消化器内科学講座 光学医療診療部准教授 消化器内科医局長 廣岡芳樹 宮原良二
消化器内科領域は臓器数が多い 消化管 食道 胃 十二指腸 小腸 大腸 胆膵 胆道 膵臓 肝臓
習得する専門的手技も多く しかも年々増加している 胃 X 線 腹部 US 検査 注腸 X 線 血管造影 上部 ( 拡大 ) 内視鏡 下部 ( 拡大 ) 内視鏡 内視鏡 (ERCP) 超音波内視鏡 (EUS) 超音波内視鏡下穿刺生検 (EUS FNA) 治療 イレウス管 SB チューブ 内視鏡的止血術 胃瘻 胆道ドレナージ PEIT, RFA ポリペク TACE 胆道結石除去術 EUS-FNA EMR, ESD 易 難 LECS( 腹腔鏡内視鏡合同手術 )
消化器内科医局 1) 消化器内科学 : 教授 ( 選考中 ) 講師 5 助教 8 非常勤講師 1 医員 大学院生 38 2) 光学医療診療部 : 准教授 1 助教 3 医員 2 3) 化学療法部 : 講師 1 医員 1 消化管研究室 廣岡准教授 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓研究室
2018 年 1 月新しい内視鏡室 ( 光学医療診療部 ) 開設
各専門グループの特徴 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓グループ
各専門グループより 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓グループ
上部消化管の基本は胃カメラ
微小な早期食道癌
上部消化管の多彩な検査 治療手技 拡大内視鏡超音波内視鏡 ESD EUS-FNA バルーン拡張 拡大内視鏡超音波内視鏡 ESD EUS-FNA LECS 拡大内視鏡超音波内視鏡 ESD EMR EUS-FNA
胃 ESD の手順 針状メスでマーキング 局注 針状メスでプレカット IT-2 で粘膜切開 粘膜下層への局注 IT-2 で粘膜下層剥離 全周切開 一括切除
SMT に対する EUS-FNA H.E. c-kit CD34
EUS-FNA や ESD も奥が深い
上部消化管グループの 1 週間 8:30~13:00 13:00~18:00 18:00~ Mon EGD, EUS, etc. Conference( 臨床 ) Tue EGD, EUS, etc. ESD, etc. Wed EGD, EUS, UGI, etc. ESD, etc. Conference( 研究 ) Thu Fri EGD, EUS, etc. ESD, etc.
上部消化管 G の主な研究テーマ 1)GIST の病態解明を目指した分子生物学的研究消化管間葉系腫瘍 (GIST) の遺伝子解析について既知の遺伝子のみならず網羅的遺伝子解析を行い 臨床的な悪性度や予後などに影響する分子マーカーの同定を目指した研究を行っています 2) 超高周波超音波細径プローブを用いた上部消化管腫瘍の深達度診断新規開発中の超高周波超音波細径プローブ ( 以下 超高周波プローブ ) を用いた研究を行っている 超音波は周波数が高いほど画像分解能が向上するため 従来の超音波プローブ (5-20MHz が一般的に使用されている ) と比べて 消化管表層に限局する早期消化管癌 ( 胃癌 食道癌 大腸癌など ) の深達度診断がより容易かつ正確になることが期待できます 本研究では 上部消化管腫瘍の内視鏡切除もしくは外科的切除検体に対して超高周波プローブで描出を行い 得られた画像と病理学的所見を対比することで 超高周波プローブによる深達度診断能及び臨床応用の可能性について検討を行っています 3) 上部消化管疾患と腸内細菌叢の相関上部消化管疾患と腸内細菌叢の相関について解析しています 特に H.pylori 除菌治療における腸内細菌叢の変化について研究しています 4) 消化管における全焦点内視鏡画像生成 解析の有用性に関する研究内視鏡検査における焦点深度の浅さ, 観察範囲の狭さに起因する診断能の低下を克服するべく, 観察対象のすべてに焦点が合った全焦点画像の生成を可能にする技術の開発を医工連携の一環として目指し 臨床診療における全焦点内視鏡画像の有用性を示すことを目標に研究をしています 5) 消化管粘膜下腫瘍に対する直視型超音波内視鏡を用いた粘膜切開下生検の有用性に関する検討上部消化管粘膜下腫瘍に対する直視型超音波内視鏡を用いた粘膜切開下生検の有用性を検討しています 6) 消化管疾患に対する CAD の研究および開発消化管疾患の医用画像に対して コンピュータによる病変の自動検出 自動診断の研究および開発を行っています
