 前者は 内視鏡を使って胃の組織を採取し それを材料にしてピロリ菌の有無を調べます 胃粘膜組織を顕微鏡で見てピロリ菌を探す方法 ( 鏡検法 ) 先に述

要件の判定に必要な事項 1. 患者数 ( 平成 24 年度医療受給者証保持者数 ) 6255 人 2. 発病の機構不明 3. 効果的な治療方法未確立 ( 根治療法なし ) 4. 長期の療養必要 ( 身体機能低下の進行抑制を目標に治療が必要である ) 5. 診断基準あり 6. 重症度分類悪性関節リウマ

情報提供の例

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効


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1 臨床臨床臨床臨床からからからから生まれたまれたまれたまれた ヒトヒトヒトヒト疾患疾患疾患疾患 ( 線維症関連線維症関連線維症関連線維症関連 慢性閉塞性肺疾患慢性閉塞性肺疾患慢性閉塞性肺疾患慢性閉塞性肺疾患 ) モデルマウスモデルマウスモデルマウスモデルマウス 三重大学大学院医学系研究科三重大学大学院医学系研究科三重大学大学院医学系研究科三重大学大学院医学系研究科 医学部医学部医学部医学部免疫学分野免疫学分野免疫学分野免疫学分野教授教授教授教授ガバザ エステバンガバザ エステバンガバザ エステバンガバザ エステバン

2 肺線維症の研究背景 1. 肺線維症の最も多い原因原因は 原因不明原因不明の特発性間質性肺炎であるである 2. 間質性肺炎 / 肺線維症の発想率発想率は 10 万人対 11.8 であり 日本全体日本全体としてはとしては特発性間質性肺炎患者は約 1 万 5 千人 3. 肺線維症の生存中央値生存中央値は初診初診から 3 年でありであり 死亡原因としてはとしては急性増悪急性増悪が最も多く 45% を占めているめている またまた 肺癌肺癌の合併合併は高率 (20~60%) である

肺線維症の原因 びまん性肺疾患 特発性間質性肺炎 (IIPs) 膠原病およびおよび関連疾患 腫瘍性肺疾患 特発性肺線維症 (IPF) 非特異性間質性肺炎 (NSIP) 急性間質性肺炎 (AIP) 特発性器質化肺炎 (COP) 剥離性間質性肺炎 (DIP) 呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患 (RB-ILD) リンパ球性間質性肺炎 (LIP) IIPs 以外の原因不明疾患 サルコイドーシス慢性好酸球性肺炎急性好酸球性肺炎リンパ脈管筋腫症 (LAM) 肺胞蛋白症 Hermansky-Pudlak 症候群 Langerhans 細胞組織球症鉄肺症アミロイドーシス肺胞微石症 職業 環境性肺疾患 過敏性肺炎 ( 夏型過敏性肺炎, 農夫肺, 鳥飼病, ほか ) じん肺 ( 珪肺, 石綿肺, 慢性ベリリウムベリリウム肺, アルミニウム肺, 超硬合金肺, ほか ) 関節リウマチ多発性筋炎 / 皮膚筋炎 (PM/DM) 全身性エリテマトーデス (SLE) 強皮症 ( 全身性硬化症 ) 混合性結合組織病シェーグレン症候群ベーチェット病 Wegener 肉芽腫症結節性多発動脈炎顕微鏡的多発血管炎 Churg-Strauss 症候群 ANCA 関連肺疾患 医原性肺疾患 薬剤性肺炎 ( 抗生物質, 抗菌薬, ニトロフラントイン, 抗不整脈薬, 消炎薬, 金製剤, ペニシラミン, インターフェロン, 小柴胡湯, 抗腫瘍薬, パラコート, ほか ) 放射性肺炎酸素中毒 気道系が関与関与するする肺疾患 びまん性汎細気管支炎 Immotile cilia 症候群嚢胞性線維症 (cystic fibrosis) 細気管支肺胞上皮癌癌性リンパリンパ管症癌血行性肺転移 Castleman 病リンパ腫様肉芽腫症 Kaposi 肉腫 感染性肺疾患 細菌性肺炎ウイルス性肺炎ニューモシスチス肺炎クラミジア肺炎マイコプラズマ肺炎レジオネラ肺炎粟粒結核肺真菌症 その他のびのびまんまん性肺疾患 心原性肺水腫急性呼吸促迫症候群 (ARDS) 高地肺水腫 HIV 関連肺疾患 HTLV-1 関連肺疾患 IgG4 関連肺疾患 3

