<4D F736F F D D977697CC81458AEE8F8082CC89FC92E893E097658E9197BF81698F4390B3816A2E646F63>

Similar documents
*17

北海道開発局における電子納品に関する手引き ( 案 ) 工事編 改訂案 項目現行改訂後 要領 ガイドラインの改訂 図表番号の挿入 要領 ガイドラインの改訂に伴い 該当項目を更新 地方整備局 ( 港湾空港関係 ) の事業における電子納品運用ガイドライン ( 案 ) 工事編 地方整備局 ( 港湾空港関係

ITS CALS Support Center

電子成果品及び工事帳票の作成における留意点 一般事項 監督職員へ納品する電子媒体作成の留意事項を次に示します ア ) ハードディスク上で電子媒体への格納イメージどおりに電子成果品及び工事帳票が整理されていることを確認します イ ) 管理ファイルを電子納品チェックシステムまたは市販の電子

Microsoft Word 「前編目次」.DOC

( 対象工事等 ) 第 3 条 (1) 設計業務等は 全件実施とする ただし 建物調査及び工損調査 ( 以下 建物調査等とする ) や現場技術業務委託等については 試行とする (2) 土木工事の写真については 当初設計金額が1,000 万円以上のものは 実施とする また 当初設計金額が1,000 万

新潟県 CALS システム 電子検査システム 簡易検査ビューワ ( 工事用 ) 操作マニュアル 平成 25 年 7 月 1 Copyright (c) NEC Corporation 2013

目次 1. はじめに... 1 (1) 静岡市電子納品実施マニュアル入門編 工事 の位置づけ... 1 (2) 電子納品とは... 1 (3) 静岡市の電子納品導入計画 電子納品のフロー 準備... 2 (1) 電子納品の適用範囲... 2 (2) 対象となる電子成果

12新旧対照表(工事完成図書の電子納品要領).docx

愛媛県電子納品チェックソフト Ver 機能改善項目 愛媛県電子納品チェックソフトバージョン より 下記の内容が変更されます XML のチェック DRAWING.XML DRAWINGS.XML DRAWINGF.XML 平面図 位置図以外の図面について

<4D F736F F D C4816A93648E71945B956982C98AD682B782E9895E97708AEE8F80288C9A927A C582A982E C52E646F6378>

目次 1. はじめに... 1 (1) 静岡市電子納品実施マニュアル入門編 業務 の位置づけ... 1 (2) 電子納品とは... 1 (3) 静岡市の電子納品導入計画 電子納品のフロー 準備... 2 (1) 電子納品の適用範囲... 2 (2) 対象となる電子成果

Microsoft PowerPoint - 工事の電子納品について(H21.9).ppt

<4D F736F F D E838B8ECA905E8AC7979D8FEE95F18AEE8F802E646F63>

1. () (1) (2) (3) (4) (5) (1)... 23

○19.デジタル写真管理情報基準

【手引き】完了時の手続について

デジタル写真管理情報基準 ( 案 ) - 目次 - 1 適用 フォルダ構成 写真管理項目 ファイル形式 ファイル命名規則 写真編集等 有効画素数 撮影頻度と提出頻度の取り扱い その他留意事項...8 付属

目次 1.CALS システム利用から完了までの流れ 2 2. 納品データの登録 書類の提出 決裁 納品物を作る 5 3. 納品情報の入力 案件基本情報 書類納品情報 写真 図面等の納品情報 電子納品媒体作成 一括

URLhttp:// C o n t e n t s D C CA P B SU G CH A - 293

7 メールの送信先 情報共有 におけるメール送信先を以下に示す (1) 受注業者が発注機関に対し書類を送信する場合 宛先 は一般監督員とし CC により主任監督員にも送信することとするが 受発注者双方の 協議 により不要と判断した場合は この限りでない 主任監督員を置かない案件の場合は 担当チーフに

< 目次 > 1 はじめに... 1 (1) 電子納品に関する運用基準の目的... 1 (2) 本基準の取扱い... 1 (3) 適用する事業 電子納品の定義と対象範囲... 2 (1) 電子納品の定義... 2 (2) 適用する要領 基準... 2 (3) 電子納品の実施計画...

