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2)N 分類 Nの入力に際し 画像診断 (CT MRIなど ) より腫大リンパ節の有無を加味した以下の分類細目に従って報告する N0 所属リンパ節腫大 (-) N1 所属リンパ節腫大 (+) NX 画像診断をしなかった 3)M 分類 M0 遠隔転移なし MA 傍大動脈リンパ節の腫大 M1 その他の遠

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原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

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が 6 例 頸部後発転移を認めたものが 1 例であった (Table 2) 60 分値の DUR 値から同様に治療後の経過をみると 腫瘍消失と判定した症例の再発 転移ともに認めないものの DUR 値は 2.86 原発巣再発を認めたものは 3.00 頸部後発転移を認めたものは 3.48 であった 腫瘍

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付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第

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6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

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094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

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9章 その他のまれな腫瘍

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付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

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7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

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ことから過剰診断が問題視され 2003 年には厚生労働省の決 定で休止となりました 2. 診断 (1) 臨床症状 : 早期に腫瘤を触知することはまれです ただし 1 歳までの赤ちゃんにみられる病期 4S という腫瘍では 皮下への転移 肝腫大による腹部膨満や呼吸障害がみられます 幼児では転移のある進行

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

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70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

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cm 以上の腫瘍では悪性化していることも考慮する必要があります ただし 良性腫瘍でも長期間放置すれば大きくなりますので サイズが大きいからと言って悪性とは限りません 成長速度: 悪性度の高い腫瘍では 大きくなるスピードが速くなります 腫瘍がいつからあったか 最近はどのくらいのスピードで大きくなってき

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1. 部位別登録数年次推移 表は 部位別に登録数の推移を示しました 2015 年の登録数は 1294 件であり 2014 年と比較して 96 件増加しました 部位別の登録数は 多い順に大腸 前立腺 胃 膀胱 肺となりました また 増加件数が多い順に 皮膚で 24 件の増加 次いで膀胱 23 件の増加

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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目次 全部位の概要 - 部位別登録数 - 年齢階級 部位別登録数 - 来院経路 部位別登録数 - 患者住所 部位別登録数 - 症例区分 部位別登録数 - 発見経緯 部位別登録数 部位別詳細

研究協力施設における検討例 病理解剖症例 80 代男性 東京逓信病院症例 1 検討の概要ルギローシスとして矛盾しない ( 図 1) 臨床診断 慢性壊死性肺アスペルギルス症 臨床経過概要 30 年前より糖尿病で当院通院 12 年前に狭心症で CABG 施行 2 年前にも肺炎で入院したが 1 年前に慢性

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2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

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密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

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病理剖検登録の手引き_剖検情報

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限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

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33 小児がんの治療 1化学療法に先んじて行う場合腫瘍を摘出する際 隣接する正常組織や臓器を切除することなく比較的容易に操作できると考えられる場合には 治療の最初の段階で手術を行い その後必要に応じて化学療法などを追加することが一般的です サイズが小さく周辺の組織へ広がっていない(浸しん潤じゆんして

参考資料2 平成19年度被認定者に関する医学的所見等の解析及びばく露状況調査業務報告書 医学的所見等の解析調査編

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1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

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を優先する場合もあります レントゲン検査や細胞診は 麻酔をかけずに実施でき 検査結果も当日わかりますので 初診時に実施しますが 組織生検は麻酔が必要なことと 検査結果が出るまで数日を要すること 骨腫瘍の場合には正確性に欠けることなどから 治療方針の決定に必要がない場合には省略されることも多い検査です

小児がんの診療の流れ はじめて小児がんを疑われたときから 受診 そして 経過観察 に至るまでの流れを示しました 今後の見通しを確認するための目安としてお使いください

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

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1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

Transcription:

