グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

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2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

JNTO

日経平均株価 22,27.3 NY ダウ工業株 3 種 25,9.32 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 2, 22, 1, 1, 1, 21 年 月 2 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~

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日経平均株価 22,97. 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1,, 1,,, 21 年 7 月 23 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21 年 7 月第 3 週末 ) 短期 ( 日次ベース ) (217 年 1 月初

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2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

日経平均株価 21,1. NY ダウ工業株 3 種 2,.31 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 22, 1, 1, 1,, 21 年 1 月 29 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )


< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

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FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

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2018 年は激動の年 年初来 トルコ株式指数はトルコリラベースで最大で約 24% 下落し トルコリラは日本円に対して最大で約 45% 下落しました トルコ株式 * の推移 ( トルコリラベース ) /12 18/03 18/06 18

Invesco Premia Plus Fund

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国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

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第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

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日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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国際与信は再び中国へ向かう

2012 年 10 月 15 日号

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平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

1. 各国の GDP 経済見通し 1.1 名目 GDP( 国内総生産 ) 及び一人当たり GNI( 国民総所得 ) (17 年 ) 国 地域 名目 GDP GDP 構成比 1 人当たり ( 億ドル ) ( 名目 ) 名目 GNI( ドル ) アジア,9.% - うち日本 8,71.% 8,8 うち中

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主

マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

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米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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ハイイールド債等、各種指数の推移

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地域別世界のエアコン需要の推定について 2018 年 4 月一般社団法人日本冷凍空調工業会日本冷凍空調工業会ではこのほど 2017 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので 今回は 2012 年から 20

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先進国、新興国向けともに国際与信は増加

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チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

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(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

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株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )


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2013 年 8 月 19 日号

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株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

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一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

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フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

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ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

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受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

平成30年度第1四半期における運用状況等

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

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グローバル株式市場を俯瞰する ~215 年 8 月末データで見る市場動向 ~ 215 年 9 月

結論 世界同時株安後のグローバル株式市場を展望すると 以下のような投資視点が考えられます POINT 1. 構造変化 経済や企業の成長性の高さと構造変化が見込まれる市場は 株価が底堅く 今後も有望 ( 例 ; インド 日本など ) 2. 金融緩和 強力な金融緩和を実施している市場は これまでアウトパフォームしてきたが 今後も緩和的な金融環境が継続することを前提にすれば 引き続き有望 ( 例 ; 日本 欧州など ) 3. 中国要因 中国経済の影響で大きく調整した市場は その要因が一巡した後の反発が期待される ( 例 ; ブラジル 豪州 新興国アジアなど ) 4. 株価評価 株価評価の観点から PER や PBR などの単一の指標でみて割高な市場も 成長期待や ROE などを総合的に勘案すると必ずしも割高とはいえない市場もある ( 例 ; インド 米国など ) 1

中国要因に加え 政治や財政など固有の問題を抱える国がアンダーパフォーム 各国 地域の株価騰落率 (215 年 年初来 8 月末まで ) 15 1 5 中国の景気減速の影響が比較的大きい または 政治や財政など固有の問題を抱える国 地域がアンダーパフォーム 中国要因一巡後の反発に期待 中国要因 4.3 5.5 8.8 5 1-1.1-9.5-7.3-5.6-5.3-4.2-2.6-2.6-1.2 -.7 -.5 -.4 強力な金融緩和を実施する国 地域がアウトパフォーム 金融緩和 15 トルコ中国新興国 ブラジル 新興国 香港英国米国豪州インド世界新興国 欧州ドイツ日本 アシ ア 全体 アシ ア以外 ( 注 )MSCI の各国 地域指数の配当込み 現地通貨ベース 新興国全体 新興国アジア 新興国アジア以外は MSCI の分類による ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 2

