愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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静岡県アルコール健康障害対策推進計画骨子(案)

素案 北海道アルコール健康障害対策推進計画 ( 仮称 ) 平成 29 年 9 月 北海道

300308計画

歯科中間報告(案)概要

目 次 第 1 章 計画の基本的な考え方 1 計画の策定趣旨 1 2 計画の位置付け 1 3 計画期間 2 第 2 章 アルコール健康障害に関する高知県の現状 1 飲酒者の状況 3 2 アルコール依存症患者の状況 6 3 アルコール関連問題の状況 8 4 県民のアルコール健康障害に関する意識 10

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

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01 【北海道】

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

福利厚生基本計画

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容


京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

三重県アルコール健康障害対策推進計画 三重県 平成 29 年 3 月

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都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

計画の今後の方向性

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岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

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も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

第2節 茨木市の現況

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

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第3章 指導・監査等の実施

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

特定健康診査等実施計画 豊田合成健康保険組合 平成 30 年 3 月

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

(7)健診データの受領方法

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問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

特定健康診査等実施計画


スライド 1

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妊娠 出産 不妊に関する知識の普及啓発について 埼玉県参考資料 現状と課題 初婚の年齢は男女とも年々上昇している 第一子の出生時年齢も同時に上昇している 理想の子ども数を持たない理由として 欲しいけれどもできないから と回答する夫婦は年々上昇している 不妊を心配している夫婦の半数は病院へ行っていない

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乳幼児健康診査について

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チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

13【東京都再修正版】平成28年度第2回精神障害者の地域移行担当者等会議【事前課題】シート290222

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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4 父親も育児参画しよう! 父親となる職員に, 配偶者出産休暇や男性の育児参加休暇を取得するよう働き掛けましたか 対象の職員全てに働き掛けは行われている 回答数 76 0 全人数割合 (%) 対象者なし 293 配偶者出産休暇 (3 日 ) 数値目標 31 年度までに配偶者出

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

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広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

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MR通信H22年1月号

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

Transcription:

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺の重大な社会問題を生じさせる危険性が高く その対策は極めて重要な課題である 平成 26 年 6 月に施行されたアルコール健康障害対策基本法において 都道府県は 国の アルコール健康障害対策推進基本計画 を基本としつつ 都道府県アルコール健康障害対策推進計画を策定するよう努めなければならないとされた これを踏まえ 県の実情に即した 愛知県アルコール健康障害対策推進計画 を策定し アルコール健康障害対策を総合的に推進する 2 計画の性格 期間 基本目標及び重点目標 (1) 計画の性格基本法第 14 条に規定する 都道府県アルコール健康障害対策推進計画 (2) 計画の期間平成 29 年度から平成 34 年度までの 6 年間 ( 期間の終期は 健康日本 21 あいち新計画 ( 計画期間 : 平成 25 年度 ~ 平成 34 年度 ) に合わせる ) (3) 計画の基本目標アルコール健康障害の発生 進行及び再発の予防並びに当事者及びその家族への支援の充実により 誰もが健康で安心して暮らすことのできる社会の実現を目指す (4) 重点目標 1 飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し 将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防する 2 アルコール健康障害に関する予防 相談 治療 回復支援に至る切れ目のない支援体制を整備する 3 国 地方公共団体 酒類の販売 製造事業者 国民 ( 県民 ) の責務国 : アルコール健康障害対策を総合的に策定し 実施する 地方公共団体 : 国と連携を図りつつ地域の状況に応じた施策を策定し 実施する 酒類の製造 販売事業者 : 国及び地方公共団体が実施するアルコール健康障害対策に協力 アルコール健康障害の発生 進行及び再発の防止に配慮するよう努める 1

Ⅱ 本県のアルコール健康障害をめぐる状況 1 アルコール販売 ( 消費 ) 数量 2 飲酒の状況 (1) 飲酒の頻度 (2) 生活習慣病のリスクを高める飲酒者の状況 (3) 未成年者 妊婦の飲酒状況 3 アルコールによる健康障害 4 飲酒運転による交通死亡事故 5 相談状況 Ⅲ アルコール健康障害対策の基本的な考え方 基本法及び国の基本計画の基本理念を踏まえた 基本的な考え方 に基づき 4 つの対策 ( 発生予防 進行予防 再発予防 基盤整備 ) を推進する 1 基本的な考え方 アルコール健康障害の発生 進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施する 〇アルコール健康障害を有し 又は有していた者とその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援する 〇アルコール健康障害に関連して生じる飲酒運転 暴力 虐待 自殺のアルコール関連問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう配慮する 2 4つの対策の方向性 (1) 発生予防対策 : 正しい知識の普及及び不適切な飲酒を防止する社会づくり (2) 進行予防対策 : 誰もが活用できる相談場所と必要な支援につながる相談支援体制づくり 医療における質の向上と連携の促進 (3) 再発予防対策 : 円滑に回復 社会復帰するための社会づくり (4) 基盤整備 : 相談及び治療の拠点の整備 人材育成 確保 計画の体系参照 Ⅳ 重点目標 重点目標 1 飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し 将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防する < 目標項目 ( 数値目標 )> 飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底することにより 以下の 3 つの目標を達成する ( 目標は 健康日本 21 あいち新計画 に準拠 ) 1 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の減少 2 妊娠中の飲酒をなくす 3 未成年者の飲酒をなくす 2

