HES-M00 シリーズの新機能 脱調レス / 脱調検出 1
1. 概要 EtherCAT モーションコントロール機能内蔵 2 相マイクロステップモータドライバ HES-M00 シリーズにエンコーダ入力が追加され, 脱調検出 / 脱調レス等の機能が付加されました 2. 仕様 項目 仕様 備考 制御軸数 1 ボードで 1 軸制御 最大 枚 ( 軸制御 ) までスタック可能 電源電圧 ( モータ駆動電圧 ) DC2[V] 制御部 0.3[A], 駆動部は接続モータによる. センサ電源電圧 DC2[V] センサ入力コネクタより供給. 保護機能 過熱保護 出力段の MOSFET が 80 以上で検出. 過電流保護 [A] 以上で過電流検出アラーム, 5[A] 以上でヒューズによる回路保護 過電圧保護 電源電圧が DC30[V] 以上で検出. 外部入力信号 センサ (±ELS,DLS,OLS) デジタルフィルタ設定可能. エンコーダ A,B 相 フォトカプラ入力. 分解能 200[pulse/rev]. 外部出力信号 脱調検出信号 脱調検出時に出力. モータ出力 回路形式 バイポーラ 結線により 6 本線,8 本線のユニポーラモータも駆動可能. 制御方式 PWM 定電流 周波数 20[kHz] 出力電流 0.5~2.0[A] 0.1[A] 刻みに変更可能. 自動カレントダウン パルス停止後,100[ms] 後に有効. 0~100% の間を 256 分割で設定可能. 分割数 一般分割数 5 相互換分割数 () 内は 5 相換算 5 相モータと同等の分解能が可能. 1 2.5 (1) 2 5 (2) 10 () 12.5 (5) 25 (10) 50 (20) 62.5 (25) 80 (32) 125 (50) 250 (100) 動作温度環境 0~0 結露のないこと 寸法 W0 x H115 x D100 W の寸法は M20,M30 の場合 68 M0 の場合 96 HE-C001 との接続 内部入力信号 CW/CCW 指令パルス 最高応答周波数 2[MHz] SVON 励磁 ON モータを励磁する. SVRST アラームクリア アラーム検出状態を解除する. 内部出力信号 Z 相 励磁タイミング 励磁位置が基準点にあるときに出力. SVALM アラーム 各種保護機能が動作するとラッチ出力. ±ELS,DLS,OLS センサ デジタルフィルタ設定可能. UART 通信 ビットレート : 153,600bps UART 通信を行い, パラメータの読み書き, アラーム要因の読出しができる. 2
3. 外観 通信モジュール HES-M00 ドライバモジュール 通信 OUT 側 LINK/ACT LED 通信 OUT 側コネクタ 通信 IN 側 LINK/ACT LED 通信 IN 側コネクタ 通信状態 LED 通信モジュール電源 LED スレーブ ID ( 上側 : 上位 / 下側 : 下位 エラー LED スレーブ電源コネクタ Link/Act Link/Act RUN H ID 0 0 C C OUT 8 8 - OL DL -EL +EL 2V IN EG PC /EB EB /EA EA EP L /B B /A ERR A 2V SENSOR MSTS POW ALM ENCODER MOTOR センサ入力コネクタ 各種状態 LED ドライバ電源 LED アラーム LED エンコーダ入力 / 脱調検出出力コネクタ モータ出力コネクタ ドライバモジュール電源コネクタ Made in Japan HES-M10 HES-M20 HES-M30 HES-M0 3
. 追加機能概要.1. 脱調検出モード 指令パルスと同期を失ったとき, 脱調検出出力するモード. 1. 位置偏差が ±1.8 を超えた場合, 外部にフォトカプラ出力, 内部では SVALM に出力する. 2. 脱調検出状態でも励磁, 動作は停止せずに継続する.( 位置ずれは起こるが, 保持力は発生している.) 3. 復帰方法は SVRST 信号によって行う. 励磁原点に引き込み, 偏差をクリアする. 動作イメージ 負荷トルク T 1.8 を超えると次の安定点に向かう力が発生 ( 脱調 ) 出力電流の設定値により増減 θ 0 1.8 3.6 5. 7.2 角度 θ[ ] 安定点 エンコーダ A 1 3 5 エンコーダ B 2 位相ずれがある場合 ( 最大 0.5 ) 脱調検出信号 SVALM 要因 : 脱調発生 軸の変位とトルクの関係
.2. 脱調レスモード 指令パルスと同期を失ったとき, 脱調から復帰するように動作するモード. 1. 位置偏差が ±1.8 以内の時は INPOS 出力する. 2. 位置偏差が ±1.8 を超えた場合, 電流位相制御をして, 脱調復帰動作をする. INPOS 出力中 = オープンループ動作 INPOS 出力なし = クローズドループ動作 ( 脱調復帰動作中 ) INPOS が出力され続けるような動作パターンであれば, オープンループ制御と同等の動作になる. 動作イメージ 負荷トルク T θ 0 1.8 3.6 5. 7.2 角度 θ[ ] エンコーダ A 1 3 5 エンコーダ B 2 n INPOS 信号 位相をずらし, 安定点に引き込む SVALM ( 過負荷の場合 ) SVALM ( 偏差過大の場合 ) t t = 過負荷検出時間 n = 偏差過大検出閾値 5
.2.1. 過負荷検出 脱調復帰動作が設定時間以上完了しなかった場合アラームを出力する..2.2. 偏差過大検出 指令位置と機械位置の偏差が設定値以上になった時にアラームを出力する..2.3. トルク制限 コンパレータにより出力トルクの制限をかけることができる. CMP 出力トルク 100% n% n = トルク制限値.3. 押し当て ( センサレス ) 原点復帰モード 本モードは脱調レスモードの延長線上にある機能である. 脱調復帰動作が一定時間 (= 接触検出時間 ) 続くと OLS を強制的に出力する. 分割数 : で動作させた場合 1.8 / = 0.5 CW CCW 偏差 1 2 3 5 6 7 6 5 3 2 INPOS OLS t 励磁原点出力を併用し, 原点復帰モード,5 の動作が可能. ( センサを検出後, 逆方向 EZ カウントアップまで動作 ) t = 押し当て検出時間 押し当て検出時間 < 過負荷検出時間.. アラーム表示 アラーム LED の点滅回数で要因を判別できる. 要因 点滅回数 要因 点滅回数 過電流 1 回 速度過大 6 回 過熱 2 回 過負荷 7 回 過電圧 3 回 電流検出器異常 8 回 エンコーダエラー 回 脱調検出 9 回 偏差過大 5 回 エンコーダ接続エラー 10 回 6
5. エンコーダコネクタピンアサイン Pin 信号名 内容 1 EP + 出力 2 EA エンコーダ A 相入力 3 /EA エンコーダ /A 相入力 EB エンコーダ B 相入力 5 /EB エンコーダ /B 相入力 6 PC 脱調検出出力 7 EG + GND 6. 回路形式 6.1. 入力回路形式 項項目内容 1 エンコーダ A/B 相 ENCPOW ( エンコーダ用 + 出力 ) A( 又はB) /A( 又は /B) ( エンコーダ入力端子 ) ( エンコーダ用 ) ENCPOW エンコーダ 2 接続例差動接続 3 接続例オープンコレクタ接続 A( 又はB) /A( 又は /B) ENCPOW A( 又はB) /A( 又は /B) エンコーダ 6.2. 出力回路形式 項項目内容 1 脱調検出 PC + GND TLP281 相当品 (max 80[V], 50[mA]) 7