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関西国際大学研究紀要孤独感に関する心理学的研究第 12 号,2011(Ⅰ) 年,145-152 孤独感に関する心理学的研究 (Ⅰ) --- 課題と展望 --- A Psychological Study of Loneliness: Tasks and Perspectives 広沢俊宗 * Toshimune HIROSAWA 抄録 本研究は, 孤独感に関する心理学的研究の現状を分析し, 今後に向けての方向性を模索するものである 孤独感研究の歴史は比較的新しく, 特に孤独感尺度の開発により, 実証的研究が盛んになったといえる 本研究では, 孤独感の定義, 孤独感研究の 3 つのアプローチ, 孤独感尺度の特徴について概観した上で, 今後の方向性にについて考察された Abstract This study analyzes the current state of psychological research on loneliness, and looks for directionality in the future. The history of research on loneliness is comparatively new, and the empirical study using the loneliness scales has been actively utilized. The results from the survey of definitions of loneliness, the three approaches of loneliness study, and the feature of loneliness scales, were considered for future research direction. 1. はじめに孤独感に関する心理学的研究は半世紀余りの歴史しかなく, 比較的新しい研究領域といえる 本研究では, 孤独感の定義を概観した上で, 孤独感研究の 3 つのアプローチについて整理する また, 孤独感に関する実証的研究に拍車をかけたのは測定尺度の開発であることから, 尺度構成における 2 つの観点 - 一次元的アプローチと多次元的アプローチ-について検討する そして, 各観点に基づいて作成された信頼性 妥当性のある尺度の特徴について整理した上で, 今後の孤独感研究の方向性について考察していく * 関西国際大学人間科学部 - 145 -

関西国際大学研究紀要 第 12 号 2. 孤独感の定義孤独感について言及する前に, まず, 孤独とは何かを検討しておく必要がある 落合 (1999) は, 孤独について調べ, 斯波 (1958) の 中国文学における孤独感 より, 孤独とは孤独鰥 ( かん ) 寡 ( か )( 孤は孤児, 独は独身, 鰥は妻に先立たれた夫, 寡は夫に先立たれた妻を表し, 四文字ともひとりという意味の語 ) の短縮形として歴史的には登場してきた言葉であるとしている そして, 孤独感を 自分がひとりであると感じること と仮に定義した上で, 孤独感の構造に関する一連の研究を行っている 彼によると, 孤独はひとりである状態を指し 在り方 を表すことから, 主として哲学の研究対象として取り上げられてきた この孤独を経験することによって生起する感情が孤独感であり, 感情の問題になった時点で初めて心理学の研究対象になる, と述べている したがって, 同じように孤独 ( ひとり ) を経験したとしても, 孤独に対する耐性 ( ひとりでいられる能力 ) の違いによって, 孤独感の感じ方も異なると考えられる 孤独感に関する定義は, 多くの社会科学者によって成されているが, その理論的背景の違いなどから必ずしも一致しているわけではない 以下にその一例を示すと, 孤独感は, 人間への親密さ, 対人関係への親密さの要求が十分に満たされないことによる過度の不快感を伴った衝動体験である (Sullivan, 1953, p.290), 孤独感とは, 個人の社会的関係のネットワークにおいて, 量的, 質的いずれかで重大な欠損が生じたときに生起する不快な経験である (Perlman & Peplau, 1981, p.31) などが挙げられる Peplau & Perlman(1982) は, これらの定義に共通する点を以下の 3 つにまとめている 第 1 に, 孤独感は, 人の社会的関係の不足から生じるものである 第 2 に, 孤独感は, 主観的な経験である したがって, 客観的な社会的孤立 (social isolation) とは区別される つまり, 人はひとり (aloneness) であっても孤独な (lonely) 感情に陥らなかったり, また, 群集 (crowd) の中にいても孤独であると感じたりするということである 第 3 に, 孤独の経験は, 不快で苦悩を与えるものである このことから, 社会科学者の大半は孤独感をネガティブな経験として捉えていることがわかる しかし,Moustakasu(1961) のように, 孤独感は個人を成長させ創造性を伸ばすと考える研究者も存在する 先に紹介した落合 (1999) も, 淋しい孤独感から明るい孤独感まで, 孤独感を広く捉えている したがって, 孤独感の定義は, 否定的な側面に焦点を当てているものが大半であるが, 一方で, 肯定的な側面にも広げて捉える立場も存在することがわかる 3. 