<4D F736F F F696E74202D208BDF8B EF F837C814091E58AE22E >

Similar documents
PowerPoint プレゼンテーション

スライド タイトルなし

X 線 CT における らせん穴あきファントム を用いたスライス厚測定 鹿山清太郎 (1) 伊藤雄也 (1) 山際寿彦 (1) 丹羽正厳 (1), (2) 富田羊一 (1), (3) 辻岡勝美 (4) 加藤良一 (4) 1) 藤田保健衛生大学大学院保健学研究科医用放射線科学領域 2) 市立四日市病院

Microsoft PowerPoint saitama2.ppt [互換モード]

untitled

Japanese Sooiety Society of Radiological Radiologioal Teohnology Technology(JSRT) (JSRT } 名古屋大学医学部保健学科 小山 修司 1. はじめに 放射線検査については どのモダリティについて を想定したファントム

untitled

H24_大和証券_研究業績_p indd

表 1. 成人の各撮影部位の診断参考レベル (diagnostic reference level;drl) 撮影部位 CTDI vol (mgy) 2 DLP (mgy cm) 3 CTDI ファントム 1 スキャン回数日本のサイズ (cm) 25 th percentile 75 th perc

投稿論文 論 文 FPD 搭載血管撮影装置への装置更新に伴う基準線量の変化 竹井泰孝浜松医科大学医学部附属病院放射線部 はじめに 2009 年 3 月に当院の IVR-CT 装置が更新され X 線平面検出器 (Flat Panel Detector: FPD) を搭載した血管撮影装置と, 大口径マル

Microsoft PowerPoint - kVimager.pptx

基礎講座 標準計測法 12 への移行による X 線の校正深吸収線量計測 福井大学医学部附属病院木下尚紀 1. 目的 2012 年 9 月, 水中での電離箱校正および線質変換係数の見直しに対応した水吸収線量計測プロトコルである標準計測法 12 が発刊された 1). 従来の標準計測プロトコルである標準測

標準計測法 12 の概要 名古屋大学大学院医学系研究科小口宏 始めに国の計量法においてグラファイトカロリーメータおよびグラファイト壁空洞電離箱が 平成 24 年 7 月 15 日の官報告示によって水吸収線量の特定標準器として指定された これを受けて日本医学物理学会では 外部放射線治療における水吸収線

1 ガンマナイフにおけるQAガイドラインの必要性

H29市川研-五十嵐final2

株式会社佐藤計量器製作所宮城工場校正技術課は 認定基準として ISO/IEC (JIS Q 17025) を用い 認定スキームを ISO/IEC に従って運営されている JCSS の下で認定されています JCSS を運営している認定機関 (IAJapan) は アジア太平洋試

PowerPoint プレゼンテーション

8 8 0

「医療被ばく低減施設認定」に関するアンケート結果

パソコン接続マニュアル P-01F 日本語

後抄録_CSFRT2012.indd

network_now_1609web掲載用.indd

Ingenia と Achieva 北野病院井上秀昭 第 16 回関西ジャイロミーティング

当たり前品質と魅力的品質 当たり前品質 備えるべき最低限必要な品質. 魅力的品質 利用者の潜在的ニーズを堀り 起こす付加価値を与える品質. 画像検証 QA システムを考えるセミナー 1st. Mar

Taro13-芦北(改).jtd

Taro13-宇城(改).jtd

<4D F736F F D2095FA8EA E A F8AFA8AD492F188C E646F63>

クオリティ・インディケータ(QI)精度管理について ~放射線技師が行う精度管理~

< C93878CBB926E8C9F93A289EF8E9197BF2E786264>

線量測定の方法


不確かさ 資料 1/8

第 7 回日本血管撮影 インターベンション 専門診療放射線技師認定機構 認定技師試験問題 Ⅲ 放射線防護 図表は問題の最後に掲載しています 日本血管撮影 インターベンション専門診療放射線技師認定機構

JCG201S101-03(HP)

Microsoft Word - HP用 同意書・説明書 130121

背景 外傷診療ガイドライン (JATEC) では primary survey 時の出血検索において 後腹膜出血いわゆる骨盤骨折に伴う出血については 骨盤単純 X 線画像 から骨折の有無を確認し 治療を進めることとなっている また 腰椎横突起骨折は後腹膜出血の要因となるため 骨盤単純 X 線撮影でも

08-RT_…V_à_ficndd.indd

3次元量子ノイズ除去フィルタ併用ヘリカルスキャンによる頭部単純CTの画質向上

日本核医学専門技師認定機構定款(平成18年9月16日改訂)