中長期では インド市場の好パフォーマンスが際立つ 日本は出遅れ感が強い ( ポイント ) 5 各国 地域の株価推移 (24 年 12 月末 ~215 年 8 月末 24 年 12 月末 =1) ( ポイント ) 5 4 3 2 右のグラフと軸を同じにしてみると 先進国市場の安定性が際立つ その中で 日本は出遅れ感が強い 構造変化 豪州 米国 欧州 4 3 2 近年のインド市場の好パフォーマンスが際立つ 構造変化 インド中国ブラジル新興国アジア 日本 1 1 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 ( 年 / 月 ) ( 年 / 月 ) ( 注 )MSCI の各国 地域指数の配当込み 現地通貨ベース ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 3

インドは ROE と成長性の高さを踏まえると PBR PER が示すほど割高感はない (PER 倍 ) 5 1 15 2 25 インド 米国 世界 豪州 欧州 英国 株価収益率 (PER) 株主資本利益率 (ROE) 株価純資産倍率 (PBR) 16. 14.6 14.6 14.3 14.2 17.5 (PBR 倍) 3.5 3. 2.5 インドは ROE と成長性の高さを背景に高 PBR 高 PER 株価評価 インド 米国 日本香港ドイツブラジル新興国アシ ア以外新興国全体新興国アシ アトルコ中国 14.1 13.6 12.4 11.3 11. 1.6 1.5 8.7 8.5 2. 1.5 1..5 香港 日本 欧州英国 豪州 ブラジル 世界 ドイツ 新興国 日本は ROE の向上で株価の再評価へ 構造変化 中長期利益成長予想 インド 16.2 中国 1.9 米国 1.9 世界 1.3 日本 1. (ROE %) 8 1 12 14 16 18 2 ( 注 )MSCI の各国 地域指数による 215 年 8 月末時点 PER ROE は今後 12 か月予想利益ベース 予想は MSCI 右グラフの曲線は グラフ上の各国のデータから描線 ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 4

中長期的な利益の成長性インドの高い成長性が際立つ 3 各国 地域の中長期的な利益の成長性 ( 予想 ) の推移 (24 年 12 月末 ~215 年 8 月末 ) 3 2 2 インド 1 米国日本 欧州 1 新興国アジアブラジル中国 豪州 日本企業の構造変化で 成長性が上向くことを期待 構造変化 インドの安定的かつ高成長が際立つ 構造変化 1 1 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 ( 年 / 月 ) ( 年 / 月 ) ( 注 )MSCI の各国 地域指数の中長期的増益率予想を表示 今後 3 年 ~5 年程度の予想増益率を示す ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 5

今後 12 か月の予想利益日本と米国が底堅い推移 新興国は下方修正が進む ( ポイント ) 35 3 25 各国 地域の今後 12 か月の予想利益の推移 (24 年 12 月末 ~215 年 8 月末 24 年 12 月末 =1) 日本 米国 欧州が安定的 豪州は 中国景気と資源価格が影響 中国要因 ( ポイント ) 35 3 25 中国 2 15 1 米国日本豪州欧州 2 15 1 インド ブラジル 5 新興国アジア 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 4/12 6/12 8/12 1/12 12/12 14/12 16/12 ( 年 / 月 ) ( 年 / 月 ) 5 新興国は下方修正が進む 今後の反転に期待 中国要因 ( 注 )MSCI の各国 地域指数の今後 12 カ月予想一株当たり利益 (EPS) を表示 ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 6

世界の投信資金フロー年初から米国 日本 欧州の動き = 金融政策の方向性の違い 世界の投信資金フロー (213 年 1 月 2 日 ~215 年 8 月 26 日 週次累積 ) ( 億米ドル ) 2, 1,6 年初以降 米国から日本 欧州へ 金融緩和 流入超 ( 億米ドル ) 2 インド 1,2 8 4 流出超 欧州 米国 4 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 日本 豪州 2 流入超 流出超 足元で新興国からの流出が加速 中国要因 ブラジル 新興国アジア 4 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 ( 年 / 月 ) ( 年 / 月 ) 中国 ( 注 )EPFR Global が分類する各国 地域に投資するファンドへの資金フロー 週次累積 ( 出所 )EPFR Global のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 7