写真管理ダイジェスト版 ( 代表写真 ) の登録 北海道開発局では従来の写真管理と別に ダイジェスト版 ( 最大 99 枚 ) の電子納品が必須となります 適用基準 北海道開発局平成 年 9 月版 を選択 ( 年 月 日バージョンアップ ) 年 月版で整理している方は 設定 (s) 適用基準 ( 案

7 メールの送信先 情報共有 におけるメール送信先を以下に示す (1) 受注業者が発注機関に対し書類を送信する場合 宛先 は一般監督員とし CC により主任監督員にも送信することとするが 受発注者双方の 協議 により不要と判断した場合は この限りでない 主任監督員を置かない案件の場合は 担当係長に読

Microsoft Word 工事写真電子媒体納品運用ガイドライン(H28.4

<4D F736F F D E F B A815B83578F E30312E A>

<4D F736F F D D E E302E3482C982E682E994AD928D907D96CA82CC E2E646F63>

目 次 1. 京都府電子納品運用ガイドライン ( 建築工事及び建築設計業務等 ) について 1.1 位置づけ 適用する事業 本ガイドラインに関わる規定類の関係 電子納品の対象とする書類の考え方 2 2. 建築工事 ( または業務 ) における電子納品の流れ 3 3

V 図面再利用版電子納品 工事編 V-1 目的 電子納品は 業務 工事の情報を電子データで保管することにより 後続フェーズ等での再利用が容易になり ライフサイクル全体としての効率化を実現することを目的としている 従って 後続フェーズ等での再利用が想定されているデータについては 再利用に適した納品形式

<4D F736F F D2096EE94C28E E71945B E B >

<4D F736F F D F30335F8C9A927A90DD8C768BC696B195D28EC08E7B977697CC E646F63>

<93648E71945B B8CFC82AF816A2E786C73>

CAD CAD

< 目次 > 1 はじめに... 1 (1) 電子納品に関する運用基準の目的... 1 (2) 本基準の取扱い... 1 (3) 適用する事業 電子納品の定義と対象範囲... 2 (1) 電子納品の定義... 2 (2) 適用する要領 基準... 2 (3) 電子納品の実施計画...

内容 ( 再確認 ) 請負工事に関連する道路施設について以下のデータを 作成する (1) 道路施設基本データ詳細情報 (2) イメージデータ : 道路施設一般図 (3) イメージデータ : 現況写真 (4) 道路施設基本データ位置図 (1) 道路施設基本データ詳細情報以下の詳細情報群 (CSV テ

公園平面図CAD製図・レイヤ規定(案)

< E342091E492A BB907D8AEE8F C4816A2E786C73>

西宮市電子納品運用ガイドライン

目次 1. 目的 1 2. 本要領の位置づけ 1 3. 用語の定義 1 4. 電子納品の対象業務 2 5. 電子納品の対象書類 2 6. 業務情報シート 3 7. 電子成果品の仕様 4 8. 電子成果品の構成 ( 国交省版 ) フォルダ構成 ( 国交省版 ) 業務管理ファ

<4D F736F F D E838B8ECA905E8AC7979D8FEE95F18AEE8F802E646F63>

<4D F736F F D E71945B95698EE888F882AB81698D488E96816A FC92F994C52E646F63>

<4D F736F F D E71945B B98BC794C5816A2E646F63>

ÿþ

<4D F736F F D E71945B CC8CA992BC82B588C482C982C282A282C45F E392E395F2E646F63>

目次 1. 目的 1 2. 本要領の位置づけ 1 3. 用語の定義 1 4. 電子納品の対象工事 2 5. 電子納品の対象書類 2 6. 工事情報シート 3 7. 電子成果品の仕様 4 8. 電子成果品の構成 ( 国交省版 ) フォルダ構成 ( 国交省版 ) 工事管理ファ

5-2 成果品作成委託時の注意事項 (1) 報告書の注意事項 利用禁止文字電子納品要領には使用文字の規定があるが, 委託業者へチェックと修正を指示した場合は レイアウトが変わる場合があるので そのときの対応を合わせて指示する必要がある なお 固有名詞等やむを得ない場合により使用する場合は オリジナル

