海外における主たるバイオジェット燃料製造事業者の動向について 資料 7
調査趣旨 昨年 8 に取り纏められた 2020 年オリンピック パラリンピック東京 会へのバイオジェット燃料の導 に向けたアクションプラン ( 以下 アクションプラン という ) では 2020 年を 塚 として位置付けており 我が国におけるバイオジェット燃料の本格的な実 化は2020 年代後半が 込まれるとしている アクションプランでは ICAO 等において合意されている国際航空部 の温室効果ガス削減 標にも触れつつ スケールメリットによる価格低減のためにも 2020 年代後半の本格導 では 定規模の供給が必要とされることが述べられている 今後想定される2020 年後半に向けた検討の参考として 規模な事例を主な対象として 諸外国において先 しているバイオジェット燃料供給プラントの状況について整理を った 1
FT 合成 (Annex1) 原料企業名プラント稼働年 産量 ( 予定含む ) 1 販売契約その他 都市ゴミ 質バイオマス Fulcrum BioEnergy Red Rock Biofuels Cool Planet Energy System 国ネバダ州 Reno (Sierra BioFuels Plant) 北 United Airlines ハブ近隣 国オレゴン州 Lakeview 国ルイジアナ州 Alexandria 2019 年初頭の予定 2020 年末の予定 2017 年中の予定 (2016 年 6 にプラント向け 地利 が認可 ) 2017 年後半の予定 FT 合成原油 約 1200 万ガロン / 年 ( 4.56 万 kl/ 年 ) 輸送 燃料全体で 3 億ガロン / 年 ( 114 万 kl/ 年 ) ジェット燃料向けに NEAT バイオ燃料 600 万ガロン / 年 ( 2.3 万 kl/ 年 ) バイオ燃料 1000 万ガロン / 年 ( 3.8 万 kl/ 年 ) 合計 3.75 億ガロン ( 142 万 kl) を Cathay Pacific Airways と 10 年間の販売契約 United Airlines と少なくとも年間 9000 万ガロン ( 34 万 kl) を 10 年以上の契約 Southwest Airlines に 300 万ガロン / 年 ( 1.1 万 kl/ 年 ) FedEx Express に 300 万ガロン / 年 ( 1.1 万 kl/ 年 ) を 2017 年より 8 年間販売する契約 1 特に記述がない限り 生産量には他用途向けを含むものと見られる ジェット燃料とのブレンドが許容される NEAT バイオ燃料に改質する前の粗油 2
素化精製 (Annex2) 原料企業名プラント稼働年 産量 ( 予定含む ) 1 販売契約その他 廃 油 廃獣脂 農業残渣等 藻類 AltAir Fuels Diamond Green Diesel REG Synthetic Fuels Green Energy Products TerraVia ( 旧 Solazyme) 国カリフォルニア州 Paramount 国ルイジアナ州 Norco 国ルイジアナ州 Geismar 国カンザス州 Sedgwick 2015 年ジェット燃料向けに NEAT バイオ燃料 91 万 2500 バレル / 年 ( 14.5 万 kl/ 年 ) 2010 年 現在はディーゼルを主に供給 1 億 6,200 万ガロン / 年 ( 62 万 kl/ 年 ) 6,800 万ガロン / 年 ( 26 万 kl/ 年 ) 300 万ガロン / 年 ( 1.1 万 kl/ 年 ) United Airlines に 1,500 万ガロン ( 5.7 万 kl) を 3 年にわたり販売する契約 他エアラインにも販売実績あり (KLM Alaska Airlines 向けの供給実績あり ) 過去にUnited Airlinesとの販売基本合意があるが 2016 年 3 に 品 化粧品事業に移 すると発表 1 特に記述がない限り 生産量には他用途向けを含むものと見られる HEFA:Hydroprocessed Esters and Fatty Acids 水素化処理後の NEAT バイオ燃料 3