孤独感研究の 3 つのアプローチ孤独感に関する心理学的研究は, A Bibliography on Loneliness : 1932-1981 (Peplau & Perlman, 1982) によると,1960 年以前の文献数は 21,1960 年代が 53 であるのに対し,1970 年代には 172 に増加している このことから, 孤独感は 1960 年代に基礎が作られ,1970 年代に発達し盛んになってきた極めて新しい研究領域であるとしており, 従来の研究が 3 つのアプローチに分類できるとしている 第 1 は, 社会的要求アプローチと呼ばれるもので, 孤独感の情動的側面を強調し, 人々は, 自分が孤独であると自覚することなしに, あるいは自分の苦悩の本質を認識することなしに孤独感を経験する, という立場に立つものである このようなことから, 孤独感は, それを引き起こす - 146 -

孤独感に関する心理学的研究 (Ⅰ) 防衛的行動を通して臨床家に最も観察されやすいものである (Fromm-Reichman, 1959;H.E. Peplau, 1955), と示唆されている ここでは, 人間に生得的な 親密さへの要求 が, 個人を取り巻く関係性の中で十分満たされていないとき, 人は孤独感を経験する (Weiss, 1973,1974) と考えられている 第 2 は, 認知的アプローチと呼ばれ, 社会的関係の不足についての知覚や評価を強調し, 個人が, 社会的関係における願望レベルと達成レベルとの間の食い違いを知覚するとき, 孤独感が生じる (Peplau & Perlman, 1979;Sermat, 1978) とされている そして, このような認知的過程は, 社会的関係の不足から生じる孤独感強度を調節する際に中心的な役割を果たすことが強調されている (Peplau,Russell & Heim, 1979) したがって, ここでは, 孤独な人々の関係の不適合性についての知覚や報告を重視し, 自分が孤独であるという人々に注意を向けるため, 学生や一般の人々を対象とする実証的研究と密接に結びついている 第 3 は, 社会的強化アプローチと呼ばれるもので, 伝統的な強化モデルよりもむしろ, 認知的行動主義に基づくものである これには, 認知的アプローチと非常に類似した点がいくつかある しかしながら, ここでは, 孤独感が完全な認知的現象とはみなされておらず, 社会的関係はある特定の強化の組み合わせとして取り扱われており, 他の強化に適用される法則は, 同様にして諸関係にも適用されると述べられている (Young, 1979) 個人は他の強化と同様に, 社会的関係の刺激によって引き起こされる行動や情緒的反応の変化を表明する それ故, ある状況の下では, 孤独感は期待と実際との間の認知的レベルの食い違いが明らかでないときでさえ, 部分的には重要な社会的関係の欠如への反応とみなされる (Young, 1982) としている このような点から, 社会的強化アプローチは上述した 2 つのアプローチと区別される このように, 孤独感をどのよう捉えるかによって, 研究の方法も異なってくる 本稿では,2 番目の認知的アプローチの立場に立つ研究の動向と方向性を検討する このアプローチは実証的研究と密接に結びついていることから, 次に, 孤独感尺度の構成について概観する 4. 尺度構成の 2 つのアプローチ Russell(1982) によると, 孤独感尺度の構成は, 研究者が孤独感をどのように概念化するかによって異なり, 一次元的アプローチと多次元的アプローチに大別できるとしている 一次元的アプローチは, 孤独感は本来, その経験された強度の中で変化する単一のもしくは一次元的な現象とみなすものである この考え方の前提には, その個人の孤独感の原因が何であれ, 共通の主題の存在が仮定されている したがって, 同じ孤独感尺度であれば, 友人のできない学生によって経験される孤独感と, 最近, 配偶者を失った老人によって経験される孤独感のいずれにおいても敏感に反応すべきであるということになる この視点に立つ代表的な尺度が, のちに紹介する改訂版 UCLA 孤独感尺度である 一方, 多次元的アプローチは, 孤独感を多面的な現象として概念化しようとするものであり, さまざまに仮定されたタイプ, あるいは表明を区別しようと試みるものである のちに,2 種類の多次元尺度について詳述するが, ひとつは孤独感の構造を多次元的に捉え, それらの組み合わせによって個人の孤独感を類型化しようとする尺度 ( 類型判別尺度 ) であり, もうひとつは, 孤独感の質が対人関係の種類によって異なるという前提に立ち, それを判別するために構成された - 147 -