<91E492A BB907D8AEE8F C4816A2E786C73>

やってみようINFINITY-写真管理 編-

<4D F736F F F696E74202D D488E968EF3928D8ED28CFC82AF90E096BE89EF8E9197BF A2E707074>

Microsoft PowerPoint - (修正4)電子納品の手引き案新旧対照表H30.4.1

Microsoft PowerPoint - H28 CALSセミナー(受).pptx

BTXAV7バージョンアップガイド

Microsoft PowerPoint - H3005電子納品説明資料( 修正)

22愛媛県工事完成図書の電子納品要領(平成30年7月).doc

青森県営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン < 目次 > 1 本ガイドラインの取扱い 1 2 電子納品の対象範囲 適用基準等 2-1 営繕工事 建築関係建設コンサルタント業務 測量及び地質調査業務 2 3 電子納品の実施にあたっての留意事項等 3-1 特記仕様書への記載につ

Microsoft Word - 運用ガイドライン新旧対照表(H28.3).doc

現行の電子納品に対し 工事施設帳票 と 立体形状生成に必要な情報を付加した 完成平面図 横断図 構造図 を追加 電子納品データ 現行の電子納品の範囲 ( 破線内 ) 工事管理ファイル XML 発注年度 工事番号, 工事名称 工期終了日 対象河川コード 発注者コード, 発注者名称 DRAWINGS (

BIM/CIM 活用における 段階モデル確認書 作成マニュアル 試行版 ( 案 ) 平成 31 年 3 月 国土交通省 大臣官房技術調査課

用地測量業務で作成する図面の CAD レイヤ構成の説明 2015/5 版 網走建設管理部用地管理室用地課調査係

Microsoft Word - SXFManualforGator_ACAD2010_ doc

<93648E71945B CF68A4A817B94F18CF68A4A816A E30372E A202D B2E786C73>

デジタル写真管理計画 建設部 業種 予定価格 2004 年度 ( 平成 16) 2005 年度 ( 平成 17) 2006 年度 ( 平成 18) 2007 年度 ( 平成 19) 2008 年度 ( 平成 20) 以降 建設工事 一般土木工事 一般建築工事 1 億 5,000 万円以上 1 億 5

以下は旧アップデートの内容 最新のアップデートは以下の内容も包括されています 群馬県電子納品チェックソフト Ver 群馬県電子納品チェックソフトバージョン より 下記の問題点が修正されます 平成 29 年度対応 平成 29 年度の成果品について 電子納

目 次 1 電子納品運用ガイドライン ( 案 ) の取扱い 電子納品の定義と適用 電子納品の定義 対象工事 適用基準 電子納品対象書類 サムネール写真の提出 完成図書の提出部数.

電子納品特記仕様書 業務 1 適用本業務は, 電子納品の対象業務とする 電子納品とは, 調査, 設計, 工事などの各業務段階の最終成果を電子成果品として納品するものとする をいう ここでいう電子成果品とは, 盛岡市電子納品ガイドライン ( 案 )( 以下, ガイドライン という ) に基づいて作成し

<4D F736F F D2095DB8AC78AC7979D A E646F63>

Microsoft Word - 運用マニュアル(案)【受注者編】H21.4.doc

<8E52979C8CA7208CA AE94F E71945B E B D2817A E3389FC92F9816A2E786C73>

<4D F736F F D DEC90E096BE8F915F B97978B40945C82C882B594C5816A2E646F63>

AutoCAD LT Civil Suite 概説書

<4D F736F F D E71945B95698EE888F882AB816990DD8C768BC696B188CF91F5816A FC92F994C52E646F63>

工事施工中における受発注者間の情報共有システム機能要件 (Rev4.0) 平成 26 年 7 月版 ( 国土交通省国土技術政策総合研究所 )( 以下 機能要件 ) ( ただし データ連携機能を除く ) 工事帳票 確認 立会願 段階確認書 工事履行報告書 材料確認願 及び 工事打合せ簿 に

<4D F736F F F696E74202D20938C966B926E95FB90AE94F58BC7A293648E71945B956982CC8EE888F882AB816988C4816AA382C982C282A282C42E707074>