中期経営計画 「NEXTAGE‐05」説明会

1

使 用 機 器 撮 影 条 件 使 用 装 置 は GE Healthcare 社 製 Revolution GSI を 用 い ファントムは Phantom Laboratory 社 製 Catphan Phantom CTP-500 を 使 用 した ( 図 2) 撮 影 条 件 は( 表 1)

Microsoft Word - 卒業論文 筒井final.docx

スライド 1

Microsoft Word - 標準計測法12二刷追加変更修正_ v2.docx

Geometry パラメーターによる SNR の変化 近畿大学医学部附属病院福島弘之

陰極線を発生させるためのクルックス管を黒 いカートン紙できちんと包んで行われていた 同時に発生する可視光線が漏れないようにす るためである それにもかかわらず 実験室 に置いてあった蛍光物質 シアン化白金バリウ ム が発光したのがレントゲンの注意をひい た 1895年x線発見のきっかけである 2

橡matufw

untitled

O


財団法人母子健康協会第三十回シンポジウム

NewBead_no17_4c_pdf.indd

Microsoft PowerPoint - 第27回北海道核医学技術セミナー MS法 HP用.pptm

数名の患者は スキャン後に明らかな過剰放射線被ばくの兆候 例えば 頭髪脱毛又は皮膚の発赤を報告しており この問題への注意を促している もし患者の被ばく線量が予測したレベルよりも高いレベルであるが 明らかな放射線障害の兆候を生じないレベルであれば 問題は表面化せず報告されないで過ぎてしまうかもしれない

内臓脂肪評価目的による 腹部CT法における 再構成フィルタ関数の影響

PowerPoint プレゼンテーション

放射線の人体に与える影響および 放射線とアイソトープの安全取扱の実際Ⅱ   北海道大学大学院医学研究科  加藤千恵次

クレイによる、主婦湿疹のケア

... 6

群馬県野球連盟

<82B582DC82CB8E7188E782C48A47967B41342E696E6464>

untitled


<91E F1938C966B95FA8ECB90FC88E397C38B5A8F708A778F7091E589EF8EC08D7388CF88F5837D836A B E696E6464>

Microsoft Word - 入居のしおり.doc

untitled

( )

syogaku

-26-

untitled


河川砂防技術基準・基本計画編.PDF

4 100g

(3)(4) (3)(4)(2) (1) (2) 20 (3)

untitled




ESPEC Technical Report 12

Taro12-希少樹種.jtd

untitled

裁定審議会における裁定の概要 (平成23年度)

和県監査H15港湾.PDF


日本経大論集 第45巻 第1号

Microsoft Word - MRIfan net原稿 B1+RMS0929.docx

- 1 -

撮影技術分野座長集約 散乱線補正処理のメリット デメリット 座長みやぎ県南中核病院放射線部熊谷伸作 (Kumagai Shinsaku) 座長集約 3 年前に一般撮影領域において散乱線除去用グリッド ( 以下グリッド ) を使わずに高コントラスト画像を取得する画像処理技術 ( 散乱線補正処理 ) が

登録プログラムの名称 登録番号 初回登録日 最新交付日 登録された事業所の名称及び所在地 問い合わせ窓口 JCSS JCSS 年 12 月 1 日 2018 年 5 月 23 日公益社団法人日本アイソトープ協会川崎技術開発センター 神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目

治療計画装置の品質管理

放射線の人体に与える影響および 放射線とアイソトープの安全取扱の実際Ⅱ   北海道大学大学院医学研究科  加藤千恵次

【資料3-1】認証基準_認証基準改正の概要

後抄録_CSFRT2012.indd

Microsoft PowerPoint - hiei_MasterThesis

第 2 回中部放射線医療技術学術大会 RIS 導入時の時の病院側作業に関して 2009 年 11 月 横河電機株式会社 医療ソリューション本部 1 横河電機株式会社医療ソリューション本部 2006Yokogawa Electric Corporation

医政発 0331 第 16 号 平成 26 年 3 月 31 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医政局長 ( 公印省略 ) 医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について の一部改正について 医療機関における診療放射線装置の安全管理については 医療法施行規則の一部を改正する

これを知らずに診療放射線技師 とは言えない! ~JAPAN-DRL~

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx

スライド 1

Transcription:

MDCT における実測値とコンソール表示被曝線量の精度検証 大阪大学医学部保健学科 大岩恵里香 魚澤里奈 白岡彩奈 高岡悠太 松本光弘大阪大学医学部附属病院医療技術部放射線部門佐藤和彦 四十物沙織 渡邉朋哉 この研究発表の内容に関する利益相反事項は, ありません 日本放射線技術学会近畿部会第 57 回学術大会 背景 IEC60601-2-44(2002) において被曝線量情報 (CTDIvol,DLP) をオペレータコンソール上に表示することを勧告 これらの線量情報は設定した撮影プロトコルに対応した値を表示するため事前に線量を把握して検査を開始することができる 目的 コンソール表示被曝線量が実測値とどれほどの精度を持っているのかを検証 CT 線量計における不確かさの見積もり そのためプロトコル作成時及び変更時の有用な線量ガイダンスとして活用できる 使用器具 MDCT: CTDI アクリルファントム : 用 16cmΦ 15cm 用 2cmΦ 15cm 線量計 :UNIDOS-E TN0009 型.14 cc線量計 (CT チェンバ ) PTW0010 線量計 ( ファーマーチェンバ ) 水銀温度計 アネロイド気圧計 装置 AquilionONE CTDI 用アクリルファントム 16cmΦ 15cm CTDI 用アクリルファントム 2cmΦ 15cm UNIDOS-E TN0009 型.14 cc PTW0010 水銀温度計及びアネロイド気圧計 1

吸収線量の測定 X 線 CTにおける線量測定マニュアル ( 公益社団法人日本診療放射線技師会 ) CTDIw CTDIvolを算出 上下左右と中心の 5 点を測定 CTDIw CTDIvol の算出 1 2 CTDIw= CTDI 中心 + CTDI 上下左右の平均 CTDIvol = CTDIw / CT pitch factor CT チェンバ及びファーマーチェンバ 実際のスキャン長 ( 実効スキャン長 ) の検討 多列 MDCT ではスカウト像上に設定したスキャン長よりも実効スキャン長が長くなる傾向がある 各下での実効スキャン長を調べる 実効スキャン長 = コンソール表示値 DLP[Gy cm]/ctdivol[gy] ( 設定スキャン長 :10cm) CT 線量計における計測値の不確かさの見積もり (PTW0009 型 CT 線量計 ) 物理量または手段 相対標準不確かさ (%) 線量校正における不確かさ 5 X 線出力 1 合成標準不確かさ 5.1 相対拡張標準不確かさ ( 包含係数 :k=2) 10.2 列数 64 00mA 列数 2(PF 0.844) FOV S(240mm) 条件 FOV L(400mm) 条件 列数 64 00mA 列数 2(PF 0.844) FOV S(240mm) 条件 FOV L(400mm) 条件 列数 64 PF 0.984 00mA スライス厚 0.625 列数 2(PF 0.969) PF 0.516 FOV SmallHead(250mm) 条件 FOV LargeBody(500mm) 条件 20 列のとき 列数 20 FOV L(400mm) 00mA 500mA 2

: 列数 64 00mA FOV S(240mm) 74. 7.8 0.7 7.1 6.9 0.7 96.0 94.7 1.4 列数 2(PF0.844) 80.2 77.6.4 : 列数 64 PF 0.984 00mA FOV SmallHead スライス厚 0.625 44.9 52. -14.2 22.4 26.2-14.4 PF 0.516 89.7 100.2-10.5 列数 2(PF0.969) 5.1 54.5-2.5 : 列数 64 00mA FOV L(400mm) 4.8 44.4-1. 21.9 22.1-1.0 56.7 56.8-0.2 列数 2(PF0.844) 47. 46.4 1.9 : 列数 64 PF 0.984 00mA FOV LargeBody スライス厚 0.625 22. 25.2-11.6 11.1 12.6-11.9 PF 0.516 44.5 48.2-7.8 列数 2(PF0.969) 26.4 26. 0.2 (64 列 ) : 列数 64 00mA FOV S(240mm) 78.9 82.0-4.1 7. 9.2-5. 102.0 105.7 -.9 列数 2(PF0.844) 89.2 89.6-0.7 : 列数 64 00mA FOV L(400mm) 7.1 5. 5.2 17.0 16.8 1.0 47.9 45.4 5.6 列数 2(PF0.844) 41.8 8.4 8.8 (20 列 ) CT チェンバ ファーマーチェンバ : 列数 20 FOV L(400mm) 00mA 1.9 28.4 12.4 500mA 5.2 48.8 9.1 : 列数 20 FOV L(400mm) 00mA 1.9 27.8 14.7 500mA 5.2 49.7 7.1 各装置の列数ごとの CTDIvol 表示値と実測値の誤差 ( 平均値 ) 64 列 2 列 20 列 ( ) CTチェンバファーマーチェンバ 0.9-0.8.4 1.9-12.9-10. -2.2 0.5 各装置の列数 部位別の実測値 CTDIvol の比較 64 列 2 列 7.8 44.4 77.6 46.4 52. 25.2 54.5 26. -4.4.9-0.7 8.8 10.7 10.9 82.0 5. 89.6 8.4 誤差 (%) 単位 (mgy)