関西国際大学研究紀要 第 12 号 尺度 (Differential Loneliness Scale:DLS) である Russell(1982) によると, 多次元的アプローチは,a) 概念の多様化,b) 概念の構造化,c) 概念の過程的理解の 3 つに分類されている 孤独感の類型判別尺度は,b) 概念の構造化から出発しており,DLS は, 対人関係の種類とその相互作用の質から捉えようとしている点から c) 概念の過程的理解を含むものと思われる いずれにせよ, 孤独感尺度の構成において一次元的アプローチと多次元的アプローチを明確に区別しておくことは, 現存する測定尺度を分類する上で有効な枠組を提供するものと考えられる 以下では, それぞれのアプローチを取る代表的な孤独感尺度の特徴を明らかにし, その問題点を考察していく 4.1 改訂版 UCLA 孤独感尺度 Russell, Peplau & Ferguson(1978) は,Sisenwein(1964) の原尺度 75 項目から非常に極端な項目 ( たとえば, テレビは私の唯一の友だちである ) を避けて 25 項目抽出し, 最終的に 20 項目から成る UCLA 孤独感尺度を構成した この尺度は全項目が同一方向で表現されており, 反応バイアスを避けるために Russell, Peplau & Cutrona(1980) によって半数が原尺度と反対の表現内容に改められ, 改訂版 UCLA 孤独感尺度が作成された そして, アメリカの大学生を対象に信頼性 妥当性の検討が行われ, 現在では, 高度に信頼できる一般的な孤独感尺度とみなされている 工藤 西川 (1983) は, 改訂版 UCLA 孤独感尺度の邦訳版を作成し, その信頼性を検討しており,α 係数は.87, 折半法による信頼性係数は.83, 大学新入生 65 名による再検査法 (6 ヶ月間の間隔 ) による信頼性係数は.55 が得られ, 尺度の等質性および安定性が充分認められたとしている また, 尺度の妥当性に関しては, 孤独感の行動的対件, 社会的関係の認知, 家族との愛情関係, 身体的徴候の現出, 自尊心尺度と CPI10 尺度との対応, 一般社会人とアルコール依存症患者との比較などにより検討されたが, いずれの場合も併存的妥当性が充分であるとしている しかし,Schmidt & Sermat(1983) によると,Russell et al. の尺度は, 孤独感の本質に関する理論的系統的詳述が何も成されておらず, 孤独感は一次元的な現象であるという仮定に基づいており, ほとんどの項目は, 仲間の欠如や他者との親密性の欠如を記述したものであるとしている また, 落合 (1989) もこの尺度には, 尺度としての根本である内容的妥当性に問題があると指摘している すなわち, この尺度においては孤独感の定義が不明で, この尺度が何を測定しているかが明らかではないということである 4.2 孤独感の類型判別尺度落合 (1982) は, 実際に抱かれている孤独感に関する記述をもとに孤独感の内包的構造を明らかにしている その結果, 孤独感は, 心理的 ( 内的 ) 規定因によるものと, 物理的 ( 外的 ) 規定因によるものとに分類でき, 心理的規定因による孤独感は, 人との関係に関する次元 ( 対他的次元 ), 自己のあり方の意識に関する次元 ( 対自的次元 ), 時間的展望に関する次元 ( 時間的展望の次元 ) の 3 次元から構成されるとしている そして, 人生の各時期において感じられる孤独感は, この 3 次元のいくつかにより規定されるとしており, 児童期 ( 正確には中学生まで ) の孤独感の構造は対他的次元のみから成る 1 次元構造, 青年期から成人前期までのそれは対他的次元と対自的次元から成る 2 次元構造, 成人後期から老年期までのそれは対他的次元, 対自的次元, 時間的 - 148 -

孤独感に関する心理学的研究 (Ⅰ) 展望の次元から成る 3 次元構造であることを見出している ここで注目すべき点は, 孤独感を規定する 3 つの要因を抽出しただけでなく, それらが発達的に変化していくことを明らかにした点である さらに, 落合 (1983) は, 前述した青年期における孤独感の 2 次元構造に基づき, 孤独感の類型化が簡便に行える尺度を作成している 最初に 人と理解 共感できると考えているかどうか と 個別性 ( 人とは代わることができない ) に気づいているかどうか の 2 要因の内容をよく表すと思われる 25 項目が収集された そして, 大学生を対象に調査し, 因子分析した結果をもとに, 最終的に 理解 共感の次元 9 項目, 個別性の次元 7 項目の計 16 項目からなる孤独感の類型判別尺度を作成している これは, 孤独感を多次元的に捉えようとするアプローチであり, 個人の孤独感の類型化を行うものである 再検査法による信頼性も十分高く, 改訂版 UCLA 孤独感尺度との関連性も検討している UCLA 孤独感尺度得点は, 理解 共感の次元 の尺度得点とは有意な相関を示したが, 個別性の次元 のそれとは関連性がみられなかった また, 両次元は YG 検査の思考的外向性, 社会的外向性のいずれとも関連性がみられたと報告している さらに, 落合 (1989) は, 上述した 2 次元によって分類される 4 つの孤独感類型の特徴を明らかにするとともに, そのタイプが人間観の成長に伴って変化することを明らかにしている 4.3 異なった関係における孤独感尺度 Schmidt & Sermat(1983) は多次元的アプローチをとり,Differential Loneliness Scale(DLS) を開発した