4 TGFβ1 Collagen I, III, IV, V, Fibronectin, Ostopontin Tenascin, Elastin Hyaluropnic acid Thrombospondin 線維芽細胞線維芽細胞線維芽細胞線維芽細胞細胞外細胞外細胞外細胞外マトリックスマトリックスマトリックスマトリックス分解分解分解分解の抑制抑制抑制抑制プロテアーゼプロテアーゼプロテアーゼプロテアーゼ分泌抑制分泌抑制分泌抑制分泌抑制 (serine proteases, MMPs) 抗プロテアーゼプロテアーゼプロテアーゼプロテアーゼの分泌分泌分泌分泌 (TIMP, PAI-1) 上皮間上皮間上皮間上皮間葉移行葉移行葉移行葉移行線維症線維症線維症線維症促進因子促進因子促進因子促進因子の分泌分泌分泌分泌血管新生血管新生血管新生血管新生血管新生血管新生血管新生血管新生を促進促進促進促進するマするマするマするマクロファージのクロファージのクロファージのクロファージの浸潤亢進浸潤亢進浸潤亢進浸潤亢進線維芽線維芽線維芽線維芽細胞細胞細胞細胞の増殖増殖増殖増殖 P D G F 分泌線維芽線維芽線維芽線維芽細胞細胞細胞細胞の遊走遊走遊走遊走 P D G F 分泌

これまでの治療薬により延命効果が得られず Brit J Pharmacol 163: 141, 2011 5

6 新技術の概要 1. マウス surfactant protein C のプロモーター領域領域に配置されているヒト transforming growth factor (TGF)-β1の全長遺伝子全長遺伝子が導入導入されたトランジェニック (TG) マウスである 2. 本 TG マウスでは肺特異的肺特異的に TGF-β1 遺伝子が発現され 生後 10 週齢からから自然発症的自然発症的に肺線維症肺線維症を認める

7 肺特異的肺特異的肺特異的肺特異的ヒトヒトヒトヒト TGF-β1 過剰発現過剰発現過剰発現過剰発現によるによるによるによる自然発症肺線維症然発症肺線維症然発症肺線維症然発症肺線維症マウスモデルのマウスモデルのマウスモデルのマウスモデルの作製作製作製作製 SP-C : マウスマウスマウスマウス由来由来由来由来ゲノムゲノムゲノムゲノム DNA TGF-beta1 : ヒトヒトヒトヒト由来由来由来由来ゲノムゲノムゲノムゲノム DNA マイクロインジェクションマイクロインジェクションマイクロインジェクションマイクロインジェクション法によりによりによりにより SP-C_TGFbeta RecBAC 発現発現発現発現コンコンコンコンストラクトをストラクトをストラクトをストラクトを導入導入導入導入したしたしたした C57BL/6J マウスのマウスのマウスのマウスの受精卵受精卵受精卵受精卵からからからから トランスジェトランスジェトランスジェトランスジェニックマウスのファウンダーニックマウスのファウンダーニックマウスのファウンダーニックマウスのファウンダー候補候補候補候補となるとなるとなるとなる産子産子産子産子を得て サザンサザンサザンサザン解析解析解析解析によるジェノタイピングをよるジェノタイピングをよるジェノタイピングをよるジェノタイピングを行い トランスジェニックマウストランスジェニックマウストランスジェニックマウストランスジェニックマウス ファウンファウンファウンファウンダーダーダーダー個体個体個体個体を同定同定同定同定したしたしたした

8 新技術の特徴 (I) 1. TG マウスの肺特異的肺特異的にヒトにヒト由来 TGF-β1 遺伝子全長シーケンスのシーケンスの過剰発現過剰発現が認められるめられる 2. TG マウスの一定週齢一定週齢からから自然発症的自然発症的に間質性肺炎 肺線維症を認めるめる 3. 本モデルマウスはモデルマウスは進行性進行性 慢性性慢性性の間質性肺炎間質性肺炎 肺線維症を示す

9 新技術新技術新技術新技術の特徴特徴特徴特徴 (II) (II) (II) (II) 5. 本肺線維症肺線維症肺線維症肺線維症モデルマウスではモデルマウスではモデルマウスではモデルマウスでは肺癌肺癌肺癌肺癌が合併合併合併合併するするするする 4. TG マウスのマウスのマウスのマウスの肺線維症肺線維症肺線維症肺線維症の臨床臨床臨床臨床 画像画像画像画像 肺機能肺機能肺機能肺機能 血液血液血液血液 組織組織組織組織などのなどのなどのなどの検査所見検査所見検査所見検査所見はヒトではヒトではヒトではヒトで発症発症発症発症するするするする肺線維症肺線維症肺線維症肺線維症の検査所見検査所見検査所見検査所見と類似類似類似類似しているしているしているしている

