平成 26 年度努力点 1 研究主題 作って食べて食への思いを高める常安の子 - 広げよう! 食育の輪 - 2 研究主題設定の理由本校では 平成 24~25 年度の2 年間に渡り できたよ自分で というテーマの基 やてみたい できるようになりたい 分かるようになりたい と 自分の意思で意欲的に学ぶ子もを目指した学校努力点を推進してきた その結果 8 割の保護者から学習意欲が高まっているという評価を得られた また教師や児童へのアンケートでも同様の結果が得られ 一定の成果を上げたことがうかがわれた しかし 2 割の保護者からは 学習意欲と児童の日常生活の様子が結びついていないという回答があった 学校で身に付けた知識や技能を さまざまな場面で生かそうとする姿こそ自分の意思で学ぶ児童であり このような意欲は 自ら判断し 行動するという今日的な教育課題を解決する上でも大切であると考える そこで 児童の学びを日常で実践でき なおかつ 保護者や地域の協力のもと 家庭生活での児童の変容を期待できる題材として 食を取り上げる 食は生きる力の根源であり 作る 食べるなどの体験的な活動には能動的にかかわることができる さらに 日常生活での児童の変容を期待できる営みでもある 学校だけでなく家庭 地域とも連携しながら 体験的な活動を通して 食への思いを高める児童の姿を目指していきたい 食をめぐっては 児童を取り巻く社会環境も大きく変化してきている 今やほしいものは何でも手に入る時代である 本校の児童においても 給食の時間の様子を見てみると 軽度の好き嫌いを原因とする残食があったり 会食の前後は席を立っている児童の姿が見られたりする 食への関心やみんなで食事をするよさをについては 十分に高まっていない現状がうかがわれる 以上のことから下の目指す児童の姿を設定し 努力点を推進していく 目指す児童の姿体験的な活動 ( 作る 食べるなど ) を通して 食に関心をもつとともに みんなで食事をするよさを感じることができる児童 食に関心をもった児童は 下のような姿を見せると考える - 1 -
食品に含まれる栄養素やその働きを知り 適切に組み合わせる 栄養バランスを配慮した食事 ( 家庭での食事も含め ) を規則正しくとる 感謝の気持ちをもち 残さず食べたり無駄なく調理したりする 自分たちの食生活と地域の産物とのかかわりを知ること また みんなで食事をするよさを感じる児童は 下のような姿を見せると考える はしの使い方 食器の並べ方 持ち方などの食事のマナーを身に付ける 安全や衛生に気を付けて 協力し合い食事の準備や後片付けをする 家族や友達とともに食べる楽しさを知る このようにして 食に関心をもつ と みんなで食事をするよさを感じる を共に満たしていことが 食への思いを高める児童であると考え 研究に取り組むものとする そして 将来にわたって心も体も健康で生活していく基盤となる 食への思いを高めていくことができるように 学校 家庭 地域に広がる活動を展開していく 本年度は 児童への指導を通して活動内容を具体化すること 来年度は実態調査の結果を基に 活動内容を深化 補充すること 再来年度は 食への思いを高めるために必要な条件を総合的に考察することに主眼を置いて実践を進めたい 3 研究主題の具体化 (1) 広げよう! 食育 について食に関する問題は 従来 家庭が中心となって担ってきた 家族一緒の食事は 家庭教育の第一歩であると共に コミュニケーションやしつけの場でもあった しかし 核家族化の進展や共働きの増加などの家庭環境の変化や 外食や調理済み食品の利用の増加などの食品流通の変化を背景に 保護者が児童の食生活を十分に把握し 管理していくことが困難になってきている このような状況を踏まえると 食育の推進については 学校 家庭 地域の三者が連携して取り組んでいくことが必要不可欠である 本校では 毎月の給食だよりや1 年生の保護者を対象とした給食試食会などで 家庭への啓発に努めているが 内容は献立紹介や学校給食の説明にとどまっており 食への思いを高めるまでには至っていない また 生活科 総合的な学習の時間などにおいて 地域の人材を活用した学習はさかんであるが 食に関する取り組みはなされていない そこで 食への思いを高めるために 学校から家庭 地域へと食育の場を広げ 三者が連携する 学校においては これらの活動を各教科 道徳 学級活動 総合的な学習の時間 給食の時間において行っていきたい こうすることで 学校の食育に関する諸活動に 家庭や地域も かかわっている というという実感をもたせることができ さらに 家庭における食生活の改善の意識を高めたり 地域の学校教育への参画意識を高めたりすることができると考える - 2 -