DLS は, 孤独感の概念モデルに基づいており, 孤独が経験されると思われる特定の領域を, 関係性の次元に対応させている また, 従来の尺度とは対照的に, 孤独(loneliness) とか 孤独な (lonely) ということばはどこにも用いられておらず, すべての項目は反応者の個人的不適合感や情緒的問題を最小限にするよう配慮されている DLS は, 過去の研究 (cf. Sermat, 1980) に基づいていて, 孤独感の一因になると思われるある種の社会的関係の欠乏感, すなわち社会的関係への不満感を測定するものであり, そのような関係のいくつかの質的側面を探ろうとするものである そして, 孤独感は個人が持っていると知覚している関係と持ちたいと望んでいる関係との間で感じられた主観的な食い違いである (Sermat, 1980) という定義に基づいて,DLS は構成されている したがって, この尺度は孤独を感じるかどうかを尋ねる代わりに, 特定の関係における満足や不満の程度を多面的に捉えようとするものである DLS の概念モデルは,4 5 の 2 つの直交する次元, すなわち, 関係性の次元と相互作用性の次元から構成されている Sadler(1975) は, 孤独感をある関係性の不足と定義するならば, その不足というのは親密な対人関係に限定することもできるし, また, 社会的関係全体からの分離の感情を包括するよう拡大することもできるとしている そして,DLS は 4 つの関係のタイプ, すなわち, 家族関係, 友人関係, 恋愛関係, より大きな集団もしくはコミュニティとの関係を包含するものである また, それぞれの関係で生じる相互作用に関する 5 つの次元 ( 関係の存在と欠如, 特定の関係についての接近と回避, 協力, 評価, 特定の関係に含まれるコミュニケーション ) が設定されている このような概念モデルに基づき, 大学生用と大人用の各 60 項目から成る DLS が構成され, 実施された 主成分分析を行い Varimax 回転した結果, 大学生用, 大人用ともに 4 因子が抽出された 大学生用の場合, 第 Ⅰ 因子は恋愛関係, 第 Ⅱ Ⅲ 因子は家族関係, 第 Ⅳ 因子は友人関係と集団との関係, 大人用の場合, 第 Ⅰ 因子は家族関係, 第 Ⅱ 因子は恋愛関係, - 149 -

関西国際大学研究紀要 第 12 号 第 Ⅲ Ⅳ 因子は友人関係における孤独感の因子が抽出された ここでは, 関係性の次元と因子とが 1 対 1 に対応しておらず, 因子的妥当性に関しては十分に保証されているとは言い難い 広沢 田中 (1984) は,Schmidt & Sermat(1983) の概念モデルに基づき, 異なった関係における孤独感尺度の日本語版を作成している 予備調査を経て, 最終的に決定された 40 項目から成る尺度に対して, 中学生, 高校生, 大学生を対象に調査した結果, 第 Ⅰ 因子は恋愛関係, 第 Ⅱ 因子は家族関係, 第 Ⅲ 因子は集団との関係, 第 Ⅳ 因子は友人関係における孤独感の因子が抽出されている 尺度の信頼性は,GP 分析による項目水準と内的一貫性による尺度水準から検討されており, 十分に高い信頼性が得られている また, 妥当性に関しては, 上述した因子的妥当性とともに, 改訂版 UCLA 孤独感尺度と自己報告による孤独感尺度との関連性より併存的妥当性が吟味されている 改訂版 UCLA 孤独感尺度と DLS の下位尺度との相関は, 友人関係 (r=.73) で高い正の相関, 集団との関係 (r=.41), 家族関係 (r=.37) でやや低い正の相関, 恋愛関係 (r=.26) で低い正の相関が認められている 改訂版 UCLA 孤独感尺度はすべての下位尺度と有意な相関を示しているものの, 関係性の次元によって差があり, 友人関係における孤独感との関連性が非常に強いことが示された このことは, 青年期特有の心理的特徴が考えられるものの, 改訂版 UCLA 孤独感尺度の項目自体が友人関係を表していたり, また, 被験者に暗黙裡に友人関係を想定させたりしている可能性もあることが指摘されている その後, 広沢 (1985) は修正版を作成し, 関係性の次元に対応する 4 因子構造をもつ, さらに高い信頼性 妥当性のある尺度を構成している 5. 孤独感研究の方向性認知的アプローチによる孤独感研究を概観してきたが, 測定尺度の開発とともに実証的研究が増加したことは非常に望ましいことである しかし, 落合 (1989) は日本の研究も含めて, 孤独感に関する実証的研究の現状を,(1) 記述的 探索的研究,(2) 測定尺度作成に関する研究,(3) 孤独感に関する測定尺度を用いた数量的研究の 3 点に分けてまとめており, そこでは, 孤独感に関する実証的研究が量的にまだまだ少ないだけでなく, 内容的にも多くの問題点を含んでいると指摘している また, 孤独感研究の内容はというと, ネガティブな孤独感研究に偏っていたことも否めない 元来, 心理学の使命のひとつは, 人間生活を幸福にすることである その点では, 孤独感に関わらず, 一般にネガティブな現象にメスを入れ解明していくことが優先される そのような背景から, アメリカにおける孤独感研究においても, 狭義の ( ネガテォブな ) 