個別報告入力要領治療患者の登録と報告は 毎年 前年 1 月 1 日から12 月 31 日の間に治療を開始した患者につき 以下の原則に従って行う (1) 卵巣 卵管 腹膜に原発した悪性腫瘍または境界悪性腫瘍で 組織学的に確認されたもののみを報告する 治療開始日は腫瘍に対する治療を開始した年月日とする (2) 卵巣 卵管 腹膜と子宮内膜などに同時に癌が認められ 原発部位を決定できない場合は それぞれに登録する (3) 術前化学療法例は 後で卵巣 卵管 腹膜悪性腫瘍または境界悪性腫瘍と組織学的に診断された場合に報告する (4) 試験開腹のみ行い それ以後に治療を行わなかった症例 剖検にてはじめて卵巣 卵管 腹膜悪性腫瘍または境界悪性腫瘍と診断された症例 先行治療が他施設の場合は報告から除外する 登録コード 1 新規報告患者 ( 追加したい患者 ) 2 既報告患者の内容変更 3 既報告患者の削除 患者 No. 自動表示 (OV20XX-から始まる番号) 年齢 治療開始時点での満年齢を入力する 診断 1 卵巣癌 卵巣境界悪性腫瘍 2 卵管癌 卵管境界悪性腫瘍 3 腹膜癌 4 卵巣 卵管 腹膜 ( 分類不能 ) [ 複数の臓器に同じ組織型の癌が存在する場合の登録 ] (1) 原則として腫瘍の主座が存在する臓器を原発巣とする (2) 腹膜と卵巣に同じ組織型の癌が存在する場合 卵巣実質の腫瘍径が5mm未満の例のみ腹膜癌とする (3) 卵巣表層を主座とする腫瘍は卵巣原発とする (4) 高異型度漿液性癌の場合には 卵巣 卵管 腹膜の一連の病変として扱う 肉眼的に卵管 卵管采に異常がみられない場合でも 卵管采を含む卵管を全割して検索することが望ましい 1 卵管に高異型度漿液性癌ないし漿液性卵管上皮癌 (serous tubal intraepithelial carcinoma: STIC) が存在していても 卵巣病変が卵管からの転移あるい は直接浸潤であることを示唆する所見がなければ卵巣原発とする すなわち STICの存在がそのまま卵管原発であることを示すわけではない 2 病理学的に 卵巣 卵管 腹膜のいずれが原発巣かを確定できない場合は 卵巣 卵管 腹膜 ( 分類不能 ) とする 術前化学療法 1 施行していない 2 施行した 進行期分類 FIGOの進行期分類およびpTNM 分類を示す なお 術後の病理診断にてはじめて悪性腫瘍または境界悪性腫瘍と診断された症例においては 該当すると推定される進行期を選択し 入力する 1. FIGO 分類 1A ⅠA 期 1B 1C 2A 2B 3A1 3A2 3B 3C 4A 4B ⅠB 期 ⅠC 期 ⅡA 期 ⅡB 期 ⅢA1 期 ⅢA2 期 ⅢB 期 ⅢC 期 ⅣA 期 ⅣB 期 99 不明 XX 1C1 1C2 1C3 3A11 3A12 3A1X 術前化学療法施行症例 手術操作による被膜破綻 自然被膜破綻あるいは被膜表面への浸潤 腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの 転移巣最大径 10 mm以下 転移巣最大径 10 mmをこえる 転移巣最大径による分類不能 (1)ⅠC 期の場合 この欄に1Cを入力し さらに手術操作によるものでは 1C1 被膜の破綻が自然または被膜表面への浸潤があるものでは 1C2 開腹時の腹腔洗浄細胞診あるいは腹水で悪性細胞が認められた場合には 1C3 を入力する 1