10 腎線維症の研究背景 1. 糖尿病 膠原病 高血圧等の慢性疾患による腎症の悪化に伴い血液透析を受ける患者数は増加しており, 年間約 1 万人以上の患者が新規透析導入されている さらに これらの慢性疾患による腎不全による血液透析患者の予後は 他疾患に比較して著しく悪く その予後改善の対策が急務と考えられる 2. 初期には炎症反応は腎障害の病態形成に重要な役割を果たしますが 病態が進行すると異常な上皮及び間葉組織の反応によって線維化が起こる TGFβ1 などの成長因子は線維化の病因であると考えられている

11 腎特異的ヒト TGF-β1 過剰発現によるによる自 然発症腎線維症マウスモデルのマウスモデルの作成 Podocin : マウス由来由来ゲノム DNA TGF-beta1 : ヒト由来由来ゲノム DNA マイクロインジェクション法により Podocin ヒト TGFβ1-RecBAC 発現コンストラクトをコンストラクトを導入導入した C57BL/6J マウスの受精卵受精卵からから トランスジェニックマウスのファウンダー候補候補となるとなる産子産子を得て サザン解析によるジェノタイピングをによるジェノタイピングを行い トランスジェニックマウストランスジェニックマウス ファウンダー個体個体を同定同定したした

12 新技術の概要 1. マウス podocin のプロモーター領域領域に配置配置されているヒト transforming growth factor (TGF)-β1の全長遺伝子が導入導入されたトランジェニック (TG) マウスである 2. 本 TG マウスでは腎特異的腎特異的に TGF-β1 遺伝子が発現され 生後自然発症的生後自然発症的に腎線維症腎線維症を認めるめる

13 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 研究の背景 1. COPD は 完全な可逆的でない気流制限を示す 疾患 2. 気流制限は 通常は進行性で 有害な粒子や ガスに対する肺の異常な炎症反応と関連して いる

14 全世界の有病率 全世界 : 2 億人 男性 : 8.5% - 22.2% 女性 : 5.1% - 16.7% 40 歳以上 : 9-10%

15 ヒトヒトヒトヒト MMP-2 過剰発現過剰発現過剰発現過剰発現のマウスモデルののマウスモデルののマウスモデルののマウスモデルの作成作成作成作成 MMP-2: ヒトヒトヒトヒト由来由来由来由来ゲノムゲノムゲノムゲノム DNA マイクロインジェクションマイクロインジェクションマイクロインジェクションマイクロインジェクション法によりヒトによりヒトによりヒトによりヒト MMP-2 発現発現発現発現コンストコンストコンストコンストラクトをラクトをラクトをラクトを導入導入導入導入したしたしたした C57BL/6J マウスのマウスのマウスのマウスの受精卵受精卵受精卵受精卵からからからから トランストランストランストランスジェニックマウスのファウンダージェニックマウスのファウンダージェニックマウスのファウンダージェニックマウスのファウンダー候補候補候補候補となるとなるとなるとなる産子産子産子産子を得て サザンザンザンザン解析解析解析解析によるジェノタイピングをによるジェノタイピングをによるジェノタイピングをによるジェノタイピングを行い トランスジェニックトランスジェニックトランスジェニックトランスジェニックマウスマウスマウスマウス ファウンダーファウンダーファウンダーファウンダー個体個体個体個体を同定同定同定同定したしたしたした

16 想定されるされる用途 COPD の新規治療薬の開発 COPD 急性増悪の病態形成機序の検討 COPD に伴う全身性合併症の検討

17 本技術に関するする知的財産権 発明の名称 : 腎特異的にヒトTGFβ1を発現するトランスジェニックマウス 及び組織線維症マウスモデル用のバイオマーカー 出願番号 : 特願 2014-130304 出願人 発明者 : 国立大学法人三重大学 : 矢野裕 ガバザエステバン

18 お問い合わせわせ先 三重大学 社会連携研究センター 知的財産統括室 TEL 059-231-5495 FAX 059-231-9743 e-mail chizai-mip@crc.mie-u.ac.jp