児童が意思決定能力を高めていく学習の在り方 - 総合的な学習の時間におけるキャリア教育を通して - 研究主題 児童が意思決定能力を高めていく学習の在り方 - 総合的な学習の時間におけるキャリア教育を通して- 東京都教職員研修センター研修部教育経営課国立市立国立第二小学校教諭稲冨泰輝 Ⅰ 研究のねらい

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

ICTを軸にした小中連携

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

北野中学校 30 周年第 1 学年共通道徳学習指導案 人はなぜ働くのか. 日 時 平成 18 年 11 月 24 日 生 徒 札幌市立北野中学校第 1 学年 指導者 教諭 筒井 久保村 石塚 川村 1. 主題名 人はなぜ働くのか 4-(5) 勤労と奉仕の精神 2. 主題設定の理由 人のためにならない


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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

解答類型

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

H30全国HP

3. 単元目標 自の育てている野菜の変化の様子を観察したり 地域の人に話しかけたりしながら すすんで課題を解決することができる ( 関心 意欲 態度 ) 野菜の生長の様子や 地域のお店の様子について気付いたことを絵や文章などにかき 伝えることができる ( 思考 表現 ) お店の人にインタビューしたり

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

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第4章 道徳

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

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<小学校 生活科>

第3学年 総合的な学習の時間 学習指導案

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

○ ○ 科 学 習 指 導 案

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

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総合的な探究の時間 は 何を 何のために学ぶ学習なのか? 総合的な探究の時間 は与えられたテーマから みなさんが自分で 課題 を見つけて調べる学習です 総合的な探究の時間 ( 総合的な学習の時間 ) には教科書がありません だから 自分で調べるべき課題を設定し 自分の力で探究学習 ( 調べ学習 )

61.8%

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

H27 国語

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中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

小学校国語について

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

実践 報告書テンプレート

1

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

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自己紹介をしよう

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

いろいろな衣装を知ろう

20情報【授業】

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

愛媛県学力向上5か年計画

第1節 キャリア教育の必要性と意義(その1)

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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4 研究主題との関連 自分を見つめ 友達の思いを大切にする子供の育成 道徳授業の充実を通して 研究主題に迫るために 4 年生では子供たちの目指すべき児童像を 自分の思いを見つめる子 友達の思いに気付く子とした また 目指すべき具体的な児童像を 資料の世界観に浸り 登場人物に自分を重ねながら登場人物の

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(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

平成 26 年度努力点 1 研究主題 作って食べて食への思いを高める常安の子 - 広げよう! 食育の輪 - 2 研究主題設定の理由本校では 平成 24~25 年度の2 年間に渡り できたよ自分で というテーマの基 やてみたい できるようになりたい 分かるようになりたい と 自分の意思で意欲的に学ぶ子

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

人権教育の推進のためのイメージ図

広島国際大学教職教室教育論叢 第 9 号 2017 年 12 月 キャリア発達を促す総合的な学習の時間の実践的な研究 広島県廿日市市立野坂中学校濱保和治 広島国際大学心理科学部教職教室岡田大爾 要旨 : 平成 23 年の中央教育審議会答申では, 社会に出る際に最低限必要なことや将来を考える際の土台と

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

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あったらいいな ! こんなあそび場 (わたしの町大好き)

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

造を重ねながら取り組んでいる 人は, このような自分の役割を果たして活動すること, つまり 働くこと を通して, 人や社会にかかわることになり, そのかかわり方の違いが 自分らしい生き方 となっていくものである このように, 人が, 生涯の中で様々な役割を果たす過程で, 自らの役割の価値や自分と役割

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

5 題材の目標 生涯発達の視点から各ライフステージの特徴 課題について理解す 青年期の自立について考え, 男女の協力などについて考え 結婚 家族 家庭の意義や機能などについて理解し, 自の問題として考え 6 題材の評価規準関心 意欲 態度 思考 判断 表現 技能 知識 理解 自自身のことや, 自らし

資料3 平成28年度京都府学力診断テスト 質問紙調査結果 28④ 28中① 27④ 27中① 平成28年度京都府学力診断テスト小学4年質問紙調査結果 平成28年度京都府学力診断テスト中学1年質問紙調査結果 平成27年度京都府学力診断テスト小学4年質問紙調査結果 平成27年度京都府学力診断テスト中学1