(2)ⅢA1 期の場合 この欄に 3A1 を入力し 転移リンパ節の転移巣の最大病巣径により 3A11 もしくは 3A12 を入力する (3) 進行期分類上必要とされるすべての所見が得られなかったとの理由で 99 または XX とはしない 得られた情報をもとに該当する進行期を選択すること 例えば 後腹膜リンパ節の触診を行わなかった症例を進行期不明 99 とはしない 2. ptnm 分類 1)pT 分類 1A pt1a 1B pt1b 1C1 pt1c1 1C2 pt1c2 1C3 pt1c3 2A pt2a 2B pt2b 3A pt3a 3B pt3b 3C pt3c 99 不明 XXXX 2)pN 分類 術前化学療法施行症例 0 pn0 所属リンパ節に転移を認めない 1a pn1a 所属リンパ節に転移を認める ( 転移巣最大径 10 mm以下 組織所見による ) 1b pn1b 所属リンパ節に転移を認める ( 転移巣最大径 10mm超 組織所見による ) 1 pn1 所属リンパ節に転移を認める ( 転移巣最大径不明 ) X pnx 所属リンパ節に転移を判定するための検索が行われなかった pm1の場合 遠隔転移の部位を入力する PUL 肺転移 BRA 脳転移 PLE 胸膜転移 OSS 骨転移 LYM リンパ節 SKI 皮膚転移 HEP 肝転移 MAR 骨髄転移 OTH その他 (1)TNM 分類はpTNM 分類で示すので 開腹所見お よび摘出材料の組織所見で決定する (2)pNの決定は細胞診または組織診による (3) 術前化学療法を行った症例は FIGO XX pt XXXX pn X pm X と入力し 備考 1 欄にypTNMを 入力する (4)TNM 分類は 卵巣腫瘍 卵管癌 腹膜癌取扱い 規約 第 1 版 (2015 年 8 月 ) では UICC 第 7 版が引き続 き使用されると記載されているが 2015 年以降の登録 ではUICC 第 8 版改定案を使用し 手術進行期分類と対 応させる 所属リンパ節 0 腫大なし 1 触診もしくは画像診断にて明らかに転移を疑うリンパ節腫大あり 2 細胞診にてリンパ節転移と診断 3 組織診 ( 郭清 or 生検 ) にてリンパ節転移と診断 (1)FIGO2014では 触診や画像診断で転移を疑うリ ンパ節を認めても 病理学的検索がなされていなけれ ばリンパ節転移とは診断しないが 本登録では上記に 分けて記録する 3)pM 分類 0 pm0 遠隔転移を認めない 1a pm1a 胸水中に悪性細胞を認める 1b pm1b 実質転移ならびに腹腔外臓器 ( 鼠径リンパ節ならびに腹腔外リンパ節を含む ) に転移を認めるもの X pmx 遠隔転移を判定するための検索が行われなかった 2

組織診断 本項については 今後修正が予定されているが 2015 年症例は以下のように登録を行う < 悪性腫瘍 > 表層上皮性 間質性腫瘍 M01-00 漿液性腺癌 M02-00 粘液性腺癌 M03-00 類内膜腺癌 M04-00 明細胞腺癌 M05-00 未分化癌 M06-00 混合型腺癌 M09-01 その他 : 腺肉腫 ( 同所性 ) M09-02 その他 : 腺肉腫 ( 異所性 ) M09-03 その他 : 中胚葉性混合腫瘍 ( 同所性 ) M09-04 その他 : 中胚葉性混合腫瘍 ( 異所性 ) M09-05 その他 : 間質肉腫 M09-06 その他 : 悪性ブレンナー腫瘍 M09-07 その他 : 移行上皮癌 M09-08 その他 : 分類不能 M09-09 その他 : その他 性索間質性腫瘍 M12-00 セルトリ 間質細胞腫瘍 ( 低分化型 ) M19-01 その他 : 線維肉腫 M19-09 その他 : その他 胚細胞腫瘍 M21-00 未熟奇形腫 (G3) M22-00 未分化胚細胞腫 M23-00 卵黄嚢腫瘍 M24-01 悪性混合型胚細胞性腫瘍 : 卵黄嚢腫瘍 + 未分化胚細胞腫 M24-02 悪性混合型胚細胞性腫瘍 : 卵黄嚢腫瘍 + 未熟奇形腫 M24-03 悪性混合型胚細胞性腫瘍 : その他の混合型 M25-00 悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫 M29-01 その他 : 胎芽性癌 M29-02 その他 : 多胎芽腫 M29-03 その他 : 絨毛癌 M29-09 その他 : その他 その他 M31-00 肉腫 M39-01 その他 : 卵巣網癌腫 M39-02 その他 : 小細胞癌 M39-03 その他 : 類肝細胞癌 M39-04 その他 : 扁平上皮癌 M39-05 その他 : 妊娠性絨毛癌 M39-06 その他 : 悪性リンパ腫 ( 原発性 ) M39-07 その他 : 分類不能 M39-08 その他 : ウオルフ管起源と考えられる腫瘍 M39-09 その他 : その他 < 境界悪性腫瘍 > 表層上皮性 間質性腫瘍 B01-00 漿液性腫瘍 B02-00 粘液性腫瘍 B09-01 その他 : 類内膜腫瘍 B09-02 その他 : 明細胞腫瘍 B09-03 その他 : 増殖性ブレンナー腫瘍 B09-04 その他 : 混合型腫瘍 B09-05 その他 : 分類不能 B09-09 その他 : その他 性索間質性腫瘍 B11-00 顆粒膜細胞腫 B12-00 セルトリ 間質細胞腫瘍 ( 中分化型 ) B19-01 その他 : ギナンドロブラストーマ B19-02 その他 : ステロイド細胞腫瘍 ( 分類不能型 ) B19-09 その他 : その他 胚細胞腫瘍 B21-00 未熟奇形腫 (G1,G2) B29-01 その他 : カルチノイド B29-02 その他 : 神経外胚葉性腫瘍 B29-09 その他 : その他 その他 B39-01 上記以外の境界悪性腫瘍 : 性腺芽腫 B39-02 上記以外の境界悪性腫瘍 : 混合型胚細胞性索間質性腫瘍 B39-09 上記以外の境界悪性腫瘍 : その他 (1) 組織型診断保留中の腫瘍は XXX-XX と入力する (2) 左右の卵巣で上記分類による組織型を異にする腫瘍が存在する時は 左側腫瘍の記号をこの欄に入力し 右側腫瘍の記号は備考 2 欄に入力する ただし 片方が悪性腫瘍で対側が境界悪性腫瘍の場合には悪性腫瘍の方をこの欄に入力し 境界悪性腫瘍の記号は備考 2 欄に入力する 3