孤独感の定義が主流となっていたと考えられる その内情には, 社会に役立つ研究でないと研究費が降りないなどといった現実も存在したのかもしれない しかしながら, 真理の探求という視点からすれば, 広義の ( ネガティブからポジティブまでの ) 孤独感の定義から出発することも非常に重要なアプローチといえ, この視点からの研究は特に少ないように思われる 前述した Russell(1982) の 3 つの観点を日本の孤独感研究にあてはめて検討してみる a) 孤独感 概念の多様化については, 孤独感の定義を整理する過程でその共通性を導き出すとともに, 孤独感と他の類縁感情を概念的に区別し, 孤独感をより明確化できると思われる この点に関しては, 落合 (1985) は孤独感の外延的構造ということで, 孤独感と他の生活感情との関連を明らかにしている b) 孤独感 概念の構造化に関しては, 孤独感自体がどのような構造であるか - 150 -

孤独感に関する心理学的研究 (Ⅰ) を解明していくことが要求される この点についても落合 (1982) は, 孤独感の内包的構造という視点から孤独感が 3 次元構造をから成ることを示しており, 人生の各時期において変化することを明らかにしている また,c) 孤独感 概念の過程的理解においては, 孤独感がどのような原因で生起し, 如何なる感情が生まれ, それを解消するためにどのような対処行動をとるか, というプロセスを理解することにより孤独感が明らかにできるといえる このアプローチについいても, 比較的多くの研究成果が挙げられている ( 工藤 長田 下村,1984, 広沢,1985, 諸井, 1989) このような 3 つの観点から, 量的であれ質的であれ実証的研究をさらに進めていくとともに, それらを統合していく作業が必要であると考えられる また, すでに信頼性 妥当性のある尺度が作成されていることから, 孤独感そのものの研究が減少し, ひとつの変数として取り扱われることが多いように思われる しかしながら, 孤独感そのものが完全に解明されわけではない以上, 再び原点に立ち返り, 孤独感研究を進めていく立場を忘れてはならない その一方で, 現在, 信頼性 妥当性が認められている孤独感尺度を目的に応じて使い分け, 孤独感変数を対人心理学研究の中に組み込むことによって, 対人関係に関する現象を解明していくことも大切である そういう意味では, 孤独感に関する基礎研究と応用研究を併存的に進めていくことがまだまだ必要であると考えられる 引用文献 1 )Fromm-Reichman, F. Loneliness. Psychiatry, 22. 1959. pp.1-15. 2 ) 広沢俊宗 : 異なった関係における孤独感尺殿の構成 関西学院大学社会学部紀要 49,1984,pp.179-188. 3 ) 広沢俊宗 : 孤独の原因, 感情反応, および対処行動に関する研究 (Ⅰ) 関西学院大学社会学部紀要, 51,1985,pp.157-168. 4 ) 工藤力 長田久雄 下村陽一 : 高齢者の孤独感に関する因子分析研究 老年社会科学,6(2), 1984,pp.167-185. 5 ) 工藤力 西川正之 : 孤独感に関する研究(Ⅰ) 孤独感尺度の信頼性 妥当性の検討 実験社会心理学研究 22,1983,pp.99-108. 6 ) 諸井克英 : 大学生における孤独感と対処方略 実験社会心理学研究 29,1989,pp.141-151. 7 )Moustakasu, C.E. Loneliness. New York : Prentice-Hall, 1961. 8 ) 落合良行 : 孤独感の内包的構造に関する仮説 教育心理学研究 30,1982,pp.233-238. 9 ) 落合良行 : 孤独感の類型判別尺度(LSO) の作成 教育心理学研究 31,1983,pp.332-336. 10) 落合良行 : 青年期における孤独感を中心とした生活感情の関連構造 教育心理学研究 33,1985, pp.70-75. 11) 落合良行 : 青年期における孤独感の構造 風間書房 1989 12) 落合良行 : 孤独な心 淋しい孤独感から明るい孤独感へ サイエンス社 1999 pp.4-6, p.27. 13)Peplau, H.E. Loneliness. American Jouenal of Nursing, 55. 1955, pp.1476-1481. 14)Peplau, L.A. & Perlman, D. : Perspective on loneliness. In Peplau, L. A. & Perlman, D. (Eds.), Loneliness : A sourcebook of current theory, research, and therapy. John Wiley & Sons, Inc. 1982. 15)Peplau,L.A., & Perlman,D.: Blueprint for a social psychological theory of loneliness. In M.Cook & G.Wilson (Eds.), Love and Attraction. Oxford, England: Pergamon. 1979. 16)Perlman,D. Russell,D. & Heim, M. The experience of loneliness. In I.H.Frieze, D.Bar-Tal, & J.S.Carroll (Eds.), New approaches to social problems, California : Jossey-Bass Publishers. 1979, - 151 -