Transcription:

研究主題 - 総合的な学習の時間におけるキャリア教育を通して- 東京都教職員研修センター研修部教育経営課国立市立国立第二小学校教諭稲冨泰輝 Ⅰ 研究のねらい平成 11 年 中央教育審議会答申 平成 16 年 キャリア教育推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書 において 小学校からのキャリア教育の必要性が挙げられている その背景として 自分で意思決定すること 自分に自信をもつこと 人間関係を築くこと以上のことを苦手とする児童 生徒が増えつつあることが指摘されている 中央教育審議会答申 の中でキャリア教育について 自己の個性や適性を理解し 主体的に進路を選択する能力や態度を育てる教育 と表記されている これは総合的な学習の時間のねらいである 自己の生き方を考えることができるようにすること に共通する部分であり キャリア教育を総合的な学習の時間で重点的に扱うことが有効であると考えた 今回の研究では キャリア教育で付けていくべき力のうち 意思決定能力を高めることを研究のねらいとして 児童が夢や希望をもって自分の生き方を見つめ 将来を見つめ始める単元を総合的な学習の時間において開発した また 一人一人の児童が働くことについて具体的に考えることができるように 授業協力者との連携を図ることも有効であると考え 以下の研究仮説を立てて進めてきた 研究仮説総合的な学習の時間において 働くことに関する話を聞き自分自身を見つめ 夢や希望をもって自らの生き方を考えるキャリア教育の視点から単元を設定すれば 児童の意思決定能力が高まるであろう Ⅱ 研究の内容と方法 1 基礎研究 (1) 意思決定能力について意思決定能力は キャリア教育の 職業観 勤労観を育む学習プログラムの枠組み ( 例 ) ( 国立教育政策研究所 ) に示されている4 項目の職業的 ( 進路 ) 発達にかかわる諸能力の中の 1つであり 選択能力 ( 自分の意思で方向付ける ) と課題解決能力 ( 自分の意思に基づいて行動する ) に分けられる ( 補助資料 4 参照 ) (2) 各種報告書などの分析から 1 職業的 ( 進路 ) 発達課題キャリア教育推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書の中で 小学校段階における職業的 ( 進路 ) 発達課題として 1

将来の生き方や職業への 夢や希望 を膨らませ 自分はこんな人間になりたいという自己イメージを獲得する段階 家庭 学校 地域での諸活動の中で 身の回りの仕事や環境に対する関心 意欲を向上させる段階が挙げられている 2 職業的発達 ( キャリア教育における発達段階 ) D.E. スーパーによれば職業的発達は5つの段階 ( 成長 探索 確立 維持 下降 ) に分けられ 小学校高学年は最初の成長段階にあたる この成長段階では 自己の概念が学校と家庭における主要人物との同一視を通して発達する 特に 社会参加と現実吟味を行うことにより様々なことに興味をもち 諸能力を身に付けることができるとされている (3) 本研究における意思決定能力職業的発達課題 職業的発達を踏まえ 本研究では小学校段階における意思決定能力を 自分自身を見つめることにより明確な自分の考えをもち そのことに基づいて対象を選び 自分が進むべき方向を決めることができる力と定義した 2 単元開発本研究で児童の意思決定能力を高めるために 以下の3 点に留意して単元開発を行った 授業協力者の話を生かし 働くことを考えることができるようにする 自分自身の意思決定能力の高まりが見られる 学習カードの内容を工夫する 児童が自分について肯定的にとらえ 自ら意思決定能力を高める学習過程を工夫する (1) 授業協力者との連携について実際に働いている方から 現在働いている様子や子どもの時のことなどを聞くことにより自分が働く姿を想像したり 今の自分の生活を働くことと関連して見つめ直したりすることができると考えた 授業協力者と社会生活 家庭生活 学校生活の視点をもって連携を進め 児童が学校生活だけではなく 生活の様々な場面を見つめ直すようにした 今回の研究では国立市商工会 ( 社会生活 地域の視点 ) 東京経営者協会( 社会生活 企業の視点 ) を通し 授業の意図に適した授業協力者を幅広い視点で紹介していただいた また保護者からも授業協力者 ( 家庭生活の視点 ) を募った ( 補助資料 3 参照 ) (2) 自分を見つめる ワークシート の工夫について一人一人の児童が 前の時間に記入した内容を基にし 自分の考えを毎時間見つめることにより 意思決定能力の高まりが見えるカードを作成した そして 毎時間記入することにより 自分の考えがどのようにして明らかになっていったか どのように変わっていったかが瞬時に分かるよう 単元を通して一枚の学習カードとした また自らの思いや考えを中心に記入するカードにした ( 補助資料 1 参照 ) (3) 単元の流れについて 1 単元名総合的な学習の時間第 6 学年 ドリームキャッチタイム 2