漿液性卵管上皮内癌(STIC) 0 なし 1 あり 9 検索せず 治療開始年月日 (1) 腫瘍に対する手術 化学療法 放射線療法がはじめて行われた年月日を西暦で入力する (2) 試験開腹術は治療とみなさない したがって 試験開腹術施行日は治療開始日とはしない 治療法 1) 手術療法 T1 生検のみ T2 片側付属器摘出 ( 嚢腫摘出術含む ) T3 両側付属器摘出術 T4 子宮摘出術 ( 腟上部切断術を含む ) T5 大網切除術 T6 所属リンパ節の摘出 ( 生検または郭清 ) T7 その他 ( 他臓器の合併切除等 ) (1) 手術に関しては施行した項目を連続して入力する < 例 > 子宮摘出術 両側付属器摘出術 大網切除術を行った場合 :T3T4T5 子宮摘出術 両側付属器摘出術 大網切除術 後腹膜リンパ節郭清 横隔膜ストリッピングを行った場合 : T3T4T5T6T7 2) 化学療法および分子標的治療 放射線療法 Ch 化学療法 Rd 放射線治療 Mo 分子標的治療 CM 化学療法と分子標的治療の同時併用 (1) 試験開腹術は治療とみなさないが 治療法と関連があるので初回手術の場合に限り T1 と入力する (2) リンパ節に関して別項にも入力する (3) 既往に子宮ならびに / あるいは対側卵巣の摘出術を有する卵巣腫瘍症例に 今回手術を行い 結果として両側付属器摘出術あるいは子宮摘出術と同等となった場合は それぞれに該当する記号 ( T3 あるいは T4 ) を入力する (4) 手術に関しては 手術によって腫瘍が完全に摘出されたか あるいはなお残存したかは問わない 初回手術の完遂度については別に入力する (5) 同一区分の化学療法の施行中に レジメンの変更があっても入力コードを連記しない (6) 放射線療法では 部位や線源は問わない (7) 免疫療法やホルモン療法は入力しない (8)2つ以上の治療を同時に施行した場合は 主たる治療法を先頭にしてそれぞれの記号を入力する 但し 化学療法と分子標的治療を同時併用した場合は CMと入力する (9) 化学療法と分子標的治療を同時併用した後に 維持療法として分子標的治療の単独投与を行った場合は CM Mo とわけて入力する リンパ節郭清 0 郭清施行せず 1 骨盤リンパ節郭清のみ施行 2 傍大動脈リンパ節郭清のみ施行 3 両者を施行 (1) 入力時におけるリンパ節郭清術施行の有無について入力する (2) 傍大動脈リンパ節の摘出について それを郭清とするか生検とするかの判断は各施設に委ねる 初回手術の完遂度 0 完全摘出 1 不完全摘出 ( 残存腫瘍径が1cm未満 ) 2 不完全摘出 ( 残存腫瘍径が1~2cm ) 3 不完全摘出 (2cmをこえる) 9 不明 (1) 試験開腹術は不完全摘出とする 試験開腹術の定義 試験開腹術とは 進行癌のため後療法の効果を期待し 診断のための生検のみにとどめ閉腹した初回手術をいう 二回目の手術の完遂度 X 施行せず 0 完全摘出 1 不完全摘出 ( 残存腫瘍径が1cm未満 ) 2 不完全摘出 ( 残存腫瘍径が1~2cm ) 3 不完全摘出 (2cmを超える) 9 不明 (1) 初回手術後に施行した手術 (internal debulking surgeryなど ) の完遂度を入力する 再発時の手術はこれに含まない 4

