9 燃料電池 苛性ソーダ水溶液や希硫酸に2 枚の白金電極を浸し 両電極間におよそ2V 以上の電圧を加えると電流が流れ 電位の高い方の電極 : 酸素極 ( 陽極 アノード ( 注 1)) に酸素が 低い方の電極 : 水素極 ( 陰極 カソード ) に水素ガスが発生する 外部回路から供給された電子を水素イオンが受け取り 水酸基イオンは電子を外部回路に供給する 酸素極側で水素イオンが過剰に 水素極では水酸基イオンが過剰になりそれぞれ装置内を移動する アノード ( 酸素極 陽極 ):20H 02/2+H20+2e カソード ( 水素極 陰極 ):2H++2e~ H2 装置内部 :H20 一 H++OH- 一 H2+02/2 この装置の一方の電極側に酸素を もう一方の電極側に水素を供給し両電極間に負荷を繋ぐと燃料電池になる 水素極 ( アノード 陰極 ) は電子を供給し水素は水素イオン ( プラス ) に 酸素極 ( カソード 陽極 ) で酸素は電子を受けとり水酸基イオン ( マイナス ) になる 外部回路では酸素極から水素極に正電流が流れ 装置内では水素イオン ( プロトン ) や水酸基イオンが拡散によって移動し 再結合して水になる カソード ( 酸素極 陽極 ):02/2+H20+2e-2oH アノード ( 水素極 陰極 ):H2 2H +2e ( 注 1) 装置 内でアノードからカソードに正電流が流れるようにアノードとカソードの配置が定義される 一方 電位の高い方の電極を 陽極 低い方の電極を 陰極 と呼ぶ 電池 では装置内を陰極から陽極の向きに正電流が流れるのでアノードが陰極 カソードが陽極である しかし 電気分解 の場合はアノードが陽極 カソードが陰極となる アノード カソードと陽極 陰極とは必ずしも一致しないことに注意する必要がある 9.2 基本式 下図のような系についてエネルギーならびにエントロピーの収支は次式で与 えられる
ERF q lwl- hp くく 12 1J njh =nefr+q+nphp: エネルキ ー収支 njs +Q/T+npSp+ASmi 0: エントロヒ ー収支 Hi Si:i 物質の標準モルエンタルピーおよび標準モルエントロピー 生成 物質に対し ni>o 反応物質に対し ni<o とする よって (3) nefr -AG AG=AGo-TASmix AGo=Zini(Hi-TSi) である ( 注 2) 燃料電池では G<0の方向に現象が進むのに対し 電気分解では G>0の現象が起こる 理想的には自由エネルギーの現象分が電気エネルギーに変換される 理想起電力 Eは (4)E=- G/nFr q: 電荷 n: 燃料 1モル当たりの輸送電子数 Fr: ファラデー定数 (96 500C/mCl=23.06kcal/V 当量 =26.80Ah( アンペア時 )/V=6.023.1023 個の電子の電荷の総量 j エネルギー変換効率は (5) 刀 = 一 AG/(- H)=1-TAS/AH である エンタルピーを温度 TH の熱量として取り出して利用すれば ( H=TH S) カルノー効率を得るが 燃料電池はそれをしないからカルノー効率の影響を受け
ない優れたエネルギー変換装置であると言える 燃料電池は電気化学反応と物質移動とが結合したエネルギー変換 ( 発電 ) 装置である 電解質で隔てた空間に燃料と酸化剤を供給すれば電位差とイオンの濃度勾配ができる 電極間に負荷を繋ぎ 物質の継続的供給とイオンの流れ 生成物の除去をスムーズに行うことで自由エネルギーの落差分を電気エネルギーに変換するものである 水素 酸素燃料電池の場合 G=-56.3kcal/mCl H2(23 7kJ/mCl) であるからE=1.22V 酸素と水素を反応させて水 ( 液 ) を作る時のエンタルピー変化は H=-68.3kCa 1/mCl H2(28 6kJ/mCl)( 発熱 ) であるから刀 = G/ H =0.83となる ( 注 2) 例えば化学反応 : aa+bb cc+dd の場合 混合によるエントロピー増加は Sm, =Rノ (p 八 3pBb/pc pdd) G= Go-TASmix となる 平衡状態で G=0なので AGO=-RTノnK K=pcopDd/pjfpBb: 平衡定数となる 実際の燃料電池では電解質を隔てて電極が置かれ両極に燃料と空気 ( 酸素 ) とが供給される 電解質によって通過するイオン種は異なる 酸水溶液系ではプロトン アルカリ水溶液系では水酸基イオンが移動する 固体高分子膜 ( 例 : ナフイオン ) ではプロトン 固体酸化物系 ( 例 : 安定化ジルコニア ) では酸素イオンが移動する 固体内では金属イオンと酸素イオンが結晶格子を作り イオンは空孔 ( 格子欠陥 ) と位置を換えながら移動する イオンの移動には空孔の濃度が重要で 温度が高い程移動しやすい 溶融塩は無機化合物が溶融した状態で正 負イオンのみで構成されるので大量の水にイオンが存在する水溶液とは異なり 分子間の拘束力も大きいので固体と同様な振舞いをする プロトン移動型として 酸素 水素燃料電池 の場合 酸素極 ( 酸化剤側 ) で酸素とプロトンが反応して酸化生成物 ( 水 ) を生成する
カソード ( 酸素極 陽極 ):02/2+2e-+2H+ H20(liq) 水素 酸素燃料電池では sが大きいので 温度が高いほど効率が下がる傾向がある また水素は反応性が高いため常温付近で使用される 一方 酸素イオン移動型 炭素 酸素燃料電池 の場合 炭素極 ( 燃料側 ) で炭素と酸素イオンが反応して酸化生成物 ( 二酸化炭素 ) を生成する カソード ( 酸素極 陽極 ) アノード ( 炭素極 陰極 ) アノード ( 水素極 陰極 ):H2 2H +2e- 4e +o2 2o2- C+2 2- CO2+4e G=-94.26kcal/mClであるからE=1.02V H=-94. 05kcal/mCl( 発熱 ) であるから刀 = G/AHl=1である Sは非常に小さいので高温 (2000 度位 ) でも効率は100% に近い 炭素は低温では不活性であり陽極反応を起こすために高温をむしろ必要とする 一般に炭化水素やアルコールなどの酸化派生物を燃料として使う場合 温度とともに効率は下がるが酸素 水素燃料電池程激しくはない またある程度温度が高いほど活性になることが知られている 燃料の酸化反応は (1)F+wO2 xco2+yh20+zl 一代 径 > 麟掛 全 DfS 1 IC KI 祠 HLC 'K 糸一励織 X 然羽も IC/ ピプ虐トン諺侯 ied CO2 イィと 滝チー泥 23; X 盆 / 料監に (l7iz 臭齢碕 > ブリ b3i;b 蓮ノ
-- で表される F: 燃料 1 分子 I: 不活性気体 この場合の理想起電力は (2)E=-AG/4wFr となる 下図にメタンを燃料とした場合の原理図を示す G=-195.5kcal /mcl(250であるからe=1.02v H=-212.8kcal/ mclであるから刀 = G/AHl=0.92である アンモニアを燃料とする場合生成物として不活性ガス窒素が発生する 下表に 種々の燃料の場合についてエンタルピーと自由エネルギー等のデー夕を示す 8 と sf -9 蝋 二 CO 二 淳 > で敞可と泌噸行錘し C1 件 ( オノ (;H:(3 ノ qhl8(1) Clf ョ oi-l14 N 地 ( シ 腿 ( 汐 C( の - LL 祠 FP 1.1 言 夕 Ⅱ 三 こう トヲユ トモ, 1 C 二 - コ タ /hr- ヱケ C1 ヱフ c 異 > こ し 06 lqo 7 旧ゴーワヮ 188 11t ( 0 二 0 千 Ⅲo 十 1 o2iio lp71(' 二 (2Cl` 唄 い千 ''2,,8 1o 夕 し O 二 IOC 二