素化精製 (Annex2) 原料企業名プラント稼働年 産量 ( 予定含む ) 1 販売契約その他 廃 油 廃獣脂 農業残渣等 Neste Oil ( フィンランド ) Eni( 伊 ) Preem( スウェーデン ) UPM( フィンランド ) Sinopec ( 中 ) フィンランド (2 ヶ所 ) シンガポール ロッテルダムの計 4 ヶ所 イタリア Venice Gela( 共に 油の精油所を転換 ) スウェーデン Gothenburg フィンランド フィンランド :2007 年 2009 年 シンガポール :2010 年 ロッテルダム :2011 年 Venice: 2014 年 Gela: 2017 2020 年の間を予定 フィンランド 2 ヶ所 : 各 19 万トン / 年 ( 約 22 万 kl/ 年 ) ロッテルダム シンガポール : 各 80 万トン ( 約 93 万 kl/ 年 ) Venice: 1.15 億ガロン / 年 ( 44 万 kl/ 年 ) Gela: 合計 100 万トン / 年 ( 116 万 kl/ 年 ) 2 億 7,100 万ガロン / 年 ( 100 万 kl/ 年 ) 3,200 万ガロン / 年 ( 12 万 kl/ 年 ) (ITAKA プロジェクト等を通じて供給実績多数 ) 2015 年 3 海南航空およびDragonair の試験 にバイオジェット燃料を供給 1 特に記述がない限り 生産量には他用途向けを含むものと見られる HEFA:Hydroprocessed Esters and Fatty Acids 水素化処理後の NEAT バイオ燃料 4
SIP(Annex3) 原料企業名プラント稼働年 産量 ( 予定含む ) 1 販売契約その他 サトウキビ Amyris ( 仏 ) ブラジル Brotas 020 年までに 料部 専 とするとの情報あり 1 他用途向けの生産量を含むものと見られる ジェット燃料とのブレンドにはファルネサン (C 15 H 32 ) に改質する必要がある ファルネセン (C 15 H 24 ) 5 万 kl/ 年 ( 多数エアラインに供給実績あり ) 5
Alcohol to Jet(Annex5) 原料企業名プラント稼働年 産量 ( 予定含む ) 販売契約その他 各種バイオマス 製鉄所排ガス等 植物 Gevo Lanza Tech Byogy Renewab les 国ミネソタ州にてイソブタノール製造 テキサス州 Silsbee にて精製デモプラント ミネソタ州 ( イソブタノール製造 ): 2010 年 Silsbee 精製デモプラント :2011 年 バイオジェット燃料としての供給は 2016 年より開始 NZ 中国(2ヶ NZ: 2008 年 中所 ) 国 韓国 国 : 201213 年 台湾にてエタ 国 台湾 : 2014 ノール製造実年証中 ベルギー : 2017 年 ベルギー中頃にエタノール Ghentにて 産開始 2018 年 ArcelorMittal 完 予定の 炉に実証プラント併設予定 オーストラリアにて実証プラントを検討中 他用途向けの生産量を含むものと見られる イソブタノール 75 万 100 万ガロン / 年 ( 2,800 3,800 kl/ 年 ) エタノール NZ: 1.5 万ガロン / 年 (57 kl/ 年 ) 中国 : 各 10 万ガロン / 年 (380 kl/ 年 ) ベルギー : 47,000 トン / 年 ( 約 6 万 kl) 2015 年に Alaska Airlines 向けに 1,000 ガロンの販売契約 ( バイオジェット製造技術開発は Virgin Atlantic と提携 ) 2012 年にQatar Airwaysから出資を受け 期購 契約を締結 6
まとめ FT 合成 (Annex1) に関しては 欧 においても 規模なプラントについては稼働開始を待つ状況 HEFA(Annex2) に関しては 欧 を中 に 規模なプラントの稼働が られるが バイオジェット燃料を継続的に供給しているか不明なケースが多い (AltAirのように バイオジェット燃料を 期販売契約に基づき供給が進捗している事例もある ) 油価の下落なども影響してか 他の 付加価値製品への供給にも振り向ける動きもある (SIP (Annex3) や藻類 (Annex2) ) ATJ (Annex5) に関しては実証スケールから 規模な商 スケールに移 する動きがある 我が国において 国プロジェクトとして研究開発に取り組んでいる分野 (FT 合成 藻類 ) については 海外においても 今後本格的な商用スケールでの供給を待つ段階 大規模化には エアラインとの長期契約の他 高付加価値製品など他分野の需要を確保することが有効となる可能性がある 7