項目 ( 指標 ) 現状値平成 34 年度目標 1 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者注 1) の減少 ( 当該者の割合の減少 ) 男性 16.4% 女性 3.6% 男性 15.0% 以下女性 3.0% 以下 2 妊娠中の飲酒をなくす ( 妊娠中の者の飲酒割合の減少 ) 2.3% 0% 3 未成年者の飲酒をなくす (16~19 歳の飲酒をしている者注 2) の割合の減少 ) 男性 16.3% 女性 10.2% 男性 0% 女性 0% ( 現状値 )13: 平成 24 年愛知県生活習慣関連調査 2: 平成 23 年度愛知県母子保健報告注 1)1 日当たりの平均純アルコール摂取量が男性 40g( ビール中瓶 2 本 ) 以上 女性 20g( ビール中瓶 1 本 ) 以上の者注 2) 平成 24 年愛知県生活習慣関連調査において 過去 1 か月間に 1 回でも飲酒した と回答した者 重点目標 2 アルコール健康障害に関する予防 相談 治療 回復支援に至る切れ目のない支援体制を整備する < 目標項目 ( 数値目標 )> 県精神保健福祉センター及び県保健所を相談拠点として明確に位置づけ 相談体制を整備する 指標とする内容現状 ( 平成 27 年度 ) 平成 34 年度目標 相談件数県精神保健福祉センター :73 件県保健所 :499 件相談件数の増 全ての県保健所において アルコール関連問題に対応する地域の関係機関の連携体制 ( 連携推進会議 事例検討会 ) を構築する 指標とする内容現状 ( 平成 28 年度 ) 平成 34 年度目標 アルコール関連問題連携体制の構築 1 保健所全ての県保健所 (12 保健所 ) アルコール依存症に対する適切な医療を提供することができる専門医療機関を指定し 医療体制を整備する 指標とする内容現状平成 34 年度目標 専門医療機関の指定未整備 2 か所以上の指定 Ⅴ 具体的な取組 1 発生予防対策 (1) 教育の振興 普及啓発活動 未成年者 若い世代や妊産婦への飲酒のリスクに関する教育や啓発の推進 依存症に対する誤解や偏見の解消に向けた正しい知識の普及 自助グループとの連携による啓発セミナーの実施 (2) 不適切な飲酒の誘引の防止 未成年者への販売禁止 酒類販売管理者に対する業務研修の受講促進 風俗営業管理者への未成年者への酒類提供禁止の周知徹底 3

2 進行予防対策 (1) 相談支援の充実 専用電話による相談窓口の設置や精神科医師によるアルコール専門相談の実施 地域連携推進会議や事例検討会の実施による地域の関係機関の連携体制の構築 (2) 健康診断及び保健指導 健診 保健指導における早期介入の手法の市町村への情報提供 産業保健分野と連携した知識の普及啓発 (3) アルコール健康障害に関連して飲酒運転をした者に対する指導 飲酒による免許取消処分者講習におけるアルコール依存症( 疑い ) 者への相談や受診の勧奨 暴力 虐待 自殺未遂をした者でアルコール依存症が疑われる者への支援のための地域の関係機関との連携 (4) アルコール健康障害に係る医療の充実 アルコール依存症の治療の拠点となる専門医療機関の指定 専門医療機関における一般医療機関や精神科医療機関との連携強化 3 再発予防対策 (1) 社会復帰の支援 職場のメンタルヘルス対策に関する啓発冊子を活用した依存症の特性や対応方法の知識の普及 当事者の回復に向けた依存症回復支援プログラムの実施 (2) 民間団体の活動に対する支援 連携 自助グループの活動の機会や場所の提供による支援の実施 4 基盤整備 (1) 相談拠点の明確化及びアルコール依存症専門医療機関の指定 相談拠点の明確化及びホームページによる周知 アルコール依存症の治療の拠点となる専門医療機関の指定 (2) 人材の育成 確保 医師の医療従事者や相談支援担当者への研修の実施 Ⅵ アルコール健康障害対策の推進体制と進行管理 庁内関係課室で構成される愛知県アルコール健康障害対策連絡会において連絡調整を行いつつ取組を推進する 計画の目標達成状況や施策の進捗状況は 愛知県地方精神保健福祉審議会など有識者で構成される第三者機関において意見聴取し 進行管理を行う 4

計画の体系 基本目標 アルコール健康障害の発生 進行及び再発の予防並びに当事者及びその家族への支援の充実により 誰もが健康で安心して暮らすことのできる社会の実現を目指す 重点目標 対策 方向性 取組 飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し 将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防する 発生予防 正しい知識の普及及び不適切な飲酒を防止する社会づくり 誰もが活用できる相談場所と必要な支援につながる相談支援体制づくり 教育の振興 普及啓発活動 不適切な飲酒の誘引の防止 相談支援の充実 健康診断及び保健指導 進行予防 アルコール健康障害に関連して飲酒運転をした者に対する指導 医療における質の向上と連携の促進 アルコール健康障害に係る医療の充実 アルコール健康障害に関する予防 相談 治療 回復支援に至る切れ目のない支援体制を整備する 再発予防 円滑に回復 社会復帰するための社会づくり 社会復帰の支援 民間団体の活動に対する支援 連携 相談及び治療の拠点の整備 相談拠点の明確化及びアルコール依存症専門医療機関の指定 基盤整備 人材育成 確保 人材の育成 確保 5