2 単元のねらい授業協力者の話をきっかけとし 一人一人の児童が働くことに関しての自分の思いを肯定的に見つめ 自らの生き方を考えることにより 主体的に判断 決定することができる意思決定能力を高める 3 指導の流れ ( 意思決定能力を高めるための単元計画 )( 全 6 時間 ) 児童の学習活動 授業者の関わり 意思決定能力の高まり 1 2 3 4 授業協力者の話を聞き 自分を見つめ始める 授業協力者の話を聞く ワークシート にキーワードを記入する 前回のキーワードを 自分の考えに基づいて結び付け 生かし方まで考える グループでキーワードを結び付ける その後自分の考えに基づいて再度キーワードを結び付ける 前回考えた生かし方を基に 今の自分 を文にまとめ 新たな視点で自分自身を見つめる キーワードを結び付け 生かし方を考える 今の自分 を短い文でまとめる 今の自分 を発表し 授業協力者との話し合いの中で もう一度 今の自分 について考える 今の自分 を授業協力者に伝え 話し合いをする ワークシートの記入方法を確認する キーワードの整理を対話で行う キーワードを結び付ける方法を確認する 夢や希望をもって結び付け生かし方を対話で明らかにする 今の自分 について キーワードのどの部分に関連しているのか 対話で確認する 具体的に自分を見つめる視点を示す 肯定的にとらえることを対話で確認する 今の自分の生活を見つめ始めている 授業協力者 家庭 地域 社会の視点で働くことについての話をする 生かし方 の紹介 授業協力者に児童の様子を報告 自分でキーワードの結び付けを行うことにより 今 自分がどんな思いをもっているのか気付き始める 自分の思いを明らかにしながら 自分で取り組んだり 意識したりすることを選び出す アドバイスを聞いて もう一度 自分の生き方についての思いを確認し よりよい思いをもとうとする 授業協力者 ( 報告を生かし ) 今の自分 に関連するアドバイスをする 5 前回の話し合いを基に 今の自分 について 自分の考えを整理する 授業協力者との話し合いの中から生かすことを考え もう一度 今の自分 を見直す 具体的 肯定的にとらえた キーワードの紹介 今の自分 について3 との違いを対話で明らかにする 将来を見つめ 自分が思っていることを明らかにしている 6 再構成した 今の自分 を発表し 友達の発表を聞きながら自己の生き方を考える グループで 今の自分 を発表する 発表後 こういう自分になりたい を記入する 今の自分 を発表した後で 自分の思いを再度確認していく 現段階からできることや 将来に向けて取り組むことを明らかにする 自己の生き方を明らかにすることにより 様々な場面で自分の意思に基づいて 進むべ き方向を決定することができる ( 補助資料 2 参照 ) 3