各専門グループより 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓グループ
下部消化管領域 ( 小腸 大腸 ) 小腸大腸疾患に対する治療の進化 1. 小腸病変 2. クローン病潰瘍性大腸炎 生物学的製剤の登場 3. 早期大腸癌 ポリペクトミー EMR( 内視鏡的粘膜切除術 ) カプセル内視鏡 バルーン内視鏡 止血 導入 ESD( 内視鏡的粘膜下層剥離術 ) 劇的に改善した 狭窄拡張
読影ネットワーク 全患者が同じ医療 読影センター 読影専門メンバー CE data 結果 治療 拠点病院出血 結果 結果 CE data 治療 拠点病院 クリニック一般病院一般病院 治療 クリニック 検査ができる 拠点病院 拠点病院 クリニック 出血 クリニック 依頼 クリニック一般病院クリニック 出血 一般病院一般病院 検査ができない クリニック
各地区の拠点病院 東海中央病院江南厚生病院セントラル病院山下病院一宮市立市民病院上飯田第一病院 名古屋大学部附属病院ブラザー記念病院 小牧市民病岐阜社会保険病院院陶生病院刈谷豊田総合病院東海病院豊田厚生病院トヨタ記念病院八千代病院中野胃腸科病院 海南病院 国立医療センター名城病院名鉄病院 大同病院 名古屋掖済会病院 岡崎市民病院 市立半田病院 豊橋市民病院
下部消化管 G の主な研究テーマ 1) 粘膜生検材料を用いた消化管生物学的マーカーの探索的研究様々な消化器疾患で消化管における Niemann-Pick C1-Like 1 などの消化管生物学的マーカーの頻度 分布を調べることで 消化器疾患の特徴を明らかにする研究を行っています 2) 術後再建腸管に対してのダブルバルーン内視鏡を用いた逆行性胆膵管造影検査における二酸化炭素送気の有用性についての前向き探索的研究術後再建腸管での逆行性胆膵管造影検査において 二酸化炭素送気の有用性を明らかにする研究を行っています 3) 潰瘍性大腸炎における大腸腫瘍の臨床像と内視鏡所見の解析潰瘍性大腸炎の患者においては一般大腸腫瘍による大腸癌と炎症性の大腸癌の発生を認めます 両者は治療方針が異なるため正確な鑑別が重要となります 当院で腫瘍性病変に対して治療を行った UC 患者の臨床像 内視鏡所見の解析を行い 一般大腸腫瘍と炎症性腫瘍の鑑別となる特徴について研究を行っています 4) ダブルバルーン小腸内視鏡検査におけるデクスメデトミジンの有用性の検討ダブルバルーン小腸内視鏡検査は口径の大きなオーバーチューブを使用して内視鏡を深部に挿入する検査法で 患者さんにとって負担がかかる検査です そのため検査時に鎮静が必要ですが この研究でデクスメデトミジンを用いた新たな鎮静法の有用性を検討しています 5) 原因不明消化管出血におけるダブルバルーン内視鏡の必要性予測スコアに関する前向き観察研究原因不明消化管出血患者におけるダブルバルーン内視鏡の必要性を予測するスコアを臨床情報とカプセル内視鏡所見を基に作成し その有用性を前向きに調査しています 6) 大腸内視鏡の挿入性に関する研究大腸腫瘍の精査 治療に 内視鏡検査は必須です 内視鏡技術が発達した現在も検査が困難な場合もあり その因子について研究しています 7) クローン病における小腸内視鏡所見と便中マーカー値の変動に関する探索的研究クローン病における内視鏡所見と便中カルプロテクチン値の変動について その有用性を検討しています 8) 間質形成に関与する蛋白質の癌間質マーカーとしての臨床応用に関する観察研究血清中ないし腫瘍における間質形成に関する蛋白質の検討を行っています 9) 大腸ポリープにおける従来法と Cold polypectomy の有用性に関する探索的並行群間ランダム化比較試験 Cold polypectomy は 熱凝固を用いる従来法に比べ 処置時間が短く 遅発性出血や腸管穿孔などの合併症が少ないとの報告がありますが 本邦ではまだ普及していません 本研究は 熱凝固を用いない cold polypectomy の安全性 有用性を 従来法と比較検討する前向きランダム化比較試験です
各専門グループより 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓グループ
超音波内視鏡検査 (EUS) 膵管
EUS 診断の最先端 造影 EUS EUS エラストグラフィー 血流を評価 硬さを評価
EUS-FNA( 超音波内視鏡下穿刺生検 )
手術不能局所進行膵癌に対する免疫細胞 局注療法の研究