<4D F736F F D E71945B F8EF3928D8ED25F90BF95898ED25F5F2E646F63>

<4D F736F F D BB907D8AEE8F C815B B D836A B2E646F63>

<4D F736F F D E B838B82F08A B582BD8FEE95F18BA4974C816988C4816A2E646F6378>

CALS/EC・市町村支援情報説明会

主要な対応項目 ソフト名 タイトル 対応区分 案内 現場 VIEWERの同時出力 提出データ作成ウィザードからの現場 VIEWERの出力を行えるように しました スタイルシートのリンク機能がほしい スタイルシートにおいて フォルダやファイルのリンクをしました


代表改善項目 解説 頁 1 受注者 ID PASSの多機能化 1IDで複数の工事 役職兼務可 3 2 発注者 ID PASSの多機能化 役職兼務可 3 3 職位設定機能強化 工事毎に閲覧者設定可 ( 検査員設定 ) 4 4 工事選択機能強化 担当工事と他工事の分別 4 5 決裁者設定の自由度の向上

情報共有システム操作マニュアル

電子納品にかかる質疑応答 ( 平成 20 年 3 月 ) 区分 質 疑 改正案 備 考 全般事項 全般 1 電子納品を実施するに当たってのメリットはあ発注者にとっては 調査 設計から工事 管理にいたるまで事業のライフサイクルの りますか 各段階における情報の電子化と共有化を行うこと等より 品質の向上

Microsoft PowerPoint 出雲市建設業協会.ppt

目 次 Ⅰ. 下水道土木工事施工管理基準及び規格値 1. 目的 1 2. 適用 1 3. 構成 1 4. 管理の実施 1 5. 管理項目及び方法 2 6. 規格値 2 7. その他 2 表 -1 出来形管理基準及び規格値 ( 管渠工事 ) 3 表 -2 出来形管理基準及び規格値 ( 処理場 ポンプ場

<4D F736F F D E5A92A0955B8DEC90AC88CF91F582CC93648E71945B CC5F88C45F81698DC58F49816A2E646F63>

<82DC82BF82C382AD82E88BC E71945B B E786477>

Microsoft Word - 起案文書

civil_ver.7.5 新機能.indd

<8C9A90DD8B5A8F702891E63289F1298D758F4B89EF81408D758F4B322D31>

目 次 1 福井市電子納品ガイドライン ( 案 ) 工事編 の位置づけ 目的 適用する事業 用語の定義 電子納品の流れ 準拠する要領等 電子納品 電子

<4D F736F F D E71945B B E977082CC8EE888F882AB89FC92E85F88C45F B4E88C42E646F63>

untitled

1.CALS/EC とは 3 1.CALS/EC とは 4 入札情報サービス (PPI)htp:// 電子入札システム htp:// 電子納品要領 基準の策定 htp:// CAD

ているとは言えない (3) 成果の利活用成果データ等情報の利活用は 電子成果品にしかできない使い方である 成果データのコピーはすでに通常業務で日常の作業となっており 工事に関係する測量 設計 発注 施工 管理という段階ごとの新たな資料作成は従来成果を使っていた時と比べて減っている 電子成果品は 成果

- 目次 - 共通編 1. 電子納品運用ガイドライン ( 案 ) 土木工事編 の位置付け 一般事項 適用する事業 用語の定義 電子納品での電子的な情報の交換 共有の取組み 電子納品の構成 問合

電子納品実践マニュアル6.1版 電納ヘルパー編 第12章

青森県電子納品運用ガイドライン 平成 23 年 6 月青森県県土整備部

<4D F736F F D E E71945B956982C98AD682B782E98EE888F882AB D88D488E9695D2817A2E646F63>

<4D F736F F D2089A1956C8E B B4392CA904D90DD94F58D488E9695D2817A81698D958E9A816A2E646F63>

電子納品の運用における国と山口県との違いについて(案)

Transcription:

電子納品要領 基準 ( 平成 20 年 5 月 ) の主な改定事項の解説 2008 年 7 月 有限責任中間法人オープン CAD フォーマット評議会

1. はじめに 本資料では 国土交通省にて平成 20 年 5 月に改定された次の電子納品要領 基準の主な改定事項を解説します * 土木設計業務等の電子納品要領 ( 案 ) * 工事完成図書の電子納品要領 ( 案 ) * CAD 製図基準 ( 案 ) * デジタル写真管理情報基準 ( 案 ) 国土交通省で公表されている資料は 下記 URL をご覧ください CALS/EC 電子納品に関する要領 基準 http://www.cals-ed.go.jp/index.html 2. 土木設計業務等の電子納品要領 ( 案 ) (1) 成果品の管理項目各報告書オリジナルファイルの内容は 報告書管理項目のうち 報告書オリジナルファイル名 や 報告書オリジナルファイル日本語名 から確認できます しかし 報告書オリジナルファイル名 は 半角英数大文字の 8.3 形式のファイル命名規則に従ったファイル名 ( 例 :REP01_01.PDF) が記入されるので 報告書オリジナルファイルの内容を把握することができません 報告書オリジナルファイルの内容は 報告書オリジナルファイル日本語名 を確認することで把握できるようになっていますが この管理項目は任意記入の規定となっていました したがって 報告書オリジナルファイル日本語名 が記入されない場合は 報告書管理項目だけでは各報告書オリジナルファイルの内容が把握できないので 個々のファイルを開いて確認しなければならず 閲覧性の向上が望まれていました 今回の改定では 報告書オリジナルファイル日本語名 を条件付き必須記入 ( データが分かる場合は必ず記入する ) とし 閲覧性の向上が図られました (2) 管理項目の記入方法管理ファイル ( 管理項目 ) は 分類項目名 記入内容 データ表現 文字数 記入者および必要度の6 項目に基づいて記入規則が定められています このうち文字数については 管理項目ごとに規定されている文字数以内で記入することになっています しかし 報告書フォルダ名 (REPORT で固定 ) や 発注者期間コード(TECRIS コード表から選択 ) のように文字数が固定されている管理項目もあります 各管理項目の文字数 ( 桁数 ) をできる限り明確に定義することで 円滑なシステムの開発や運用に寄与することが期待できます 今回の改定では 国土交通省で運用している電子納品 保管管理システムに各管理ファイルを円滑に登録できるようにするなど システム面からのフォローアップとして 各管理項目に規定されている文字数 ( 固定または最大 ) を明確に区別されました 1

(3) 電子媒体電子媒体は 情報の真正性 見読性および保存性を満足する必要があります 現行の電子納品の運用では これらの要件を満足する電子媒体として CD-R が採用されています しかし 業務や工事によっては 電子成果品のデータ量が大きくなることがあります この結果 複数枚の CD-R で納品することとなり 大容量媒体の採用が望まれていました 今回の改定では 受発注者協議により DVD-R(Digital Versatile Disk Recordable) が使用できるようになりました また DVD-R にデータを記録するファイルシステムの論理フォーマットは UDF(Universal Disk Format)Bridge と規定されています (4) 電子媒体の表記規則電子媒体の表記規則は 土木設計業務等の電子納品要領 ( 案 ) と電子納品運用ガイドライン ( 案 ) 業務編 との間で記述内容に若干の相違がありました( 例 : 署名欄の表記など ) 今回の改定では この相違が解決されています 具体的には 電子媒体への表記例の内容に発注者署名欄と受注者署名欄とが追加されました また 電子媒体へのシール貼付が禁止されました 電子媒体へのシール貼付に関しては これまでは シールによっては温湿度の変化で伸縮し CD-R に損傷を与えることがあるので 伸縮性の低いシールを選択するよう注意すること という補足説明を記載し シールの貼付を許容していました しかし シールの剥がれによる電子媒体や使用機器 (CD ドライブなど ) への悪影響を考慮して 電子媒体へのシールの貼付が禁止となっています 2