備考 1 術前化学療法を施行した場合はypTNMを入力する 備考 2 左右それぞれに原発したと考えられる異なる組織型の記号 他の部位の癌の合併 ( 例 ) 頸癌など 特筆すべきと考えられる事項を入力する 3 年 5 年予後報告入力要領 治療後の健否 10 生存 ( 非担癌 ) 11 生存 ( 担癌 ) 21 卵巣腫瘍 卵管癌 腹膜癌による死亡 22 他の癌による死亡 23 癌と直接関係のない死亡 29 死因不明 99 生死不明 (1) 治療後満 3 年および満 5 年について生存か否かを入力する (2) 癌による死亡で 卵巣腫瘍 卵管癌 腹膜癌による死亡 か 他の癌による死亡 か不明のときは 卵巣腫瘍 卵管癌 腹膜癌による死亡 とする (3) 死因がはっきりしないが癌による死亡が十分疑われる症例は 卵巣腫瘍 卵管癌 腹膜癌による死亡 とする ( 死因不明 にしない) 最終生存確認年月日 1 ( 西暦年月日入力 ) 2 不明 (1) 最終生存確認年月日を西暦で入力する (2) 生死不明の患者はその生存を確認した最終年月日を入力する ( 退院後行方不明の場合は退院日となる ) (3) 死亡した患者は死亡年月日を入力する その年月日が不明の場合は 不明 を選択する 進行期分類 1. 手術進行期分類 ( 日産婦 2014 FIGO 2014) Ⅰ 期卵巣あるいは卵管内限局発育 ⅠA 腫瘍が一側の卵巣 ( 被膜破綻がない ) あるいは卵管に限局し 被膜表面への浸潤が認められないもの 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの ⅠB 腫瘍が両側の卵巣 ( 被膜破綻がない ) あるいは卵管に限局し 被膜表面への浸潤が認められないもの 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの ⅠC 腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に限局するが 以下のいずれかが認められるもの ⅠC1 期 : 手術操作による被膜破綻 ⅠC2 期 : 自然被膜破綻あるいは被膜表面への浸潤 ⅠC3 期 : 腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの Ⅱ 期腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し さらに骨盤内 ( 小骨盤腔 ) への進展を認めるもの あるいは原発性腹膜癌 ⅡA 進展ならびに / あるいは転移が子宮ならびに / あるいは卵管ならびに / あるいは卵巣に及ぶもの ⅡB 他の骨盤部腹腔内臓器に進展するもの Ⅲ 期腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し あるいは原発性腹膜癌で 細胞学的あるいは組織学的に確認された骨盤外の腹膜播種ならびに / あるいは後腹膜リンパ節転移を認めるもの ⅢA1 後腹膜リンパ節転移陽性のみを認めるもの ( 細胞学的あるいは組織学的に確認 ) ⅢA1(ⅰ) 期 : 転移巣最大径 10mm 以下 ⅢA1(ⅱ) 期 : 転移巣最大径 10mmをこえる ⅢA2 後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず 骨盤外に顕微鏡的播種を認めるもの ⅢB 後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず 最大径 2cm 以下の腹腔内播種を認めるもの ⅢC 後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず 最大径 2cmをこえる腹腔内播種を認めるもの ( 実質転移を伴わない肝および脾の被膜への進展を含む ) Ⅳ 期腹膜播種を除く遠隔転移 ⅣA 胸水中に悪性細胞を認める ⅣB 実質転移ならびに腹腔外臓器 ( 鼠径リンパ節ならびに腹腔外リンパ節を含む ) に転移を認めるもの 5