チーフ 川嶋講師 廣岡准教授 胆管 私達はこの辺 左図 と 内視鏡 ERCP EUS 超音波に魅せら れた 気合と体力 と知性 で明日を拓きたい と思うマニア集団です 胆嚢 膵臓
各専門グループより 上部消化管グループ 下部消化管グループ 胆膵グループ 肝臓グループ
肝臓グループ 主に肝炎 肝硬変 肝癌の診断と治療を担当しています 肝癌の診断には画像検査が重要です 通常の腹部エコー検査に加え 精査としての造影エコー検査 血管造影検査 血管造影下 CT 検査も担当し 正確な診断を心がけています
肝細胞癌 4 ソラフェニブ 1 肝切除 2 局所療法 3TAE (PEIT,RFA,PMCT) 肝癌の治療に関しては ラジオ波焼灼術 (RFA) 肝動脈化学塞栓術 (TACE) 分子標的治療薬 ( ソラフェニブ ) 肝動注リザーバー化学療法 (HAIC) を担当し 安全で確実な治療を行っています
CT 画像によるナビゲーションを用いて確実で安全な RFA 治療 ( 肝癌 )
肝臓研究室の主な研究テーマ 1) ウイルス性肝炎における病態の解明 i) C 型肝炎ウイルス (HCV) 現在当院を中心として インターフェロン (IFN) ベース治療 および新たなフリー Direct Acting Antiviral(DAA) 併用治療に関しての多施設共同研究を施行 治療効果 安全性 治療効果に関与する因子の探索的検討を施行しています 特に我々は現在までにIFNベース治療とIL28B 宿主遺伝子多型 HCV core 領域 NS5A 領域と病態 および治療効果について明らかにしてきました 現在 IFNフリー治療においてもこれらの検討 およびウイルス消失による免疫反応の動態解析も行っています ii) B 型肝炎ウイルス (HBV) HCVと比較して複雑な生活環を持つHBVにおいてはC 型肝炎と比較して根治療法の開発が困難とされています 我々は現在 臨床的寛解状態と考えられるHBs 抗原消失とHBV core 領域との関係 また現在標準治療として使用されている核酸アナログ製剤で血中 HBV-DNA 陰性化を得られている症例において 血清マーカー (HBs 抗原 HBコア関連抗原 ) の値と病態との関係 また発癌に関与する因子の検討などを行っています 2) 肝癌の新たな治療法についての解析肝癌患者に対する治療として ラジオ波焼灼療法 (RFA) の新たなデバイスにおける有効性 安全性の検討 経カテーテル的肝動脈化学塞栓術 (TACE) の治療標準化に向けての前向き検討 また 進行肝細胞癌における分子標的薬 (Sorafenib) について多施設共同研究として その有効性 安全性の検討 ならびに治療効果に関与する因子の探索的検討を行っています 3) 急性肝不全動物モデルにおける炎症と再生の相関肝不全に対して直接肝再生を促す確立された方法がない現状で 我々はそれを解決する方策の有力な候補の一つとして 口腔外科との共同研究で歯髄由来の幹細胞培養上清を用い それを急性肝不全モデル動物に投与することで効果を示すことを明らかにしてきました 現在その培養上清中に強い効果を示す因子を同定し その抗炎症作用 肝再生促進作用について検討し 肝再生には強力な抗炎症との相関が不可欠であることを見出すべく検討を進めています
名古屋大学消化器内科医局に 入局するメリット 臨床能力を磨く 専門医の取得 ( 消化器病学会 肝臓病学会 内視鏡学会など ) 科学的な思考方法を習得 消化器内科学 の研究 信頼できる人脈消化器内科診療は チーム医療 他科 ( 消化器外科 耳鼻咽喉科 放射線科など ) との連携も必須
消化器内科学教室の医局員 (60 名 )
消化器内科同門会 消化器内科同門会員数 709 名 新規入局者 平成 29 年度 14 名 平成 28 年度 17 名 平成 27 年度 16 名 消化器内科同門会総会 消化器内科新入局者
入局後の進路 ( 新専門医制度次第ですが ) 2 年間 3~5 年目 5~7 年目 6~10 年目 10 年目 ~ 入局 基礎研究 初期研修 後期研修 大学院入学 帰局前赴任 臨床研究 勤務医 研究者勤務医開業医 各研修病院に勤務する消化器内科指導医から基本 - 専門的手技を学ぶ 消化器関連の専門医資格を取得 高度な専門的手技を学ぶ臨床 / 基礎的研究に取り組む
消化器内科レジデントセミナー年 2 回開催 (3 月第 1 土曜日 9 月第 1 土曜日 )
消化器内科入局窓口 消化器内科医局長室宮原良二 052-744-2166 myhr@med.nagoya-u.ac.jp