関西国際大学研究紀要 第 12 号 pp.53-78. 17)Perlman,D. & Peplau,L.A. Toward a social psychology of loneliness, In S.Duck & R. Gilmour (Eds.), Personal relationships 3 : Personal relationships in disorder. London: Academic Press, 1981, 18)Russell,D. The measurement of kinekuness. In Peplau,L.A. & Perlman,D. (Eds.), Loneliness: A sourcebook of current theory, research, and therapy. John Wiley & Sons, Inc. 1982, pp.81-104. 19)Russell,D., Peplau, L. A., & Cutrona, C. E.:The revised UCLA Loneliness Scale: Concurrent and discriminant validity evidence. Journal of Personality and Social Psychology, 39, 1980, pp.472-480. 20)Russell,D., Peplau,L.A., & Ferguson,M.: Developing a measure of loneliness. Journal of Personality Assesment, 42, 1978, pp.290-293. 21)Sadler,W.A. The causes of loneliness, Science Digest, July, 1975, 58-66. 22)Schmidt,N. & Sermat,V. Measuring Loneloness in Different Relationships. Journal of Personality and Social Psychology, 44, 1983, 1038-1047. 23)Sermat,V. Sources of loneliness. Essence, 2, 1978, 271-276. 24)Sermat,V. Some situational and personality correlates of loneliness. In J.Hartog, J. R. Audy, & Y.A.Cohen (Eds.), The autonomy of loneliness. New York : International Universities Press. 1980. 25) 斯波六郎 : 中国文学における孤独感 岩波書店 1958 26)Sisenwein,R.J. Loneliness and the individual as viewed by himself and others. Unpublished doctoral dissertation, Columbia University, 1964. 27)Sullivan,H.S. The interpersonal theory of psychiatry. New York : Norton, 1953. 28)Weiss,R.S. Loneliness. The Experience of emotional and social isolation. Cambridge, Mass. : MIT Press. 1973. 29)Weiss,R.S. The provisions of social relationships. In Z.Rubin(Eds.), Doing unto others. Englewood Cliffs,N.J. : Prentice-Hall, 1974. 30)Young,J.E. Loneliness in college students : A cognitive approach (Doctoral dissertation, University of Pennsylvania.) Dissertation Abstracts International, 1979, 31)Young,J.E. Loneliness, depression and cognitive therapy : theory and application. In Peplau,L.A. & Perlman,D. (Eds.), Loneliness : A sourcebook of current theory, research, and therapy. John Wiley & Sons, Inc. 1982. - 152 -