3. 工事完成図書の電子納品要領 ( 案 ) (1) フォルダ構成電子成果品は 電子媒体のルート直下に DRAWINGS MEET PLAN DRAWINGF PHOTO OTHRS のフォルダおよび工事管理ファイルを置く構成になっています 一方 実際の工事では 当該工事中に地質 土質調査を実施することがあります その際に得られた調査結果 ( ボーリング柱状図など ) については 受発注者の協議によって格納するフォルダが決められていました 今回の改定では 工事に伴って実施される地質 土質調査から得られるボーリング柱状図や土質試験結果についても電子納品を進め 地盤情報として広く一般に供せられるように BORING フォルダが追加されました( 図 1 参照 ) BORING フォルダには 地質 土質調査の電子データファイルを 地質 土質調査成果電子納品要領 ( 案 ) に従い格納します (2) ファイル形式打合せ簿オリジナルファイルと施工計画書オリジナルファイルは 以下に示す例のように複数のソフトを利用して作成されることが多く 作成するソフトウェアおよびファイル形式は 監督職員との協議で決定することになっています しかし 添付資料を含んだ打合せ資料一式や 施工計画書を一貫して閲覧するには 複数のファイルを開かなければならず手間が掛かります すなわち 閲覧性に課題がありました 複数のソフトを利用して作成される書類の例 工事打合せ簿 = 鑑 (Word など )+ 説明資料 (CAD Excel など ) 今回の改定では 受発注者協議により 複数のオリジナルファイルを PDF(Portable Document Format) 形式に変換したファイルを納品することも許容されました この結果 複数のソフトウェアを利用して作成する書類の閲覧性が向上しました (3) 管理項目の記入方法上記 2.(2) と同様に 各管理項目に規定されている文字数 ( 固定または最大 ) が明確に区別されました また 打合せ簿管理項目 施工計画書管理項目 その他管理項目のそれぞれの オリジナルファイル作成ソフトバージョン情報 には利用したすべてのソフトウェア名とバージョンを記入する規定となっていましたが 上記 (2) のファイル形式に関する改定内容と整合させた記述に修正されました (4) 電子媒体上記 2.(3) を参照してください (5) 電子媒体の表記規則上記 2.(4) を参照してください 3

国土交通省 : 工事完成図書の電子納品要領 ( 案 ), 平成 20 年 5 月 を用いて BORING フォルダの箇所を強調表記 図 1 工事完成図書の電子納品要領 ( 案 ) で規定しているフォルダ構成 4

4. CAD 製図基準 ( 案 ) (1) CAD データの作成 CAD 製図基準 ( 案 ) では 土木構造物のライフサイクルを考慮し 納品されたデータが半永久的に閲覧 編集できるよう永続性を確保すること また 国外企業の参入を妨げないことが必須であるため CAD データファイルのフォーマットに SXF(P21) 形式を採用しています 現行の SXF には 複数のバージョンがあります これまでの CAD 製図基準 ( 案 ) では 対象とする SXF のバージョンが明確に規定されていませんでした 今回の改定では SXF Ver.2.0 レベル 2 以上を対象とすることを明確に規定されました これにより 既に先行的に取り組みが進められている他の基準 ( 案 ) や要領 ( 案 ) などとの整合を図ることができるだけでなく 将来を見据えて CAD データの高度利用にも貢献することが期待できます さらに今回の改定では SXF Ver.3.0 レベル 2 以上で生成される SAF ファイル の命名規則や格納方法も規定されました ( 図 2 参照 ) また SXF のバージョンによって取り扱いが異なる ラスタファイル についても バージョンごとに命名規則や格納方法が規定されています ( 図 3 図 4 参照 ) 図 2 SAF ファイルの命名規則 図 3 ラスタファイルの命名規則 (SXF Ver.2.0 レベル 2 の場合 ) 図 4 ラスタファイルの命名規則 (SXF Ver.3.0 レベル 2 以上の場合 ) 図 2~ 図 4 の出典 : 国土交通省 :CAD 製図基準 ( 案 ), 平成 20 年 5 月 5