Ⅲ 研究の結果と考察 1 授業協力者との連携社会生活 ( 地域 企業 ) 家庭生活( 保護者 ) 学校生活( 指導者 ) について視点をもつことにより 児童は地域での行事への参加 家で行っている手伝い 普段取り組んでいる学習の目的など 具体的に生活の様々な場面を見つめ直していた そして 自分の普段の生活と関連させて 相手を意識して行動する など自分の思いを明らかにしていった さらに 2 回目の連携の際には自分から 働くことや 学習と働くことの関係などをすすんで質問し 疑問に思ったことを解決しようとする姿が多く見られた 2 自分を見つめる ワークシート の工夫毎時間 前時に書いた内容を見つめ 新たな自分の思いを一人一人の児童が自分なりに明らかにしていた 今の自分 についてまとめる場面には ワークシート を使って授業協力者の話した内容を見直したり キーワードを結び付けたりすることにより 自分の思いに気付いていった 児童はこの気付きを生かして 単元の最後に自分の考えをもつようになったと考える 指導者は児童の思いを ワークシート からも把握した 授業協力者の話を聞き 自分の思いを明らかにする場面では とまどっている児童に対して ワークシート を一緒に見ながら今の思いを対話で確認することにより 児童は少しずつ自分の夢を明らかにしていった このことから徐々に 意思決定能力を高めてきたことがうかがえる 3 意思決定能力を高める学習過程の工夫児童の意思決定能力の高まりをみるために ワークシート の 今の自分 について書かれた内容の変化を中心に分析した その結果 児童の意思決定能力の高まりは おおよそ社会生活 家庭生活 学校生活 自分の将来の夢に分類することができた 社会生活を中心に意思決定能力を高めていった児童は 最初の 今の自分 については 地域のことをもう少し理解していこうとしていた しかし 授業協力者から人との支え合いや 地域でよい環境をつくることなどの具体的なアドバイスをもらうことにより 最後の 今の自分 では地域を理解する以外に 人との支え合いやよりよい生活を築くことが大切であるという考えに変容した また 自分の将来の夢を明らかにするだけではなく これから取り組むことや 夢に向かって行動すべきことを考えるとともに 自分が進むべき方向を見付け始めた児童の姿が多く見られた Ⅳ 今後の課題 1 意思決定能力の高まりを継続してみていく単元を通して意思決定能力を高めてきたが 今後の生活の中で児童の意思決定能力は更に変容していく 単元が終了後も継続的に地域 家庭 学校が連携して 児童の意思決定能力を更にはぐくみ 温かく見守っていく必要があると考える 2 小学校段階のキャリア教育の在り方小学校においてもキャリア教育の全体指導計画を作成する必要がある 各教科等の系統性を明確にし 指導を積み重ねていくことにより効果的なキャリア教育の在り方を明らかにする 4

補助資料 2 児童の意思決定能力の高まり 1 本研究で目指した意思決定能力の高まり 意思決定能力の高まりの様子視点 キーワードを記述し 自分の考えに基づいて結び付けを行っている 今の自分 を見つめている 自分を見つめている 今の自分 を発表し 話し合いの内容を生かし もう一度 今の自分 を見つめ直している 今の自分 について再度見つめ その理由を明確に示している 自己の生き方について気付き始めている 友達との共通点 相違点に気付き こういう自分になりたい を明らかにしている キーワードを記入する 理由を挙げている 自己の生き方を明らかにする 2 意思決定能力の高まりの例 (1) 主に学校生活に関連した高まり方 児童の学習の様子 授業協力者の話意思決定能力の高まりの様子 1( 協力者の話を聞く ) 2( 協力者と話し合いをする ) 3( 今の自分 を再構成する) 4( 自己の生き方に気付く ) ( 授業協力者の話 ) 一人一人が性格を出して生きる 自分に合う仕事は長く続く ( 児童の様子 ) 今までの中で苦手にしていた学習を挙げている 現在苦手にしていることを明らかにし 解決策を考え始めている ( 授業協力者の話 ) 各教科に取り組むときの視点 自分を知る 支え合う ( 児童の様子 ) 改めて学習の必要性を感じ 取り組んでいきたいと考えている ( 記述 ) 学習を好き嫌いで判断するのではなく どの教科も大切である 学習を苦手にしていることだ苦手な教科を克服するだけけではなく 幅広い視野で見つではなく 長所も伸ばそうとしめようとしている ている ( 記述 ) 学習に取り組むときに 様々な疑問をもちたい 多くの友達とかかわって一緒に解決していきたい 解決策を考える視野を広げ考える長所を伸ばそうとする人との協力を考える 一人で取り組むだけではなく 協力して取り組むことも考えている 単元を通した意思決定能力の高まり 自分が苦手にしていることを見つめていたが 長所も考え幅広い視野で学習を見つめた 一人で克服するだけではなく 人と協力する視点ももち始めた (2) 主に家庭生活に関連した高まり方 児童の学習の様子 授業協力者の話 意思決定能力の高まりの様子 ( 授業協力者の話 ) お手伝い ( 授業協力者の話 ) 相手も自の大切さ 自分から取り組む分も大切にする 気付かないこと ところで支え合う ( 児童の様子 ) お手伝いに疑 ( 児童の様子 ) 人は支え合っ問をもっている 楽しくやりたいていると考え 相手意識が芽と考えている 生える ( 記述 ) 自分のことは 自分で行うようにしている どこかで誰かに支えられて生きている ( 記述 ) 最初に考え始めてから お手伝いを自分からやっている 楽しく 家族や自分のためにやっているから 継続していきたい もっている気持ちに気付く相手のことを意識する生活を改善する今後も継続しようとする お手伝いを見直し 自分から楽しく取り組みたいと考えている 単元を通した意思決定能力の高まり 相手の気持ちを考えたお手伝いを意識している 自分から取り組みたいから 取り組むに変化している 自分から行動するよさに気付き 今後もお手伝いを継続しようと考えている 自分がお手伝いに対して正直に思っていたことを見直し 相手のことを考え行動するよさに気付き 今後の生活でも続けていく方向性が見えている 補助資料 2