( ご参考 ) 各国 地域株価指数ベースの指標一覧 PER ( 倍 ) PBR ( 倍 ) ROE 配当利回り 中長期予想利益成長性 短期予想利益成長性 PER ( 倍 ) PBR ( 倍 ) ROE 配当利回り 中長期予想利益成長性 短期予想利益成長性 米国 16. 2.7 16.8 2.2 1.9 7.6 カナダ 14.8 1.8 12.1 3.1 9.5 7. 日本 14.1 1.4 9.6 1.9 1. 14. 英国 14.2 1.8 12.5 4.1 5.7 2.1 ドイツ 12.4 1.6 13.1 2.8 1.8 9.8 フランス 14.2 1.5 1.7 3.1 1.5 1. イタリア 14.2 1.1 7.4 3.1 16.2 23. スペイン 13.3 1.3 9.8 4.7 15.2 15.6 スイス 16.4 2.5 15.2 3.1 7.4 3.8 欧州 14.3 1.7 12.2 3.4 9.3 7.6 豪州 14.6 1.7 11.9 5. 4.1.2 香港 13.6 1.2 8.6 3.1 3.8-6.2 インドネシア 13.2 2.8 21.1 2.6 9.8 8.2 韓国 9.4.9 9.7 1.6 11.4 11.8 フィリピン 17.8 2.8 15.8 1.8 13.8 11.4 台湾 11.5 1.6 13.7 4.2 8.4 5.4 タイ 12.9 2. 15.3 3.1 15. 11.6 ハンガリー 1.9 1.1 1.4 2.4 19.5 33.3 ポーランド 12. 1.2 1.3 3.2 -.5 5.7 ロシア 5.1.7 13. 4.7 9.2-6.5 南アフリカ 15.3 2.6 16.7 2.9 19.9 12.7 トルコ 8.7 1.3 15.5 3.3 13.4 13.9 ブラジル 11.3 1.2 1.8 4.2 13.4 1.1 メキシコ 17.6 2.8 15.7 1.4 14.8 19.7 シンガポール 11.5 1.2 1. 4.2 6.7 5.6 新興国全体 1.6 1.4 13.1 2.9 12.1 9.1 中国 8.5 1.3 15. 3.2 1.9 9.1 インド 17.5 3.1 17.9 1.4 16.2 16. 世界全体 14.6 2. 13.7 2.6 1.3 7.9 ( 注 )MSCI の各国 地域指数による 215 年 8 月末時点 PER ROE は今後 12 か月予想利益ベース 予想は MSCI ( 出所 )FactSet のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 8

( ご参考 ) 世界的な景気減速懸念は 原油安を通じても株式市場に影響を与える.8 各国 地域の株価と原油価格の相関係数 株価と原油価格は 基本的に正の相関 ( 原油価格上昇 株価上昇 ).6.69.65.64.61.58.57.56 その中で日本やインドなどの市場は 原油価格との関係が比較的弱く 世界的な景気減速の影響度も比較的抑制される傾向.52.5.49.49.47.46.46.45.45.42.41.4.35.33.33.26.2 株価と原油価格の関係が 強い 弱い. ロシアノルウェーカナダ新興国 アシ ア以外 ブラジル 新興国 全体 英国豪州世界新興国 アシ ア 欧州南アフリカ中国メキシコフランス香港ドイツ米国インドイント ネシア日本トルコ ( 注 )MSCI の各国 地域指数 ( 価格指数 米ドルベース ) と原油価格 (WTI) の月間騰落率の相関係数 25 年 1 月から 215 年 8 月のデータにより計算 ( 出所 )FactSet Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 9

( ご参考 ) 固有の問題を抱える新興国 ブラジル 直近の世論調査でルセフ大統領の支持率が1ケタに 財政収支目標引き下げで S&P 格付け見通しも 弱含み に引き下げトルコ 総選挙後の連立協議が停滞し 11 月 1 日に再選挙へ 国内物価の高止まり 地政学リスクの拡大マレーシア ナジブ首相が不正資金を受け取ったとの疑惑が浮上 退陣を求め大規模デモが発生 4-6 月期の実質 GDP 成長率は前年比 4.9% と 前期の5.6% から減速南アフリカ 電力不足が生産活動の重しとなり 商品価格の下落が輸出を下押し 電力料金引き上げでインフレ見通しが強まるインドネシア 省庁再編による混乱で 予算の執行が進まず 物価 金利の上昇で 投資意欲減退 ( 出所 ) 各種資料を基に三井住友アセットマネジメント作成 1