(2) レイヤ CAD では図形要素をレイヤに割り当て 図面上の情報をレイヤ単位で扱っています CAD 製図基準 ( 案 ) では レイヤを責任主体 図面オブジェクト 作図要素の 3 階層とし CAD 製図基準 ( 案 ) 付属資料 2 レイヤ名一覧 に基づいてレイヤ名を付けることによって図形要素 補助図形要素を分類しています また レイヤ名一覧 にない施設は その他の構造物を表す OTRS を図面オブジェクトとして作図し 補助線などの図面を作成する際に用いるデータは 適宜作業レイヤとして WORK を図面オブジェクトに使用して作図するとしています 図面オブジェクトが複数存在し 区別する必要があるなどやむを得ない場合は 関係者間で協議の上 作図要素の表記を適宜変更してレイヤを作成するとしています 今回の改定では 土木 CAD 製図基準 ( 案 ) や道路工事完成図等作成要領との整合が図られています 具体的には レイヤ構成を 3 階層から 4 階層 ( ユーザ定義領域を追加 ) に変更されています レイヤ名一覧にない施設や複数工種などの対応は 関係者間で協議し 作図要素 ( 第 3 階層目 ) およびユーザ定義領域 ( 第 4 階層目 ) に限って新規レイヤを作成すことができるとしています また 4 階層のユーザ定義以降にハイフン ( ) は使用禁止となっています ( 図 5 参照 ) さらに今回の改定では 図面におけるレイヤの流用 ( 図面間での移動など ) を円滑に行うことを目的として 工種大分類 ( 道路編 構造編 河川海岸砂防編 都市施設編 ) ごとにレイヤの作図要素の整合が図られ レイヤが整理されています 出典 : 国土交通省 :CAD 製図基準 ( 案 ), 平成 20 年 5 月 図 5 レイヤ名称 (3) ファイル レイヤの分類方法レイヤの 2 層目の図面オブジェクトは 内容別に 7 項目 ( 図枠 背景 基準 主構造物 副構造物 材料表 説明 着色 ) に分類されていました 今回の改定では 土木製図通則 (JIS A0101:2003) との整合が図られ 図面オブジェクトに 文章領域 (DOC) が規定されました また 設計段階などでの測量データが将来にわたって利活用されることを想定して 地形図などの測量データ (DM データなど ) が後工程で改変されないよう 図面オブジェクトに 測量 (SUV) が追加規定されました 6

(4) 線製図に用いる線種は 原則として実線 破線 一点鎖線 二点鎖線の 4 種類に分類されていました 今回の改定では ISO や JIS との整合が図られ JIS Z8312:1999 製図 表示の一般原則 線の基本原則 に定義されている 15 種類の線種が使用できるように規定されました (5) 成果品上記 (1) の改定に伴い SXF Ver.2.0 レベル 2 以上の対応が図られるよう 図面管理ファイル (DRAWING.XML) に記入する図面管理項目の図面情報に SXF のバージョン SAF ファイル名 ラスタファイル ( ラスタファイル数 ラスタファイル名 ) の 3 項目が追加規定されました (6) 部分図の利用 CAD 製図基準 ( 案 ) と既に先行的に運用が進められている道路工事完成図等作成要領との整合が図られるよう 作図で利用する部分図の取扱いが追記されました (7) 測量データに関する取扱い公共測量作業規程に定められた大縮尺地形図図式に則った地形図内に CAD 製図基準 ( 案 ) に則さない記載が含まれる場合があります 今回の改定では 測量成果 (DM データなど ) を設計や工事段階で CAD データとして利用する際の取扱いとして 地形図などを図面の背景図として利用する場合は 同図式による線種 線幅 線色 フォント等の記載内容を変更せずに利用することが追記規定されました 7

5. デジタル写真管理情報基準 ( 案 ) (1) 写真管理項目デジタル写真管理情報基準 ( 案 ) では 電子成果品内の写真ファイルを 代表写真 と それ以外とで区別していました これまでの電子納品の運用を踏まえ 今回は 次のことが改定されています * 写真管理基準 ( 案 ) との整合を図るため 新たに管理項目として 提出頻度写真 が追加されました これにより 写真管理基準 ( 案 ) における 撮影頻度 に基づく写真と 提出頻度 に基づく写真との区別が明確になり 閲覧性が向上されました * これまでは 工種 種別 細別 の項目は 写真 大分類 が 工事 の場合は必須記入となっていました 今回の改定では 写真 大分類 が 工事 の場合でも 提出頻度写真 でなければ任意記入になりました * 代表写真 項目の必要度は これまでは条件付き必須記入( データがわかる場合は必ず入力する ) でした 今回の改定では 必須記入となりました これにより 工事の全体概要が把握し易くなりました (2) 管理項目の記入方法上記 2.(2) を参照してください (3) ファイル形式参考図ファイル ( 撮影位置図 凡例図など ) の記録形式は JPEG もしくは TIFF となっていました 今回の改定では 監督 ( 調査 ) 職員の承諾を得れば 従来の写真の参考図のファイル形式である JPEG と TIFF に加え PDF などのファイル形式での納品が可能になりました 以上 8