(3) 主に社会生活に関連した高まり方 児童の学習の様子 授業協力者の話意思決定能力の高まりの様子 ( 授業協力者の話 ) 協力して家族が暮らす 幸せ 仕合わせ = 仕え合わせる の当て字 ( 児童の様子 ) 地域の中で支え合っていることに気付く 現在の生活を見直し 自分から地域のことを理解しようとしている ( 授業協力者の話 ) よい環境のために人との関係をつくる ( 児童の様子 ) 人との関係は支え合いが大切で 地域の商店街の役割に気付く 地域の授業協力者の話を中心にキーワードをまとめている ( 記述 ) 多くの人に支えられている その中で自分であまり気付いていない地域のことを理解し 様々なことに興味をもちたい 地域のことを知り そこから視野を広げて物事に興味をもち始めている ( 記述 ) 自分の将来の夢を明らかにしながら 仕事に就くだけではなく 人とのかかわりを大切にしたいと考えている 地域に関心をもつキーワードをしぼる地域から視野を広げる将来を考え始める 人との関係を意識して 将来のことを考え始めている 単元を通した意思決定能力の高まり最初の段階では自分と地域との関係を漠然ととらえていたが 人とのかかわりの大切さを地域という存在から意識し 希望をもって将来を見つめるようになっている (4) 主に将来の夢に関連した高まり方 児童の学習の様子 授業協力者の話意思決定能力の高まりの様子 ( 授業協力者 ) 仕事の進め方 自分が興味をもっていることを明らかにする ( 児童の様子 ) 父親の仕事を中心に家族に働いている様子を聞きたいと考ている 将来の希望する仕事を明らかにしようとし 身近な対象から聞こうとしている ( 授業協力者 ) 仕事にはレベルはない 今から何でも聞くようにする ( 児童の様子 ) 仕事にレベルがないこと 物事に興味をもつことを考えている 普段の学習に対して 自分の視点をもって見つめようとしている ( 記述 ) 自分自身を理解していきたい もっている疑問を一つ一つ明らかにしていきたい 自分自身を見つめて どのくらい自分が物事に対して疑問をもっているかを考えている ( 記述 ) 将来の夢は教師であり 人の役に立ちたい 今から 年下のいとこ相手に一緒に勉強していく 家族の仕事に興味をもつ今の生活を考える更に自分を見つめる将来の夢を明らかにする 将来の夢を明らかにし 夢に向け 今からできることを自分で決め取り組もうとしている 単元を通した意思決定能力の高まり家族の仕事の内容を考え 自分の将来の夢に関連させていった 自分がもっている思いを整理し 現時点で取り組むことができることを明らかにしていった (5) 迷いながらも自分を見つめ続けた高まり方 児童の学習の様子 授業協力者の話意思決定能力の高まりの様子 ( 授業協力者の話 ) 常に疑問をもつ 自分が本当にやりたいことを考える ( 児童の様子 ) 自分の考えが見えない 自分について考えていきたい 自分自身をもう少し見つめていく必要があることに気付いている ( 授業協力者の話 ) 将来の夢を具体的に考える お手伝いを続けると気付くことがある ( 児童の様子 ) 自分の中で何ができるかを考え始める 自分の中で 少しずつ取り組むことができることを考えている ( 記述 ) まだ 本当にやりたいものが見つからない だから 少しのことでも目標を立て 自分が考えていることに気付いていきたい 現在の生活の中で取り組むことができることを考えている ( 記述 ) 本当は夢をもっているが その思いが本当のものなのか これからも考えていきたい 自分を見つめ始める少しでもできることを考える今の生活を見つめ直す自分の思いを強くもつ 友達の発表と相違点があっても 自分が考えていることを明らかにしたいと思っている 単元を通した意思決定能力の高まり自分自身が考えていることを現在明らかにすることができなくても 少しずつ普段の生活から意識して明らかにしていこうとする意思をもち始めている 補助資料 3