( ご参考 ) 米国利上げ後も 世界全体でみれば過剰流動性の拡大は続く見通し ワールドダラー 今年に入り金融緩和を行った主な国々 ( 兆米ドル ) 9. 8. インド スイス 国名 1 月 15 日 3 月 4 日 6 月 2 日 1 月 15 日 7. デンマーク 1 月 19 日 1 月 22 日 1 月 29 日 2 月 5 日 6. 5. 4. 3. 2. 1.. 7 8 9 1 11 12 13 14 15 ( 年 ) 海外公的機関保有の米国債残高米マネタリーベース トルコ カナダ 1 月 2 日 2 月 24 日 1 月 21 日 7 月 15 日 ユーロ圏 1 月 22 日 ( 量的緩和政策の導入を決定 ) ロシア 豪州 中国 スウェーデン 韓国 ニュージーランド ノルウェー 1 月 3 日 3 月 13 日 4 月 3 日 6 月 15 日,7 月 31 日 2 月 3 日 5 月 5 日 2 月 5 日 4 月 19 日 8 月 25 日 ( 預金準備率 ) 3 月 1 日 5 月 1 日 6 月 27 日 8 月 25 日 ( 基準金利 ) 2 月 12 日 3 月 18 日 7 月 2 日 3 月 12 日 6 月 11 日 6 月 11 日 7 月 23 日 6 月 18 日 ( 注 ) データ期間は 27 年 1 月から 215 年 6 月 ( 出所 )Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 ( 注 )215 年 8 月 31 日時点 ( 出所 ) 各種資料を基に三井住友アセットマネジメント作成 11

( ご参考 ) 現時点で市場はかなり慎重なペースでの利上げを見込む 政策金利に関する FOMC メンバーと市場の見通し 3.5 3. 2.875 2.5 2. 1.625 1.5 1.47 1..625.5.84..29 13/12 14/12 15/12 16/12 17/12 ( 年 / 月 ) FOMCメンバーの見通し FF 金利先物市場の見通し 年内の米主要経済指標および FOMC のスケジュール 日程 9 月 4 日 ( 金 ) 8 月雇用統計 17 日 ( 木 ) FOMC(16 日より ) 予定 28 日 ( 月 ) 8 月個人消費支出 (PCE) 物価指数 1 月 2 日 ( 金 ) 9 月雇用統計 28 日 ( 水 ) FOMC(27 日より ) 29 日 ( 木 ) 7-9 月期 GDP 速報値 3 日 ( 金 ) 11 月 6 日 ( 金 ) 1 月雇用統計 9 月個人消費支出 (PCE) 物価指数 7-9 月期雇用コスト指数 25 日 ( 水 ) 1 月個人消費支出 (PCE) 物価指数 12 月 4 日 ( 金 ) 11 月雇用統計 16 日 ( 水 ) FOMC(15 日より ) ( 注 ) データ期間は 213 年 12 月から 217 年 12 月 米連邦公開市場委員会 (FOMC) メンバーの見通しは 215 年末 216 年末 217 年末における適切なフェデラルファンド (FF) 金利誘導目標の水準に関する 215 年 6 月時点の予想中央値を期間按分して結んだもの FF 金利先物市場の見通しは 215 年 8 月 31 日時点の各限月の価格から算出した利回りを結んだもの ( 出所 )FRB の資料や Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 ( 出所 )FRB や各種資料を基に三井住友アセットマネジメント作成 12

( ご参考 ) 世界の GDP 成長率は今年が前年比 +3.3% 来年は同 +3.7% を予想 214 年 ( 実績 ) 215 年 ( 予想 ) 216 年 ( 予想 ) 米国 2.4% 2.4% 2.9% 日本 -1.% 1.5% 1.9% ユーロ圏.9% 1.4% 1.6% 中国 7.4% 7.% 6.8% 世界 3.4% 3.3% 3.7% ( 注 ) 日本は年度 予想は三井住友アセットマネジメント ( 出所 ) 国際通貨基金 (IMF) Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 13

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