(1) 卵巣内に限局した状態であったI 期では 卵巣あるいは卵管内限局発育と定義され ⅠC 期では 再分類された ⅠC1 期 : 手術操作による被膜破綻 ⅠC2 期 : 自然被膜破綻あるいは被膜表面への浸潤 ⅠC3 期 : 腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの (2) 原発性腹膜癌にはⅠ 期が存在しない (3) 腫瘍が両側の卵巣あるいは卵管に限局して存在している場合であっても 一方の卵巣あるいは卵管が原発巣で 体側の卵巣あるいは卵管の病巣が播種巣あるいは転移巣と判断される場合には ⅠB 期ではなくⅡA 期とする (4) 手術操作による被膜破綻はⅠC1 期に分類するが 組織学的に証明された腫瘍細胞の露出を伴う強固な癒着はⅡ 期とする (5)S 状結腸は骨盤部腹腔内臓器に分類される (6) 骨盤内 ( 小骨盤腔 ) へ進展するⅡ 期に原発性腹膜癌が含まれたため Ⅱc 期 ( 腫瘍発育がⅡaまたはⅡb で被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞がみとめられるもの ) が削除された (7)Ⅲ 期では 骨盤外の腹膜播種や後腹膜リンパ節転移について 細胞学的あるいは組織学的に確認する必要がある リンパ節腫大のみでは転移と判定しない 転移巣最大径による細分類が追加された ⅢA1(i) 期 : 転移巣最大径 10mm 以下 ⅢA1(ii) 期 : 転移巣最大径 10mmを超える ⅢA2 期 : 後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず 骨盤外に顕微鏡学的播種を認めるもの (8) 遠隔転移を有する例をⅣ 期としたが 胸水中に悪性細胞を認めるのみの例をⅣA 期とする (9) 腸管の貫通性浸潤 臍転移 肝や脾への実質転移は肺転移や骨転移同様にⅣB 期とする ただし 大網から肝や脾への腫瘍の進展はⅣB 期とせず ⅢC 期とする 2. ptnm 分類 (UICC) 手術所見や摘出材料の病理組織学的検索により TNM 分類を補足修正したもので pt pn pmとして表す 1)pT: 原発腫瘍の進展度 ptx 原発腫瘍の評価が不可能 pt0 原発腫瘍を認めない pt1 卵巣あるいは卵管内限局発育 pt1a 腫瘍が一側の卵巣 ( 被膜破綻がない ) あるいは卵管に限局し 被膜表面への浸潤が認められないもの 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの pt1b 腫瘍が両側の卵巣 ( 被膜破綻がない ) あるいは卵管に限局し 被膜表面への浸潤が認められないもの 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの pt1c 腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に限局するが 以下のいずれかが認められるもの pt1c1 手術操作による被膜破綻 pt1c2 自然被膜破綻 被膜表面への浸潤 pt1c3 腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの pt2 腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し さらに骨盤内 ( 小骨盤腔 ) への進展を認めるもの あるいは原発性腹膜癌 pt2a 進展ならびに / あるいは転移が子宮ならびに / あるいは卵管ならびに / あるいは卵巣に及ぶもの pt2b 他の骨盤部腹腔内臓器に進展するもの pt3 腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し あるいは原発性腹膜癌で 細胞学的あるいは組織学的に確認された骨盤外の腹膜播種 pt3a 骨盤外に顕微鏡的播種を認めるもの pt3b 最大径 2cm 以下の腹腔内播種を認めるもの pt3c 最大径 2cmをこえる腹腔内播種を認めるもの 2)pN: 所属リンパ節所属リンパ節としては 傍大動脈節 総腸骨節 内 外腸骨節 仙骨節 閉鎖節 鼡径上節などが含まれる pnx pn0 pn1 pn1a pn1b 所属リンパ節転移の評価が不可能所属リンパ節転移なし所属リンパ節転移あり転移巣最大径 10mm 以下転移巣最大径 10mmをこえる 6

3)pM: 遠隔転移 pmx pm0 pm1a pm1b 遠隔転移を判定するための検索が行われなかったとき遠隔転移を認めない胸水中に悪性細胞を認める実質転移ならびに腹腔外臓器 ( 鼠径リンパ節ならびに腹腔外リンパ節を含む ) に転移を認めるもの 4) その他 (1)y-symbol ptnm 分類決定前に集学的治療がなされた場合は y-symbolを用い以下のように示す ( 例 ) ypt2pn1pm0 (2)FIGO 分類と TNM 分類の対比表 FIGO 分類 ⅠA 期 ⅠB 期 ⅠC1 期 ⅠC2 期 ⅠC3 期 ⅡA 期 ⅡB 期 ⅢA1(i) 期 ⅢA1(ii) 期 ⅢA2 期 ⅢB 期 ⅢC 期 ⅣA 期 ⅣB 期 TNM 分類 T1aN0M0 T1bN0M0 T1c1N0M0 T1c2N0M0 T1c3N0M0 T2aN0M0 T2bN0M0 T1-2N1aM0 T1-2N1bM0 T3aN0/N1M0 T3bN0/N1M0 T3cN0/N1M0 T1-3N0/N1M1a T1-3N0/N1M1b 7