(2) 各教科 総合的な学習の時間の内容単元の学習の流れを 問題をつくる 問題を解決する 生かす の3つの段階で構成する 問題をつくる 段階では 学習内容への興味 関心をもたせ 学習問題をもたせるようにする 問題を解決する 段階では 体験的な活動 資料の活用のさせ方や学習形態を工夫した調べ活動などを通して 問題を解決できるようにする また 担任と栄養教諭のT.T. で児童の学習を支援したり 地域の人材を外部講師として活用したりする工夫も取り入れる 生かす 段階では 互いの問題解決を共有し 学んだことを自分の食生活に生かせるようにする なお 学習活動の計画立案に当たっては 各教科や総合的な学習の時間の目標と 食育の目標 (6 観点 = 食事の重要性 心身の健康 食品を選択する能力 感謝の心 社会性 食文化 ) を両立できる教材を選ぶ必要がある (3) 道徳 学級活動多くの場合 1 時間の授業となるので 各教科 総合的な学習の時間と同様に 道徳 学級活動の目標と食育の目標 (6 観点 ) を両立させるために 教材のみならず1 時間の中の学習展開も工夫していく必要がある 道徳では 食事の挨拶やマナーといった公徳心に関する内容 生産者や調理者への感謝に関する内容などが挙げられる また 学級活動においては ペア学年給食での過ごし方 給食の時間のマナーを向上させる方法 残食を減らすための取り組みなどを話し合う活動が例として挙げられる (4) 給食の時間の内容栄養教諭の計画のもと その日の献立や地産地消にかかわる食材の紹介 食事のマナー 栄養素 栄養価などを指導していく 同時に 担任は下のような給食指導に日々継続して取り組み 望ましい食習慣の形成を図る 準備 給食当番及び当番以外の児童への指導 正しい手洗い 正しい食器の並べ方などを指導する 会食 食への感謝 正しい食べ方 食事中のマナー 正しい箸の使い方などを指導する 片付け 食器の片付け方 会食後の過ごし方 食事への感謝 調理場への返却の仕方などを指導する また 次の点は学校全体でどの学級も同じように指導することで その効果を高めるとともに 指導の継続性にも配慮する 担任もエプロンとマスクをして 給食当番に服装や配食の仕方を指導する 児童が時間配分を意識し 見通しをもって行動するために 準備 会食 片付けの時 - 3 -
間を明示する 給食当番にはエプロン 帽子 マスクをきちんと身に付けさせる 準備のとき 給食当番以外の児童は自席に座って待つ 食べ終わった後は無用に立ち歩かない (5) 家庭 地域との連携各教科 総合的な学習の時間において 地域で農業を営む方や食農教育を進める団体の方との交流を通して 食への思いを高めるだけでなく 地域の産業を見つめ直すことにもつながる 例えば 緑区内でブドウや白菜 タマネギを生産する方から営農の工夫や苦労を聞き取ったり 食農教育を進めるJAみどりの方から農業振興へ向けた努力について学んだりする内容が考えられる また 学校だけでなく 家庭との連携が食への思いを高める上で必要である 例えば 自己評価表に 食にかかわるめあてを各自が決め 家庭で実行できたら 色を塗ったり保護者に一言を書いてもらったりする 給食だよりやホームページなどで食にまつわる保護者の声をや給食のレシピを紹介する 努力点の授業や給食の様子などを授業参観で公開するなどの内容が考えられる 4 研究の方法 (1) 組織 全体会 部会 ( 部長 ) 努 構成メンバー 力 授業実践部 ( 努力点推進委員長 ) 教 点 各担任 校 教 務 推 ( 低ひまわり 中 高の部会に分かれる ) 主 進 長 頭 任 委 行事部 ( 栄養教諭 ) 員 教頭 ひまわり担任 各学年 1 名 会 広報部 ( 努力点推進副委員長 ) 養護教諭 各学年 1 名 - 4 -
全体会を通して 研究主題や研究の進め方について共通理解を図る 努力点推進委員会は校長 教頭 教務主任 栄養教諭 努力点推進委員長 努力点推進副委員長 学年各 1 名の推進委員で構成する 授業実践部 行事部 広報部の3つの部会を通して 努力点推進の具体化や連絡 調整を行うとともに 推進していく上での問題点の解決を図る 栄養教諭は学校全体の食育の推進を職責としていることから 必要に応じていずれかの部会に参加し 情報を提供したり 連絡 調整にあたったりする 行事部では 給食委員会活動の工夫 改善 給食集会の計画 実践 教室の整備 ペア学年給食 PTAや地域と連携した活動 ( 給食試食会 家庭教育セミナー ゲストティーチャーとの調整 ) などに取り組む 広報部では 学校だより 給食だより 保健だより ホームページなどによる地域や家庭への啓発 保護者や児童への食習慣に関する実態調査などに取り組む - 5 -