装置毎の列数別 PF 別の実効スキャン長の比較 ( 平均値 ) Aquilion64 GE 社 CT750HD (TOSHIBA:PF0.828) (GE:PF0.984) 64 列 (TOSHIBA:PF0.641) (GE:PF0.516) 16. 15.9 1.7 14.6 14.1 12. 2 列 20 列 ( ) 12.9 12.8 11.8 16.0 単位 考察 各装置によって総ろ過などが異なる 実効エネルギーつまり線質が変わってくる 被曝線量なども変わる ( 軟線は被写体での吸収が大きい ) CT 被曝線量 (DLP) は CTDIvol スキャン長となるため ( 実効スキャン長 ) -( 設定スキャン長 ) の長さの分だけ 被曝が増えてしまうことになる GE 社の装置で被曝線量が低く出た理由としては 実効スキャン長が短いこと 実効エネルギーが高いことがあげられる 考察 コンソール表示被曝線量はメーカーにおいても今回同様の測定から得られた値であることに変わりはない 計測における不確かさの程度は不明である 仮に不確かさが 5% とする 結論 各施設が各装置においてこれらの特徴を把握することにより コンソール表示被曝線量情報は多少の過大評価過小評価はあるものの概ね不確かさの範囲内である 10% を超える誤差は有意な誤差と判断せざるを得ない それぞれに応じて CTDIvol DLP は変化しているため 自施設の CT 装置のコンソール表示値と実測値の把握が重要である ご清聴ありがとうございました : 列数 64 00mA FOV S(240mm) 実効スキャン長 74. 7.8 0.7 16.29 7.1 6.9 0.7 16.2 96.0 94.7 1.4 15.10 列数 2(PF0.844) 80.2 77.6.4 1.72 : 列数 64 00mA FOV L(400mm) 実効スキャン長 4.8 44.4-1. 16.2 21.9 22.1-1.0 16.2 56.7 56.8-0.2 15.09 列数 2(PF0.844) 47. 46.4 1.9 1.71 4

: 列数 64 PF 0.984 00mA FOV SmallHead スライス厚 0.625 実効スキャン長 44.9[45.0] 52. -14.2[-14.0] 14.59 22.4[22.5] 26.2-14.4[-14.1] 14.60 PF 0.516 89.7[89.9] 100.2-10.5[-10.] 14.11 列数 2(PF0.969) 5.1[5.5] 54.5-2.5[-1.8] 12.26 : 列数 64 PF 0.984 00mA FOV LargeBody スライス厚 0.625 実効スキャン長 22.[22.] 25.2-11.6[-11.] 14.60 11.1[11.2] 12.6-11.9[-11.6] 14.59 PF 0.516 44.5[44.6] 48.2-7.8[-7.5] 14.11 列数 2(PF0.969 26.4[26.5] 26. 0.2[0.8] 12.26 (64 列 ) : 列数 64 00mA FOV S(240mm) 実効スキャン長 78.9 82.0-4.1 1.02 7. 9.2-5. 1.02 102.0 105.7 -.9 12.90 列数 2(PF0.844) 89.2 89.6-0.7 11.86 : 列数 64 00mA FOV L(400mm) 実効スキャン長 7.1 5. 5.2 12.76 17.0 16.8 1.0 12.74 47.9 45.4 5.6 12.66 列数 2(PF0.844) 41.8 8.4 8.8 11.7 (20 列 ) 謝辞 CTチェンバ : 列数 20 FOV L(400mm) 実効スキャン長 00mA 1.9 28.4 12.4 15.99 500mA 5.2 48.8 9.1 15.98 大阪大学医学部附属病院放射線部 佐藤和彦 主任技師 四十物沙織 技師 渡邉朋哉 技師 遠地志大 技師 ファーマーチェンバ : 列数 20 FOV L(400mm) 実効スキャン長 00mA 1.9 27.8 14.7 15.99 500mA 5.2 49.7 7.1 15.98 本研究を進めるにあたり 多くのご指導 ご協力をいただきました 皆様に心からの感謝の気持ちと御礼を申し上げたく 謝辞にかえさせていただきます 本当にありがとうございます 列数 64 00mA 列数 2(PF 0.844) 列数 64 PF 0.984 00mA スライス厚 0.625 PF 0.516 列数 2(PF 0.969) 列数 64 00mA 列数 2(PF 0.844) FOV S(240mm) 条件 FOV SmallHead 条件 FOV S(240mm) 条件 FOV L(400mm) 条件 FOV LargeBody 条件 FOV L(400mm) 条件 列数 20 FOV L(400mm) 00mA 500mA 5