補助資料 3 授業協力者が授業時に話し 児童がまとめたキーワード例 授業協力者 かかわり 保護者 地域 企業 打合せ内容 補助資料 4 1 回目 (1 ) 2 回目 (4 ) 授業協力者の話の中から 自分の考えに基づいたキーワー ( 児童が1 回目にまとめた ) 今の自分 を発表し 授業協力者ドを記入する との話し合いの中で 今の自分 を見直すキーワードを記入する 今やっていることを将来役立てる 自分からお手伝いをしていく 子供を育てるのも仕事である 学習や習い事のことを考える みんなを楽しくするのが地域である( 働く= 側楽の当て字 ) 私たちはこの地域をよくするために働いている 人は一人では生きていけない 昔の本校は もっと多くの児童がいた 仕事は色々な人とのかかわりで成り立っている お手伝いをしていくことは大切である 自分がどんなことに興味をもっているかを考える 色々な事に疑問をもち 取り組んでいく ( 保護者 ) 今の生活を見直していく視点 ( 地域 ) 本校の卒業生で地域に住む人の視点 ( 企業 ) 自分で取り組む大切さの視点 職業観 勤労観を育む学習プログラムの枠組み ( 例 )( 抜粋 ) 意思決定能力 自らの意思と責任でよりよい選択 決定を行うとともに その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する 課題解決能力 意思決定に伴う責任を受け入れ 選択結果の適応するとともに 希望する進路の実現に向け 自ら課題を設定してその解決に取り組む能力 相手を大切にすることは 自分を大切にすることになる 色々なことに挑戦し 失敗してもよい 自分の苦手な部分を見つめることも一つの方法 その場の雰囲気を考え行動する 気付かないところでも 支え合うことが大切である 行事に参加し 人とかかわる 盛り上がる 地域という存在があって 家庭という存在がある 当たり前のことをばかにしない 将来の夢を具体的に考える 学校を卒業した後にどうするのかも考える 今の学習を将来につなげる 手伝いを続け 毎日行えば好きになっていく ( 保護者 ) 自分を見つめていく視点 ( 地域 ) 人とかかわっていく視点 ( 企業 ) 具体的な自分の目標をもつ視点 小学校 低学年 中学年 高学年 職業的 ( 進路 ) 発達の段階 進路の探索 選択にかかる基盤形成の時期 自己及び他者への積極的関心の形成 発展各発達段階において達成しておくべき課題を 進路 身のまわりの仕事や環境への関心 意欲の向上職業の選択能力及び将来の職業人としての必要な資 夢や希望 憧れる自己イメージの獲得質の形成という側面から捉えたもの 勤労を重んじ目標に向かって努力する態度 職業的 ( 進路 ) 発達にかかわる諸能力 職業的 ( 進路 ) 発達を促すために育成することが期待される 領域 領域説明 能力説明 具体的な能力 態度 ( 他の3 領域は 人間関係形成能力 情報活用能力及び将来設計能力 ) 選択能力 自分のやりたいこと 様々な選択肢について比較 自分の好きなもの 大よいと思うことなどを考検討したり 葛藤を克服したり切なものを持つ え 進んで取り組む して 主体的に判断し 自らに 学校でしてよいこと悪い してはいけないことが分ふさわしい選択 決定を行ってことがあることが分かる かり 自制する いく能力 自分のことは自分で行おうとする 自分の仕事に対して責任を感じ 最後までやり通そうとする 自分の力で課題を解決しようと努力する 係活動などで自分のやりたい係 やれそうな係を選ぶ 教師や保護者に自分の悩みや葛藤を話す 生活や学習上の課題を見つけ 自分の力で解決しようとする 将来の夢や希望を持ち 実現を目指して努力しようとする ( 太字は 職業観 勤労観の育成 との関連が特に強いものを示す ) 本研究で使用した参考資料 文献 3 キャリア教育の意義 4 キャリア教育の範囲. キャリア教育の推進に関する調査研究協力者会議報告書. 平成 16 年,p.8-12.35. 補助資料 4